絶倫男が大活躍する映画3選

小さく前ならえで、行儀よく、コツコツとヘコヘコと働いて生きて、ささやかな楽しみはひとり部屋で飲むトクホのコーラ。同年代は結婚キメ込んで人生のレンガ積み上げる中、会社組織のレンガの壁の一枚となり果て、浮いた話もなく我慢と清貧の日々に靴底すり減らす私やあなたの日々。

そんな日々に蓄積した負の衝動がスパークして犯罪に手を染める前に、観ておきたい、絶倫男たちが痛快に大活躍する映画を3本選んだ。

大奥浮世風呂(1977)

監督:関本郁夫
脚本:田中陽造
出演:志賀勝、松田英子、ひろみ麻耶、

ピラニア軍団の志賀勝扮する絶倫男が大活躍!
江戸の封建社会を舞台とした反権力、反骨のヴァイブスが痛快な一作。

将軍の子どもをめぐる政治的策略、男の欲望、女の欲望。性欲と権力欲に振り回され狂っていく人間たちを描き、皮肉っている。「こんなもん一本で、みんなおかしくなっちまう」、と、志賀勝が切り取った将軍のアレをポイと捨てると、カラスがそれをくわえて飛び去っていく描写は鮮烈。

下品で露骨で凶暴な性的描写が嵐のように吹き荒れる中、志賀勝演じる絶倫男の純朴な「恋愛感情」が男はつらいよやトラック野郎にも通じる人情を醸し出しており、作品に奥行きを与えている。

低俗で過激でありながら、性行為とは、性欲とは、男と女とは。そんな深遠なることも考えさせる名作。

娼年 (2018)

監督:三浦大輔
脚本:三浦大輔
出演:松坂桃李、小柳友、西岡徳馬、佐々木心音

平成の絶倫男、松坂桃李がぶちかます!

映画の冒頭からムーディで陶酔的な音楽が流れる中、怪しくゆらめく松坂桃李のケツが脳裏に焼きつく!ロマンポルノの往年の名作を彷彿とさせる、エロスとロマンを描き切った、松坂桃李が役者としての幅を広げ大躍進を遂げた傑作。

西岡徳馬に佐々木心音と松坂桃李が見せつけ変態プレイをかますシーンは映画史に残る名場面。この映画の濡れ場の演出、演技指導は殺陣を演出するかのごとく行われたらしい。結果として、アクロバティックでありながら荒唐無稽にならないバランスの、臨場感と色気が満ちた見応えのある濡れ場がめくるめいている。

松坂桃李演じる主人公は、女性を客として相手する娼夫としてスカウトされ、育てられ、ルーキーから経験を積んで成長していく。女性に対する浅はかな理解、性行為に対する決めつけや思い込みから解放される。

しかし、夜の世界での経験と成長は、昼の世界の人間との距離の広がりを意味していた。
友人であり、大学の同級生のめぐみ。自分に恋愛感情を抱いている彼女を、プロとしての行為で相手するシーンのエロスと切なさよ。

この作品もまた、性行為と人間関係について考えさせるものであった。

御用牙(1972)

監督:三隅研次
脚本:小池一夫
脚本:勝新太郎、朝丘雪路、渥美マリ

勝新太郎扮する江戸奉行所の御用牙、カミソリ半兵衛は己の「世直し棒」ぶん回し暴れ回る、絶倫野郎!

70年代のフュージョン系、ファンクな音楽がクール。カミソリ半兵衛が自分の棒で「世直し」している場面でムーディーなフュージョンが流れるのがいいね!

江戸奉行所の御用牙、カミソリ半兵衛の住まいには己の「世直し棒」トレーニングのための設備が整えられている。なぜなら股間の「世直し棒」は半兵衛にとって世直しで使う最強の武器なのだ。カミソリ半兵衛のジャスティス(a.k.a.世直し棒)がぶちこまれれば、どんな女性も秘密を吐く。

勝新太郎による「プロダクション勝」が製作。 型破り、モラル度外視の世直しスタイルの主人公は痛快であり、勝新太郎のその魅力、映画への愛が感ぜられる。

以上、爽快、痛快!絶倫男たちが活躍する映画を3つ選んだ。人生まだまだこれからだ!

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映画、音楽、本のことを中心に、役に立つかどうか度外視して書きたいこと書こうと思っています。サブカルなイベントもよく行くので、そのレポートみたいなことも書くかもしれません。