ついに、2019年の春、100作目を迎えたという、公共放送の朝ドラ。
その記念すべき作品は、なんと広瀬すずが主演で、加えて、北海道の十勝が舞台!
アニメーター、奥原なつの人生を描くという。
それは特別だ、という事で、2019年4月1日からはじまったこの、「なつぞら」
追いかけていきたい!
今週は、第23週、なつよ、天陽くんにさよならを、第133話から138話までのまとめだ。
◆ 第 133 話
新しいアニメ、魔界の番長の作画監督の話をもちかけられ、悩んだ挙句、やることにしたなつ。
昭和48年の夏、魔界の番長の放送が始まった。
魔界の番長のおそろしい迫力に、怖がってしまう優。
えええー、としょんぼり驚くなつ。
そして流れる、優しいあの子!
月曜は、
“口にするたびに泣けるほど
憧れて砕かれて
消えかけた火を胸に抱き
たどり着いたコタン”
という部分が長い。
今週の演出は、木村隆文 矢部 誠人 の二人!!
魔界の番長の作画をしてるなつ。
しかし、ゆうが怖がっていたことが頭をよぎる。
なつのとこを訪ねる神地。
「昨日の放送、みたよ。」
中庭に移動し、ふたり話す。
「日本のテレビ漫画はどんどんひどい方向に行くよなぁ」と神地。
「相変わらずはっきり言ってくれるんだから」
「作画室で言わなかっただけで大人になっただろ」
「まあね」
「別になっちゃんに文句があるわけじゃないよ。ヒットはすると思うよ、よくできてた。」
「いいから、そういう大人の発言は。うちの子にもね、怖くてみたくないって言われちゃった。」
「なっちゃん、おれもやめるわ。」
「うん、いいよ。別に無理してみてくれなくても」
「ここをやめるって言ったんだよ」
….え!?
「映画はもうだめだ」
「でも今やってる夏休み映画は当たってるんでしょ!?」
「それは映画が当たってわけじゃないよ。東洋漫画カーニバルとして、テレビ漫画と一緒に長編映画を劇場にかけてるだけだろ。子供の目当ては、テレビ漫画のほうだ。会社もそっちにばかり力いれてるしな。おれもとうとうテレビに行かされそうなんだ。」
「テレビはやりたくないの?」
「テレビをやるなら、下山さんやイッキュウさんのいるとこでやりたい!」
「マコプロで!?」
「うつることにしたよ。」
なんと!神地も、マコプロへ!
マコ様の求心力。
「でもおれは、いつか、日本中の人が驚くような、長編アニメーション映画をつくりたい。そのために独身を貫いてるんだからな!」
夜、西荻窪の家。なつと坂場。
神地の引き抜きの話に。
マコ様は魔界の魔王だわ、東洋動画破滅するよ、となつ。
君も、魔王に魂売ったらどうだい、と坂場。
いま動いてる企画をなつに話す坂場。
大草原の小さな家、という本を渡す。
アメリカの開拓時代の話。
開拓者の家族を、娘の視点から描いてる。
なつの力が必要なやつだ、と坂場。
「面白そうだけど、わたしは東洋動画やめるわけにはいかないわ。あたしだけは、仲さんたちを裏切ってはいけないと思う。それに、もしやめるとしたら、アニメーターかも。いまは、少しでもゆうのそばにいてあげたいから。」
「とにかく、その本は、ひまがあれば読んでみるといいよ」と坂場。
そのころ、十勝では。
天陽くんが退院。
また絵を描いてる。
汗だくになり、キャンバスに向かってる。
8月にはいると、また体調を崩し、帯広の病院に入院。
兄の陽平が病室を訪れている。
カレンダーようの風景画を描いてる天陽くん。
「こんな風景画に、アニメーションなら、なっちゃんが歩いてるとこ書き込んだりするね」となつのことを話す天陽くん。
なっちゃんもおれも、お互い絵を描いていれば、それで十分なのさ。
そして、天陽くん、汗だくになり、退院一週間前に、家に帰ってくる。
はやくアトリエの絵の残りを描きたくて戻ってきた、と。
キャンバスにむかう天陽くん。
妻のやすえが様子をみにくる。
畑も牛も、やすえに頼ってばかりで、だからおれは絵を描いてられるんだ。やすえと結婚してほんとよかったわ。おれはおれでいられる。
なんだか、様子がおかしい天陽くん。
とりあえずまた部屋にもどろうとするやすえの手を取り、抱き寄せる。
翌朝
馬の絵を描き終える天陽くん。
やすえは、横で眠っていた。
「なつよ、もうすぐ、夏が終わるぞ」
◆ 第 134 話
早朝、絵を描き終えた天陽くん。
畑をみにいく、ちょっと行ってくるだけだから、すぐもどる、とやすえにいい残し出て行く。
畑を見渡す天陽くん。土をつかむ。被ってた麦わら帽子を、飛ばす。
そして、倒れる。
「それは、夏の終わりの、ことでした。」
作画室で作業するなつ。
そこへ、陽平さんが。
「なっちゃん。」
「あ、陽平さん」
「どうか、したんですか? 」
中庭に移動するふたり。
「まさか、陽平さんまでここをやめるんですか?」
「なっちゃん、落ち着いてきいてくれるか?」
「はい、もうなにを聞いても驚きませんから。」
「天陽が….死んだんだ。今朝早くに、亡くなったって。」
「なにを言ってるんですか?」
「僕もまだ信じられないんだけど、どうも、嘘じゃないみたいだ。」
なつの世界から、音が消える。
そして流れる、優しいあの子!
