ギブソンの明暗 ~経営悪化の3つの理由~

さっき友人から連絡があり、ギブソンが大変らしい。たしかに、飲酒運転で逮捕され、人種差別発言等で不遇の時代があったが、昨年の『ハクソー・リッジ』でまた復活したはずなのだが。また、なにかやらかしたのか。

 

申し訳ない、再度友人から連絡が入り、大変なのは、俳優・映画監督のメル・ギブソンではなく、アメリカのギターメーカーのギブソンのことらしい。どうりで・・・

 

ギブソンとは、エレクトリック・ギターの世界では、フェンダーと双璧をなすギターメーカーだ。レス・ポールモデルというエレクトリックギターで有名である。その会社の経営状態が非常に悪化しているということだ。たしかにデジマートというWeb雑誌での連載が昨年の7月で止まっていた。ギター業界の友人の話では、最近発売したモデルの品質も低下しているとのこと。

 

経営状態の悪化の原因大きく3つあると思う。

 

1、経営の多角化である。近年ギブソンは不動産や金融投資にも手を伸ばし、それらが芳しくない

 

2、他の新興ギターメーカーの勢いに押され、市場における競争力の低下が著しい

 

3、ギターのヴィンテージブーム

 

とくに3番目にあげた理由が、一番大きい経営悪化の理由だと思う。ロック黎明期の1950年~60年あたりに生産されたエレクトリック・ギターは、非常に高額で取引されている。その時代に活躍したギタリストであるジミー・ペイジ、ジェフ・ベック、ジミ・ヘンドリクスなどほぼ全員がギブソンもしくは、フェンダーのギターを使用している。その影響で、それから半世紀ほど経った現代でも、ギターキッズはその50~60年代の楽器をほしがる。その当時のギブソンのレス・ポール、フェンダーのストラトキャスターなんかは数百万円することはざらである。

 

私はギターを10本ぐらい所有しているが、ギブソン社のギターは1本のみ。ES-175というモデルである。これも新品ではなく、中古で買った。1990年代の楽器なので、ヴィンテージというより中古であるが。フェンダーUSAのストラトキャスターも持っているが、これも中古、所有しているギター10本、新品は3本かな。ギターというものは、ほぼ技術的に完成されており、中古であっても保管状態がある程度維持されておれば、新品とそん色ない。むしろ、ギター材である木材のシーズニング、簡単にいえば乾燥が進んで中古の方が音がよいという考えが主流なのである。

 

この中古楽器の方が、新品より価値が高いという件で、思い出したのは、書籍のことである。多くの人々は本を、図書館で借りるか、ブックオフで買うかのどちらかで、新品を購入しようとするのはかなり本好きな人だろう。その結果、出版社の経営は悪化する。書籍はまだ情報性という点で、新品に有利性がある、ギターは厳しい。

 

ギブソンは数年前、チューニングを自動で行えるレス・ポールを新製品として発売した。チューニングという手間のかかる作業を、コンピューター制御により一瞬で完了してしまえるギターだ。

 

ギブソンさん、こういうことじゃないでしょ。ギターキッズは、そういう技術革新は願ってないよ。ギターキッズは、昔のギターヒーローみたいに、ライブの曲間にけだるくペグを回してチューニングするという作業に、フェティシズムを感じるの! 音楽にアナログ性を求めない人は、キーボードとか打ちこみとかを選んでるよ。

 

ギブソンさん、カラマズーのクソ寒い工場で、ギターを作っていたあの頃を思い出せ。だれもハイテクギターは求めていない。

 

メル・ギブソンはしぶとく復活した。オーヴィル・ギブソンさん、今度はあんたの番だぜ。

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