2021年 私的ベスト映画

2020年から引き続いてコロナ禍だった2021年。
ほとんど緊急事態宣言だった気もする。

そんな中、感染症対策をしっかりしつつ、映画館は開いていた。シェルターのように、そこにあり続けていた。

今年も変わらず映画館へ通った。

劇場で観た映画の中から選んだ、いまの時点での10本を以下に。

■10位 子どもはわかってあげない

南極料理人や横道世之助の、沖田修一監督作品。主演は、上白石萌歌、細田佳央太、豊川悦司、斉藤由貴、千葉雄大ら。田島列島の同名コミックを映画化した作品。

高校の水泳部のエースで、左官のアニメの好きな、上白石萌歌演じる、朔田 美波(さくた みなみ)。部活終わり、プールからみた学校の屋上に、なにか見つける。階段駆け上がり見に行くと、自分の好きな左官のアニメのキャラを筆で描いてる青年が。何君?と尋ねると、モジくん、あ、いや、門司(もじ)、と答える。彼との出会いから、ふとしたきっかけで、美波の実の父親探し、が始まっていく。

空の青と白いシャツ、健康的な日焼けとショートヘアーの上白石萌歌の、10代最後の夏を撮り納めた映画として、独特の移動長回しショットもあいまって、80年代青春映画の感もあり、素晴らしい。

水泳部の顧問が語尾に「な」をつける、美波の「アデュー」、美波の母の「OK牧場」、など、印象的な言葉が散りばめられた、会話も魅力。まじめな場面になると笑ってしまう美波の、どこか俯瞰で物事を見ているようなクールさと、独自の世界観、自分をしっかり持ってるがゆえのぶれない明るさが、映画全体の空気感を爽やかで超現実的でもあるいいバランスに保っている。

画面の中で、青と白の割合が多い。出ている人が、みんな健康的に日焼けしている。プールが出てくる。海も出てくる。そういう画面をただ眺めていたい気持ちにさせられる。

食事を通して、心的な距離を近づけていく描写もいい。ゆるい時間を過ごしているようでいて、ひと夏終えての成長がある、という夏休み映画でもある。

ブーメランパンツを履いて「僕にも教えてくれよ」の豊川悦司はアウトめなギリギリ感大賞2021ノミネート。

■ 9位 BLUE

ヒメノア〜ル、愛しのアイリーンなどの、吉田 恵輔監督による、ボクシング映画。松山ケンイチ、木村文乃、柄本時生、東出昌大らが出演。

ボクシングへの熱量は誰にも負けないが、試合で勝てない瓜田。その後輩であり、瓜田の幼馴染とも結婚を控え、日本タイトルも目前のボクシングの才能に恵まれた小川。パチンコ屋でバイトして中学生にボコボコにされ、やってる感を出す浅い目的でジムにやってきた楢崎。それぞれのやり方でボクシングと向き合う3人のボクサーの生き様を描く。

ビハインドからの勝利だとか、ヒロイックな展開だとか、ドラマチックなロマンスだとか、わかりやすいカタルシスがないのに、なんでこんなにも忘れ難く、涙が出てしまうのか。とにかく、負けまくっても闘い続ける瓜田の姿が、その背中が、自分が負けて悔しくても人のために手を差し伸べるその姿が、心を打つ。 

熱量と才能は別、というリアルもあれば、熱量があること、それこそが才能でもある、という考えもある。好きこそものの上手なれ。好きなことを見つけよう。しかし、才能のないところでの熱量というのは呪いでもある。好きで得意だったらそれを突き詰めればいいじゃない、も、好きは別にして得意なことや金になることすればいいじゃない、も、どちらも正しいのだろうが、瓜田を筆頭に今作の3人のボクサーは、そのような正しさの尺度ではないところで生きている。そういう生き様へと向かわせるのがボクシングの魅力であり、恐ろしさでもあると感じる。でも、3人とも、苦しそうでもあるし辛そうでもあるが、すごく、生きている、感じがする。  