なつが、まとまった夏休みを取れたのは、9月になってのことだった。
なつと優、しばた牧場へ。
広いね、と感動している優。
「ただいま。 」
サラさんが出迎える。
「あ! なっちゃん! ゆうちゃん、おおきくなったね!」
富士子と剛男もあらわれる。
「おおきくなったねぇ、ゆうちゃん。」
牛舎にいく。泰樹じいさんやユウキチさんキクスケさんテルオがいる。
じいさんを前にして照れて隠れる優。
おそるおそる、じいさんの膝に乗るゆう。
「じいちゃん、テルオにいちゃん、わたし… びっくりしすぎて、ほんとになるのが怖くて、すぐにこられんかったわ。」となつ。
葬式は、新聞社もテレビもきて、立派に行われたという。
そして、牛舎に行き、手絞りよりも効率よく絞れる機械をみせてもらうなつと優。
優が馬に乗りたい、って話をすると、残念ながら、馬は売ってしまったという。
馬を使う百姓は、もう随分減ってしまったとか。 いまは、車とトラクター。
天陽くんの家の馬も。去年、死んだ。25年以上、ずっといた馬。
「いまごろは、天陽と会ってるべ。」とじいさん。
縁側でアイスクリームを食べてるゆう。
だんらんのひととき。剛男とじいさんでゆうの取り合い!
テルオの長男、地平も帰ってくる。もう中学生。だいぶおおきくなった!
夜。
「お母さん、わたし、いまの仕事辞めるかもしれない。」となつ。
「え、なして?」
「自分がなにをしたいのかわからなくなって、お金のことを考えなければ、いまは優といられる時間を一番に大切にしたいと思うようになって。」
「そう。それがなつの出した答えなら、そうすればいいしょ。」
「すこし、つかれてしまった。」
大草原の小さな家、という本を手に取るなつ。
翌日、なつたちは、天陽くんの家へ。
天陽くんに、線香をあげるなつ。
手を合わせる。
ああ、天陽くん…。
「すいません。アトリエを、みてもいいでしょうか。」となつ。
もちろん。構わないよ。
アトリエへいく、ゆうとなつ。
馬の絵が、たくさんある。
ゆう、馬の絵を見て
「ほんもののおうまさんがいるよ」とコメント。
その絵を見て、なつ、なんとも言えない顔で、涙浮かべる。
「なつよ、それが、天陽くんの遺作だ。」
◆ 第 135 話
天陽くんのアトリエ
ゆう、天陽くんの描いた馬の絵を見て、
ほんもののおうまさんがいるよ
とコメント
なつ、思わず、膝から崩れ落ちる。
涙こらえる。
「ゆう、どうしてこれが本物だと思ったの?動かないのに」
「だって、絵を動かすのは、ママの仕事でしょ?」
なつ、ゆうに涙はみせまいとするが、どうしても、涙がとまらん
そして流れる、優しいあの子!
