広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第20週、「なつよ、笑って母になれ」
ついに、2019年の春、100作目を迎えたという、公共放送の朝ドラ。
その記念すべき作品は、なんと広瀬すずが主演で、加えて、北海道の十勝が舞台!
アニメーター、奥原なつの人生を描くという。
それは特別だ、という事で、2019年4月1日からはじまったこの、「なつぞら」
追いかけていきたい!
今週は、第20週、なつよ、笑って母になれ、第115話から120話までのまとめだ。
◆ 第 115 話
昭和42年の春、なつは結婚。
それから数ヶ月、季節は夏。
なつと坂場は、西荻窪に、家を借りて、住んでいる。
目玉焼きを作っている坂場。
朝の風景。
あの不器用なイッキュウが、器用に朝食を作っている。
指は傷だらけだが。
そして流れる、優しいあの子!
月曜日は、
“口にするたびに泣けるほど
憧れて砕かれて
消えかけた火を胸に抱き
たどり着いたコタン”
という部分が長い。
今週の演出は、田中 正。
場面は、東洋動画スタジオ テレビ班 作画室。
なつの今の仕事は、もっぱら、テレビ漫画の原画を描くこと。
いま取り組んでいるのは、「魔法少女アニー 」という作品。
仕事の時の名前は、奥原なつ、のまま。
茜さんも、いまは原画担当。
そして、茜さんは、妊娠中。
まるで魔法にもかけられたみたい、と茜さん。
「仕事も、出産も、魔法で終わったらラクですよね」となつ。
「そっちはどうなの? 子ども」
「子どもができたら生活がどうなるか、想像も出来なくて」
「イッキュウさんは、まだ家で翻訳の仕事をしてるの?」
とやりとり。
坂場は、在宅で翻訳仕事。
稼ぎとして、安定しているわけではない。
家事はほとんどやってくれてはいるが。
いまは、子どものことは考えられない、と。
子どものことを考えるのは、贅沢な気がする、となつ。
茜さんも、子どもが生まれたら、仕事をやめるかもという。赤ちゃんから入れる保育園を探して入るが。
「子どものためにアニメを作っているのに、子どもが生まれたらやめるなんて、納得いかないですよね。」となつ。
なつたちの結婚生活は、まだ先のみえない、開拓の途上。
家では、頑張って洗濯物たたんでる坂場。
そして、一方、まだ独身の咲太郎。
声の仕事も増え、事務所は儲かってきてる。
事務所には、川村屋ののがみさんが来ている。
世間話のあと、赤い風車の話に。
どうやら、立ち退きが命じられてるらしい。
あたり一体取り壊され、デパートが立つ、と。
川村屋も、ビルに建て替えられる。
近代化の波が押し寄せている。高度経済成長。
「それであなた、どう動くおつもりですか?」と咲太郎へ問うのがみさん。
「動く?」
「いつまで待たせるおつもりか、と。」
「待たせる?」
「とぼけても無駄ですよ、あなた方は影で、そういった、ご関係であることは、察しがついてるんです」
どうやら、咲太郎とマダムのことのようだ。
「いつまで、影でこそこそしてるつもりなんですか!けじめをつけなきゃ、あの人が不憫です! この風車がなくなるタイミングに、身の振り方を考えなすってはどうですか!」と熱くなるのがみさん。
一方、赤い風車。
陽気なあやみさん。
客、リリーフランキー演じる茂木社長がやってくる。
暑くて仕事にならんよ、と
陽気にしているあやみさんに、最近は、なっちゃんもいなくなり、さみしいんじゃないの、と。
「さびしくなんかありゃあせんよ、ちっとも。子どもを立派に育てあげた、お母ちゃんの気分を味わってますから」とあやみさん。
「なっちゃんのいない風車のビールは、こころなしか気の抜けた味がするねぇ」と茂木社長。
じゃあ、ためしてみます?と、ぷしゃあとビールを振って出すあやみさん。
