Apple Musicで聴きたいミスチルのおすすめ10曲

先日、ついにApple Musicでミスチルの楽曲の全曲配信が始まった。

邦楽で売れているメジャーなバンドや歌手やアイドルは定額配信サービスを無視し続けてきた。必要がなかったのかもしれない。

しかし、やはり定額配信の大きな流れには乗っておくと良いことも多いぞ、ということを認識したためか、徐々にメジャーな人らの定額配信も増えてきている。

ミスチルはでかい。好きにしろ嫌いにしろ、意識せざるをえないでかさがある。

メガヒットしている有名な曲もたくさんあるが、そのへんは避けつつ、この配信のタイミングであらためて聴きたい、再評価したい、ミスチルの名曲を10曲選んだ。

1 ありふれたLove Story〜男女問題はいつも面倒だ〜


「深海」というアルバムに入っている1曲。 ラブソングを俯瞰で捉えた、自己批判的な曲。
映画「ブルーバレンタイン」にも描かれたような男女の出会いから盛り上がり、そして冷め切っていくまでのストーリーがブルージーに歌いあげられる。

愛は消えたりしない 愛に勝るもんはない なんて流行歌の戦略か そんじゃなに信じりゃいい 明日へ向かえなんていい気なもんだ

っていうこの歌の中の言葉は、自身の楽曲にも向けられているのだろう。

それを重々にわかったうえで飲み込んだ上でのラブソングを歌い続けるミスチルの業の深さに感服。

2 LOVEはじめました


It’s a wonderful worldというアルバムの中の1曲。これもまた、自己批判的な曲。「LOVE」というのは、「ポップス」ということだと解釈できる。 さぁさぁ、みなさんお待ちかね、「ポップス」鳴らしていきますよ、と半ば自虐的に歌った曲。

相変わらずだねって 昔付き合ってた女にそういわれた よくとっていい意味なのか悪い意味なのかわからずしばらくヘラヘラ笑ってた

って歌詞、これ、俺のことだよ!って思うボンクラも多いのでは。

聴き手に「自分だけがわかることを歌っている」と勘違いさせるのがまさにミスチルがポップスの巨人たる所以。

3 雨のち晴れ


Atomic Heart というアルバムに入っている1曲。ユニコーンの「働く男」や「ヒゲとボイン」を彷彿とさせる、中流サラリーマンの苦悩、悲哀を歌った曲。26歳くらいの時に聴いて、うっ!となった曲だが、30になり改めて聴くと、より一層、うっ!となる恐ろしい曲。

4 羊、吠える


SUPERMARKET FANTASYというアルバムに入っている1曲。

なんだか達観していて甲斐性のないだらっとしているボンクラの歌。人生など、いいこと49、やなこと51くらいの比率でっせ、という。

桜井和寿は全能な男だが、そうではない人間の描写が天才的にうまい。ミニマルな悩みを大きなスケールの人たちに届ける達人である桜井和寿の技を味わえるナンバー。

5 Mr. shining moon


デビューアルバムのEVERYTHINGに入っている曲。90年代初頭の渋谷系のトレンドも汲んだと思われる軽妙なソフトロック。今のミスチルとのスタイルの違いを感じさせながらも、バンドのルーツが息づいている佳曲。

6 メインストリートへ行こう


ミスチルの2枚目のアルバムVERSUSの中の1曲。あまりにもエルビス・コステロ。これは自覚的にやっているのだと思う。そこがまたよかったりする。

7 Marshmallow day


すごくポップ。2012年に出た (an imitation) blood orangeというアルバムに入っている1曲。

好きなひとに会いにいくまでが一番盛り上がる、遠足の準備が一番楽しい的な歌。愛人、不倫の刹那な交友関係を思わせる官能的な歌詞でありながら、メロディが突き抜けてポップなのがよい。

腹上死の白昼夢、退屈な日からの逃避。

8 靴ひも


2005年リリースのアルバムに入っている1曲。イントロはスマッシング・パンプキンズの「1979」の引用的フレーズ。

会いにいくか行かないか迷って、結局会いに行く。なんとなく匂わせている背徳感。 靴ひも結ばずに、格好つけてる暇なく、あっち側に溺れていくという歌。

9 I can make it


2015年にリリースのアルバムReflectionsの中の1曲。

こういう曲に見え隠れするミスチルのドロッとしたところ。仕事に追われてもう締め切り間に合わねぇよ死にたい、って気持ちの歌。

ソリッドな演奏にロックバンドとしての体力も感じさせる。

歌詞にある、「全編を通し暗いタッチで描かれたモノクロの映画」っていうのが気になる。

10 ROLLING ROLLING 一見は百聞にしかず

これも、アルバムReflectionsの中の曲。「いいかい、そこのご両人!」とシャウトし、人生は理不尽なものですよ、と綺麗事をはぎとっていく。中流のやさ男がまじめに生きていても親友に寝取られ女房に逃げられという顛末はよくある話なんだぜ、という夢も希望もないことをまくしたてられる。

これもまた自己批判的な曲。定期的に自己批判的な曲を歌うことで、バンドとしての精神衛生を維持しているような気がする。

ポップスを体現するのは大変だ。

以上、ミスチルのApple Musicで聴きたい10曲。

Apple Musicで聴きまくってほしい。

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映画、音楽、本のことを中心に、役に立つかどうか度外視して書きたいこと書こうと思っています。サブカルなイベントもよく行くので、そのレポートみたいなことも書くかもしれません。