2020年リリースの最高だった50曲+α

1 Meitei / 冥丁 – Oiran II / 花魁 II
出会えた事に感謝「Lost Japanese mood from modern Japan. 現代の日本から失われた日本を。」https://www.youtube.com/watch?v=jlwoLqnQIOU

2位 Nic Fanciulli, Andrea Oliva – Medium Rare (Extended Mix)
老舗Saved Recordsからリリースされたベテランコンビによる疾走感                     あふれるディスコダブ 、王道の展開だが結局こういうのに弱いので何度もリピートしてしまうhttps://www.youtube.com/watch?v=5fkzwP1twRk

3 Mac Miller – Circles
デラックス盤には2曲追加されているのでオススメ2018年に26歳でこの世を去ったマックミラーの未完成だったアルバムがリリース全体的に漂う鬱々としたムードの中に太陽のごとく輝いたメロディが差し込む瞬間が圧倒的に美しい盟友サンダーキャットの新譜では最後の曲で「マック…」と呼び掛けているhttps://www.youtube.com/watch?v=V4BFGSZ_1ls

4 ASA-CHANG&巡礼 – ニホンゴ
今年最もロマンを抱いた1曲以下、YouTubeの説明欄から抜粋「『ニホンゴ』は1910年代以降、当時日本の統治下であった台湾の北東部にある「宜蘭(ぎらん)県」において、先住民であるアタヤル人によって使用されるようになった「宜蘭クレオール」とASA-CHANGが出会い、触発され創られた。「クレオール言語」とは意思疎通ができない異なる言語圏の間で交易を行う際、商人らなどの間で自然に作り上げられた言語が、その話者達の子供たちの世代で母語として話されるようになった言語を指す。当時、宜蘭県では日本語が完全に浸透していなかったため、アタヤル語の要素が混じったハイブリッドな言語が形成され、その言語を第一言語とする世代が生まれ、クレオールへと発展したと考えられている」https://www.youtube.com/watch?v=jT4rfFZQsYA
大石始さんが紹介していたhttps://twitter.com/oishihajime/status/1246093963812990976?s=21こちらのドキュメンタリーと合わせて聞くとよく分かって面白いhttps://www.youtube.com/watch?v=4x8ssD8FeW0

5 Linkwood & Other Lands – Meet in the Middle 
素晴らしい発掘音源を送り出すレーベル「Athens of the North」より新作としてFudge FingasとのコンビでリリースBPM100あたりのスローで酩酊したようなビートに気怠いボーカル、漂うバレアリック、今年多く聴きたかったのは多分このようなムードの曲だったんだhttps://www.youtube.com/watch?v=mxnQUls92Ec

6 Romano – Forever & Beyond
詳細は分からずBandcampで聞いたEPのうちこの1曲が猛烈にハマった後に調べるとイスラエルのマルチプレイヤーによるソロデビューシングルとの事徐々に高まっていく多幸感に圧倒されるhttps://youtu.be/ToYoGpfKDEw?t=132

7佐野元春 & THE COYOTE BAND – 合言葉
大ベテランのコロナ禍真っ只中にリリースされた1曲歌詞がストレートで佐野元春にしか歌えないような内容になっていると思うメロディ共に素晴らしいとしか言いようが無いhttps://www.youtube.com/watch?v=SEJk0tqMd9E

8 Chassol – Rollercoaster, Pt. 2
彼らのアルバム「Ludi」よりこの曲のMVは後楽園のコースターで撮ってるアルバムは様々な仕掛けが盛り込まれており多彩なグルーヴが味わえる年間を通して聞いていた作品https://www.youtube.com/watch?v=nv2JeWyrf4o

9 Moment Joon – TENO HIRA
2020年1月1日にYouTubeにアップされたこの動画で今年は始まった彼のスタイルはトースティングに近いがパンチラインだらけのリリック感情を剥き出しにした歌唱、内容も自分には到底説明できないほど重要なメッセージを伝えている「移民ラッパー」と決意を表明している名盤フィジカル盤を無料で送ってくれたのも新しいやり方だったhttps://www.youtube.com/watch?v=2tstbd0901E

10村山仁 – むすんでひらいて
自分が彼に会ったのは20歳の頃で、彼は19歳で上京したばかりだったJAZZやアングラが好きだと聞いてすぐに意気投合したたまにギターを弾いて歌ってくれたのだが今年20年越しに録音したものを送ってもらうことができた
これは個人的な親交での事なので紹介するか迷ったのだけど曲があまりにも良すぎたのでぜひ多くの人に聞いて欲しいもしかすると遠く離れた地でまた音楽を作ってくれるかもしれないhttps://youtu.be/OfUH7YBc3u4

11 Jam City – I Don’t Want To Dream About It Anymore
5年ぶりのアルバムからアナウンスでは何か色々あった様子だがジャケを見て察する他無い何と言っても音が最高なのだからリスナーは関係なく楽しみに待っていたに違いないやはりこのBPM、音像はJam Cityにしか出せないhttps://www.youtube.com/watch?v=5kS_R-kJBiU

12 Photay – The People
アメリカの大手インディーレーベルMexican Summerからリリースされたアルバム「Waking Hours」より「人々のためにやっているのか?隠れようとしているのか?」この歌詞の連呼にPhotay特有のベースラインと素晴らしいホーンが合わさったら他に足すものは何も無いhttps://www.youtube.com/watch?v=6FwuiNF0TiE

13 Iku Sakan – Cerebral Repertoire
大好きなドイツのテクノレーベルWorkshopの28番は驚きの日本人コンピレーションだった、そのうち大阪のアーティストだというIku Sakanの1曲フェードインからの始まりで10秒後には恐らく電子音楽好きの多くは虜にされているだろう、ぜひ高音の心地よさに浸って欲しいhttps://www.youtube.com/watch?v=w08l361yZr8

14 mei ehara / 群れになって
2nd Album 『Ampersands』より特徴的なのはリズム隊が元どついたるねんのベースとドラムである事、この二人はどつの名盤「ミュージック」の基盤を作り上げた素晴らしいアーティストであり、mei eharaからのオファーで実現した布陣だそうだよく耳をすまして楽器隊を聞いて欲しい、ボーカルの良さはもちろんの事だが楽曲の魅力を何倍にも増幅している事が分かるhttps://www.youtube.com/watch?v=sfLjBsSqqJk

15 DJ Python – Pia
ディープレゲトンと言われるジャンルを確立したNYのプロデューサーによる2nd身体を動かさずにはいられないグルーヴアルバム全8曲はBPM92で繋がっているので全体で1曲と捉える方が分かりやすいかもしれないhttps://www.youtube.com/watch?v=9X5QvRWh8cI

16 Adda Kaleh & Suzanne Kraft – Special Times & Places
大好きなスザンヌ・クラフトの新作、この人はコラボにまったくハズれがない今回はAdda Kalehをボーカルに迎えてのシンセポップなのだが、新しいリズムに毎回挑んでいるのでいつも新鮮な視点をリスナーに与えてくれるアルバム全曲オススメ、後半DUB Verが収録されてるのも嬉しいところhttps://www.youtube.com/watch?v=OwrwkLVvprg