仕事を終え、西荻窪の家に帰るなつ。
坂場が、料理してお出迎え。
2時間かけて、シチューのようなものを作っていたところ。
富士子のノートにあった料理。
クリームシチュー。
食べるなつ。
「おいしい!」
「子どものときに食べた味と同じ?」
「うん、近いかも。でも、牛乳が違うからね」となつ。
うーむ、牛乳だけの違いかな、とノートをペラペラめくる坂場。研究熱心。
調味料の分量にも正確さを求める坂場。
明日はわたしがやる!となつ。
幸せな風景。
一方、赤い風車。
立ち退き後、どうするかの話。
いい物件ないかしら、と茂木社長にきくあやみさん。
咲太郎に、頼んでみたらどうだい、と茂木社長。
「咲太郎には、甘えたくないわ」とあやみさん。
「どうして。親孝行してもらいなよ、これからは。」
「親じゃないもん。あの子の負担には、なりたくないの。」
「負担だなんて思わないって。」
「大人になったんだから、私たちは、対等でいたいのよ」
「さいぼうは、幸せだな。そこまで愛されて。」
「なっちゃんが幸せになったでしょ。だからこれで次はやっと、咲太郎の番だからね。」
ウキウキしてるあやみさん。
一方、西荻窪。
皿洗いしてるなつと坂場。
「茜さん、会社やめるかもしれないんだって」
「え、子ども生まれるから?」
「そう。」
「当然、そういうことになるだろうな」
「それ、当然なの?」
「当然そういう悩みは抱えるだろう、ってことだよ」
「うちはどうするの」
「え」
「もし、そうなったら」
すると、呼び鈴がなる。
出てみると、なんと咲太郎。
ちょっとお邪魔するぞ。話があってな。
大事な話だ、と。
「なつ、風車の立ち退きの話は聞いてるか」
「立ち退き?!」
「やっぱり知らないか。母ちゃんがそれを黙ってるんだな。心配かけまいとして。みずくさいだろ。そこでだ、俺も考えた。どうすればいいのか。どうすれば、この俺を、頼ってくれるのか。」
「頼る?」
「ああ。それで、俺も、けじめをつけることにした。結婚する。」
「結婚?! 誰と!?」
「川村屋のマダムだ。」
なんと!!
驚きを隠せないなつ!
◆ 第 116 話
俺もけじめをつけて、結婚することにした!と咲太郎。
驚くなつ。
声優のプロダクションをはじめるにあたり、いろいろ相談に乗ってもらううちに、マダムとそういう仲に。
結婚して安定すれば、あやみさんも頼ってくれるだろう、と
そして流れる、優しいあの子!
作画課で仕事を終え、帰るところのなつ。
帰り際、オフィスにある電話で西荻窪の家に電話をかける。
ちょっと川村屋に寄ってから帰る、と。
おかずはなんか買ってく、と。
そして、川村屋へ行くなつ。
川村屋には、フーテン族がたむろ。
日活の野良猫ロックシリーズなどで見られたような若者ファッションだ。
なつの若い頃のファッションを思わせる。
家があるのに、ないふりをしてる若者たち、フーテン族。 ほんものの孤児を味わったなつとは格が違うがな。
マダム現れる。
なつ、咲太郎との結婚の話についてマダムに問い詰める。本当ですか、と。
とりあえず、奥の部屋へ。
結婚は、本当のことのようだ。
「本当にわたしでいいのか、って、こっちがなっちゃんに聞きたいところよ。わたしのほうが年上だし、もう40ですからね。」とマダム。
「マダム、40さいですか」としみじみとなつ。
そんなの関係ないです!うれしいです!と。
あんな兄ですが、どうぞよろしくお願いします。
すると、そこへ咲太郎も登場。
なっちゃんから今、ゆるしをもらったところよ、とマダム。
「それで、結婚式はいつ?」となつ。
しかし、結婚式はしないという二人。
「結婚自体、のがみさんに言われなければしなくても良かったんだ」と咲太郎
「はあ? じゃあのがみさんに言われなければ、しなかったわけ?!」とマダム
これはまずい!
