9/30からはじまった、101回目の朝ドラ、スカーレット。
1988年生まれの戸田恵梨香が主演で、信楽焼をめぐるドラマだという。
朝ドラオリジナル脚本で、脚本家は、水橋文美江。
第 11 週 「夢は一緒に」
★今週のざっくりしたまとめ
・ふたり、抱き合っているところを父ジョージに見られる、きみこと八郎。
・あんなやつはあかん、結婚はあかん、となるジョージ。
・おおのしんさくが機転を利かして、八郎の部屋にきみこを連れてくる。
・嫁入り前の若い娘が男の部屋に、あかんです!となる八郎。
・帰りたくないです、ときみこ。
・ふたりで一緒に、ちゃんと父ジョージに認めてもらおう。
・日を改め、あいさつしにいくも、まともに取り合ってもらえない。
・何度も何度もあいさつしにいくも、跳ね返される。
・そんな最中、妊娠していたてる子が無事出産。
・きみこと八郎、てるこの出産に立ち会い、父ジョージに会いにいくの遅くなる。
・父ジョージやきもき。
・その夜、まぁあがれや、と八郎を家にあげる父ジョージ。
・陶芸家の夢をあきらめてくれるのなら、結婚よいです。夢をあきらめてください、お願いします、と頭をさげるジョージ・
・一旦、わかりました、となる八郎だったが、きみこ、そんなのあかん、と反抗。
・八郎ときみこの陶芸の道への熱い気持ち、母マツのアシスト、未来になにが起こるかわからんワクワクもあるということ、などなど、たくさん話し、父ジョージ、ついに折れる。結婚祝いと陶芸入賞祝い、一緒にしたるわ、賞取れるもんならとってみぃ。
・よろこぶきみこと八郎。
・しかし、翌日から、八郎は陶芸展への作品づくりにこれまで以上に力出す。
・よい、と思った作品、トシハルさんに見せるも、もっと時間かけて、自分だけの色を出せ、と叱咤激励。
・悩む八郎。
・そんな中、おおのさんとこの新しく開く喫茶店のコーヒー茶碗を頼まれる八郎。八郎のつくった湯のみ、すごくよかったと。
・引き受ける八郎。しかし、陶芸展の開店と陶芸展の日取りはほぼ同じ。心配するきみこ。
・作品をほめられること、求められることが、なによりも活力になるのだ、と八郎。
▪️第61話
八郎、きみこを抱き寄せる。
しかし、感極まってるきみこが前を向くと、そこには、父ジョージ!!
ジョージ、走り寄って、八郎を張り倒し、きみこを連れてく!
そして流れる、Superfly のフレア!
日々、恋をして、胸を焦がしたい。
家にもどるジョージときみこ。
どこの馬の骨かもわからんやつと!世が世なら切腹や!とジョージ。
「聞いてください、八郎さんいう人です。」ときみこ。
「八郎さんやない、ハレンチさんや、そしてお前はあばずれさんや! いいからはよ、お見合い大作戦行ってこい」と取り合わないジョージ。
しかし、きみこ、それに対して、
「結婚、考えてます。もともとそういう人や。お付き合いの先に結婚を考えてる、そういう誠実な人です。八郎さんには丸熊陶業で、陶芸を教えてもらってます。ソヨダさんは、陶芸家になりたい夢を持ってます。陶芸と真剣に向き合う、その姿をみて、うちは、あの人と、一緒になりたいです。」
それを聞き、ジョージ、
「結婚、せんでええ、ええねん」と、なんかわけわからん反応する。
なんかよくわからんが、あかん!とジョージ。
一方、八郎、おおのしんさくと一緒。
9歳のころのきみこの話を八郎にするおおのしんさく。
おとなしいしんさくだったが、きみこが垣根をこえてきた。
そっから、きみこと腐れ縁なんや、と。
そして、おおのしんさくのとこに、きみこ、やってくる。
おおのしんさくがゆりこに頼んだ。
男の一人暮らしの部屋に、嫁入り前の娘があかん!とあわてる八郎。
ほな、俺もう行かんといけんから、と二人を残して出かけるおおのしんさく。
「おじさんも、さっきはびっくりしてカーッとなっただけや、結婚ってことになったら、おじさんも大喜びや」と言い残し、しんさく出てく。
二人で話す八郎ときみこ。
張り倒され、立ち上がり、追いかけようとして、足をくじいた八郎。
八郎、あとでまたお父さんに話しにいきます、と。
「いまはいいから、とりあえず、足をなおして。とりあえず、結婚は、ええ」ときみこ。
「なんでですか、運動苦手、どんくさいのわかったからですか?」と八郎。
「そんな! 足の手当て、しましょう」
「ええです、帰ってください、ここは」
「本当に帰ってええの?もう会えんかもしれんで!」
「なんでです!!? ….お父さん、お父さんに、本当はなんて言われたの?」
「….帰りたくない。帰さんといて」ときみこ。
◆ 第 62 話
帰りたくない。帰さんといて、ときみこ。
八郎、急に呻き出す!
