地殻変動の音が聞こえる。革命の娯楽映画「カメラを止めるな!」

映画が好きで、とにかく時間さえあれば映画ばっかり観ている。2018年も上半期が終わり、数えて100は余裕で超える本数の映画を観てきた。

映画が好きです、って話をすると、オススメはなにか?と必ずのように聞かれる。正直、なかなか一本絞ってこれ!っていうのはいつも難しく感じる。たくさんの名作があり、好みもそれぞれだし。

しかし、今なら言える。オススメはこれ!って。2018年上半期観た中でも、ぶっちぎりの推薦映画。それは、「カメラを止めるな!」。

37分ワンカットという無謀な挑戦を含む大人の青春のドキュメントであり、新人監督、無名の俳優たちによって作り上げられた奇跡のスーパー娯楽作品。

有名な原作もない、新人監督、無名のキャスト、予算も時間もない。そんなどん詰まりな条件をすべて逆手に取って、映画の革命をぶちあげている。

これは誇張でもなんでもない。

池袋シネマロサにて鑑賞してきたが、上映中の笑い声と、上映後の鳴り止まぬ拍手が、すべてを物語っていた。

6/23から東京都内では新宿ケイズシネマと池袋シネマロサで公開されているが、口コミで評判が広がり、連日満員を記録しているそうだ。

内容に触れるとネタバレになり、ネタバレしないで観た方が絶対にいい映画なので、詳しい内容のことは書けないが、とにかく面白く、そして、「青春」なのだ。

パンフレットでは上田慎一郎監督が「この映画は計算してつくったフィクションであると同時に、あの夏の僕らの挑戦が映ったドキュメンタリーでもあるのだ」と発言している。

大人が損得を超えて本気で無茶をして作り上げたものには、魔法が宿る。それは、劇場版テレクラキャノンボール2013を初めて観た時にも感じたことだ。

この作品を観れば、「映画は終わった」だなんて言えなくなる。あらゆる映画が撮り尽くされたかのようなこの時代において、映画づくりの、ものづくりの初期衝動がビンビンに感ぜられるのだ。ロックンロールを初めて浴びた中学二年生みたいに胸が高鳴る。

パンフレットでは、上田慎一郎監督が、こんなことを言っている。

「この映画は、いまどき、人が転ぶ場面がたくさんある。走っては転んで。起き上がっては、また走って。あの夏、僕らも転げまわりながらこの映画を撮っていた。転ぶのは走っているからだ。転ぶのは余裕がないからだ。手に負えないことをしないで、何が映画だ。ずっとずっと転べる大人でいたい。転げまわるように映画を撮っていきたい。」

痺れる。

「手に負えないことをしないで、何が映画だ。」

ゴゴゴゴゴッと地殻変動の地響きが聞こえる。

日本映画の未来は明るい、と期待に胸がざわつく2018年の夏なのだ。

 

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映画、音楽、本のことを中心に、役に立つかどうか度外視して書きたいこと書こうと思っています。サブカルなイベントもよく行くので、そのレポートみたいなことも書くかもしれません。