タモリ倶楽部 2019−2020 特に印象に残っている放送 3選

テレビ番組、特にバラエティ番組をほとんど観なくなって久しいが、ずっと、毎週欠かさず観ている番組がある。それは、タモリ倶楽部。いわゆる世の中の主流のバラエティ番組の演出を意図的に無視して避けているとも思えるマニアックでありながら独自の視点と演出で、へたすれば自己満足とも取られかねない企画を平気でぶちあげているタモリ倶楽部の痛快さ。レコーダーのハードディスクに、タモリ倶楽部だけが消されずにずっと残り、溜まり続けている。 

2020年4月現在、COVID-19のパンデミックに伴う収録の自粛のため、過去の映像の編集版を流したりしているタモリ倶楽部。2020年の土用の丑の日に食べるためにうなぎの養殖を1年前からはじめている企画が果たしてどうなるのか、など、気になるところだ。

レコーダーに溜まったここ1年くらいのタモリ倶楽部をざっと観たりしていて、これは神回だったな、と思う回がいくつかあった。その中から3つ選んで、ここに書き残したい。 

「麗しのスキマうどん美人」

まず一つ目は、2019年6月28日放送の回、はなまるうどんのすりガラス越しにうどんを食べる美女を眺めるとなんだかグッとくるという視点での、「麗しのスキマうどん美人」という企画。ケンドーコバヤシ、六角精児という濃厚で味わい深く安定感のある中年二人に加えて、Creepy Nutsの二人も出演。

深夜番組的なくだらなさが全開でありながら、普段なにげなく眺めている景色も、視点の置き方ひとつで、おもしろさが見出せるという思考の遊びのクリエイティビティを感じさせ、唸らされた。

この回を観てから、はなまるうどんに行く頻度は増えた。番組の中で出てきたような絵に描いたような美女と遭遇したことはないが、なんか少しだけドキドキする。灰色でのっぺりした日常風景も、目の付け所次第で立体的で色彩豊かなものに見えてくる余地があるという希望を胸に、パンデミックがピークアウトしたらまた、はなまるうどんへ行きたい。

「マスクコレクション2020」

そして、2020年2月放送の、花粉症のハイシーズに使える、おしゃれで機能性の高いマスクを紹介する「マスクコレクション2020」。今のこの状況で見ると、感慨深いものがある。乃木坂の与田祐希、劇団ひとり、そして第7世代芸人の3人組、四千頭身が出演。 

花粉症対策の、一風変わったマスクとして最初に紹介されたのは、岐阜県産の「マカロンレースマスク」。内側に今治タオルが入っていて、何度も洗って使える仕様。1078円。高い!というリアクションが番組内ではあったが、いまの世界から見ると、何度も洗って使えてデザイン性もあって1078円は、GOODプライス。そして、次に紹介されたのが、スポーツ用に特化した「ナルーマスクX5s」。激しい運動をしても全然動かない、ぴったりフィット。花粉も99パーセントカット。1枚2178円。洗って使うと考えれば、もうこれしてみんなスポーツするといいのでは、アフターコロナ時代。

次に紹介されたのがなかなかやばくていい感じのやつで、サンコーの「エアクリーンネックバンド」。肩にかける空気清浄機にマスクが接続している、なんだかフューチャリスティックな見た目のデザイン。1台7500円。アタッチメントを変えると、ポータブル加湿機にもなる。マスク部分を洗って使えるのであれば、これは1台くらいあってもいいのではないか、アフターコロナ時代。どうせ世帯単位で配るならこれくらいの配れと言いたい。その後、鼻だけマスク、ノーズマスクピットNEOという鼻の穴につけるやつを紹介。

番組内では、あくまで花粉症対策としてマスクを紹介していたが、まさか、マスクがここまで売り切れ、配布され、みんなが話題にする状況になっているとは、この時、誰が想像しただろうか。機能性が高いマスクをネタとして楽しくやれる牧歌的な様子に、なんだか涙が出てくる。

「1番定価が高い本ランキング100」

そして、2020年3月14日に放送の、ジュンク堂池袋店で収録が行われた、「1番定価が高い本ランキング100」。本屋にひそむ、知られざる高額本を紹介していく企画。かまいたちの2人と、バービーが出演。バービーは、インド哲学科を出ているという事実を知る。

高い本というのは想像を超えていて、税込で66000円する鉱物資源データブックが、それでも56位という有様。第5位、140,000円越えの「レアメタル便覧」。ハフニウムの埋蔵量は南アフリカが1位という情報が、お役立ち情報として紹介された。 

トップの「マルティーニの建築論」は400,000円越え。専門書だったり、部数が少なかったりすると高くなるのはわかるが、数十万もするものがあるとは、驚かされた。

本が売れない時代と言われているが、本屋で本をおもしろがる、紙の本の奥深さ、知らない世界がまだまだあるということを伝えるという意味でも、目のつけどころに唸らされる企画。これを観た後、実際本屋に行って、まだ見たことのない棚のコーナーとか、いろいろ本を探してみたい気持ちに駆られた。Amazonで紹介される本は、自分の欲しいもの、知っているものの範囲を出ない。本屋の海原は広くて深くておそろしいということ、役に立つとかどうとかじゃなくて、そこにおもしろみを見出せるかどうかということが、大事なんじゃないでしょうかね。

タモリ倶楽部は続いている。まだまだ定点観測を続けていきたい。アフターコロナの時代に、どういう目のつけどころで、なんでもないようなことをくだらなく、おもしろく取り上げてくれるのか、楽しみでならない。

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映画、音楽、本のことを中心に、役に立つかどうか度外視して書きたいこと書こうと思っています。サブカルなイベントもよく行くので、そのレポートみたいなことも書くかもしれません。