17 Blazer Sound System – Tanka Riddim
CS + KREMEとのスプリット10inchシングルでテーマは「ダブ」この狙いは大当たりしていて、旬なアーティストの攻めな姿勢がハッキリと音に表れている秋本”HEAVY”武士は「癒やし系ダブってなんなんだ?」と20年前に言っていたけど自分も同じ考えで、ダブは技術でもあるが根底として使われるべき意味は「姿勢」だと思うhttps://www.youtube.com/watch?v=b0kVYBxe-0M

18電気グルーヴ – Set you Free
上半期の衝撃から約半年を経ての新曲「はじめからSet You Free」生まれたときから解放されている友でもパートナーでも仲間でも無い二人だけの狂詩曲https://www.youtube.com/watch?v=epNJOZR5RF4

19 Third Son – Faint Harmonics
自分が知るだけで今年EPを5枚、フルアルバムを1枚、REMIX盤を2枚リリースしたプロデューサーの最新作この時代にこのポテンシャル、且つ高密度な内容、いくら王国が分断しようがEU離脱しようがコロナが流行ろうが音楽というアートをリードする力強さはさすがイギリス個人的、アーティストオブイヤーhttps://www.youtube.com/watch?v=QINGT0BvbXk

20舐達麻 – BUDS MONTAGE
この曲を初めて聞いた時真っ先にビートに耳を奪われた、グリーンアサシンダラーが紡ぐ音は哀愁と美そして影が混在しており、絶妙なサンプリングが重なっていく様は本物の芸術と呼ばざるを得ない舐達麻の3人は主にチャリスと仲間との事、つまり自分に本当に起こった事のみを歌詞にしている、少ないカードで信じられないほど人生の奥深さを表現する事が出来ておりこれも何度となくリピートをしてしまうhttps://www.youtube.com/watch?v=zaBp1Jh3Bkc

21 Roberto Rodriguez – What You Put Me Through (Instrumental Mix)
2019年末リリースのEP「Rain Dance」よりストレートなハウスで上モノの載せ具合も多くも少なくも無くワンフレーズで6分聞かす事が出来る好例だと思うつまりハウスというフォーマットの教科書https://www.youtube.com/watch?v=ilVHexRReMQ

22 Mighty Crown – Stay Together (feat. SUPER CRISS)
SAMI-Tプロデュースの4曲入りEPよりFireBallのメンバーでもあるCRISSのソロ名義でのリリースは結構レアバックトラックもレゲエではなく、どちらかというとソウルやR&B寄りのBPM早めという感じで、この音像はMighty Crownならではだと思った、楽曲、歌詞も素晴らしい世間的には緊急事態宣言発令の直前で街にほとんど人がいない時期だった自分はこのEPにとても勇気づけられ、音楽の力を思い知ることになるhttps://www.youtube.com/watch?v=nxTrX6fVmeE

23 Jitwam – Sun After Rain (feat. Folamour)
インド出身でMoodymannも才能を認めたというプロデューサーまったく知らなかったので最初は12inchのアートワークに引っ掛かった良く言われる事だけどジャケットが良い盤は中身も最高というやつ、あれは個人的な経験からも本当だと思う聞いた瞬間に身体を動かさずにはいられないhttps://www.youtube.com/watch?v=QE46n3mFi-g

24 BTB特効 – Be Thankful For What You Got
ソウル界隈では「国家」と呼ばれている事を知ったWilliam De Vaughnの名曲をトークボクサーのLUVRAW & BTBのBTBによるソロレゲエverでのカバー正直名前勝ち感はあるが、BKBが何で売れてるかに近いものがある、しかも特効ってちなみにこの曲ONUR ENGINによるEditがあって、そちらは永遠の1位https://www.youtube.com/watch?v=XgZNhfapsPw

25 Jun Kamoda – Funky Protection
イルリメによるハウスプロジェクト在日ファンクを大胆にサンプリング(レーベルメイト)した今年のフロアボムhttps://www.residentadvisor.net/reviews/25132何気にレジデントアドバイザーの今年のリコメンドにも選出されているhttps://www.youtube.com/watch?v=6zcB6UEb75Y

26 SunPalace – Rude Movements (Moodymann Remix)
故David Mancusoが主催した伝説のパーティー「THE LOFT」を象徴する1曲を現代の「謎」であるとされるMoodymannがRemix文字面だけで興奮した人、少なくないのでは?あと何故かリリース直後に削除されたMoodymannのアルバムも良かったhttps://www.youtube.com/watch?v=8vMzxWMA2qw

27 Quantic – Theme from Selva
クアンティックがここまでハウスよりになるとは驚いた、いつもの重厚なビートが影を潜めカリブの楽園要素がたくさん詰められているご陽気ものこちらは彼主催のレーベルコンピからなので全曲チェックすべしhttps://www.youtube.com/watch?v=SwAnSlLtVXs

28 Call Super and Parris – Design Of A Body Sublime (feat. Fox)
Call Superの今年リリースされたアルバムもかなり良かったのだけどレーベルメイトのParrisとの共作となればコチラを選ばざるを得ないどちらもHessle Audio以降のベースミュージックを基盤にオリジナリティを追求しているhttps://www.youtube.com/watch?v=T6L2i5Jx1eA

29 Boston Bun – Forty Deuce (Extended Mix)
フランスのプロデューサーによるアッパーチューン、アンダーからオーバーまで対応可能な曲でとても好みhttps://www.youtube.com/watch?v=0bSVmux-AAg

30木村拓哉 – Flow
これはクレジットがコーネリアスとなっているので実質小山田作品になる軽快なハウスしかしアルバムの1曲目にこれほどふさわしいのも中々無いと思うhttps://www.youtube.com/watch?v=NahsfzsqK70

31 Scuba – This is For You
彼のBandcampを上から過去4作品見て欲しい、その鮮やかなアートワークに見入ってしまうだろう最初の「Expectations」は2019年10月だからコロナとは関係無いがよく見ると全て人類滅亡後のような世界を描いているhttps://scubaofficial.bandcamp.com/music

32 New Order – Be a Rebel
何も変わってなくいつもワクワクさせてくれるN.O. 最高!https://www.youtube.com/watch?v=JOoyPT6RoF4

33 TOKYO SKA PARADISE ORCHESTRA – Good Morning~ブルー・デイジー feat. aiko
スカパラは有名アーティストと死ぬほどコラボしてるからもちろん知ってるけど、初期のアルバムを聴くともちろんジャマイカンスカをやってるわけで、20代には到底聞いてられないと思ってた。中々聞くタイミングが無い中、このコロナ絶頂のタイミングでYouTubeにあがったaikoとのコラボは乾ききった地面に大量に水を注ぎ込むかのように感じたhttps://www.youtube.com/watch?v=ZLjFmeeDMNw

34 Four Tet –  Surprise EP
例による文字化けタイトルのEPなんですが、タイミングが5月下旬リリースという事もあり、いつもより意味合いがリスナーにとって変わったんじゃないかと思うFour Tetはフルレングスもリリースしたのだけど、正直長すぎて聞く気がしなかったEP、あるいは1曲が丁度良いhttps://www.youtube.com/watch?v=70crnR6Xg-o

35 Osunlade – Moon In Daylight
80年代から活動する大ベテランはリリース量がまったく減っていないのにも驚かされるが、毎回音のアップデートがしっかりしているところが素晴らしいトレンドを取り入れてるわけでは無く、自分で良いというものをブレずに持っていて軸がしっかりしているので新譜は必ずチェックするアーティストの1人https://open.spotify.com/track/7LT1AnB1N9fAMPQ5iJd5qS

