ついに、2019年の春、100作目を迎えたという、公共放送の朝ドラ。
その記念すべき作品は、なんと広瀬すずが主演で、加えて、北海道の十勝が舞台!
アニメーター、奥原なつの人生を描くという。
それは特別だ、という事で、2019年4月1日からはじまったこの、「なつぞら」
追いかけていきたい!
今回は、第5週、第25話から30話のまとめだ。
●第5週 「なつよ、お兄さんはどこに」
◆第25話
「じいちゃんになんにも感じてもらえんかったら、わたしの負けだから」
演劇の様子。
先週のハイライトから。
「なつたちの表現が、泰樹さんの心に、響きました。」とウッチャンナレーション。
「わしゃ、決めた!」と草刈正雄演じる柴田泰樹。
「泰樹さんは早速、組合員に団結を呼びかけたのです。十勝の酪農は、新たな一歩を踏み出しました。」
歓喜する山田正治をはじめとした農家のひとたち。
「こうして、なつたちの演劇は、終わったのです」
そして流れる、優しいあの子!
クレジット。料理監修、住川啓子。
月曜のはちょっと長い。
“口にするたびに泣けるほど
憧れて 砕かれて
消えかけた火を胸に抱き
たどり着いたコタン”
って部分が。
コタンってなんだろう。
場面は、演劇の舞台装置を壊して燃やしてるところ。
天陽くんの書いた馬の絵が、燃えている。
それをみつめる、なつと天陽くんと雪次郎とよっちゃん。
「何日もかけて描いたのに、消えちゃうんだね」
「それはみんなの舞台もおんなじだべさ。」
「そだね」
となつと天陽くんのやりとり。
「勝農演劇部は、地区大会で負けました。誰も口にはしなかったけど、あの歌が敗因かと思います。」とナレーション。
カドクラさんが、セリフ忘れて、FFJ組合の歌を歌ったのだ。
「俺たちは試合に負けて、勝負に勝ったんだよな!」
とカドクラさん。
それは違う、という空気に。
そして
「おい奥原、俺は、この舞台が成功したら、言うべと思ってたんだ。….奥原、言うぞ、….卒業したら俺の、嫁になってくれ!」
まさかのプロポーズ!
「答えはすぐじゃなくていい」
と言うも、なつ、即答で
「ごめんなさい!」
あえなく撃沈!
嗚呼、番長!
場面は変わり、草刈りをする草刈正雄。柴田家の面々、山田家の面々。
「8月になり、なつたちは、夏場の牧場には欠かせない草刈りをしました。3日続けて晴れる日を狙い、刈った草を干して干し草にします。それをわけてもらうため、天陽くんの家族も手伝いました」
夏の十勝!
ゆみこは、部屋で受験勉強。
干し草を積んでいるなつ。農作業服の広瀬すずと干し草で多幸感ある映像に。
牛飼いと草刈りは、切っては離せない大事な仕事なのだ。
草刈りの後、なつに、山田家からプレゼントが渡される。せめてもの感謝のしるし。
あけてみると、それは、絵を描く絵の具のセットだ!
ニンマリと喜ぶなつ。
そして、干し草に寝転び、馬車でじいさんと帰り道のなつ。
「おい、なつ。ちょっと、言っていいか?…お前を、天陽とは一緒にさせられん」
となつに切り出すじいさん。
「え?なんなの突然」
「天陽が、うちの婿になるなら別だが、なつには将来、うちの牧場を継いでもらいたい」
「テルオ兄ちゃんいるし」
「テルオだけでは支えきれん。いずれ、バター工場も作りたいしな。それがいやなら、はっきり言ってほしい。お前の意志を、無視する気は無い。無理強いはせん。」
「急にそんなこと言われても、、じいちゃん、わたしと天陽くん、そんな仲じゃないから。」
む、と微妙な顔になり
「そうか、それなら、安心した」とじいさん。
なつも、将来を具体的に考える年頃だ。
そして、場面は柴田家。
「わたし、北大を目指すことにしたから」
とゆみこ。
「大学行って、どうするのさ? 」と富士子
「大学は勉強するとこだよ」
「女の子が、大学行ってどうするのさ!」
「はあ?」
とやりとり。
「まぁ、北大はもともと農業学校だからな」、とフォロー入れる剛男。
「農業とは関係ない。わたしが目指すのは文学部だし! そのあと、どうするかなんて、学んでから考えるし。」とゆみこ。
「年取ったら、いい縁談だって少なくなるのよ!」
という富士子に対し、
「母さんがそんなつまんないこと言うなんて!母さんは、つまんないことがつまんないって自覚できてないんだわ。それは、この街でしか生きてないからよ!わたしは、努力してこの街から出て生きたいの!自由になるため、広い世界をみるため!」と、心を叫ぶゆみこ。
ムムム!となる富士子。
そんなタイミングで、なつを訪ねて、お客さんが。
佐々岡のぶやという青年。
東京からきた、と。
なつと東京で生き別れた、ノブさんだ!