自分の身体の悲鳴や、周囲の冷静な視点を超えての、好きゆえの呪いというところでは、ダーレンアロノフスキー監督、ミッキーローク主演の映画レスラー(2008)のそれを思い出したりもした。

ボクシングジムの会長、ボクシングジムのスタッフ。実在感あった。ボクシングの殺陣は監督自ら行ったという。過度にドラマチックに演出されていないボクシングのリアル描写という温度感。

ボクサー版のトキワ荘の青春、を目指したとか。青春物語に苦みやつらみはつきもの。当事者が切実になにかに向き合っているほどに。

パチンコ屋の中学生とか、パチンコ屋のスタッフルームだとか。地方都市のなんともいえない哀しみおかしみを描く手腕の確かさも健在。 

■ 8位  21ブリッジ

マーベルの一連の作品で知られるルッソ兄弟製作。監督はブライアンカーク。ブラックパンサーのチャドウィックボーズマンが主演。シエナミラー、JKシモンズ、ステファンジェームズら出演。 

マンハッタンの真夜中、確かな筋からの情報を基にレストランの地下から麻薬を盗み出す2人組。想定していたより大量のブツに驚きつつも、強奪。しかし、ちょうど警官がそこへ入ってくる。なぜこんな時間に警官が?あれよあれよと撃ち合いになり、2人組は逃走、警官たち多く犠牲になる。やがて、事件の現場に現れたのは、正義の代価だ、と犯人追跡中の射殺もいとわないハードなニューヨーク市警刑事、アンドレ。大胆にも、マンハッタンへとかかる21の橋を封鎖。朝のラッシュまでな。タイムリミットは夜明け。絶対捕まえるぞ、と犯人追跡をはじめるが、なにか、うまく進みすぎて腑に落ちないところがあると感じるアンドレ…。 

こういう類の映画が大好きだ。まさにこういう映画が観たくて映画を観ているというところもある。マンハッタンを舞台に繰り広げられるリアルアクション。夜のマンハッタン、犯罪、警察、地下鉄やビルや厨房の裏口や資金洗浄の現場で響き渡る銃声。いわゆる、テレビ東京の午後のロードショー系の安定感。しかし今作は、都市型リアルアクションのジャンル映画的面白さを追求しつつ、サスペンスでもあり、チャドウィックボーズマンが正義とはなんぞやと葛藤しながら闘う姿を見せつけてもおり、観終わった後余韻に浸って都市部における正義について考えを巡らせてしまうような奥深さもある。 

雨に濡れた道路を黒光りする車が走り、マンハッタンのビルの明かりが夜の闇を彩り、そういった画面を眺めているだけで、ああ、映画を観てるなぁ、という気分になれる。都市型リアルアクション映画をもっと観たいし、このような映画でのチャドウィックボーズマンの今後のさらなる活躍をみたかった。ブラックパンサーもいい映画だが、ことあるごとに見返すことになるのは、21ブリッジだ。  

■ 7位 最後の決闘裁判/ The Last Duel

監督はリドリースコット、脚本はニコール・ホロフセナー、マット・デイモン、ベン・アフレック。ジョディカマー、アダムドライバー、マットデイモンらが出演。実話を元に、14世紀フランスのスキャンダル を描くミステリー。

騎士の妻であるマルグリットが受けた暴行。その真相を巡り、黒澤明の羅生門的な叙述で、三者それぞれの立場から、状況と顛末が提示される。

ぼてっとした不器用マッチョなマッドデイモン。インテリぶった感じ悪いうえにホモソな環境でいい思いして感じ悪いアダムドライバー。そして、なんといっても、ジョディカマー。中世を舞台にしつつ、現代にも通じる問題、男性の愚かさを鮮烈に描く。

話のテーマや語り口とは別に、中世の衣装や美術、撮影のセット、素晴らしかった。丁寧にお金のかけられた歴史スペクタクルな映画の画面のルック。おおげさなCGで、いったいなにを見せられているのだろう?と虚無になる感情とは真逆の、やっぱり映画はいいなぁ、というエモーション高まる。