36 Wool & The Pants – I’ve Got Soul
東京発の20代の若者の全てが詰まってる気がする、詳しくはhttp://www.ele-king.net/interviews/007665/なんと言っても衝撃的だったのは使用機材がジャンク品のMC-909でメモリーが壊れているので保存が出来ず、最終的にiPhoneのボイスメモで録音をするとの事、それでこの音像が出来上がっているhttps://open.spotify.com/track/6m5w0mTXmJCx0TPzmtddDN

37 Rangers – Zeta Plain
Rangersを覚えているだろうか?Chill Wave全盛期の2010年「Suburban Tours」2011年「Pan Am Stories」で僕らの心を掴んだ、いやそのまま10年経っても離れる事は無かった自分のiPhoneには常にRangersのアルバムが入っている普段は音楽の先生をしているJoe Knightはこの10年アルバムをコンスタントにリリースをしていて本当に音楽が好きだという事が伝わってくるこの盤でも素晴らしい演奏をしているのでぜひ聞いてみてほしいhttps://rangers1.bandcamp.com/track/zeta-plain

38 GEZAN – I
アルバム「狂(KLUE)」よりラストの曲マヒトの活動は多岐にわたり全てが気になる存在だコロナ禍前にリリースされたアルバムはまるで予言していたかのような内容になっている「信じている」この言葉が今となっては意味が違ってくるのだろうかhttps://www.youtube.com/watch?v=7vaDLm3ULuc

39宮本浩次 – あなた
エレカシのVoとしての活動と並行してのソロプロジェクトで女性の曲だけをカバーする企画 驚くべきは宮本の声の帯域で自分の歌い方ではなく忠実にオリジナルの歌い方に沿っている初回特典では竹内まりやのSeptemberをアコースティックにカバーしているのでこちらもオススメhttps://www.youtube.com/watch?v=TbhNC64-Bhg

40 LONE X KETTAMA – The Way You Feel
Loneにとってはかなり厳しい年だったと思う、未発表作品をいくつもBandcampでリリースしていて正直ファンとしてはあまり良いとは思えないものもいくつもあった、だがここぞという時にはキメる、それを10年以上繰り返してきたアーティストは中々いないhttps://www.youtube.com/watch?v=uRJGBsSpQvg

41 valknee + ANTIC – 人生最高のSSS2020 Mix
ZoomgalsのメンバーでもありPodcast番組「ラジオ屋さんごっこ」でもおなじみのバルニーのコンピ参加曲3つのS 「SEX、Saturday、新譜漁る」とラップし、独特の声色を使い分けグルーヴを生み出すスタイルを確立したと思う、この勢いでギャルパワーを爆発させて欲しいZoomgalsの新作でMVに宮台真司も参加した曲もヤバかったhttps://www.youtube.com/watch?v=-xr7RmPeRLw

42 MS-DOS – CD
正体不明のアーティスト、恐らくベテランの変名だと思うが内容は雑味が無いどストレートなミニマルハウスで、丁度聞きたくなっていた時期にピッタリと重なったhttps://soundcloud.com/stradarecords/a-ms-dos-cd-sample

43 ZORN – Don’t Look Back
この曲は去年だけど、新しいアルバム「新小岩」に収録されていたので選曲般若主催の昭和レコードから脱退しソロになっての第一弾リリックでも言っている武道館公演を2021年1月に予定しているビートは鉄壁のBACHLOGICであり、完成度が非常に高いアルバムになっているhttps://www.youtube.com/watch?v=FQ_ryBw_0PQ

44銀杏BOYZ – DO YOU LIKE ME
約6年半ぶりとなるフルアルバム、これで自分は銀杏BOYZを初めて聞いた1曲目のストレートなハードコアに「おお」と思いながら1’35”からに展開に感動しこれがあるからここまで人気なのだと一瞬で悟るリリースと相まってラジオ番組「空気階段の踊り場」にゲストで出た回は今年聞いた中でもTOP3に入るエモさだった(もぐらは元ローディー)https://www.youtube.com/watch?v=_–GwXpeyTk
https://www.youtube.com/watch?v=-JqHfrhIVVM

45 A. G. Cook – Oh Yeah
数年前にクラブミュージック界に凄まじい議論を巻き起こしたPC Musicを主催していたガチオタ青年は暫く目立った活動が無かった、と思ったら見た目が完全にジョンレノンと化し驚きのソロアルバムをリリースした一聴するとPOPにも聞こえるが何かヘンだ、聞き続けていくとハッキリと分かるがこれは憎悪に満ちあふれている、が彼の歌声は非常に暖かく優しいリードシングルのこの曲では「生き生きとするのはどうするのか教えてあげよう、人生は一度きりだ」と語っているhttps://www.youtube.com/watch?v=koI7IRSjfxc

46 Spinna B-ILL & HOME GROWN – ミテルヨ
ライオンの子であるスピナのフルアルバム、バックはレゲエ界の大御所Home Grown、バンドが「やっと心から一緒に音楽をやりたい相手を見つけた」と語るようにレゲエのスピリット全開で間違いない1枚、MVも素晴らしいのでぜひチェックhttps://www.youtube.com/watch?v=k2r1Xx4We3g

47 Walton – Debris
安定のILIAN TAPEよりこことWorkshopとHessle Audioは必ず定期的にチェックするレーベルyoutube.com/watch?v=J46ucbf3jr0

48 PUNPEE – Wonder Wall feat. 5lack
2020年のナンバーワンエモソング引用の仕方がどこをとってもセンスありすぎてエグいhttps://www.youtube.com/watch?v=zVmYWuLC4Ek

49 Superpitcher – Cats and Girls
Kompaktレーベルで聞いてた自分にとってこのリリースは驚きで、まるでLee PeryyのBlack Arkで録ったかのような凄まじい低音と乾いたリズムギターが現代に蘇ったかのように感じるなんとDub Versionもありhttps://www.youtube.com/watch?v=I8H1COGtNGo

50藤井風 – 青春病
とても23歳とは思えない顔立ちで驚くのと同時に歌詞に「どどめ色」を使っているのでどこでそんな言葉知ったんだと今年リリースのアルバムに収録されてた岡山弁でまくしたてる「何なんw」も好きだったけどこちらのサブタイトル(Seishun Sick)にヤラれたMVの作りも良くてジャンルもアプローチもまったく違えどOTOGIBANASHI’SのPoolを初めて見た時の雰囲気を思い出す

https://www.youtube.com/watch?v=kQvT37OzkP8


————————以下番外編 —————————

● リイシュー

Derrick May – INNOVATOR – SOUNDTRACK FOR THE TENTH PLANET
セクハラ疑惑で窮地に立たされてるイノヴェーターの80年代の音源集テクノファンがこれを聞いて何かを感じずに終える事は不可能でしょう音も良くなってて新たな発見があるかもしてないhttps://www.youtube.com/watch?v=WU2D58QrIms

Nightmares on Wax – Smokers Delight (Digital Deluxe)https://www.youtube.com/watch?v=zI17p0LA-ic

World Standard – ASAGAO
鈴木惣一朗と児島路夫の二人が細野晴臣プロデュースによりデビューする前、1982年に2台のカセットデッキのピンポン録音を駆使し制作され20本ほどダビングされたという1stデモ・テープ音源をリマスタリングしレコード化宅録の良さと相まってすごく気持ちが落ち着く音楽https://www.youtube.com/watch?v=ht8c8TSy6xo