その時なつは、草むらにイーゼルをたて山脈の絵を描いてた。
「なつよ、のんびり絵を描いてる時では、ないかもよ」
とウッチャンナレーション。
◆第26話
冒頭、草原で絵を描くなつ。
そこへ忍び寄る、ひとりの青年。
なつに向けて、手を振っている
「なぜだろう、その瞬間、風が吹くように、私の中でその光景が蘇りました。10年前、東京に空襲があったあの日。私は、その人に救われたのです。」
となつの心の声。
そして、優しいあの子!
日常の重力を少しでも軽くしてくれる音。
忍び寄ってきた青年。
「奥原なつ…なっちゃんか?俺は、誰だかわかるか?」
「….ノブさん?」
感動の再会。
ノブさん、十勝まで、なつを訪ねてはるばると。演じているのは、工藤阿須加。
しかし、聞くところによると、なつの兄はどこにいるかわからないらしい。
なつが兄に出していた手紙は、ノブさんが受け取っていた。
実の兄に届いていなかったが、ノブさんに読んでもらえていたと知り、
「いかった。手紙出して」となつ。
いかった=よかった
「さいたろう(なつの兄)は、生きているよ」
とノブさん。
いまはわからないが、四年前までは、ちゃんと生きていると言っている人に、新宿で出会ったという。
孤児院を抜け出した後、新宿の闇市にもぐりこんでいたという。
しかし、いまは行方がわからない。
そして、テルオが呼びにくる。
複雑な表情だ。
柴田家、牛舎の男たちも、勢揃い。
どうやら、ノブが東京へなつを連れ戻しにきたと思ったようだ。
「いまさら連れてくなんて、言わんでもらいたいんだわ!」と牛舎の男たち。
「大丈夫です、そんなことはしません。安心してください。僕はただ、なっちゃんが元気でいることを確かめたかっただけですから。」とノブさん。
一安心。
「なっちゃんが、こんなに皆さんから大事にされていて、ほんとによかった。ありがとうございます。」
いまは、新聞配達をしながら夜間の大学に通っているというノブさん。
孤児院を出てから、働きながら定時制高校に通ったとか。苦労人だ。
それを聞いて「えらい!!」と富士子。
自分が大学行きたい話をしたときの反応と違うので、不服そうなゆみこ。
そして、なつの兄、咲太郎の話に。
新宿では、芝居小屋で働いていたという。そこは、四年前につぶれてしまったが。
しかし、咲太郎は、いまでもどこかで元気にしてるはずだ。
なにか分かったら連絡する、といい、自分の住んでる住所を渡すノブさん。
東京都新宿区 下落合8丁目 65番 すみれ荘
そして、「さて、帰ります」と帰り支度をはじめる。
泊まっていけばいいのに!と引き止める柴田家の面々。
しかし、函館まで行って、早朝一番の連絡船に乗って帰るという。
「こんな遠くまで来て、トンボ帰りじゃないかよ!」となぜかちょっと怒ってる剛男(藤木直人)。
「しかし、本当に来てよかったです。みなさん、僕がいうのもなんですが、なっちゃんのこと、よろしくお願いします。」
と頭を下げるノブさん。
夜。洗い物をしてる富士子とあけみ。
そこに、珍しくゆみこも来て、洗い物に参加。
ノブさんの姿に感化されるところがあったのだろう。
なつの部屋。
壁に貼られた、父が遺した絵をみつめるなつ。
昔のことを、兄のことを、思い出している。
一方、泰樹じいさん。バターチャーンを磨いてる。
そこに、富士子が入ってくる。
「なつのお兄ちゃん、なつに会いたがってると思う?」
「兄貴がどうあれ、なつは、兄貴に会わなきゃ昔のまま、一生忘れられんだろう」
そして、ひとり、キャンバスに向かい絵を描いてるなつ。
富士子が入ってくる。
「なつ、東京、行かない? 咲太郎さん、探しに行こう。」
◆第27話
「なつ、ちょっといいかい。東京、行かない?」
「え」
「咲太郎さん、探しに行こう」
場面は、東京 新宿。
「なつと富士子さんは、十勝から2日かけて、東京の新宿にやってきました。」
とウッチャンナレーション。
新宿駅南口にバスで着く2人。
そして流れる、優しいあの子! 令和一発目!