ベンアフレックどこに出てた?と思ったら、あのキャラクターか、と後で気づくくらい、なんか見た目変わってる。

2時間半くらいある映画。ディズニープラスで配信あるが、やはり映画館で没入したい。そして、パンフを読みたい。今作で劇場パンフがなかったこと、その配給の姿勢に関しては、覚えておきたい。

■ 6 位 プロミシングヤングウーマン

エメラルド・フェネルが監督脚本。長編デビュー作。大胆不敵な物語に共鳴したマーゴット・ロビーも製作に名乗りを上げたとか。 
キャリーマリガンが主演。ボーバーナム、アリソン・ブリーら出演。

「甘いキャンディに包まれた猛毒が全身を駆け抜ける、復讐エンターテインメント」ということだ。
物語については、多くは知らずして観るのがいいのだろう。

今年のベストオブ復讐ドラマであり、今作以前と以降で、決定的に色々と変えてしまっている。

エイスグレードのボーバーナムも、本人のリベラルでアップデートされているイメージを逆手に取ったキャラクターとして鮮烈に印象に残りつつ、なんといっても、キャリーマリガン演じるキャシーが凄まじい。 

自分は悪い人ではない、比較的良心的である、と思っている人ほど観ると打ちのめされる。

■ 5 位 THE SUICIDE SQUAD

トロメオ&ジュリエットでの脚本も担当して、ガーディアンズオブギャラクシーで世に知れ渡ったジェームズガン監督による、新スースク。イドリスエルバ、マーゴットロビーら主演。

極悪な受刑者たちが、減刑を餌に政府の秘密任務へと駆り出される。命令に背いたり、任務に失敗すれば即死。スーサイドスクワッド、と呼ばれる彼らを、決死の任務が待ち受ける…。

最高最高。人を食ったような残酷描写ばかりかと思いきや、トロマ映画みのある、底辺で小さき者が最後に勝つ、みたいな展開もあり涙。

フランチャイズのアメコミ映画で作家性が遺憾なく発揮されるということが必ずしも良いことばかりではないのだろうけど、今回のザスーサイドスクワッドに関しては、キャスティング、演出、やりたいこと、諸々、うまく噛み合って、突然変異な爆発力。お金をかけたトロマ映画、とも言われるのもわかる、異常なエネルギーを感じる作品。

これは戦争映画だというジェームズガン。なるほど。上の命令で決死の任務にあたる。人死にが出る。理不尽な状況。ファンタスティックなゴア描写や悪趣味とポップでカラフルのギリギリの塩梅のルックでありながら、たしかにこれは、DCフランチャイズのヒーロー映画である前に、戦争映画なのかもしれない。

中盤以降から活躍するハーレイクインも、これまでのマーゴットロビーのハーレイクインで一番輝いていた印象。シルベスタースタローンが声のサメ人間ナナウエがオフビートな笑いと常に誰が喰われる不穏さを加えていて最高。

■ 4 位マリグナント 狂暴な悪夢 (2021)

ソウや死霊館のジェームズワン監督の作品。 

過去に恨み持ってるモンスターモノでありつつ、ジャンル映画的でありながら、ファンタスティックかつ痛快な落とし所をたたきつける。
 
音楽もかっこいい。脇を固めるキャラクターたちもいい感じ。そして、ガブリエルというダークヒーロー爆誕。

ホラーとしての怖さもあるし、ダークヒーローものとしての楽しさもある。

こういう映画を観ていきたい。

■ 3 位 RUN

アニーシュ・チャガンティ監督、セブ・オハニアンとアニーシュ・チャガンティ脚本、サラポールソン、キーラアレンら出演。

ワシントン州パスコの郊外の一軒家で仲良く暮らす親子。クロエとダイアン。クロエは持病で車いす。しかし親子で仲良くホームスクーリングして、大学へ向けて勉強。かと思いきや、不穏な様子。クロエが持病のために飲んでいたクスリ、緑のその錠剤の、ボトルのラベルが上から貼りなおされていた。下にあった薬の名は、トリゴキシン。いったいどういうことなのか。これまで与えられていた自由を疑い始めた時、戦慄のサイコスリラーが幕を開ける..