V.A. – PIRATES CHOICE 2
旋回の1が出た時がだいぶ前でその内容の良さに驚いた記憶がある2もレア音源満載でオールディーズファンならば買って間違いなし特にFreedie MaGregorのSweet Childが収録されてるのが嬉しいhttps://www.youtube.com/watch?v=Tkjcn1hrkZw
● MIX

RA 720 : JOEhttps://soundcloud.com/resident-advisor/ra720-joe

ヤン富田 – SPACEWAR!
最初はトーク1時間、後半1時間がヤンさんのMIXです相当レアな回だったので永久保存版ですhttps://www.mixcloud.com/hiroyoshitamamushi/tokyo-maad-spin-20200414-kan-takagi/

Hiroshi Kawanabe – Lazy Summer Mixhttps://www.youtube.com/watch?v=3UJoUrWKY5c

KAZU (NAT Reggae) – LYL Radio Show 12.05.20https://soundcloud.com/fewcrackles/kazu-nat-reggae-lyl-radio-show-120520

In Focus: Tatsuro Yamashita – 17th April 2020
UKのラジオ局「NTS Radio」による山下達郎の楽曲だけを使った2時間のMIX SHOW!! 選曲もグルーヴも最高でなんで日本で演らないんやと叫びたくなる、ラストは竹内まりや「Plastic Love」の達郎カバーhttps://www.mixcloud.com/NTSRadio/in-focus-tatsuro-yamashita-17th-april-2020/

● LIVE

Koffee: NPR Music Tiny Desk Concert
レゲエ界の新星として注目を浴びるシンガーKoffeeここでのライブは彼女の魅力をたっぷりと味わえる事が出来るhttps://www.youtube.com/watch?v=0Cmzn8BIOdA

● 読み物

渋谷でカラーギャングに半年間追い回された話

https://note.com/kyaba_np/n/n1390a51019bb

Nariaki 「新時代」https://note.com/nariaki0296/n/n5b50a842af4f

2020 私的 映画ベスト 10

2020年も、たくさん映画を観て過ごした。

2019年より映画館に行く回数も減った。観る本数も減った。昔の映画を観ることも増えた。

つらい1年だった。

しかし、映画に楽しませてもらい、勇気づけられ、大切なことはなにかを、何度も教えてもらった。

2020年公開で、観たもので、よかった映画を、10本、選んだ。

■10位 ミッシングリンク

すごいストップモーションアニメを世に送り続けているスタジオライカの最新作。
ストップモーションアニメとしては初のゴールデングローブ賞もとったとか。

舞台はヴィクトリア朝のロンドン。人類の失われた環、ミッシングリンクの謎を追っていく冒険譚であり、好奇心あふれる変人英国紳士ライオネルと、未確認生物、ミスター・リンクの、デコボコバディもの。

その好奇心の強さゆえに、どこか変人扱いされているライオネル、存在そのものが異端なミスターリンクは、なんだか、鏡像関係。それぞれが、仲間内に認めてもらうため、というところからの、飛躍、さよならしていくカタルシスに、グッときた。

人生はさよならの連続で進んでいく。どういうさよならをしていったかが、自分らしさ、と呼べる、自分の輪郭を形作っていく。今年のベストにあげた作品には、そういう描写が特徴的にあったように思う。

ストーリーもさることながら、実際の物体を動かしているゆえの、重さ、を感じさせる、ストップモーションアニメの見応えも素晴らしい。今作ために作られた、顔、は106000個だという。とんでもない労力がかけられている。それが、原始的でありながらいままでみたこともないような、アニメーションの楽しさに結実しているのがこれまたすごい。特に、ミスターリンクの表情、動作、全てが愛おしく、いつまでもみていたい気持ちになった。

■9位 1917 命をかけた伝令

アカデミー賞で、撮影、録音、視覚効果の3部門を受賞した作品。巨匠サムメンデス監督で、ロジャーディーキンスの全編ワンカット風の撮影も話題となっていた。

舞台は1917年、第一次世界大戦のまっただ中。イギリス兵のスコフィールドとブレイクは仲良しで、木に寄りかかり一緒にうたたね。そんな二人に、最前線の味方に、作戦中止の伝令を伝えてこい、という、地味だが、極めて危険な任務が言い渡される。間に合わなければ、たくさんの仲間が死ぬ。覚悟を決める決めないの余裕もないまま、ミッションは容赦なく動き出していく。

動きだしたらもうとまらない、地獄めぐり。ワンカット風のカメラがそれを臨場感バリバリに伝えてくる。

スコフィールドとブレイクの、お互いを支え合う、見る、見られる、の関係性のドラマが、前半に濃厚に描かれるからこその、後半の、スコフィールドの、ミッションへの使命感の切実さが、痛切に感じられて、ひきこまれた。

最後まで映画を観て、スコフィールドが、ブレイクを見て、やり遂げて、それをブレイクも見ていたのだと、思った。極限状態で人間が限界を超えるのは、大切な誰かへ向ける目線、大切な誰かから向けられている視線があってのことなのだろう。そのことにグッときた。

IMAXで観たが、没入感ハンパなかった。映画館で映画を観ることの意味を問い直すような映画体験のひとつとなった。

■8位 燃ゆる女の肖像

監督のセリーヌ・シアマはカンヌで、脚本賞と、クィア・パルム賞の二冠に。シャーリーズセロンが、4回観た、と述べ、ブリーラーソンに、50年後にも残る映画、と言わしめた。批評家筋からも評判がいい作品。

18世紀のフランス、ブルターニュの孤島が舞台。とある貴婦人に、娘のエロイーズの嫁入りのための肖像画を描くように頼まれ孤島の屋敷にやってきた、画家、マリアンヌ。エロイーズとマリアンヌ、描かれる対象、描く側、の間で燃ゆる心のドラマ。

マリアンヌがエロイーズをみて、エロイーズがマリアンヌをみて。交わされる視線。ふたりの、お互いへの興味、引力を感じている様子が、目線で、語られる。この、目線のやりとりで、関係性を深めていく描写に、グッときた。

最後のシーンが意味するものはなんなのか、それを考えるほどに、また、観たいと思わされる。 マリアンヌはずっとあれからエロイーズを見てきたし、エロイーズも、見てきたのだろう。物理的に近くにおらずとも。

暖炉で薪がパチパチ爆ぜる音、波が打ち寄せる音。感情の高まりを、それらが静かに、力強く伝える。余計なBGMを排除した音の演出によって、ASMR的な癒し、没入感を感じた。劇中で重要な意味を持つ、ヴィヴァルディの曲を、ドバーンと流すのも、他の場面で抑制が効いているからこそ、効果的かつ印象的に響いていた。

このご時世の前に撮られた映画とはいえ、奇遇にも、マスク、が、一線を越える時の、もう戻れなさ、高まりを盛り立てる小道具として機能する場面には、心高鳴った。性描写も、直接的すぎず、それでいてエロチックかつロマンチックで素敵だった。

18世期の、今の感覚に照らし合わせても人権無視な感覚の状況の中、登場する女性たちの自由や尊厳への意識は2020。そのことで、浮き彫りになるなにか。旧い感覚に、おさらばを。