茂木一貞、リリーフランキー。 煙カスミ、戸田恵子。
新宿から練り歩き、ノブさんと再会する2人。
この店に、咲太郎を知ってる人がいます、と、川村屋という店に2人を案内するノブさん。
この川村屋、モデルとなっているのは、新宿の中村屋だとか。
店に入り、マダムに会わせてくれませんか、と頼むノブさん。そのマダムが、咲太郎を知っているようだ。
マダムが来るまで、店のメニューをみてすごし、
なにこれ、高い! と新宿プライスに驚く十勝の2人。
ちなみにメニューには
インド風バターカリー 120円
ボルシチ 100円
クリームパン 35円
カリーパン 35円
ロールケーキ 50円
バターケーキ 40円
ロシアケーキ 35円
アップルパイ 40円
サバラン 45円
モンブラン 45円
カステラ30円
と表記
「十勝の三倍はするね」と富士子。
「ここのカレーは最高ですよ」とノブ。
結局、富士子とノブはアイスコーヒー、なつは、冷たい牛乳を注文。
「アイスミルクですね」と、含みを持たせて意味深にオーダーを受け取る女性。三橋佐知子。
牛乳を飲むなつ。
案外おいしい。
そして、マダム、前島光子、登場。
オリエンタルな柄のドレスに身を包んでいる。
「あなたが、咲太郎さんの妹さんですか。咲太郎さん、私たちからは、さいちゃん、劇場の人からは、さいぼう、なんて呼ばれていましたね。」
咲太郎 は、ムーランルージュ新宿座、というところで、いろいろしていたそうだ。
よく川村屋に、役者や踊り子に連れられてきていたという。
タップダンスをして、ジャパニーズチャップリン!ともてはやされる、子ども時代の咲太郎の回想映像がはさまれる。
そして、明らかに雰囲気のある、大物そうな男が中村屋に入ってくる。
リリーフランキー演じる、茂木一貞。新宿の本屋、角筈屋のボスだという。
角筈屋のモデルは、紀伊国屋だとか。
新宿のことなら、誰よりもよく知ってる男。
「なつちゃんは、さいちゃんを探しに北海道からきたんですって」とマダム。
「ああ、そういえばそんな話をきいたことあるな。生き別れた妹を、いつかこの新宿に呼び寄せるんだって 」と茂木。
目をまんまるくして、よろこび驚くなつ。
咲太郎は、ムーランルージュが空襲から復活してから、そこにしばらくいたという。
ムーランルージュ新宿の実際の写真が差し込まれる。
茂木いわく、この近くのクラブで歌ってる、煙カスミという歌手が、咲太郎の行方を知ってるかもしれないという。
煙カスミをたずねて、そのクラブへ行くなつたち。
“りんごの花びらが
風にちったよな
月夜に 月夜に”
と歌う、戸田恵子演じる、煙カスミ。
みとれるなつ。
一方、柴田家の食卓。
富士子となつがいないため、なんとなく、さみしげな雰囲気。
「こんなさびしい食卓ははじめてだ」と剛男。
「そうだな。お前が戦争に行ってる時も、もう少し明るかった 」と泰樹じいさん。
苦笑いの剛男。
テルオ、ゆみこ、あけみ、みなプププ、と笑う。
クラブの場面。
まだ歌ってる煙カスミ。
パフォーマンスのあと、なつに会う煙カスミ。
「残念ながら、いまさいぼうがどこにいるのか心あたりないのよ」と。
残念。
とぼとぼと、クラブを後にし、川村屋に戻る2人。
