2019年の国産ニューエイジ再評価と環境音楽

今年の個人的最大のトピックは2019年3月に発売された
「KANKYO ONGAKU: JAPANESE AMBIENT ENVIRONMENTAL & NEW AGE MUSIC 1980-90」です
このコンピレーションは外国のレーベルから出てる事に「またやられた」と思う日本人も多くいるでしょう。何よりこのアルバムがアカデミー賞にノミネートされた事にはとても驚きました
なんとなくこの盤で世界中のディガーが血眼になって探していた日本人アーティストも一段落
そして次はなにがくるんだろうとワクワクしている時にいつも基準となってくれるDJの方がいます
CHEE SHIMIZUさん、優れた耳と音楽愛を持ち、
集めることに満足するのではなく自分が聞いたら横に流すというスタンスが好きでよく追っかけています
そんな彼の2019年のフェイバリットが雑誌ele-king vol.25に掲載されたました、
YouTubeで検索してもヒットしない山本邦山の尺八演奏などです、ネクストレベルへ行かれてます
そしてふと思い出したCDがあり、久々聞いてみたんですが
それは今年傑作アルバムをリリースした小沢健二氏の2006年の作品「毎日の環境学」です
米のジャズミュージシャンを起用して作られたこのインストアルバムは、
当時あまり世間には認知されていなかったように思います
この2つのアルバムに共通するもの、それは「環境」です
サティが提唱した「家具の音楽」それの進化系のような気がします
この間、13年で世界情勢は一変してます
特に地球温暖化が深刻で、日本では「千年に一度」レベルの災害が毎年起こるまでになりました
アンビエントを提唱したブライアン・イーノは「癒し」を音楽に入れ込むことに成功し
人々を進歩主義から脱却する事への考えを与えてくれてます
先に紹介したオムニバスは主に80年代の音楽であり、
「癒し」を表現していたのが時代と共にその意味が変わってきました
現在では経済の発展に「待った」をかける音楽としての環境音楽では無く
地球を守ろうという環境音楽に聞こえます
特に毎日の環境学は「学」と入ることからそういった意味が深まってきているように思います
しかし、早すぎたとも思います。
ヴェイパーウェイブによる加速主義にて進化を促進させる手法の先に待ってるのは「死」です
私は脱出より手を取り合いたいと思うので
2020年に必要な音楽は「共存」をテーマにした新しいアプローチだと思います
それにしても何十年も前から叫ばれていた環境問題はいつまで経っても進歩せず、
結局懐古主義が流行ってしまうこの現状は本当に危機感を覚えます
しかし皆同じ思いを持ってるはずだと思います
でもどうすればいいのか分からない、これが「今」だと思います

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