■7位 ブックスマート

製作総指揮が、俺たち、シリーズのアダム・マッケイとウィル・フェレルという安心印。監督、脚本、主演の全てが女性主導でぶちあげている。痛快最高な青春コメディ。

卒業式を翌日に控えたタイミング、勉強に学生生活を費やし、その結果いい進路を勝ち取ったと、優越感に浸っていた、親友のモリーとエイミーの二人だったが、他のパーティ三昧なやつらも、いい大学やいい仕事に進むことを知り、驚愕する。残された高校生活、パーティして取り戻してやる、と決意する二人であったが…

これは、ダサい女の子たちがダサくなくなるとかそういう話ではなく、友情についての話。一貫して二人とも楽しい、クールなのはふたりの間では周知のこと。それを、知らしめてやる痛快さと、その中で浮かび上がる二人の友情の尊さに、グッとくること必至の映画。

真面目に遊ばず勉強してる人にユーモアがないわけでもなく、パーティーで遊んでる人が真面目に勉強してないわけでもない。ステレオタイプを超えたところの人間が描かれていた。人を決めつけて遠ざけてはいけない。凝り固まった固定観念とさよならして、パーティを続けよう、という、価値観のアップデート、人生の肯定の映画である。

アパトープロダクションのこじらせ男子校のノリを女性に反転させた感じ、との見立てもあったが、まさに。多様性、先進性がありつつ、コメディとして、純粋におもしろいつくり、お涙頂戴に終始しない話運びも、品がある。

■6位 佐々木、イン、マイマイン

2016年の長編映画、ヴァニタス、が初の長編にして、PFFアワード2016観客賞を受賞した内山拓也監督作。今作で、佐々木、役を務める細川岳の、高校時代の同級生とのエピソードが原案。藤原季節、萩原みのり、遊屋慎太郎、森優作、小西桜子、ら、出演。 

別れた彼女と、だらだら同棲を続け、役者の道も中途半端。煮え切らない日々を送る石井ユウジ。偶然久しぶりに再会した高校時代の友人、多田、と話す中で、佐々木、という男について、思い出す。佐々木、ユウジ、タダ、キクチ。青春の日々。その日々を映し出す中で紐解かれていく、佐々木と佐々木の父親との微妙な関係、そして、四人の中でも、ユウジと佐々木の間には、より深く、なにか心通わせるものがあったということ。

佐々木との思い出と、いまが、交錯しながら、ある決定的な出来事に向かって進む。

映画的に疾走して意味を超越していくクライマックス。心が持っていかれた。これは佐々木についての映画であり、ユウジの物語であり、それを観て、観る者は、なにかしら己を投影してしまう映画体験。自身の過去に、それぞれの佐々木、を探してしまう。そして、なにかにさよならして、前に進んでいくことにも、向き合わされる。 

タバコをくゆらせ、言葉にならない感情を表現する演出、細かい、印象に残る人物描写、小道具の使い方の数々。監督の確かな手腕を感じさせる、ロジカルに組み立ててられた脚本や演出があるからこそ、怒涛の、意味を超えたクライマックスが鮮烈に印象づけられた。

■5位 ストーリーオブマイライフ 私の若草物語

ルイーザ・メイ・オルコットが19世紀アメリカを舞台に描いた、自叙伝的小説。若草物語。グレタ・ガーウィグが「女性がアーティストとして生きること、そして経済力を持つこと。それをスクリーン上で探求することは、今の自分を含む全女性にとって、極めて身近にあるテーマ」との考えのもと、監督、脚本を手掛けた。シアーシャローナン、エマワトソン、ティモシーシャラメ、フローレンスピューら、出演。

マーチ四姉妹の次女、ジョー・マーチは、小説家を目指し執筆に励む。姉のメグは、女優の才能がありながら、望むのは幸せな結婚。妹のベスには、病と言う壁が立ちはだかる。さらに妹のエイミーの野心。4人の選択と決意が描く、物語が、セピア色の過去とその未来を織り交ぜ展開。マーチ四姉妹、青春時代の総括。 

選択するということは、ほかのありえた可能性と、さよならしていくということ。何者にもなり得た時代から、なにかをつかみ取り、何者かになっていく青春の時代の様子は、いつだって、切なく、それでいて、人生における大事なことを伝えている。 

そして、金のための結婚か、愛のための結婚か。主人公の4姉妹が向かいあう問題。ジョーが描いた物語、結末にケチをつけられ「フィクションの中でさえ、結婚は経済的なものなのね!」と痛烈な皮肉も飛び出す。「結婚だけが女の幸せ、ってそんなわけあってたまるかよ! でも、たまらなくさびしい! 」というジョーの叫びの切実さ。それら振り切るかのように、執筆していく、物語。

本が製本されて、出来上がっていく様子に、いろんなことが込められていた。抑圧や、旧い考えに、さよならを。 

ティモシーシャラメの魅力炸裂。文学的美少年の魅惑っぷりも堪能できる作品。

■4位 透明人間

ユニバーサル映画の有名キャラ、透明人間、を、これまでのイメージを大きく覆し、女性目線で描かれる現代にこそふさわしいアップデートで、サイコサスペンスに仕立てた作品。ブラムハウスプロダクションが製作に関わり、リー・ワネルが監督、脚本、製作総指揮。主演は、エリザベス・モス。

深夜3時。睡眠薬で男を眠らせ、逃げ出す女、セシリア。抑圧的状況からの脱出。ギリギリのとこで、抜け出し、その後、男は自殺したと聞かされる。平穏が戻ってきたかにみえた。しかし、なにか、視線を感じる。おかしなことが起こる。著名な光化学者でありソシオパスな男、エイドリアンが、ついに透明人間になりやがったのだ、とセシリアは気づく。しかし、傍目にみれば、セシリアが頭おかしくなり、見えない敵と、自作自演で戦っているようにみえる。どんどん孤立していくセシリア。ひとり、エイドリアンと対峙する中、逃げ出してきた、エイドリアンの根城に、なにか彼の透明人間の物証があるのではと、向かうセシリアであったが、そこで彼女が目にしたものは….

男性支配からの、さよなら、を、極上のサイコサスペンスでハラハラさせつつ、痛快なリベンジ劇でキメる。作品が伝えるメッセージも素晴らしければ、ジャンル映画としてもめちゃくちゃおもしろく楽しめる。インダストリアルかつおどろおどろしい劇伴も最高であった。

セシリアの透明人間との戦いの様子は、精神異常で、まさに、本当に見えない敵と戦っているだけなのでは?と思わせる塩梅が素晴らしい。そこにいるのではないか、しかし、姿は見えない、というサイコな恐怖。透明人間モノの醍醐味が詰まっている。 

■3位 ブルータルジャスティス

新食感なバイオレンスものの作品でカルト的な人気を博す、S・クレイグ・ザラーが監督を手掛けた、メルギブソン、ヴィンス・ヴォーンが演じる刑事バディが繰り広げる、クライム・アクション。

メルギブソン演じるベテラン刑事ブレットと、ヴィンス・ヴォーン演じるその相棒のトニー。悪いやつかまえてたら、その過度に暴力的な様子動画とられて、6週間の謹慎。同期のあいつと俺の差、も痛感させられ、娘もいじめ受け、妻は病気。金がいる。ということで、一攫千金を狙い、犯罪者から金を強奪してやろう、と、思いきった計画を実行していくが…

