TOWER RECORDSの創業者 死去 タワレコのドキュメンタリーと日本のタワレコ

タワーレコードの創業者、ラス・ソロモンさんが、3/4に死去したとのこと。92歳だったようだ。

最後にタワレコに行ったのはいつだろうか。定期的に行かなくなって久しい。札幌に住んでいたころ、タワレコにはよく行っていた。ふらふらとタワレコに行き、視聴機で何時間も新譜を聴いたり。新譜以外でも、タワレコがフックアップした名盤、知られざる過去の音楽との出会いも楽しかった。インストアライブなどのイベントも魅力だった。タワレコでCDを買い、あの黄色い袋を持って街を歩くと気分が良かった。

今でも、たまに行きたくなる。でも、あの時のようなトキメキを感じることができるかどうか。

日本にはまだ、タワレコはある。生きている。しかし、アメリカでは、ラス・ソロモンさんが亡くなる遥か前に、タワレコは死んでしまっている。

ALL THINGS MUST PASS (2015)というドキュメンタリー映画に、そのタワレコの栄枯盛衰が描かれている。監督は、トム・ハンクスの息子、コリン・ハンクス。

TOWER RECORDSは1960年にカリフォルニア州サクラメントに第一号店をオープン。1999年に最高の10億ドルの利益を記録したが、7年後の2006年には破産申告した。日本ではタワレコは今でも残っているが、本家のアメリカでは10年以上前にタワレコは倒産している。

タワーレコードが10億ドルの利益をだした1999年から破産した2006年までの間に音楽業界で起きたこと、それはナップスターで口火を切った音楽のネット配信の波だ。CDは売れなくなり、ビジネスモデルを更新できなかったタワーレコードは市場で生き残ることはできなかった。

タワレコは画期的なレコードストアとしてアメリカ西海岸から広がった。店ごとに店員が自分たちのお気に入りの音楽をおすすめするスタイルは、タワーレコードが築き上げたものだ。
今では、タワーレコード風の店舗展開の仕方は、様々な業種の店舗で応用されている。

また、タワレコはみんなが音楽と出会える場所として、とにかくどこよりも多い在庫を確保することにこだわった。まだネットもなかった時代。とりあえずタワレコに行けば、探していた音楽に出会える、知らない音楽に出会えるという認識が人々をタワレコへと向かわせた。仲間とたむろしたりするのに、うってつけの場所でもあった。

60年代から90年代へ、アナログレコードからCDへの移行があり、タワレコはアナログレコードの取り扱いをやめた。その時点でタワレコのレコードショップとしての物語は終わり、画期的な文化の中心地としての役割を終えたのかもしれない。CDからデジタル配信への移行は、技術的にも目と鼻の先にあるものだった。

映画のタイトル、ALL THINGS MUST PASSはジョージ・ハリスンの1970年発表のアルバムのタイトルでもある。すべては過ぎ去っていく。栄華を極めたタワレコも、夢の跡。

しかし、日本には、まだ86店舗もタワレコがある。それはなぜなのか。映画の中でそれについての追求はなされていない。日本人はCDを買うのが好きだから?日本人はコレクションが好きだから? 特典が欲しいから? 日本のタワーレコードは売り方がうまいから?

ラス・ソロモンさんの理想郷が日本のタワレコにはあるのだろうか。

タワレコにでも行ってみようか久しぶりに。
そんな気分になっている。

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