天陽くんの家。
退院一週間前に、絵を描きに夜に突然帰ってきた、という天陽くんだが、病院に確認すると、退院が決まっていたというのは、嘘だったようだ。
自分がもう長くないことを悟って、最後に家族にあって、絵を完成させるために、戻ってきたのだろう。
あの身体で、自転車に乗って。
そして、天陽くんなき今、山田家は、離農するしかない、と考えている。
天陽くんの残した絵を売れば、子どもたちの生活も、困らない、と。
しかし、
「いやです! わたしはぜったいここから動きませんから!」と、天陽くんの妻のやすえ。
「あの人の絵も、絶対に売りません、嫌です。」
したけど、どうやって生活を…
「お父さんお母さん、あの人は、ここに帰ってきたんですよ、帰ってきたんです、家族と、いるために」
天陽くんは、自分の畑で、亡くなった。
「わたしには、ようちゃんがあの日、自分の命を、この土地に、土に、命を撒くために帰ってきたとしか思えません。」とやすえ。
「じいちゃん、ぼくがやる!」と天陽の息子。
「わたしも働く!」と天陽の娘。
泣き出す天陽の母。
「それなら、じいちゃんも働く。この家族の言葉が、きっとあいつの、遺言なんだ。
」と天陽の父。
天陽くんのアトリエに入る、なつと陽平さん。
「好きなだけ、あいつの絵を見てやってくれ。」
天陽くんの自画像がある。
「あいつはずっとここにいた。ここはあいつそのものだ。絵を描いて売ることも、あいつは自然のことだ、と言っていた。家族のために狩りをしてるようなもので、自然なことだ、と。」と、洋平さん。
外で、畑に横たわり、畑に耳をあてている、やすえ。
すると、泰樹じいさんが来た。
「天陽に、会いにきた。天陽は、ここにおる。そのことをあんたが忘れなければ、天陽はいつまでも、行きてられるべ。わしの中にも天陽はおる。」
アトリエの中、天陽くんの自画像をみつめるなつ。
絵の中の天陽くんが、語りかけてくる。
「どうしたんだよ、なっちゃん」
「どうしたは、そっちでしょ」
「アニメーターをやめたいと、思ってるのか?」
「うん。」
「それなら、答えはもう出てるだろ。」
「また天陽くんの答えを教えてよ。」
「ゆうちゃんが君の答えだろ、今は。」
「ゆうが?」
「絵を動かすのが君の仕事だって、ゆうちゃんに言われたんだろ。それで十分でないかい。だって、いまのなっちゃんを動かしてるのは、ゆうちゃんだろ。したら、なっちゃんはゆうちゃんのために、狩りをすればいいだけだべさ」
「狩りを?」
「なっちゃんは、ここを旅立ったあの日からずっと、俺との約束を守ってくれたべさ」
“どこにいたって、俺となっちゃんは、なにもない、広いキャンバスの中で繋がってられる。頑張れ。頑張ってこい、なっちゃん”
というあの日の天陽の言葉。
「これからも、頑張れ。なっちゃん。」
なつ、天陽くんと、握手をしようと、手を差し出すが、それは、そこにはなく。
目の前には、ただ天陽くんの自画像が。
ぼろぼろに泣くなつ。
ありがとう、ありがとう。天陽くん。
「なつよ、まだ、なにも終わってはいなかったな。」
◆ 第136 話
場面は雪月。
雪月ロールとシュークリーム、そして、小畑アンサンドをふるまう雪次郎。
「ゆうちゃん、これな、つぶあんが6バタークリームが4の割合で混ぜてるんだ。そこに、焼き塩を隠し味に使ってる」
とゆうに言う雪次郎。
「そったらことゆうに言ったってわからんべさ」とゆみこ。
わかんなくても手を抜かないのが雪月の魂だべ!と雪次郎。
いいから、ゆうちゃん食べな、とゆみこ。
ゆうたべる。
おいしい!
雪次郎とゆみこの息子、雪見くんもいる。
妙子さん、よかったわ、なっちゃんが笑ってて、と。
「お母さん、そったらこと言ったら、なつが無理して笑ってるの気にしちゃうじゃないですか」とゆみこ。
「いいよ、ゆみ。天陽くん、ちゃんといたから。びっくりするくらい。いまでも変わらずに、いるような気がする。」
「俺もそうなんだ、なっちゃん。天陽がいなくなったと、どうしても思えねぇんだ。」と雪次郎。
雪月の壁には、天陽くんの描いた絵が飾ってある。
そして流れる、優しいあの子!
