2018年上半期でおすすめの音楽 アルバムとシングルとリイシューと番外

アルバム

SOPHIE – Oil Of Every Pearl’s Un-Insides

ソフィーの新譜の評価は世界中で真っ二つだ「幼稚だ」「いやかっこいい」キリがない
RAというサイトやYouTubeのコメント欄、redditでもリリースされた直後から罵り合う光景が目につく
SOPHIEについては3~4年の流れがあっての今なので、ぜひ自分で調べてほしい。
ただ僕は目がくらむようなポップを作ってきたSOPHIEがアルバムのラストに
「Whole New World/Pretend World」(新しい世界、偽りの世界)というタイトルで
リスナーにカマしてくれた事について評価したい
このアルバムはドープな作品では無いかもしれないが、2018年に出るべくして出たアルバムだと思う
ぜひ一聴を

国府達矢 – ロックブッダ

15年ぶりのアルバムをリリースしたロックブッダ、先ず驚かされたのがその音質と音像だ
ソリッドでもロックンロールでもなく、まさしく「ロック」ど真ん中
これが2018年のロックだ!と聞いているうちに思った。
運良くリリースパーティにも行くことが出来て本人を目の当たりにすると、ダイナミックな踊りと熱烈なシャウトで場を盛り上げる、その傍ら心配そうにステージ脇から見ていた七尾旅人が印象的だった。

Prime Minister Of Doom – Mudshadow Propaganda

この音楽を説明するのは非常に難しい、なんと言っても目まぐるしくここ3 ~4年で名義やレーベルなどをコロコロ変えており、しかも正体は明かしていないのだ。
首謀者はドイツのDJ Metatron、と聞いてもほとんどの人が知っているわけが無いと思う
かつて彼が放った「2 The Sky」というシングルに一発でヤラれた事が始まりだ。
今回のPrime Minister Of Doomも、もしかしたら変名なのかもしれない。
音を聞けば分かるが、非常にシンプルなテクノだ、だが聞けば聞くほど、沸点ギリギリを攻めているという印象を持たされるという、テクノでは珍しい音だと思う。
ドイツはW杯で一回戦目に負けてしまったが、音楽においては世界をリードし続けている、圧倒的だ

のん – スーパーヒーローズ

たまにある参加アーティストが豪華すぎるという例に漏れないこのアルバム
篠原ともえ、木村カエラ然り、のんの魅力はアーティストには十分すぎるほど伝わっている。
僕が一番驚いたのは、のんの歌唱力もそうだが、参加者に尾崎亜美がいたこと、彼女の作るメロディは個人的に日本トップクラスだ、このアルバムには「スケッチブック」として収録されている。
イントロから尾崎節全開で彼女の本気を見た気がした、のんはこの曲と共に生きて人生を全うしてほしいと思う。
清水富美加が出来なかった事を能年玲奈がしている、この展開はとてもワクワクする。

シングル

Unknown Artist ‎– Uniile 2

正体不明のハウストラック(大部分は大御所の変名)
痛快なビートと素晴らしいベースラインが効いていて何回聞いても飽きなかった。
discogsでは1番目も含めて1000ドル以上まで高騰している。

VaVa – Call

PUNPEEも所属してるSUMMITレーベルのラッパーの新譜
去年の1stアルバムは気持ちがlowで全体的に暗くなってた(それはそれで好き)
がこの曲ではどうやらVaVaの内面に変化があったようだ。
若いラッパーは気持ちをすぐにラップとして表現できるので、それがリスナーは待ち遠しいのだ。
「もうカッコつけないよ」のパンチラインは、「かっこいいことはなんてかっこ悪いんだろう」を1ミリほど彷彿させる1ミリね

Omar-S – Games That We Play

荒廃したcityデトロイト、Omar-Sはデトロイトにとどまり続け世界を驚かすトラックを作り続ける。
1時間も車で行けばアッパータウン、ミシガンがあるというのにこの落差は何だろう。
今Omar-Sはデトロイトテクノを背負っておる若手だ、どう切り開いていくのか、
それとも…..
ただ日本の高円寺にいる堕落した中年の男にはその本気さが刺さったわけであります

リイシュー

新崎純とナイン・シープス – かじゃでぃ風節

「かじゃでぃ風節(ふーぶし)」は琉球古典音楽・琉球舞踊を代表する曲で、結婚式などのめでたい席で演奏される大定番だ。
それをある日(1977年)新崎純というイッたミュージシャンがビッグバンドで演奏したらどうなるかと言って、総勢13人でリハ無しの一発撮りをしたテイクが最近見つかってリリースの運びになった。
「スピリチュアル」とは陳腐な表現だが、これ以外に思いつかない。
宗教国で無い日本において宗教の一角を音のみで確実に感じられる最高の演奏になっている。

Move D ‎– Kunststoff

Move Dと言えばテクノを知っている人ならば「ディーープ」と惨事を送るだろう、その彼の処女作が復刻した。
この時代(1995年)の彼の作り出した音は粗削りで非常に人間臭い、現代では表現できるのか?と思うほどだ。
個人的に森下くるみのAVデュー作「うぶ」を思い出す。
そう、まさに音が「うぶ」なのだ、Move Dはそれまでの蓄積をこのアルバムぶち込んだに違いない。
その5年後には森下くるみも激しくぶち込まれている。
何が言いたいかというと「デビュー作は素晴らしい」その一言に尽きる

番外

JJJ – MIND(yefreestyle)ft.KID FRESINO

Fla$hBackSの三人、JJJ、Febb 、Kid Fresno、彼らはJ-RAP界のトップランナーだった。
Febbの死は今年前半のターニングポイント
個人的にこの曲にはJohn Coltraneが見え隠れする、若者の素晴らしさ、まさに太陽だ。
明日から一生懸命生きよう、そう思わせてくれるJJJ&Kid Fresino、R.I.P. Febb
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