映画の中の多くの時間が、ブレッドとトニーが、張り込みをしている時間で費やされる。特になにも起きず、独特のテンポ感の会話が、ひたすら繰り広げられる。この異常性が、新食感になっていて、この味わいが嫌いな人は、クライマックスにたどり着くまえに、眠りに落ちること必至。実際、張り込み中、ブレッドがいびきを立てて寝ている。そのいびきや、張り込みの車内でトニーが食べるチキンの咀嚼音や鼻息が、ASMR的な不思議な心地よさをもたらす。特になにも起こらず会話してる時間が長いのだが、しかし、なにかやばいことが起きるんじゃないか、不吉な緊張感も張り詰めているから侮れない。 

この張り込みの様子の、どこか一定の場所に潜伏している感じは、コロナ禍の中で、ステイホームの時間が長くなっていた今年の日常と、リンクしてくる部分もある。その潜伏、張り込みの時間の濃密さこそが、この映画の、グッとくるところの、大きな部分を占める。

後半の怒涛の展開も、見応えは十分だ。激しくバイオレンスが繰り広げられる。ブレットは、結果的に、いろんな自分と、さよならしていくことになる。 ひとつひとつの決断が、自分の未来を形づくっていく。観ていて、自分がブレットの境遇ならどうするだろうか、と、辛い妄想をした。

メルギブソンが、リボルバーに弾を装填しているポーズ、装填の音、かっこよかった。

そして、オリジナルスコア、よかった。ショットガンサファリ、が頭から離れない。

映画の原題は、Dragged Across Concrete。コンクリートをひきずりまわされ。 この映画に、ジャスティス、つまり、正義、はない。追い込まれた者たちの、選択と、因果がある。 

2時間半くらいあるが、節目節目に、観かえしたい作品。 

■2位 のぼる小寺さん

同名漫画の実写化。主演の小寺さんを演じるのは、工藤遥。実際に、3カ月のトレーニングを経て、ボルダリングに臨んでいる。監督は、古厩智之。脚本には、吉田玲子。

ひたむきに壁にのぼる、クライミング部の小寺さん。クライミングを職業としたい小寺さんは、進路調査表を白紙で提出。同じく、進路調査表を白紙で提出する、近藤、四条、倉田、めがねのカメラ女子ら、小寺さんののぼる姿をみつめる中、それぞれに、変化が訪れていく。青春群像劇。

なんとなく常に客観視で、打ち込むものもなかった近藤(演じるのは伊藤健太郎)、学校行かずチャラく遊んでたクラタ、とにかく自信のなかった四条、カメラに興味があったが友達との付き合いみたいなのを優先させてためがね。それぞれが、のぼる小寺さんの背中を見つめる。

小寺さんはなぜのぼるのか。難しい議題を打ち落とすため。勝つため。でも、結局、勝ち負けじゃない。そのひたむきさ。なんか泣けてくる。

小寺さんの背中をみて、感化されたそれぞれが、それぞれの壁をのぼる。決してすぐにうまくいくわけではない。学び、つまずき、工夫して、やっていく。

ひたむきに壁に向かう人の背中は、人を動かす。傍観者だった自分と、さよならをしていくことは、いつだってドラマチックで感動的。

■1位 ランボーラストブラッド

ランボー、最新作。

前作の、最後の戦場から10年。いろいろあったが、馬の世話をし、世話してくれる女性と、その娘と、平穏な暮らしをしていたジョンランボー。どういうわけかトンネルを掘り、あなぐらで寝起きしている。そして、いまでもフラッシュバックする、あの頃の記憶。The doorsのFive to Oneを流し、眠る。

娘のように可愛がる、ガブリエル。ちゃんと育ち、大学へいく。しかし、ガブリエルのもとに、電話がはいる。父親が見つかったと。メキシコにいる。会いに行きたいというが、ランボーは大反対。しかし、行ってしまう。

いろいろ、悲惨なことが続き、悲しみにくれ、鬼となるランボー。あいつらに、死が迫る悲しみ、恐怖、同じ思いをさせてやる。淡々と、確実に、冷徹に、抜かりなく、殺すための、準備をはじめるランボー。壮絶なリベンジ が幕を開ける..。

度を超したショック殺戮。なにも終わっちゃいない。罠を仕掛け、徹底的にやる。こんなにも徹底して、周到な準備で、圧倒的な、復讐劇のドラマはみたことない。復讐劇、ここに極まれり。

その前の序盤、あなぐら暮らし、潜伏して暮らすランボーの様子にも、コロナ禍での、ステイホーム、ソーシャルディスタンスな日々が、重なってきて、切ないのも、見どころ。

ランボーが、復讐の連鎖からさよならできていれば、違った未来があったのでは、とも思う。いや、しかし、いろいろなことが、手遅れであっただろうか。 

ラストブラッド、ということだが、ランボーという物語の続きが観たい。破滅以外の道を行くランボーを。しかし、それはもはやランボーではないのかもしれない、復讐と破滅の姿を通して、なにごとかを観る者にぶちこむランボー。

たとえそれがランボーとは呼ばれないものになったとしても、ランボーには、幸せになってほしい。

2021年になって、なにかいいことあるだろうか。それは、主体的につかみとっていくものか。人生はハード、と言っていられるうちは、まだソフト。

とりあえず、もっとアウトプットしていけるように頑張ります。

1997年生まれの杉咲花がヒロインを務める103回目の 朝ドラ おちょやん 視聴の記録  第3週 「うちのやりたいことって、なんやろ」

某公共放送の朝ドラ、おちょやん。

2020年、11/30から、放送を開始している。
通常の、下半期の朝ドラよりも後ろ倒しになっているのは、言わずもがな、コロナ禍での諸々の事情。

どんな話か。

大正初期、大阪の南河内の貧しい家の娘、竹井千代が主人公。家が貧乏すぎて、学校にも行けずに家仕事に手いっぱいになった挙句、道頓堀の芝居茶屋に女中奉公に出される。そこで芝居の世界に魅了され、芝居の世界に。いろんなことがあり、上方を代表する女優となり名を馳せていく…

おちょやん、とは、茶屋や料亭などで働く女中を指す大阪ことばだとか。

おちょやんは、芝居茶屋で、タフに生き抜き、親しまれた、竹井千代をめぐるドラマ。演じるのは、杉作さん(杉作J太郎)と名前が似ている、杉咲 花。

脚本は、半沢直樹、陸王などにもかかわった、八津弘幸。

第3週 「うちのやりたいことって、なんやろ」

先週から8年たち、大きくなった千代、杉咲花の姿で登場。 

路上の乞食たちとも、軽妙なコミュニケーションをとり、すっかり道頓堀に馴染んでいる千代。 

季節は秋。秋を超え、冬になり、年が明ければ、千代は、年季明け。 

18歳になり、そのまま芝居茶屋に残るか、なにか、やりたいことをやるか、選ばなければいけないタイミング。 

一度の人生、後悔しないように。
よく考えよ、と岡田シズが千代に厳しさと優しさで迫る。 

岡田シズの言い方に、どこか意味ありげだったのは、その昔、シズが、歌舞伎役者のハヤカワ エンシロウとあと少しで駆け落ち、な関係にあったりしたことがやがて明らかに。 

20年ぶりに、岡田シズの前に姿を現す、エンシロウ。千秋楽のあくる日の朝、会いましょう、と言い残し、去る。

一方、大女優、タカシロ ユリコ(井川遥演ずる)は、乞食に変装をして、街中に紛れ込んでいた。いまでいう映画、活動写真の世界へと行けと事務所から言われ、どうするか悩み、決めかね、逃げ回っていた。 