トヨばあさんもあらわれる。
あれ! 相変わらずめんこいねなっちゃんは!とゆうの頭をなでる
あれ、なっちゃんはこっちね、となつの頭なでる
ボケてるジョーク!
雪之助もあらわれる。
「お! なっちゃんにみてもらいたいものがあるんだ 」と。
「まだはやいんでないか。それみたら、なっちゃんなくべや。」と雪次郎。
「泣くとおもう」とゆみこ。
なに?
「亡くなる前の天陽くんに頼んでたんだわ。雪月の、包装紙を描いてくれないか、って。」
その包装紙を、みせる。
その絵、十勝の平野の景色の中に少女がひとり立っている。
ある夜遅くに、雪月に天陽くん自ら絵を持ってきてくれた。
「その少女は、なっちゃんかい?」
「なっちゃんみたいな人が、この十勝には、いや北海道には、たくさんいるでしょ。自然に開拓者精神を受け継いで、たくましく生きてる人が。僕の十勝も、そういうなっちゃんから始まってるんですよ。」
「これは、そのころのなっちゃんなんだね」
「そういう出会いを雪月のおかしにもこめたいと思ったんです」
「嬉しいねぇ、それは、いやぁなっちゃんも、それ聞いたら、喜ぶだろうね」
「したら、お菓子を送ってあげてください、東京に。もしなっちゃんがなんかに挫けそうになった時には、それで雪月のお菓子を包んで送ってください。雪月のお菓子がたくさんの人を喜ばせるように、いまのなっちゃんも、たくさんの人を喜ばせなくちゃいけないでしょ。きっとそれを、感じてくれますよ。」
という、かつての天陽くんと雪之助のやりとり。
事の経緯を聞いて、涙がなつの頬を伝う。
「天陽くんは子どものころのおもいを大切にしてたんだね。それは、なっちゃんも同じだべ。」と雪之助。
そして、トヨばあちゃん
「なっちゃん、残されたもんはつらいけどさ、そのぶん、強くもなれるべさ。ならねば、先に行ったもんに、恥ずかしいからね。大切な思い出に、恥ずかしくないように生きねばな」と、魂に響く言葉。
おみやげに、その包装紙でつつんだお菓子を渡されるなつ。
東京へ、持って行って。
一方、柴田牧場。
なつとゆう、帰ってくる。ゆみこも一緒。
ちょうど、サラさんの父、阿川弥一郎が来てた。
晩御飯、一緒に。
「天陽の人生には、長いも短いもない、天陽の人生はただそこにある。そりゃあ、なんと美しいことか。あいつは、あいつの作品そのものになったんだ。俺は、羨ましいとさえ、おもう。俺は、天陽になりそこねて生きてるだけだ。」と阿川弥一郎。
「そうかもしれませんね」と剛男。
「あ?」
「いや、弥一郎さんのことではなくて、天陽くんは、家族にとって、その作品のように、永遠に生きるものだと教えたくて、病院を抜け出して、家に帰ってきたのかもしれないと思いまして。」
「それでもやっぱり悲しいわよ、家族は」と富士子。
「悲しいのは当たり前だべ。天陽もそれはよくわかってたんだ。したから、最後に会いたかったんだべさ」とテルオ。
「悲しみが大きいぶんだけ、家族には大きな幸せも残るんでないかい」とサラさん。
「死に方までカッコいいもんな、山田天陽は」と地平。
「お前はそう軽々しくいうな」とテルオ
あんたのラブレター熊に付き合ってくれた天陽くんもカッコよかったもんね、とサラさん。
お、その話はするな、とテルオ。
なつ、お前は、大丈夫なのか、とじいさん。
「うん。大丈夫。じいちゃん、やっぱり、天陽くんは、すごいわ。こうして、いまでもみんなの中に生きてる。きっと、それが答えだね。天陽くんの。」
夜。
ゆうに本を読み聞かせているなつ。
大草原の小さな家、の本。
ゆう、眠りに落ちる。
そのあと、なつ、スケッチブックを取り出す。
なにか、描き始める。
朝。
ゆうに起こされるなつ。
ママすごい! とゆう、なつの描いたスケッチブックを取り出す。
そこには、大草原の小さな家のキャラクターデザインと思われるものが!
「ママ、ゆうちゃんこれ観たい!」
なつ、手応えあり。
階段降りるなつ。
ちょっと東京に、電話、借りていい?