「いろいろと、お世話になりました。」
「今日はどちらへ?」
「これから宿を探すのですが、どこか安いところはないですか?」
「それならうちへどうぞ。部屋代はただですから。食事はここで食べてくださいね」
とマダムとなつたちのやりとり。
インド風カリー 2つを注文。
そんなマダムに対し、店の男、裏で
「あんなやつの身内にこんなことしてやっていいんですか? 」とささやく。
「だからよ。あの子がいれば、捕まえられるかもしれないでしょ。」
「あの子は人質ですか?」
「そうよ。誰が逃すものですか。」
なんと! 監禁サスペンススリラーじみた展開に…
「なつよ、明日を信じよう、ね。」とウッチャンナレーション。
◆ 第 28 話
場面は川村屋。
インド風バターカリーが出される。
カリーを食べるなつ。
一口ほうばり
「おいしい!」となつ。
「バターあんまり感じないわね」と富士子。
「うちのバター使ったほうがおいしいだろうね」と。
そして、優しいあの子!
心が洗われるような曲。
場面は川村屋の寝室。
寝巻きの浴衣姿の松嶋菜々子と広瀬すずという眼福な構図。
「あと少しいて、手がかりなかったら帰ろう、無理してもしかたないし、牛のことも心配だし、東京は暑いし」となつ。
窓を開けて、夏の夜の風を浴びるなつ。
この頃はまだ、東京もいまのような夜もおさまらない熱帯夜ではなかったわけでな。
ゆみこが、北大に行きたいと言ってる、という話を切り出す富士子。
なにかになりたいというのがあるわけじゃなくて、自由になりたい、と言ってると。
「いまでも十分自由にしてるのにね」となつ。
なんともいえない表情の富士子の横顔に気づき
「お母さんさみしいの? 私がいるしょ」
となつ。
「ゆみこにね、言われちゃったのよ、土地に縛るのは、なつだけにして」って。
神妙な顔つきになるなつ。
「そんな気ないからね。もし、いざというときは、私のことは、無理に母親だと思わなくていいからね。おばさんだと思えばいいのよ。」
黙り込んでしまうなつ。
「どした? なつ、どしたの? 」
「どうして、そんなこと言うの。したから、東京に連れてきてくれたの? 私をお兄ちゃんに返そうとしてくれたの?」
「違うわよ!」
「やだ、やだよ。わたしから母さんを取らないでよ。 」
涙を流し、富士子に抱きつく、なつ。
「ごめん、そんなつもりでいったんじゃないんだよ、ごめん、なつ」
ジーンとくるやりとり。
一方、場面は帯広の雪月。
ゆみこと雪次郎がテーブルに向かいあって座ってる。
安田顕演じる雪月の主人であり雪次郎の父が、山盛りのかき氷を持ってくる。
氷の中にパイナップルが忍ばされ、いちごのシロップがかかっている。
その名も、雪月の夏。
ゆみこ、ひとくち食べる。おいしい、とニンマリ。
それをみて雪次郎、「俺も北大受けるかな」とぼそり。
「それはお前の成績と矛盾するな」と安田顕演じる雪月の主人。
「じゃあ、札幌でお菓子の修行するさ」
「ダメだー お前の修行先は、東京って決まってんだから。」
「え? 東京行くの雪次郎?」と驚くゆみこ。
安田顕演じる雪次郎の父も、東京で5年間修行した経験があるのだ。
なんと、東京の新宿の川村屋というパン屋で修行してたと。
川村屋! 交錯する運命!
