2019年も終わる。
2019年を振り返るにあたり避けては通れないのが、なつぞら。
その中から、名セリフをいくつか抜粋してここに残す。
1
“一番悪いのは、ひとがなんとかしてくれると思って生きることじゃ。 お前はここ数日、ほんとによく働いた。そのアイスクリームは、お前の力で得たものだ。お前なら大丈夫だ。だからもう、無理に笑うこともない。謝ることもない。堂々としてろ。堂々と、ここで生きろ”
(第1週 4話より)
東京から北海道に来たなつに、ずっと厳しく当たっていた草刈正雄演じる柴田泰樹じいさんが、はじめてかけた、深く優しいことば。
よそものとしての負い目からか、必死に認めてもらおうとがんばるなつの姿に、じいさんの心も動いた。
ひとになんとかしてもらう、ではなく、自分で道を切り拓く、その開拓者スピリットこそが大切だ、という、なつぞら全体を貫くテーマがここでぶち上げられている。
広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録あらすじ —第1週 「なつよ、ここが十勝だ!」
2
“お前には家族は一緒にいない。しかし、わしらが、一緒におる。”
(第2週9話より)
柴田牧場を飛び出してしまったなつ。柴田家の面々が必死に捜索し、やっと、見つかる。
「どうして、どうしてわたしには家族がいないの! 」と泣き怒るなつ。
それに対し、「もっと怒れ!もっと怒ればいい! 」と草刈正雄演じる泰樹じいさんが煽る。「ばかやろー!!!」と号泣するなつ。じいさんに抱きつく。
その時のじいさんのセリフ。
家族ではなくても、一緒にいる。
だから大丈夫だ、と。
タフで大きく、優しい言葉だ。
広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ セリフ書き起こし 第2週 「なつよ、夢の扉を開け!」
3
“人間が発情したらどうするんじゃ!!!”
(第3週 第16話)
吉沢亮演じる天陽くんのとこの牛が発情して、それを天陽くんと一緒にみてきたなつ。
いつもより遅く帰り、「いま種付けしたら、来年の春には生まれてくる。」と嬉しそうにじいさんに話すが、それに対してじいさんがぶちあげたセリフ。
「お前らもう子供じゃないんじゃ、世間の目から、ふしだらと思われるようなことはすんな!!」と、ご立腹。
農協とのあれこれでもめて、じいさんの鬱憤がたまってたのもあっての発言と思われる。
広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ セリフ書き起こし第3週「なつよ、これが青春だ!
4
「いいか、へたというのは、なにかをやろうとして、できないやつのことだ。お前は、なにもやろうとしていない。へた以下だ。」
(第4週 第21話より)
なつが出演した高校演劇、白蛇伝での稽古中の、柄本祐演じる倉田先生のセリフ。
演技は初心者で、へただからうまくできない、と言うなつに対して、ズドンと突き刺すように放たれた言葉。
なにもやらないのは、ヘタ、にすらなれない。やって、ヘタだ!となるのは、0から1への、大きな、決定的な一歩だ。
5
「もったいなくて食えねぇ」
(第5週 28話 )
ゆみこ(福地桃子)が持ってきた、帯広の雪月のシシュークリームを真剣な眼差しで眺め、泰樹じいさんが放った言葉。
硬派な普段の様子とはうってかわって、むしゃむしゃ食べる泰樹じいさんの可愛らしさのギャップ萌え。
広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第5週「なつよ、お兄ちゃんはどこに!」
6
“なんでもできるのは、なんもないのと一緒だよ。 ”
(第6週 33話より)
ディズニーのファンタジアを天陽くんと一緒に観に行ったなつ。
鑑賞後、余韻に浸り、映画やアニメーションの可能性のデカさに感動してるなつに対し、天陽くんが放った言葉。
なんでもできるというのは、なにもない広い土地に行くのと同じように、土を耕す方法を覚えて、作れるタネを見つけて、手に入れないとなんにもできない。
可能性のある分野へ踏み出していくことは心踊ることであるが、そこには開拓していくことの厳しさがつきものなのだ。
7
“道に迷った時は、自分のキャンバスだけに向かえばいい。そしたら、どこにいたって俺となっちゃんは、なにもない広いキャンバスのどこかで繋がっていられる。”
(第7週 42話より)
北海道から東京へ行き、アニメーターの道を目指すと決めたなつに向けて、天陽くんが放った言葉。
「なっちゃん、俺は待たんよ。なっちゃんのこと、ここで。帰るのは待たない。なっちゃん、俺にとっての広い世界は、ベニヤ板だ。そこが俺のキャンバスだ。なにもないキャンバスは広すぎて、そこに向かってると自分の無力ばかり感じる。けど、そこで生きている自分の価値は、ほかのどんな価値にも流されない。なっちゃんも、道に迷った時は、自分のキャンバスだけに向かえばいい。そしたら、どこにいたって俺となっちゃんは、なにもない広いキャンバスのどこかで繋がっていられる。…..がんばれ! 頑張ってこい、なっちゃん。」
なつは、この言葉を東京での辛い時に、何度も反芻し、救われることになる。
8
“悲しみから生まれた希望は、人を強くします、喜びから生まれた夢は、人を優しくします”
(第 8 週 より)
なつや、なつの兄の咲太郎と一緒に、戦火の中孤児としてサヴァイヴした、ノブさんが、咲太郎と、その擬似的な母のような存在であるあやみさん、なつ、新宿のドンであるフジマサ親分とでしみじみ話している中で、放った言葉。
人は、悲しみで強くなり、喜びで優しくなれる。ハッとさせられる真理をぶちこんできて、全てかっさらっていく、ノブさんは、なつぞらの世界にコクと深みを与えている。
広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第8週「なつよ、東京に気をつけろ!」
9
”自分のために生きてないやつには、他人のことも助けられない。いまの俺じゃ、だれの力にもなれないよ“
(第9 週 53 話より)
アニメーターの夢を追うなつをサポートしようと奮闘しながらも、空回りしていた兄の咲太郎が、自分の夢、目標を、誰かに投影していてはだめだと気づき、放った言葉。
それに対しなつは、そこにいてくれるだけで力になるよ、と兄へ告げる。
人生というマラソンにおいては、別の道においても走っている誰かがいること、その存在を感じられることが、なによりも力強く、その心を勇気付けるのかもしれない。
広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第9週「なつよ、夢をあきらめるな」
10
“アニメーションは、ラテン語で魂を意味する、アニマ、という言葉から来てるんだ。動かないものに魂をいれて動かす、つまり、命を、与えるってことなんだ。 本気で命をふきこもうとすれば、悩まないアニメーターなどいない。“
(第 10 週 57 話)
貫地谷しほり演じる大沢マコさんが、ぬるい作画にキレまくっている中、おびえるなつ。その様子をみて、なつのアニメーターとしての先輩、麒麟の川島演じる下山さんが、放った言葉。
命を吹き込む、というのは一筋縄ではいかない。動かないものに、魂込めて、動かす。その困難に立ち向かい、四苦八苦することに、アニメーターの矜持があり、ものづくりの喜びがある、ということを伝えていて、グッとくる。
広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第10週 「なつよ、絵に命を与えよ」
なつぞらは永遠だ。
目を閉じれば、今も聴こえる、優しいあの子。
いつだって、めげずに歩いたその先に、知らなかった世界。
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