東京に電話するなつ。
「なつよ、それが、君の答えか。」
◆ 第 137 話
大草原の小さな家のキャラクターデザインを、徹夜で仕上げるなつ。
ゆうが、これみたい、と。
なつ、朝一で、西荻窪に電話かける。
「はい、もしもし、坂場です。」
「あ、わたし。良かった、まだ行ってなくて」
「どうしたの?」
「あの企画、まだ動いてない?」
「あの企画?」
「大草原の小さな家。」
「まだ企画書も通ってないよ」
「それ、わたしがやりたい。」
そして流れる、優しいあの子!
めげずに歩いたその先に知らなかった世界。
大草原の小さな家、やりたい、となつ。
わたしにやらせてほしいの。
坂場、唐突なことに驚きながらも、うれしそう。
じゃあ、いってらっしゃい
いってきます
なつ、電話切る。
そして、そばできいていた富士子に、わたし、仕事続けるわ、と。
「答えが出たんだね。」
「うん。また、天陽くんに答え教えてもらっちゃった。」
なにか、突き抜けた様子のなつ。
そして、土曜日の晩。
家族みんなで夕食。
あけみも、札幌から帰省。
土曜日きて、日曜には帰っちゃうあけみ。
忙しく仕事してる。
女子大でて、札幌の放送局に。
タフに働いてる。
「なつは、ずっと仕事を続けていくのか?」と泰樹じいさん。
「ほんとはね、じいちゃん、もうやめてもいいかなって思ってたんだわ。でも、天陽くんと話して、またやりたくなったの。やるって、決めた。」
「いつ話したの?どこで? 」とあけみ
「いつでも、どこでもさ。」
「ん?どういうこと?」
「わかんないのかい!あんたそれでもテレビ局つとまるの!」と富士子。
「なしてさ!テレビはあいまいな表現は許されないの!」とあけみ。「
なっちゃんは、仕事を続けるべきだと思うわ。だって、なっちゃんの作品を千遥ちゃんもどこかでみてると思うから。千遥ちゃんもそれをみて、安心してるんでないかな。」とサラさん。
「そうだね、きっとそうだと思うわ。」と富士子。
久しぶりに、千遥のことを、皆で話す。
千遥が乳搾りする回想映像が挟み込まれる。
「わたしは、作品を作りながら、千遥によびかけていたんだわ、ずっと。わたしはここにいるから、って。また会いにきてね、って。それを、やめるわけにはいかないわ。」
一方、坂場。
大草原の小さな家、の企画書を描いてる。
翌朝、その企画書をマコ様にわたす坂場。
「奥原なつが、やる気になりました。」
「それはつまり、うちに来てくれるっていうこと?!」
「そうです。」
「東洋動画やめる気になったの?」
「いますぐに、というわけにはいかないでしょう。おそらくは、いま取りかかってる作品が終わってからだと思います。だけど、自分から、これをやりたいと言い出したんです。」
喜ぶマコ様。
下山さん、神地、モモッチも喜ぶ。
おおおお、かつての仲間たちが、再集結だ!
大草原の小さな家、を原案として、物語を、うみだしていく。
東京に戻ってくるなつとゆう。
坂場はまだ仕事から帰ってないが、西荻窪の家へ。
パパただいま!とゆう。
坂場帰ってくる。
雪月でもらったお菓子の、包装紙を見せる。
草原に、なつと思われる少女が立ってる絵。
パパおかえり!とゆう。
ほんものの馬みたよ、と。
それは、天陽くんが最後に書いた、絵。
それが本物だって、よくわかったな、ゆう。えらいぞ! と坂場。
そして、坂場、大草原の小さな家、の企画書をみせる。
「舞台は日本、北海道にする。北海道を舞台にして、また物語を作っていきたいんだ。」
◆ 138 話
これが企画書だ、となつにみせる坂場。北海道を舞台に、物語を。
そして流れる、優しいあの子!