「新宿! なつとお母さん、いま新宿に行ってるよ。そこに、なつのお兄さんが昔いたみたいで。」とゆみこ。
「新宿か。懐かしいな。そこはパン屋と言ってもいろんなものがあって、インドカリーなんてのもあったな。」と安田顕。
そして、場面は川村屋。
クリームパンを食べる、なつと富士子。
「このクリーム、雪月のシュークリームに似てない?」と富士子。
「言われてみれば…じゃあ、じいちゃんに買ってくとよろこぶね! 雪月のシュークリーム大好きだもんね」となつ。
甘いもの好きな草刈正雄演じる泰樹じいさん、ナイス。
一方、牛舎の休憩中の場面。
泰樹と牛舎の男、戸村悠吉(小林隆)がお茶を飲んでる。
そこへゆみこ登場。
「帯広行ってきたから、雪月のシュークリーム。みんなで食べて! 頑張ってね!」
と笑顔で渡し、去っていく。
あまりみせないゆみこ(福地桃子)のスマイルがグッとくる! 夏の魔物!
シュークリームを真剣な眼差しで眺め
「もったいなくて食えねぇ」
と言いながらもむしゃむしゃ食べる泰樹じいさんの可愛らしさ。
そして、川村屋。
ノブさんが、神妙な面持ちでやってくる。
浅草の芝居小屋を回ってきいてみたところ、兄、咲太郎と思わしき人がいるもの情報だ。
場面は、浅草 六区館。
そして、場面はその楽屋。
「師匠、起きてくださいよ! 」と、島貫 健太、という男を起こす青年。
「もうすぐ出番ですよ!」
しかし、男はやる気ない様子で、
「仕方ないだろ、相方がこないんだから。お前出てこないよ、お前が好きな森繁久弥のモノマネでもしてくればいいだろう。やってこい!」
と、その青年が半ば強制的にひとりで出されるハメに。
この青年は、明らかに…
そんな中、六区館へ足を運ぶなつと富士子とノブさん。
中に入り、その雰囲気に圧倒される。
「なつよ、いよいよだ。覚悟は、いいか」とウッチャンナレーション。
◆ 第29話
「今日のスケジュールはどうするんですか師匠!」
「お前出てこい!」
と、前回からのやりとり。
そして、六区座にくるなつたち。
そしてながれる、優しいあの子!
いい曲だ。
舞台の袖。岡田将生演じる、咲太郎!
いざ、舞台に現れる。
「俺はこの街で生きてる、しけた浮浪者よ!」と言い放つと、
“雨の日も
風の日も
命のないように生きているのだ
街の人は、いい人も、
悪い人も、わたしゃ知ってる
でも
私は
愛している
この街角を
私は
好きなのだ
この街角が
わたしゃ
見てきたのだ この目で”
と歌い、
タップダンスを披露する。
すると、なつが、ハッ! とする
このタップダンスのリズム、この音は、まさに兄、咲太郎?!
タップダンスするも、
女出せ!引っ込め! と客席からヤジが飛ぶ
そんな中
「お兄ちゃん!」
となつ。
ジッとなつをみつめる咲太郎。
「誰だ?」
「お兄ちゃん」
「……..なつ?」
「なつです」
「なつ…お前、なつか? 」
「なつだよ。私、なつだよ。」
「なつ…..なつかよ! なつ!」
抱き合う2人
感動の再会。
やじを飛ばしていた客も、拍手を送る。
一方、北海道。
剛男、ゆみこ、あけみ、テルオ、そして、泰樹じいさん。
それぞれ、夕陽を眺め、東京にいるなつに思いを馳せているかのような表情。
東京。
場所を移動して、なつ、富士子、ノブ、咲太郎でテーブル囲む。
「私はずっと幸せだったよ。これ以上ないくらい。」となつ。
「ありがとうございました」と咲太郎。
「いいのさ。なつが家族になってくれて、私たちも幸せだから。 けどね、なつもね、あんたや妹さんのことを忘れたことは、一度もないのさ。あんたもそうでしょ、いつか2人を、新宿によぼうとしてたでしょ」と富士子。
「角筈屋書店の茂木社長(リリーフランキー )から聞いたんだ」とノブさん。