「いや、なんていうか、きっかけだ!」とあわてて咲太郎。
キーパーソン、のがみさん。
のがみさんは悪くないよ、と咲太郎
「あたりまえよ、悪いのはあなたでしょ!」とマダム。
まぁ、そんなこんなで腐れ縁。
マダムは、結婚したら、川村屋の経営からは手を引こうという考え。
ちょうどビルを建て替えるタイミングでもあり、あとのことはのがみさんにまかせたい、と。
そして、のがみさんには、次の後継者を育てて欲しい、と。
マダムののがみさんへの信頼。
のがみさんの信念で、川村屋を開拓してほしい、とマダム。
のがみさん、これがわたしの、結婚の決意です。
「わかりました、この副将のがみ、命尽きるまで、川村屋を守ってみせます」と引き受け、
のがみさんが、繋いでいく。
「よし、スッキリしたところで、報告にいくか。」と咲太郎、
赤い風車へ。
赤い風車では、あやみさんと茂木が話している。
新しい店の場所、花園はどうか、と話してる。
ゴールデン街というのができて、文化人も増えてきてる、と。
咲太郎、マダム、なつ。店の中へ。
大事な話があるんだ、と咲太郎。
「母ちゃん、俺、こんど、彼女と結婚することにしたんだ¥
「ええ!?嘘でしょ!」とショックを受けているその場にいた茂木社長。
「いままで、隠しててごめん。そういうことなんだ」
ふふふ、と笑い
「なんだ、知ってたよ!そんなことは。お前がわたしに、隠し事なんかできるわけないだろう」とあやみさん。
「知ってたのかよ!?」
「よかったじゃないの、おめでとう! なっちゃんがお嫁に行くまでは、って、ずっと待ってたんでしょ。」
「そ、そんなことはないけど」
咲太郎をみつめるなつ。
そして、結婚を機に、川村屋の経営からは手を引く、という話をするマダム。
咲太郎の会社を手伝う、と。
「なんにしたって、おめでたいことじゃないの! 乾杯しましょう」
これでわたしも一安心、と、あやみさん。
みんなで乾杯。
茂木社長はショックを受けている。
そして、西荻窪の家。
あったことを坂場に話してるなつ。
夕飯は、おでん。
「あやみさんはこれから、どうするんだろう。一人になったら、さみしいよね。」
うーむ、という表情の坂場。
そして、来月は、なつの誕生日、お盆休みゆえ、風車でお祝いしようとなった。
もうすぐ風車もなくなるのか、と遠い目をするなつ。
一方、風車。
あやみさんと咲太郎。ふたりで酒を飲んでる。
慎ましく、乾杯。
◆第 117 話
赤い風車で、咲太郎とあやみさん、ふたり酒を飲んでいる。
「俺は、母ちゃんに出会わなかったら、確実に死んでいたからな。母ちゃんの踊りに、ただ生き延びるためじゃなく、生きることを教えてもらったんだ」と咲太郎。
そして流れる、優しいあの子!
