日本でこれから公開する映画の海外サイトレビュー 勝手に訳してみた 「アメリカン・アニマルズ」 海外評価 (日本公開日 2019/5/17) ネタばれ

原文
https://www.news.com.au/entertainment/movies/new-movies/american-animals-a-truly-electrifying-movie/news-story/b2e7f64e899fa8fc3a383b9d32ff0145

文: Weniel Ma
October 22, 2018 2:41pm

アメリカン・アニマルズ:本当の意味で衝撃的な映画

◆ジャスティン・ビーバーも、インフルンサーという言葉の認知もなかった2004年、とある4人の中流の白人の大学生たちにとっては、特別であるということが何か別の意味を持っていた。

特別な人生を送るとは、どういうことか?

それは平穏でありふれた育ちへ反旗を翻すことか? 普通の仕事を、郊外の一軒家を、ステーションワゴンを、ジムのメンバーシップを突き返すことか? 武勇伝となるような、決定的に重要なことが自分に起こることを切望することか?

ある種の名声や悪評を追い求めてyoutubeやinstagramなどのソーシャルメディアに動画や写真をあげて己を晒し、自分は群れの中の一匹ではないと誰かに気づいてほしいと願う人は、年齢に関わらずとても多い。

ジャスティン・ビーバーも、インフルンサーという言葉の認知もなかった2004年、とある4人の中流の白人の大学生たちにとっては、特別であるということが何か別の意味を持っていた。「アメリカン・アニマルズ」では、彼らをめぐり、ぐいぐい観るものをひきこむストーリーが展開される。

実話をベースに作られた今作は、2018年にアメリカで公開された中でも最も印象的な作品の一つとなった。

◆本来ならば中止されるであろうクレイジーで成功しそうもないアイデアが、そうはならず、オーシャンズ11やノワール映画をみて学生が思いつくファンタジーのようなものとして始まったものが、突如、リアルになっていく。

古臭いウィッグ、オーバーサイズのトレンチコート、そして特殊メイクで変装し、彼らはケンタッキー州トランシルヴァニア大学の図書館の貴重な蔵書のコレクションを強奪する。その中には、ジョン・ジェームズ・オーデュボンの「アメリカの鳥類」の初版も含まれていた。

奪ったものの総額は、$750,000。

芸術科の学生であるスペンサー・レインハード(バリー・コーガン)は、自身のアート作品でも使用できる、モネやヴァン・ゴッホにもあったような、いわゆる「リアルな経験」を求めている。ヴァン・ゴッホが晩年に拳銃でそうしたように。スペンサーは人生に火をつけたいと思っていたが、具体的にはまだなにも決まっていなかった。

ある日、図書館を見て回っている時、スペンサーは貴重な蔵書と彼自身の間に立つのは、ひとりの孤独な司書しかいないということに気づく。彼はそれを友人のウォーレン・リップカ(エヴァン・ピーターズ)に話す。ウォーレンはスポーツ奨学金で大学に通い、現状に不満を抱いている学生だ。

その思いつきの一言が、18カ月にわたる入念な計画のはじまりとなった。アムステルダムで面接を行い、FBI志願であるエリック・ボーサック(Jared Abrahamson)とチャズ・アレン(Blake Jenner)も仲間入りした。

本来ならば中止されるであろうクレイジーで成功しそうもないアイデアが、そうはならず、オーシャンズ11やノワール映画をみて学生が思いつくファンタジーのようなものとして始まったものが、突如、リアルになっていく。

サスペンスに満ちた強盗のシークエンスは、俊敏なカメラの動き、スピード感のある編集、そして困惑と後悔を孕んだ素晴らしい演技によって、作り手の手応えが伝わるような出来栄えになっている。

◆本作は、ドラマとドキュメンタリーを統合させた、革新的なハイブリッドな形式であることで、より素晴らしいものとなっている。

監督は、The Imposter(2012)のブリット・バート・レイトン。「アメリカン・アニマルズ」はスリリングで、観る者をひきこむ映画であり、与えられたレール、特権に目を向けず、それを捨ててでもなにか特別なものになりたいという願望について、掘り下げて描いている。

もしレイトンが今作を純粋なドラマとして描いていたとしても、それは心に訴えかけるものがあり見応えのある作品になっていただろう。しかし、本作は、ドラマとドキュメンタリーを統合させた、革新的なハイブリッドな形式であることで、より素晴らしいものとなっている。

映画の中では、実際のレインハード、リップカ、ボーサックそしてアレンがカメラに向かって話す場面が差し込まれている。それは、ここで描かれているのは実際に起こったことであり、これらの人々がやったことなのだ、と、ストーリーにシリアスなアンダートーンを与えることに成功している。

しかしそれはただの事実の声明に終始するわけではない。レイトンはそれらの実在の人物を俳優のエヴァン・ピーターズが出ている場面に登場させる。車の中、エヴァン・ピーターズの横に実際のリップカが座っている。静かに、いかにして若い時の愚行が彼の未来を破壊してしまったかを熟考しながら。

そのように第四の壁を破壊することは、よくない方向に作品を変えていくこともあるテクニックだ。観客を映画の世界から引き離してしまう恐れがある。しかし、今作ではむしろ、観客を引きつける重力として機能している。それは、著作者が誰であるかということ、記憶や回想が孕む誤りというテーマに関して本作が取り組んだ実験であり、この映画はセンセーショナルにそれを成功させている。

レイトンはドキュメンタリーとドラマの間でのトランジションを天才的なスキルで成し遂げている。それは決して、テレビ番組「アメリカズ・モスト・ウォンテッド」の番外編エピソードのような印象を与えてはいない。

「アメリカン・アニマルズ」は普通とは違った種類の映画であり、本当の意味で衝撃的なストーリーを展開している。目的と意味がちゃんとあるということとストーリーテリングの形式が斬新であるということを両立しているのだ。

評価: ★★★★½

★今作の日本での扱い

日本では2019年5/17金曜から公開される。都内では新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷、Tジョイ品川などで上映予定。ゴールデンウィーク明けの暗い気持ちに、人生を破壊してでも特別になりたいという願望、を掘り下げたとされるこの映画を観て、なんとか生きのばしたいものだ。

http://www.phantom-film.com/americananimals/sp/

 

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