新宿の川村屋に泊まっていることを伝えると、
「え!マダムはなんか言ってたか?」と咲太郎。
「うん、言ってたよ。お兄ちゃんは新宿のムーランルージュを愛してて、そこのみんなからも愛されてた、って。」となつ。
「それだけか?」
「ほかになんかあるの?」
口ごもる咲太郎
様子がおかしい。
いいタイミングで、天丼が運ばれてくる。
奥原の父がよく天丼を作ってくれていたそうだ。
天丼、うまそう。
おいしい、となつ。
「でも、親父の天丼はこんなもんじゃないぞ。日本一の料理人だったからな」と咲太郎。
富士子、
「それで、あなたはどうしたいの、なつを」
と切り出す。
「なつは、どうしたいんだ? 」と咲太郎。
「私は、お兄ちゃんに会えたから、今度はちはるに会いたい」となつ。
しかし、咲太郎もちはるの行方はわからないという。
しかし、元気にやっているという。以前、咲太郎が手紙を書いたことがあると。
別の家族のもとで、元気にやっていると。
これから、一緒に新宿に行かない?と提案するなつ。
「明日、必ず行く。マダムにそう伝えてくれ」と咲太郎。
「咲太郎は、すこし無理して、笑っていたようです。ほんとはもっと、心の底から笑いたかったのにな。」とウッチャンナレーション。
「なつは、やっと、兄の咲太郎に会いました。だけどなんとなく、嫌な予感もしてくるのでした」とさらにウッチャンナレーション。
果たして、次回どうなるのか!
◆第30話
タップダンスを踊る咲太郎。
それで兄だと認識するなつ。
一緒に新宿に行かない、と提案するなつ。
前回までの流れがザッと紹介される。
咲太郎の部屋。松井さんという、フーテンの格好をした男が現れる。さっき劇場にこなかった、咲太郎の師匠のひとりだ。
博打をして、勝ったという。
そこで「お金を貸してください!」と咲太郎。
この時計を売ったら金になるぞ、と博打の戦利品とやらの時計を咲太郎にわたす松井さん。
そして、優しいあの子!
「翌日、咲太郎は川村屋にあらわれませんでした。」とウッチャンナレーション。
「もうこないわよきっと」 とマダム
様子を見に行っていたノブが戻る。
咲太郎が警察に捕まった!という。
質屋に持っていった時計が、盗品として手配中のものだったらしい。
なつたちは翌日、とにかく浅草へ向かう。
浅草六区館ダンサー、ローズマリーが化粧している。
「咲ちゃんはやってないわよ、泥棒なんて」
「ほんとですか?」
「その時計は3日前の晩に盗まれたっていうでしょ?その晩は、咲ちゃん、わたしと一緒にいたもの。ずっと朝まで。」とローズマリー。
「それを警察に話してくれたんですか?」
とノブ。
「話したわよ。でもダメよ。警察なんて、捕まえたものを絶対シロにはしないの。」
うおお!
ローズマリー、浅草の踊り子。咲太郎とは夜の関係のみ。その後の咲太郎の行方は知らず。
六区館をあとにし、途方にくれるなつと富士子。
盗んでないなら、なんで質屋にその時計を持っていったのだろう、ともっともな不審感を抱くなつ。
そして、場面は川村屋。
角筈屋の社長の茂木が、ふじたまさし、という男をなつたちに紹介する。
藤田正士、人呼んで、ふじまさ親分。
戦後のムーランルージュを切り盛りし、なくなるまで支配人をしていた人。顔役的な風采だ。咲太郎の親分。演じているのは、辻萬長。
「なつさんか。北海道から、よく来なすった。」
「兄が、お世話になりました。」
「咲太郎は、戦後のマーケットでうろうろしているところを、助けたんだ」
「それは、ありがとうございました」
「助けたのは俺じゃねぇ。戦前からムーランで踊ってた、岸川亜矢美っていう、踊り子だ。亜矢美があいつをおれのとこへつれてきた。」
岸川亜矢美の映像がさしこまれる。演じているのは、山口智子だ!