しんみりと話をしてる咲太郎。
「忘れちゃったねぇ、昔のことは」と、とぼけるあやみさん。
昔を回想。
本を読むより、身体動かして金稼がないと、妹たちを迎えにいけないんだよ、と若き日の咲太郎。
本読んで、辞書で調べて、そうやってれば、少しずつ世の中のことがわかってくるよ、と若き日のあやみさん。
そんなのより、進駐軍の前で踊ったほうが金になるよ、と若き日の咲太郎。
「バカ!進駐軍だってバカじゃないんだよ!咲太郎、人を本気で楽しませたいとおもうんだったら、本気になって勉強しな」と言ってきかせる若き日のあやみさん。
そんな昔に思いを馳せながら、母ちゃんがいなければ俺はバカのままだった、としんみりしてる咲太郎。
バーカ!まだバカは治ってないだろう!とガハハと笑う、あやみさん。
昔を思い出し、しんみり。
「母ちゃん、母ちゃんと俺は、何も変わらないからな」
「わかってるよ、これからも変わらず、偽物の親子だろぉ」
「偽物じゃないだろ! 今度は、俺に甘えてくれよ。遠慮なんかしたら、承知しないからな。」
「だったら、ムーランルージュを建てておくれよん。あの舞台でまた踊ってみたくなっちゃったな」
「そりゃむりだよ、母ちゃん50だよ!」
「だから死ぬ前にもう一度踊りたくなったんじゃないかぁ」
踊り出すあやみさん
「よし、わかった、俺に任せろ、昔の俺とは違うんだ、思いっきり親孝行してやるよ」と咲太郎。
一方、西荻窪の家の夜。
なつと坂場の寝室。
なつの誕生日といえば、8/15。
「いろんなことを、忘れないようにある日だな」と坂場。
「うん、だからね、私は誕生日が来るたびに、なくなった父や、母のこと、いろんな人たちのことを、自然に思い出す。近頃あれから何年が経つのかな、と思うようになってる。」となつ。
孤児だったころを回想しているなつ。
戦争が終わった、日本が負けた日を。
「ねぇ」
「ん?」
坂場に抱きつくなつ。
「どうした」
「また、千遥に会いたくなっちゃった」
坂場、なつの手をとり
「いまは、ぼくがついてる。」
「もし、子供が生まれて、私たちの子供は、幸せになれるのかな。」となつ。
「なるよ。なるに決まってるだろ。」と坂場。
静かに目を閉じるなつ。
次の日、作画課。
茜さんの具合が悪そうだ。
夏風邪をひいて、風邪薬も飲めなくて、体調悪い、と。
でも、原画終わるまでは、と帰らないという茜さん。
しかし、代わりに描く!と茜さんを帰す手配をとるなつ。
結局、下山さんに送ってもらう。
しかし、あんまりおおげさにしないで、と茜さん。
茜さんが行ったあと、様子をみていた神地、
「大変だな、子どもを育てながら働くのは」とコメント。
なつ、うーむ、という顔に。
なにやら考え込む。
それから、8/15を迎えた。
風車で、咲太郎の結婚と、なつの結婚の祝い合わせた、ささやかなパーティー。
温かい雰囲気。
「母ちゃん、いままで、お世話になりました!l
「それは、男のセリフじゃないぞ!」
と咲太郎とあやみさんのやりとり。
いいムードだ。
なつよ、母になるのも、悪くはないぞ。
◆ 第 118 話
8/15、なつの誕生日と、咲太郎とマダムの結婚祝いを、赤い風車で開催。
そして、8月15日に流れる、優しいあの子!