そして流れる、Superfly のフレア!
日々、恋をして、胸をこがしたい。
「照れ隠しで、陶芸の研究ノートみます?」と話題を変えようとする八郎。
色出しの研究ノート。
自分だけにしかだせん色をみつけたい。
「このノート、持って帰って学び。今日は、帰り。」
必死に衝動を抑え、きみこを帰そうとする八郎。
色出しの本じゃなくて、今度は土についての本を渡す。
「それで勉強し、また明日から朝夕勉強や!」
きちんと話しにいくさかい、また頭下げて、お願いしにいく。
「それは、うちに任して。うちのお父ちゃんは、ほんま一筋縄ではいかんねん。うちが頭さげて許してもらう」
「あほ。あほやん。僕がおるで。これからは、僕がおる。ほな、一緒に。一緒に、頭下げよう。ちゃぶ台ひっくり返されたら、一緒にかたそう。これからは、ひとりやなくて、一緒にやってこう」
「そやけど、また殴られるかも」
「好きな人のためやったら、かまへん」
「うちも好きや 前よりもっと好きになったわ」
「僕も好きやで」
「好きの大安うりやな!」
わはは、と笑う二人。
一方、お見合い大作戦はうまくいかなかったとか。
ほとんどが冷やかしで、真面目に参加した女性はいなかった。
しかし、真面目に参加した女性、それはおおのしんさくにアタック。
企画した側だけうまくいくのは忍びない、とドギマギするおおのしんさく。
一方、川原家、翌朝。
「もういっぺん、ソヨダさんと会ってください!」と父ジョージにたのみこむきみこ。
「ええけど。かまへんよ。」とジョージ。
「ほんま?! ありがとう!」
「そやけど、結婚はあかんで。あいつはあかん。」
その後、それをソヨダ八郎に伝えるきみこ。
「会ってくれるだけでもありがたい、何度でも会いにいくわ、許してもらえるまで。一緒に乗り越えような。」と八郎。
しかし、ふたりが話してるのをほかの商品開発室のひとが聞いてしまい、それがトシハルさんの耳に。
呼び出されるきみこ。
トシハルさん、てるこも一緒だ。
怒られると思ったきみこだが、
「なんで言ってくれなかったん!いつのまにそんなんなってたんや!」と明るい調子のてるこ。
トシハルさんも笑ってる。
ソヨダ八郎からトシハルさんに、ちゃんと話もあったという。
そういうことやったら、ほかの社員の手前もあるし、所帯持ってくれたほうが、もめごとにならずにすむ。
そうしたいのはやまやまだが、まだ父ジョージからの許しを得てないきみこ。
なんでや!ソヨダさんは将来有望やで!とてるこ。
ソヨダ八郎は、トシハルさんがその将来性を見込んで連れてきた男。陶芸展での入賞も遠くない。
夜、川原家。
きみこ、ソヨダ八郎を連れてくる。
父ジョージと対面。
◆ 第 63 話
ついに、父ジョージとソヨダ八郎が対面。
ジョージ、
「この間は殴ってすまんな、…以上や!」
と言って去ろうとする。
加えて、
娘はやれへん。
と言って、風呂に入りに行こうとする。
そして流れる、Superflyのフレア!