ひょんなことから、タカシロ ユリコをかくまうことになる千代。話をしていく中で、千代の芝居への情熱が垣間見える。そんなに芝居が好きなら、役者やったらどうや、と千代に告げるタカシロ ユリコ。

岡田シズとハヤカワ エンシロウの、男女の関係を超えた、思い、思われの様子、そして、「後悔しないように」という、自分が言われた言葉をそのまま反転させ、シズへ、恩返しすることこそが、やりたいこと、と切実にシズに迫る千代の様子は、グッとくること必至。

千代にとって、岡田シズにとって、タカシロユリコにとって、それぞれにとって、やりたいことはなんやろ、と悩み、それぞれの答えを出していく様子が、観る者の心にも、やりたいことはなんやろ、という問いと向かい合わせる。

そして、第3週の最後の場面、あの男がまたあらわれ、次週に向けて、波乱の予感。 

どんどんと目が離せない、おちょやん。

昨今は、Amazon Primeで朝ドラが観られる時代。 朝、昼、夜問わず、朝ドラ、観られる。 

https://youtu.be/09CIh_Frjog
主題歌は、ハタ モトヒロ。冬の冷え切った体と心を、あたためてくれるグッドメロディー。

人生はハード。しかし、日々の15分の朝ドラ、そのドラマは、日々に味わいと潤いをもたらす。 

おちょやん観て、2020年を超えていこう。

1997年生まれの杉咲花がヒロインを務める103回目の 朝ドラ おちょやん 視聴の記録  第2週 「道頓堀、ええとこや〜」

某公共放送の朝ドラ、おちょやん。
 
2020年、11/30から、放送を開始している。 
通常の、下半期の朝ドラよりも後ろ倒しになっているのは、言わずもがな、コロナ禍での諸々の事情。
 
どんな話か。
 
大正初期、大阪の南河内の貧しい家の娘、竹井千代が主人公。家が貧乏すぎて、学校にも行けずに家仕事に手いっぱいになった挙句、道頓堀の芝居茶屋に女中奉公に出される。そこで芝居の世界に魅了され、芝居の世界に。いろんなことがあり、上方を代表する女優となり名を馳せていく…

おちょやん、とは、茶屋や料亭などで働く女中を指す大阪ことばだとか。

おちょやん」は、芝居茶屋で、タフに生き抜き、親しまれた、竹井千代をめぐるドラマ。演じるのは、杉作さん(杉作J太郎)と名前が似ている、杉咲 花。

 脚本は、半沢直樹、陸王などにもかかわった、八津弘幸。
 
 
第2週は、千代が、道頓堀の芝居茶屋「岡安」に来て、そこに受け入れられるまでを描く。 
 
 
なにか言われた時の受け答えの返事が、「はい!」ではなく「へい!」でなければいけないというところから、細部に至るまで、厳しく
指導を受ける千代。 

しかも、1ヶ月の試用期間の間に女中の仕事が覚えられなければ、容赦なく追い出されるという。

篠原涼子演じる、岡安の女将、岡田シズが、鬼の厳しさを見せる。 

風呂にもろくにはいれず、負けじとがんばる千代。10歳なのに、あまりにもな過酷な日々だが、かわいそうとは思われたくない、同情なんてクソ喰らえ、な根性、それを体現する、千代役の毎田暖乃が素晴らしい演技を見せる。

芝居の巡業に来ている、天海一座。そこのドラ息子、一平との交流を通じて、千代は、芝居に興味を持ち、芝居のホンを読むために、文字の読み書きを学びはじめる。 

女将や女中仲間はしごきといじめで、10歳でけなげにがんばる千代を追い詰めていくが、シズの母や、岡田の主人などは、あたたかい目で千代を見守る。 

厳しい目とあたたかい目。その両方の中で、千代はタフに成長していく。 

千代が厳しく扱われる一方、天海一座のドラ息子の一平のあまやかされっぷりにみていて腹が立つが、彼もまた、芝居の一座の中で、たいしてやりたくもない芝居に運命づけられ、偉大な父の跡継ぎという、重さの中にいる。

故郷の父テルオは夜逃げし、ついにほかに帰る場所をなくした千代が、おつかいでミスをしたために、岡田シズに岡安を追放され、もう路上暮らししかなくなるほどに追い込まれるが、なんとか、シズの母に見つけられ、岡安に舞い戻り、土下座をして、ここにいさせてください、と、岡田シズに頼みこむ場面。 

10歳の、けなげな、帰る場所のない女の子が、土下座をしている。なんという、痛ましく、残酷なことであろう。大正時代。人の身分の彼我の差に、絶望的な心持ちになる。

しかし、ここで追い出すほど岡田シズも鬼ではなく、千代は、岡安での女中として、正式にいられることになるのであった。

岡田シズの鬼っぷりと、千代のタフさが見どころであった。 

次回、3週目は、8年後、千代が18歳、杉咲花の姿になって登場。

朝ドラは、いまや、Amazon PrimeのNHKオンデマンドチャンネルでも観ることができる。

このコロナ禍の中での撮影環境の厳しさ、配信全盛で競合も激しい中、大樹の陰によらず、オリジナルストーリーで勝負する姿勢には、応援したい気持ちが高まる。 

おちょやんを観て、日々を生き抜こう。  
 

主題歌

https://youtu.be/09CIh_Frjog

1997年生まれの杉咲花がヒロインを務める103回目の 朝ドラ おちょやん 視聴の記録 第1週 
「うちは、かわいそやない。」

某公共放送の朝ドラ、おちょやん。
 
2020年、11/30から、放送を開始している。 

通常の、下半期の朝ドラよりも後ろ倒しになっているのは、言わずもがな、コロナ禍での諸々の事情。

どんな話か。

明治末期、大阪の南河内の貧しい家の娘、竹井千代が主人公。家が貧乏すぎて、学校にも行けずに家仕事に手いっぱいになった挙句、道頓堀の芝居茶屋に女中奉公に出される。そこで芝居の世界に魅了され、芝居の世界に。いろんなことがあり、上方を代表する女優となり名を馳せていく…

おちょやん、とは、茶屋や料亭などで働く女中を指す大阪ことばだとか。

「おちょやん」は、芝居茶屋で、タフに生き抜き、親しまれた、竹井千代をめぐるドラマ。演じるのは、杉作さん(杉作J太郎)と名前が似ている、杉咲 花。

原作があるわけではなく、オリジナルストーリー。脚本は、半沢直樹、陸王などにもかかわった、八津弘幸。

第1週 「うちは、かわいそやない。」

千代の、子ども時代。主に、南河内の貧乏生活がメインで描かれる。 

母親が亡くなってしまっており、父親はダメ親父(トータス松本扮する)、弟の世話もしつつ、家事もこなす千代だが、子役の毎田暖乃が素晴らしい。

まさに、ぼろは着てても心は錦。惨めな気持ちにとらわれたり、かわいそう、と思われることをよしとしない、その人柄を、堂に入った罵り言葉を炸裂させて、体現する。

トータス松本演じる父親、テルオの自堕落っぷりも見ものでありつつ、テルオが連れてきた新しい母親、宮澤エマ演じる栗子の妖艶な魅力と、千代を追い出そうとする冷酷さ、それに対抗する千代との争いも、笑いを誘いつつ、その実、けっこうえげつない内容。貧乏ゆえの、口減らし。 

ひたすらクソに思えるテルオながら、千代が、まったく家事もしない、子の面倒もみない栗子を評し、なんであんなのを連れてきたんや、(亡くなった)お母さんと全然似てへん、とテルオに詰め寄る場面。テルオが「似てへんからや。似てたら、思い出してしまうやろ」と遠い目をしながら 答えるところなどは、ハッとさせられた。

結局、栗子が家に残り、千代は、追い出されるような形で、奉公へ。

しかし、テルオに向かって放つ、捨て台詞

うちは捨てられたんじゃない、うちがあんたらを捨てたんや!!!!