めげずに歩いたその先に、知らなかった世界。
なつ、30歳になった。
なっちゃんがその歳になって、人妻になって、そりゃ新宿も変わりますよ、とリリーフランキー演じる茂木社長。
そして、茂木社長の斡旋で、風車は、ゴールデン街に移転する、と。
しかし、咲太郎、それはだめだ!俺に任せてくれ!と、割って入る。
「ありがとう。でも、断るよ。」とあやみさん。
「なんで!?」
「だってわたしは、ゴールデン街で、十分だから。」
「母ちゃん…」
「その、母ちゃんってのもどうにかしてくれないかな、わたしはもともとお前の母親でもなんでもないんだからね、ワッハッハ」とあやみさん。
え?、と、ショックを受けている様子の咲太郎。
みていた煙カスミ、言い過ぎよ、とあやみさんに釘をさす。
あやみさん、キッと表情と口調を硬くし、
「咲太郎、いい加減大人になりなよ。親孝行だったらさ、もう十分、してもらったからさ。」
「なにもしてないよ!」
「もう十分だよ」
「俺はまだあなたに、なにも恩を返していない!」
「十分してもらったってば!」
「じゃあこれからどこに住むんだよ」
「どこにだって住めるよ」と、明るく振る舞うあやみさん。
「あやみさん、もしよかったら、また一緒に暮らしませんか」となつ。
「別に、ぼくも、かまいません。ぼくも、いますけど。」と坂場。
「考えてみたら。わたしはこの風車に10年も住んでいたんだから。北海道のときにいた時間と、同じなんです。あやみさんは、もう大事な家族です。あやみさんがどこかに落ち着くまででいい、一緒にいてください。」となつ。
「ありがとう。….なんであんたたち兄妹ってのは、こんな優しいの。」
涙で声を詰まらせるあやみさん。
しかし、明るさを絞り出し、
「だけどさ、もういいかげん、わたしを、解放してちょうだいよ、わたしは本当に、大丈夫だから。」
と。
「もういいじゃないの!ゴールデン街でも、あやみさんなら、楽しくやっていけるよ」と煙カスミ。
店に来てる面々、みんな、俺も、わたしも、入り浸るよ、と。
「あやみの好きにしたらいい。どこにいこうとそれが、あやみの店だ。俺たちの、ムーランルージュだ。」と、フジマサ親分。
「親分さん、わたしがこの店をやってこれたのは、咲太郎と、なっちゃんが、いてくれたおかげです。だって本当に、楽しかったから。」とあやみさん。
思わず、涙を流すあやみさん。
「さ、こっからまたはじまるんだ。悪いけどはじめさせてもらうよ!わたしの、人生ってやつをね!」
煙カスミ、歌を歌う。
明るく盛り上げる。
咲太郎、涙流してる。
そして、後日。
赤い風車は、もぬけの殻。
あやみさんは引っ越した。
どこへ、かは咲太郎へもなつへも伝えず。
煙カスミも、知らない。
そんなことって、ひどすぎるだろ。勝手すぎるだろ、とショックを隠せない咲太郎。
しょうがないだろ、と煙カスミ。
「俺は母ちゃんになにもしてやれないんですか?!」
「あんたの結婚を喜んでるからだろ、あやみちゃんが。」
「え」
「心から、喜びたいと思ってるからじゃないの」
「どういうことですか」
「あやみちゃんはね、コウコさん(マダム)に嫉妬したくなかったんだよ。そんな自分を、あんたになんか見せたくなかったの。ずーっとそういう思いを押し殺してさ、あんたの母親を演じてきたんじゃないの。」
咲太郎、呆然となる。
「わかってあげてよ。あやみちゃんだって、弱い女なんだから。」
「ずっと前から、カスミさんはそう思ってたんですか?」となつ。
「うん、そうよ。でもね、なっちゃんが来てから、あやみちゃんは救われたと思うよ。これで本当に、咲ちゃんと家族になれた、と思って。だから、楽しかった、って言ったの。その気持ちだけは、嘘じゃないと思う。」
咲太郎、ただただ泣く。
「咲ちゃん、あんたは本当に、あやみちゃんの子供になったんだよ。純粋に親子でいたいから、あやみちゃんはここを去ったのよ。」
すると、店の中にレコードが一枚残されているのに気づく。
あやみさんが、風車で最後に聴いていた曲。
レコードに針を落とす。
それは、孤児院で流れてた、あの曲だ。
咲太郎が、それを聴くと、悔しくて涙を流していた曲。
嗚咽をつまらせる咲太郎。
そして、なつ、残された封筒に気づく。
なかをみると、頑張れよ、咲太郎、というメッセージともに、絵が。
かつて咲太郎が描いたと思われる、奥原家の家族の絵だ。
「なつよ、咲太郎よ、あやみさんは、まだまだこれから。 ありがとう。あやみさん。またいつの日か、あやみさん。」とウッチャンナレーション。
◆ 第 119 話
西荻窪の家。
台所で、きゅうりを切るなつ。
そこへ、神地、下山さん、茜さんがやってくる。
なにやら、神地、腹を立てている。
茜さんも、もう、いやになっちゃった、と。
会社で、なにかあったようだ。
そしてながれる、優しいあの子!