日々、恋をして、胸をこがしたい。
また日を改め、またたのみこみにくるソヨダ八郎。まったく取り合ってもらえず。
3回目は茶の間にあげてもらえず。
4回目は、家の中に入れてもらえず。
5回目からはすっぽかされ。
6回目もすっぽかされ。
7回目もすっぽかされ。。
ソヨダ八郎が熱意ある様子をみて、取り合わない父ジョージにご立腹。
家族の多数決で、もう結婚でええやん!と。
「うちが選んだ人や、心配いらんで。お父ちゃんに許してもらえるまで、100回でも、200回でも、頼みに行くわ。」ときみこ。
ソヨダ八郎との話、東京のなおこにも届いていた。
ひとこと、ガンバリイ! と電報。
ニンマリするきみこ。
そんな最中でも、仕事終わり、陶芸習いに行く。
気を使って、掃除をしようとするきみこ。
タダで教えてもらってばかりで悪いと。
しかし、
「掃除はいい、それより、授業料、払ってもらおかな。」と八郎。
金かぁ、といやがりながらも、払うきみこ。
そして、
「よし、このお金は、どうせ結婚したら二人のお金や。たまったお金で、陶芸の道具こうたらええわ。ヘラやなんやら必要なもんどんどんでてくるで。そのための、夫婦貯金や!」
それをきいて、心底嬉しそうにニンマリするきみこ。
「お父さんの許しが得られたら、大阪に映画見に行こう。美術館もええな、デパートの作品展みたり」と夢を語る八郎。
その様子を聞いて、部屋に入ってきた、てるこ。
デパート、いま彫刻展やってるで、行ってきたらええんや。と。
若社長トシハルさんとしては、新しいものをどんどんみて、感性を磨いてもらいたいと。
楽しそうに話すきみこと八郎、てるこ。
ソヨダさん、きみこのこと、よろしゅう頼みます、とてるこ。
そんな中、てるこ、陣痛か?!
いや、大丈夫だった。
いや、やっぱり陣痛か?!
コミカルなやりとり。
その夜。
川原家、父ジョージ。
毎日来てたきみこと八郎がなかなか来ないので、ソワソワしてる。
◆ 第 64 話
ソワソワしてる父ジョージ。
そもそも、あいつら、いつからやねん、と妻のマツに問い質すジョージ。
「知りませんよ、大阪からきはった方ですからね」
「大阪からって、…きみこが大阪にいるときから、…どうすんねん!」
「気になんなら、会って話したらええやん!」
「話したら、なし崩し的に結婚や、ってなるやろ、まだ早いやろ、結婚は。きみこはまだ俺ん中で、3歳や」
呆れて相手にしない母マツ。
そして、なかなか来ない二人。
「俺らんときみたく、駆け落ちしたんちゃうか?!! 熱情が燃えたぎって!」とやきもきを募らせるジョージ!
そして流れる、Superflyのフレア!!
日々、恋をして、胸をこがしたい。
別の部屋で話を聞いてたゆりこ、お父ちゃんとお母ちゃんは、駆け落ちしたん? と。
「若いときやったからな」
「そんで、お父ちゃん、熱情が燃えたぎってたん?」
「若いときはな」
気色悪っ!!と拒否反応示すゆりこ。
そんな中、きみこと八郎が帰ってくる。
遅れたのは、てるこの出産に立ち会ってたからだとか。
てるこの赤ん坊は、安産で、女の子だったとか。
今日はもう遅いから、八郎、とりあえず帰ります、と。
しかし、ジョージ、
まぁ、あがれや、と。
驚く一同。
ほな、上がらせてもらいます、お言葉に甘えて、とかしこまり、居間に上がる八郎。
ジョージの、一通り、ちゃぶ台ひっくり返し、それを止める、のコントがあったあと、
「もうええ、足崩せや。」と正座してる八郎へ。
「ソヨダ八郎といいます。」と改めて自己紹介。
俺、ジョージ。 と、なんか子どもっぽく言う父ジョージ。
なんやそれ! ときみこ。
「最初は砕けた感じで行くねん!」
寝転びだすジョージ。
なんやそれ! と起き上がらすきみこ。
仕切り直し、八郎の出身地の話、家族の話などする。
一通りきいて、
「あの、ひとつだけな、あの、ソヨダくん、八郎くん、腹割って、話すな。俺はずっと、こいつと一緒になって、ずっと苦労ばっかかけてきたんや。どこの馬の骨かわからんやつにはやらん、言われて、駆け落ち同然で飛び出してきて。泊まるとこなくて、橋の下で雨しのいだな。幸せにしてやろおもうとうたんや。幸せにできるおもうとうたんや。夢もいっぱいあった。大きい家たてよ、いうて。ハイキングも行きたいいうて、それなんも、叶えてやれんかったんや。ここも逃げるようにきて、みての通りオンボロで、失敗ばっかりの人生や。せやから、わかってくれるかな、八郎くんは、丸熊陶業いうとこで、社員さんでおられるやろ。ほんで、ええんちゃうの。きみこから、きいたんや。陶芸家になる夢ある、って。そんなん、夢、必要ですか。それだけがな、それだけがきになんねん、それだけが、わからへんねん。約束してください一個だけ、きみこと一緒になるんやったら、そんなふわふわしたこと言わへん、って。ひとつ、約束、してください。」
と、神妙に述べるジョージ。
「陶芸家になりたいいうのが、あかんのですか。夢を持つな、というのですか。」
「好きだけでは、夢というのは、叶いません。どうからお願いします。」
頭を下げる、ジョージ。
むむむ!