に痺れた。

その場所を、自ら捨てて生きていく強さ。

会社にクビにされたんじゃない、自分が会社をクビにした。
フラれたのじゃない。自分がフッた。 

絶望を希望に転じる、自分の足で踏みだす意識。

竹井千代の生き様は、経済的下り坂の中せせこましさ増す令和時代をタフに生きていく力をくれるものになる予感。 

第2週も楽しみだ。

朝ドラは、いまや、Amazon PrimeのNHKオンデマンドチャンネルでも観ることができる。

このコロナ禍の中での撮影環境の厳しさ、配信全盛で競合も激しい中、大樹の陰によらず、オリジナルストーリーで勝負する姿勢には、応援したい気持ちが高まる。 

おちょやんを観て、日々を生き抜こう。  
 
https://youtu.be/09CIh_Frjog
主題歌は秦基博

仕事を失いました。コロナ禍と猛暑で。

派遣の販売員、スナック、探偵見習いとトリプルワークをしていた自由なフリーターだったが自由な故に不自由な事になってしまった。

派遣はしょうがない。派遣だから、切ってくれ。責任など押し付けられるくらいなら正社員など願い下げである。
ボーナスは欲しいけど責任はプライスレスてのは教訓なのだ。

スナックもよくわからないが解散して探偵業は関東の今年の夏が暑すぎて命の危険を感じて気がついたら正真正銘無職。

マジ自由っす。でも、お金ないから不自由っちゃ不自由っす。
幸福度ってのは変わらないっす。

ただ夏の終わりはいつもより寂しかったっす。

雲が秋に変わって、それはもう何回も見ているけど、それに久々に気付いて。ぶっちゃけ雲を見てるだけで楽しかった小学生の時の心とおばさんの賢さを身に付けている美魔女と美少女の狭間の思春期である。悶々。。ムラムラ。

なんだか、今ならスピッツのメンバーにもなれるはず。

そして最近は冷静に既婚者にインタビューしまくっている。結婚のメゾットを。今のところは、要するに金と愛。そして犠牲。自由なんてないと皆、言う。

夫婦で会社をやっていてる友達(女)曰く、男は自由なお金、女は自由な時間、それぞれ犠牲にしなきゃ。と教えてくれた。旦那様も優しい人でとても仲良くて結婚に希望を持たせてくれる夫婦だ。
食洗機はめちゃめちゃ便利だし、来週ドラム式の乾燥機能付いた洗濯機を買う話を聞いて、ちゃっかり家事の時短しとるがなと思ったケドモ。自由が欲しいのね。

女は少しくらい図々しい方が幸せってことだな。

ふんどしを茹でて暖を取る日々の読書の記録 
萩原慎一郎 歌集「滑走路」を読んだ。

2020年、4月以降あたりからの記憶があまりない。コロナ禍の中で、あっという間に時間が過ぎてしまった。なにかしていたといえばしていたし、していなかったといえばしていない。気が付けばもう12月。

職も失わず、大病もせず(健診でひっかかり、人生初の胃カメラを経験したりはした)、コロナにも罹らず、2020年の終りへ向かえているのは喜ぶべきなのだろう。 

半ば無理にひねり出すようにして、なにかとりあえずアウトプットをし続けようとブログ記事みたいなものを書いていたのも、今年の春くらいになんとなく止まってしまっていた。

2020年も終わろうとしている今、あらためて、なんか書いていきたい。 

そんな気持ちにもさせられた、本のひとつ、

萩原慎一郎 歌集「滑走路」。

Amazonの本紹介のとこでは、

“NHKニュースウォッチ9で「非正規 歌人が残したもの」として紹介され、大反響。”

“いじめ、非正規雇用、逆境に負けず それでも生きる希望を歌い続けた歌人がいた。32歳で命を絶った若き歌人の絶唱を収めた短歌集”

などと書かれている。 

 
たぶん、上のような紹介をAmazonでみていただけなら、別に手にとってもいなかったと思う。 

この本に出会ったのは、本屋。新宿のブックファースト。

何気なく、短歌・詩集のセクションを眺めていて、平積みにされていたこの本が、目に入った。帯に書かれていた、32歳の絶唱、というところが気になったのかもしれない。 

どんなもんか、とペラペラ立ち読みしているうちに、気がつけば、引き込まれ、レジにぶち込んでいた。 

部屋に戻り、穴蔵のような住環境の暗闇でページをめくっていると、その、時として驚くほど平易な言葉で、31文字に込められた、日常の風景、心情の描写が心に刺さりまくってきた。 

短歌というものに普段触れることもあまりなかったが、「滑走路」のなかの短歌は、31文字で、何ページもスクロールするTwitterのタイムラインよりも、おびただしい量のネットニュースのコメント欄よりも、心のなにかを満たし、豊かな情景を思い浮かべさせてくれた。 

20代後半くらいの、なにかやりたい焦燥感もあれば、現実的な落とし所、あきらめ感、それで別にいい感もある、「第2の思春期」特有の青臭さ、10代のそれとはまた違った感じが、痛切に感ぜられた。

例えば、「滑走路」の中に、こんな歌がある。

「ぼくたちの世代の歌が居酒屋で流れているよ そういう歳だ」

いわゆる懐メロというものに対する、複雑な心情。 
え?この曲ってもうそんな前だったっけ?と気づかされる時の、なんとも言えない感じ。そういう心情の機微が、31文字に込められている。

非正規、いじめ、という境遇にフォーカスが当たっているが、この歌集を読んでいて、そこから連想される重さや暗さは感じない。

個人的な感傷や感動や忸怩たる思いが、平易で赤裸々な言葉で31文字に練り上げているからこその、普遍的に感じられるやるせなさ、なんともいえない気持ちが、歌に宿っている。

例えば、こんな歌もある。

「腹ぺこのおなか満足させてくれ 牛丼屋にて大盛り頼む」

「食べるならおいしいものが食べたいな 昼は牛丼屋でいいけれど」

牛丼屋、という言葉。そこから浮かべる風景には、親しみと、幾ばくかの惨めさがある。しかし、これらの歌は、そんな牛丼屋が存在感の幅を効かす日常を、優しく照射してくれているように思える。

人生はハードだ。
ホークスの日本一とディズニーランドでは、なにか満たされないわたしやあなた。

萩原慎一郎 歌集「滑走路」、おすすめです。