居間にあがり、なにごとか話をきくと、茜さんが産休に入るということで会社にあいさつに行ったら、社長に、産休明けからは契約にしろ、と言われたと。
働きたいという意思を汲んで、契約にする、と。出勤時間もフリーになるし、そのほうがいいでしょう、と。
「実質クビでしょクビ! 落ち着いてられるか!」と憤慨している神地。
「おいおい落ち着け、ここは労働組合じゃないぞ」と下山さんなだめる。
そして、茜さん、会社をやめることにしたという。そこまでして、働くことはないと。
子供ができたら退職させる、そういう会社は多い、世の中がまだ、そうだから、仕方ない、と。
「これじゃアニメーターの未来は暗いよ! アニメの地位が低すぎるからだよ、それをあげないと仕方ないよ! 」と息巻く神地。
その夜、居間のテレビで、テレビ漫画をみている坂場となつ。
魔法少女のアニメ。
人間は魔法を使えないもんね、とつぶやくなつ。
それから、茜さんに代わり、原画に入ったのは、堀内さん。
堀内さんの奥さんは、仕上げ課の、モモッチの後輩の子。
「入社時に、子供産んだら退職する、って誓約書書いたんですか? 」ときくなつ。
「そうみたいだね。でも、もともと結婚したらやめようと思ってたみたいだから。でも、なっちゃんとうちの奥さんは違うよ。うちの奥さんは良妻賢母のタイプだから」と堀内さん。
「ふーん、私とは違うんですか」
「いや、そういう意味じゃなくて、あの」
ドギマギする堀内さん。
後日、
下山さん、茜さん、子をさずかる。
名前は、明子、と書いて、めいこ。
メイちゃん。
子供を産み、仕事をやめて良かったと考えてる、と茜さん。
「この子を置いて仕事に行くなんて、今じゃ考えられないもの」
ふーむ、となるなつ。
それをみている坂場。
そして、一ヶ月後。秋の深まる季節。
なんだか、昼間からやけに眠そうななつ。
ちょっと、気持ち悪い、と。
病院へ行く。
そして、西荻窪の家に帰る。
そして、坂場に話す、
「赤ちゃん、できてた」と。
「よ、良かったじゃないか」と坂場。
「ほんとに? イッキュウさんはうれしいの?」
「うれしいよ!君は、嬉しくないのかい?」
「うれしいよ。お医者さんに、言われた瞬間は、信じられないくらい、嬉しい気持ちになった。だけど、どうするの。わたしは仕事をやめるわけにはいかないよ。やめたくないよ。」
「できた以上は、産まないという選択肢はないだろ、僕たちに。だったら、そんなことはとても小さなことだ。君が、母親になるってことに比べたら」
「やっぱり、仕事より大事ってことよね」
「そうじゃない。」
なつのてをとる坂場。
「産むと覚悟を決めて、仕事のことは考えればいいと言ってるんだ。一緒に考えよう。」
「一緒に?」
「幸い僕は、いま、家で働いてるわけだし、君を支えることができると思うんだ。たとえ契約になったとしても、仕事を続けたいなら、好きなだけ続ければいい。それでもし、会社が、その後の君の仕事を認めれば、次からは、ほかの女性も働きやすくなるだろう。子供を育てながらアニメーターを続ければ、そういう戦いにもなるんだよ。君が、その道を作るんだよ、そういう開拓精神が、君にはあるはずだろ。一緒に、頑張ろう。」
「じゃあ、喜んでいいのね?」
笑顔になる、なつ。
「当たり前だ」
「ありがとう。」
「こちらこそ。」
おめでとう、なつ。笑って母になれ。
◆ 第 120 話
赤ちゃんできたが、仕事続けたいなら続ければいい、と理解を示す坂場。
そして流れる、優しいあの子!