◆ 第 65 話
八郎に、夢を諦めてください、と頭を下げるジョージ。
それをきき、
「わかりました。きちんと定職について、合間の時間で陶芸をやります。丸熊陶業をやめるようなことはしません。約束します。」
と、真摯に答える八郎。
そして流れる、superflyのフレア!
日々、恋をして、胸を焦がしたい。
八郎が真摯に答える中、きみこ、
「もう遅いで。もううち、見てるんや、ソヨダさんと、夢。お父ちゃんの許しもろたら、美術展行ったり、映画館行ったり」
「行ったらいいがな」
「陶芸家になるための勉強やで。完成磨くんや。夫婦貯金いうのもはじめたで。電気釜買おう言って。ふたりでお金貯めて、陶芸家になって、ひとりだちして食べていける、そういうソヨダさんの夢を、うちはもう見てるんやで」
それを横で聞いて、八郎、
「食べていくのは大変や。苦労かけさせたくないいうお父さんのいうこともようわかる。…..趣味で、….趣味でやってくんのでも、ええよ」
「ええことないよ!自分だけの色出したい言うてたやん!!」ときみこ。
「ちょ、ちょ、待てよ、なんぼでも空いた時間にやったらええやん」とジョージ
「ものづくりはそんな甘いもんちゃうわ!そんな片手間でできるんやったら、みんな陶芸家なってるわ、絵付け師なってるわ! お父ちゃんが酒飲むとは違うんや!一緒にすなや!!」
と、涙を浮かべ、ジョージにかみつくきみこ。
ちゃぶ台をひっくり返そうとするジョージ、
しかし、それを止める、きみこと、八郎。
「….優しいで。お父ちゃんが思ってる以上に、この人優しいで。お父ちゃんがそんなこと言うたら、わかります、言うに決まっとるやん。ほんで、この人、陶芸なんて、いうて……」
うつむいてしまうきみこ。
「やめへんよ。やめへんて。信楽の土好きやし。ものづくり好きやし、自分だけの色出したいう。ここで投げへんよ。」と八郎。
それをきいてたジョージ、
「やめたら、ええねん。片手間でできんいうんやったら、やめたらええねん。….丸熊陶業やめて、陶芸家なったらええ。仕事おわりに酒飲むしかない俺にはもうわからんわ。お前らの世界のこと口出して、悪かったな。もう、勝手に、夢見たらええねん、もう!」
きみこ、立ち上がり
「ほな、そうします! うちが、支えます。」
支える?!
「陶芸家になるまで、うちがささえます!」
「支えるの意味わかってんのか! そんなんで、一本も二本も下がって生きていけんのか」
八郎も立ち上がり、
「一本も二本も下がらんで、ええんです。並んで歩いていけたら」
「並んで、って、こいつのほうが、さっきからしゃしゃりでてきとるやんか」
「しゃしゃりでることがあってもええし、のうてもええし、並んで歩いていけたら」
そこで、母マツ、立ち上がり、
「あのな、駆け落ち同然で飛び出したときな、泊まるとこのうて、橋の下で、ふたりで雨しのいだ、あれ、ワクワクしたで。この先どんなことが待ってるんやろ、て。うちはいっぺんも、あんたの人生失敗や思うたことないで。」
ゆりこ、立ち上がり、
「気色悪いいうて、ごめんなさい。」
頭下げる。
気づけば、全員立ち上がってる。
一旦すわり、八郎、
「聞いてください。たとえば、四年前に、陶芸展で入賞しま山田さん言う人は、僕の大学の8年先輩です。山田龍之介、いう名前で、いま陶芸家として活躍してます。」
「信楽のひと? 」ときみこ、
「加賀ひとや。…..小さな湯のみを作って、出すと、五万で売れます、大学の初任給の、3倍くらいです。なんで五万で売れるか、わかりますか? それだけ、心が動いたからです。お金に換算して、説明しました。僕は、人の心を動かすような作品を作りたい。….僕の部屋に、絵が飾ってあります。深野先生の絵と、もう一枚。秋口に、風邪ひいて寝込んでご飯食べられへんかった時に、その絵みて、元気を出しました。誰かの描いた絵が、誰かを支えるように、僕も誰かの心ささえたり、励ましたり、そういう…….すみません、ほんまにすみません、先ほどの約束見合わせてください。僕は陶芸展で賞をとり、陶芸家になります! 一緒に夢を見させてください!お願いします。」
土下座する八郎。
きみこも、土下座する。
….ソヨダの姓は、どうすんねん、
「ソヨダの姓は、兄弟が継いでくれます。川原八郎になります。きみこさんと、一緒にならせてください、きみこさんと、結婚させてください、お願いします、お願いします!」
再度、土下座。
「……..陶芸展で、賞とったら、金賞祝いと、結婚祝い、一緒にしたる。取れるもんなら、とってみい!」と父ジョージ。
「八郎さん、よろしゅうお願いします。」と母マツ。
認められた!!