「亜矢美は母親のように咲太郎を可愛がっていた。だから、咲太郎にとってムーランルージュは母親のいる場所、宝のような場所だと思っていただろう。あいつは、ムーランルージュがつぶれた時、それを必死に買い戻そうとしたんだ。」
「兄がですか?」
「要するに、だまされたのよ。イカサマ興行師の口車に乗せられて、10万円用意すれば共同経営者として買い戻せると思い込み、金貸しから借りたのよ。それを、そのイカサマ野郎に持ち逃げされたんだ。金貸しも、10万もの金、まだガキだったあいつにただ貸すわけはねぇ。だれかが、あいつの保証人になったんだ。だが咲太郎は、その10万円を作るまでは新宿に戻らねぇ、そう言って、姿消したんだ。」
と、なつとふじまさ親分のやりとり。
ううむ!
「どこの誰なんすかね。しかしその保証人も、よほどのお人好しか、バカですな、はは
」と茂木。
すると、黙って、そっと手をあげるマダム。
なんと、その保証人とはマダムだった。
「親分、咲太郎がだまされたってほんとですか?咲ちゃんはわたしを騙したわけじゃないのね? 」
そういうことだったのか。
マダムへの借金を返すまでは、新宿には行けない、と。
しかし、川村屋になつたちがいるから、なつたちにそのお金が請求されるとまずいと考え、急いでお金をつくろうとして、時計の事件に至ったと。
そこで、血相変えて、ノブが入ってくる。
警察で話を聞いてきたようだ。
「あいつは、泥棒してないとは言ってるが、誰からもらった時計なのか聞かれても、それを言わないそうなんだ。」
親分を庇ってる咲太郎。
そして、警察から手紙を預かってきたというノブ。
なつへ、と書かれてる
手紙を開くなつ。
「なつへ。また、なつに会える日がくるなんて。本当に信じられない。幸せに暮らしてると知って、安心したよ。東京まで兄ちゃんを探しにきてくれて、ありがとう。でも、なつ、すまない。お前はもう、こんな兄ちゃんのことは忘れてくれ。忘れて、北海道で幸せになれ。兄ちゃんも、お前を忘れる。ごめんな。」
と、岡田将生ボイスで読み上げられる手紙。
なつの目から涙。
ああ、切ない!
一方、北海道の柴田牧場。
泰樹じいさん、おっかない顔をしてテルオに話しかける。
「お前、なつと結婚しろ。」
「え?」
「なつと結婚するんだ。そしたらなつは、正真正銘の、柴田家の家族になる。一生この家にいることになるんだ。」
な、なにを言いだすんだ草刈正雄!
「ああ、なつよ、君のいない十勝でも、なにかが変わっていくようだけど。来週に、続けよ。」とウッチャンナレーション。
次週、なつよ、雪原に愛を叫べ!
◆感想
白蛇伝の演劇が終わり、草刈りをして干し草を作る夏。東京でなつと生き別れたノブさんが十勝を訪ねてくるところから、なつの兄の咲太郎を探しになつと富士子が東京の新宿まで行くことになった今週の話。新宿では、川村屋という、新宿中村屋がモデルのカレーがおいしいパン屋が登場。踊り子、浅草六区座、紀伊国屋の社長をモデルにしたリリーフランキー、新宿の顔役のフジマサ親分など、当時の東京の界隈の風俗が描写されているのも楽しい。川村屋のマダム、咲太郎の世話をした踊り子を演じて、かつての朝ドラヒーローたちも登場。タップダンスの音を聞いただけで、岡田将生の姿になっているにもかかわらずそれが兄の咲太郎だと気づいたなつはすごい。兄と感動の再会するも、あれやこれやで兄は捕まり、一旦またお別れとなる。
一方、十勝では、北大を目指し受験勉強のゆみこ。夏、雪月での、山盛りのかき氷。東京へお菓子修行へ行く?雪次郎の進路もどうなるか。いろんなことが変わっていく夏。大好きなシュークリームを頬張る柴田のじいさんに安心する。しかし、なつとテルオを結婚させて、柴田牧場を継がせようとするじいさんの動きに、また新しいドラマが蠢きだす。憧れ、上京、進学、家族との折り合い、恋、様々に絡み合い、18歳、大人の階段登っていく若者たち。来週、アマズッパイ展開に、魂が震えるか!
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