下山さんと神地を呼び出すなつ。
妊娠して、3ヶ月であることを伝える。
「ひょっとして、イッキュウさんの子? 」と神地
「ひょっとしなくてもそうです!」となつ。
会社にはこれから言うつもりだが、二人には先に言っておいたのだ、と。
それから、仲さんらにも報告。
仲さん、とりわけ驚き喜ぶ。
アニメーターたち全員へ報告。
そして、なつが仕事を続けていけるように、みんなで協力しよう、と呼びかける。
茜さんはやめてしまったけど、なつは契約でもいいから、続けたい、と。
しかし、その、契約になってしまう現状そのものはどうなのか、と投げかける神地と下山さん。
「アニメーター全体の存在価値が問われてるんです!」と息巻く神地。
いまなっちゃんを守れるのは、男でも女でもなく、俺たちアニメーターの仲間しかない、と。
「よくわかった。なっちゃんが望むなら、いくらでも協力する」と仲さん。
「君の本心はどうなんだ。契約でいいのか。」と井戸原さん。
「いや、このまま続けたいです。女性アニメーターの道を拓きたい」となつ。
しかし、どうやって上と交渉を。
僕に考えがある、と仲さん。
社長室へ、アニメーター全員でおしかける。
社長に、奥原なつより、ご報告があります。と仲さん。
「わたしはこの度、子供ができました。」と社長に報告するなつ。
「わかりました、産休をとりたいと。」と受け止める社長。
「それだけじゃないんです、そのあとに、契約にするなんて言わないでほしいんです」と神地。
「君はどういうつもりなんだ、まるで組合のデモじゃないか。仲さん、井戸原さんまで。」と憤る社長。
「これは、組合を超えた、結束です、いちアニメーターとして、奥原なつの意思を尊重したい、奥原なつを契約にするなら、我々全員を契約にしてほしい」と仲さん。
「待ってくれ!契約というのは、働きやすいと思って提案してるんだ!」と慌てる社長。
赤ちゃんがいれば、長くは働けなくなる。契約にすれば、自由に時間が使えて、そのほうが楽でしょう!と。
「わたしは楽がしたいわけでも、お金がほしいわけでもなく、仕事でもっと成長し、いい仕事がしたいんです。なんでそれが、子供ができなくなるとできないんでしょうか。いままで望まれたことを会社から望まれなくなるのが、一番悔しいんです。」となつ。
「現実問題として、期待には答えられないでしょう。実は、君には作画監督になってもらうつもりだったんだよ、女性ではじめて。だから、妊娠の話を聞いた時は、がっかりしたんだよ、いや、おめでたい話だけどね」と打ち明ける社長。
「ぜひ、やらせてください!お願いします!」
「激務だよ、大丈夫? 子供を産んでも、できるというのだね?」
「はい。できます。」
「よし、わかった。それなら、君の意思を尊重しよう。引き続き、社員として頑張ってくれたまえ」
やった!!
みんな拍手。
しかし、本当にその激務、大丈夫なのだろうか。
その後、職場の赤い電話で、坂場に電話をかけるなつ。
いままで通り働けることになったことを伝える。
なつ、そっと自分のお腹に触れる。
なつよ、予測もできない未来が待っている。恐れず、来週に続けよ。
★ 感想
咲太郎がマダムと結婚し、あやみさんが旅立ち、なつが妊娠発覚の今週。
人生は移り変わっていく。なつぞらも、人生もあっという間だ。
それぞれのセカンドライフが幕を開けるわけですよ。
次週、なつよ、新しい命を迎えよ!
コメントを残す