翌日、朝。
いつものように、きみこ、商品開発室へ。
憑き物がとれたような表情のふたり。
「今日から、…今日から、出品作品に集中して取り組まんといけない。あまり、教えてやれないかもしれない。」
「うちのことは、気にしんといてください。うちはまだ、土と友達になること目指してます。勝手にやってます。」
「うん。ききたいことあったらいうてな。」
「ソヨダさんも、いうてな。」
「いてくれるだけでええよ。よこに。いてくれるだけで。」
八郎ときみこのやりとり。
そして、ふたり、土と向い合う。
◆ 第 66 話
仕事がはじまる前の朝二時間、陶芸タイム。それから、普段通りにそれぞれの仕事をこなし、そのあと、ふたたび、二、三時間、陶芸タイム。
一度素焼きをしたあと、自分で調合したユウヤクをかけ、高い温度で焼く。
納得した作品に仕上がるかどうか、焼いてみるまで、わからない。
そして流れる、Superflyのフレア!!
日々、恋をして、胸を焦がしたい。
焼きあがった、八郎の出品作品。
若社長のトシハルさんに、みせる八郎。
陶芸展しめきりは、年明け一月末。
「日曜も、使っていいさかい、がんばり」とトシハルさん。
「これでは、あかんということですか?」と、自信作を認められず不本意な八郎。
「なに焦ってるんや、この色でええんか? きれいに焼けてはいるけど、それだけ。自分がようわかってるんちゃうか。」
トシハルさんの厳しい言葉。
八郎の作品づくりは、一からやり直しに。
がんばる八郎。
休みの日も、こもりきり。
きみこ、それを案じて、
「映画いこう、言うてたやん、美術展とか。」
「お父さんから許しが出たらね」
「とりあえず、ご飯、食べ!」
おにぎり食べさす。
「ひとりでもええから、行ってきい。」
「時間がないわ」
「一息いれて頭やわらこうすんの、今日くらいしかないやん!」
一方、おおのしんさく、お見合い大作戦で出会った女につきまとわれてる。
きみこと八郎、おおのさんとこが新しく開いた喫茶店へ。コーヒー飲む。
「おおのしんさく、なんか気づかんか? 」ときみこに。
湯のみ、八郎が作ったやつだ!
コーヒー茶碗も、お願いしたい、と、おおのさん夫妻。
信楽で作った、コーヒー茶碗。
15セットくらいほしい、と。
開店は、年明け、15日前後。
む、それは、八郎の陶芸展の日付と重なる?!
八郎、大丈夫です、と引き受ける。
心配そうなきみこ。
商品開発室。
「やっぱり断ろう」ときみこ。
「ええねん。ええいうてるやろ。」
「逃げてるんちゃうん? 作品づくり思うようにいかないから、コーヒー茶碗に。」
八郎、きみこを、座らせ、
「僕は、自分の作品否定されたら、自分も全否定去れた気持ちになる。今日、湯のみ茶碗好きや、言われて、ものすごい救われた。コーヒー茶碗も、作品づくりに活かせる。」と八郎。
しかしまだ、心配そうな表情のきみこ…
★感想
八郎ときみこが、父ジョージに結婚を認めてもらうべく奮闘する様子、その中で
問題になってくる、陶芸家の夢。人は芸術に金を払う。心か動いた分。芸術でも、食っていける。ジョージの言う、生活の厳しさもひとつの真実だが、生きる、ということは、それだけではままならないもの。結婚はとどのつまり、当人の問題ではあるが、父ジョージと向かい合い、筋を通そうとする八郎ときみこの男気に痺れた。
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