めげずに歩いたその先に、知らなかった世界。
北海道の家族を主人公に。
柴田家の家族に、天陽くんに、十勝に、坂場も影響を受けている。
それをリアルで、アニメーションにしかできない表現で、それをできるアニメーターは、なつしかいない。なつに作画監督を打診する坂場。
マコ様も下山さんも神地も、なつが作画監督で、納得している。
イッキュウさんの演出で、やりたい、となつ。
「この絵を、君が受け継ぐんだ。」と、天陽くんの書き残した、雪月の包み紙をなつにわたす坂場。
翌日
お昼にすこし時間をとってくれませんか、と仲さんを呼び出すなつ。
お昼。弁当たべながら。仲さんと一緒に昼。
なかなか言い出せないなつ。
ふりしぼり、実は、やめたいんです、この会社をやめようと思ってます、と打ち明ける。
アニメーターはやめないが、この会社はやめる、と。
つまり、他の会社へ。
「そうか、君もか…」
「すみません」
「どうして謝るの」
「わたしは、仲さんのおかげで、みなさんにも力になってもらって、仕事を続けることができました。それを、裏ぎることになります。」
「なっちゃんは、それを、裏切りだと思ってる?」
「え?」
「この会社を裏切りたいとか、僕たちを裏切りたいと思ってる?」
「そんなことは思ってません」
「だったら、その選択は、裏切りじゃないよね。 マコちゃんのところへ行くのか。」
「はい。どうしてもやってみたい、企画があって。」
「それで、いいと思うよ。アニメーターは、1つの会社より、1つの作品にこだわるべきだろ」
安堵するなつ。
「わたし、仲さんの弟子でよかったです。自分で自分の道を決めるしかなくなっても、弟子は弟子ですから。これからも、一生そのつもりです。」
「弟子なら話が違ってくるな。それはやつぱり裏切りだよ。」
「え! 」
「冗談だ」
「え!?」
わかりにくいトーンで冗談をいう仲さん!
「冗談の時は、そういうトーンで言ってもらわないと! 誰も笑えませんよ!」となつ。
「え、いままで生きてきて、気づかなかった。これからはそうするよ」
「ふふふ」
そして、社長室へ
退職願だす。
これは、純粋に、わたしのわがままです。どうか、お許しください。
そして、作画作業してると、
佐藤部長が剣幕変えて入ってくる。
「社長に退職願出したんだって?!!困るよ!君はだいじな戦力なんだ!魔界の番長だって好評なんだよ! この番組は最後までやってくれるんだよね?!」
「そのつもりです」
そこで、
「わたしが、作画監督をやってはいけないでしょうか!奥原さんのかわりはできませんけど、奥原さんが抜けても、その穴を埋めることはできるかと思います!」
と堀内さん。
堀内さんなら、絶対にできます!となつ。
わかりました、どこかで堀内くんにも作画監督をしてもらいましょう、と佐藤部長。
もう!できる人からやめていくなこの会社は!と愚痴りながりでていく佐藤部長。
その後、風車プロダクションへ、優を迎えにいくなつ。
咲太郎と光子さんにゆうのめんどうみてもらってた。
「お兄ちゃん、光子さん、わたし、来年になると思うけど、またイッキュウさんと作品を作ることにしたから。」
「え」
「また、新しいことに、挑戦することにした」
「北海道で、そう決めたのか。」
「うん。ゆうと、そう決めた。」
「よくわかんないけど、お前もよかったみたいだな、北海道。」
と、なつと咲太郎のやりとり。
その後、帰り道。
「ゆう、ママはこれからも、お仕事するからね。ゆうにはこれからも、さみしい思いをさせちゃうかもしれないけど、これからも絵を動かしていくからね。」
「うん!ママ大好き!でも番長はきらい」
「うーん、番長も、いいやつだよ!」
幸福なやりとり。
そして、年が明けた、昭和49年の3月まで、なつは、東洋動画で働いた・・・
★ 感想
魔界の番長が人気好調なのはいいが、マコプロに神地も行くことになり、いよいよ、なつも悩み出す。その一方で、天陽くんが亡くなってしまう。なつにとっては青天の霹靂。現実味がなかったものの、北海道に行き、その事実に改めて向き合い、天陽くんの残した絵をみたゆうの反応などもあり、泣き崩れてしまうなつ。 アトリエでの天陽くんの自画像との会話、その夜に書いた大草原の小さな家のキャラクターデザインを翌朝ゆうがみての反応などもあり、なつ、東洋動画をやめ、新たなスタートを切ることを決意。
マコプロで作られることになる、大草原の小さな家は、北海道を舞台にした話になるとか。なつのマインドの礎であるフロンティア精神と、なつのアイデンティティでもある北海道とが絡んでいるこの作品。クライマックスは、この作品の完成に向かって高まっていくのだろう。 なつぞら、ここから、まだまだおもしろい!
次週、なつよ、この十勝をアニメに!
コメントを残す