1997年生まれの杉咲花がヒロインを務める103回目の 朝ドラ おちょやん 視聴の記録 第1週 
「うちは、かわいそやない。」

某公共放送の朝ドラ、おちょやん。
 
2020年、11/30から、放送を開始している。 

通常の、下半期の朝ドラよりも後ろ倒しになっているのは、言わずもがな、コロナ禍での諸々の事情。

どんな話か。

明治末期、大阪の南河内の貧しい家の娘、竹井千代が主人公。家が貧乏すぎて、学校にも行けずに家仕事に手いっぱいになった挙句、道頓堀の芝居茶屋に女中奉公に出される。そこで芝居の世界に魅了され、芝居の世界に。いろんなことがあり、上方を代表する女優となり名を馳せていく…

おちょやん、とは、茶屋や料亭などで働く女中を指す大阪ことばだとか。

「おちょやん」は、芝居茶屋で、タフに生き抜き、親しまれた、竹井千代をめぐるドラマ。演じるのは、杉作さん(杉作J太郎)と名前が似ている、杉咲 花。

原作があるわけではなく、オリジナルストーリー。脚本は、半沢直樹、陸王などにもかかわった、八津弘幸。

第1週 「うちは、かわいそやない。」

千代の、子ども時代。主に、南河内の貧乏生活がメインで描かれる。 

母親が亡くなってしまっており、父親はダメ親父(トータス松本扮する)、弟の世話もしつつ、家事もこなす千代だが、子役の毎田暖乃が素晴らしい。

まさに、ぼろは着てても心は錦。惨めな気持ちにとらわれたり、かわいそう、と思われることをよしとしない、その人柄を、堂に入った罵り言葉を炸裂させて、体現する。

トータス松本演じる父親、テルオの自堕落っぷりも見ものでありつつ、テルオが連れてきた新しい母親、宮澤エマ演じる栗子の妖艶な魅力と、千代を追い出そうとする冷酷さ、それに対抗する千代との争いも、笑いを誘いつつ、その実、けっこうえげつない内容。貧乏ゆえの、口減らし。 

ひたすらクソに思えるテルオながら、千代が、まったく家事もしない、子の面倒もみない栗子を評し、なんであんなのを連れてきたんや、(亡くなった)お母さんと全然似てへん、とテルオに詰め寄る場面。テルオが「似てへんからや。似てたら、思い出してしまうやろ」と遠い目をしながら 答えるところなどは、ハッとさせられた。

結局、栗子が家に残り、千代は、追い出されるような形で、奉公へ。

しかし、テルオに向かって放つ、捨て台詞

うちは捨てられたんじゃない、うちがあんたらを捨てたんや!!!!

に痺れた。

その場所を、自ら捨てて生きていく強さ。

会社にクビにされたんじゃない、自分が会社をクビにした。
フラれたのじゃない。自分がフッた。 

絶望を希望に転じる、自分の足で踏みだす意識。

竹井千代の生き様は、経済的下り坂の中せせこましさ増す令和時代をタフに生きていく力をくれるものになる予感。 

第2週も楽しみだ。

朝ドラは、いまや、Amazon PrimeのNHKオンデマンドチャンネルでも観ることができる。

このコロナ禍の中での撮影環境の厳しさ、配信全盛で競合も激しい中、大樹の陰によらず、オリジナルストーリーで勝負する姿勢には、応援したい気持ちが高まる。 

おちょやんを観て、日々を生き抜こう。  
 
https://youtu.be/09CIh_Frjog
主題歌は秦基博

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映画、音楽、本のことを中心に、役に立つかどうか度外視して書きたいこと書こうと思っています。サブカルなイベントもよく行くので、そのレポートみたいなことも書くかもしれません。