冒頭から、病院の場面、病院のスタッフの作業着、クロエとダイアンの暮らす一軒家に、共通して使われている、濃いめのミントグリーン緑色。その毒にも薬にも思える色は、トリゴキシンの錠剤の色。映画全体のトータルデザインにも、マクガフィンとしても、スリルとサスペンスを牽引するアイテムとしても、緑の錠剤トリゴキシンがとても優秀。

母の愛情、母と子の絆、それは美談として語られがちである。家族の絆。家族で支え合う。あなたには私が必要。あなたのためにやっている。
そういったところを逆手にとって、こんなにも怖くて手に汗握るホラースリラーを作り上げるとは。愛と暴力は紙一重。

90分という上映時間にも驚かされる。テンポがいい。信号渡れるかどうかサスペンス、気づかれるかどうかサスペンス。細かいサスペンス演出がうまい。

■ 2位 マトリックス レザレクションズ

マトリックス、18年ぶりのリブート。

別の世界線みたいなところで生きているのか?なにこれ?と思わせる序盤からの、ええ?どういうこと?な中盤からの、やっちまえ!な終盤。1、2、3見返してから観たけど、もともと2と3はぼんやりしてるし、関係なくアガる映画。

観た後、昔仲良くていまじゃ疎遠になっている友人に連絡をとりたくなる映画でもあった。

なにがリアルで、なにが虚構か。ぬくぬくと羊のごとくリアルのように見せかけた虚構を生きるのか。いや、違う。目を覚ませ。

キャリーアンモスのかっこよさ、デジャヴーな猫。

中年のロマンスでありつつ、後味さわやか。

いろんな種類のサングラスがかっこいい、いろんなデザインがかっこいい。

今作を映画館で観て、いろいろあった2021年も〆った気がした。

Wake up!

■ 1位 カラミティ

高畑勲監督も推したロングウェイノースの主要スタッフが再集結。レミシャイユ監督作品。アヌシー国際アニメーション映画祭で最高賞であるクリスタル賞を受賞。フランスのアニメ。共同制作、デンマーク。伝説の女性ガンマン、カラミティジェーンの少女時代の物語。

なんだか居心地の悪そうなマーサジェーンのしかめっ面から幕開け。マーサは家族と共に幌馬車で西へ西へと旅団の中。家族支える父親が暴れ馬にやられて休まざるを得なくなり、マーサが父親がわりに家族を守る役割をすることに。馬の手綱を握ることも、女だから、という理由でさせてもらえない。スカートや長い髪が、ケンカしてれば邪魔になる。少年のような装いでタフに振る舞うマーサを、周囲は咎める。そんな中、窮地を救ってくれた軍人、サムソン、を旅団に招き入れたことから、マーラはトラブルに見舞われることになる…。

権威の愚かしさを暴き、疫病神がやがて英雄に。カラミティ・ジェーンというヒーローの誕生譚は痛快でいて寓意に満ちている。かつてのスタジオジブリのマインドに通じる、少女の成長物語。

主線のない独特の作画、幻想的な美しい色使いの風景も素晴らしかった。

カラミティ観たタイミングでロングウェイノースも観たが、家や自分の与えられた役割に縛り付けられる必要はない、やりたいこと、信念のおもむくままに生きよ。その道で自立することを通じて家に報いよ。というメッセージが両作品に共通してあるように感じた。19世記が舞台で、若草物語とか、アップルTVプラスのドラマ、ディキンスンにも通じる、現在と比べても抑圧的な価値観が支配的だった時代を舞台にして現代的な意識を持った人を主人公として描くことで、過去にも現在にも通じる普遍的な問題を浮き彫りにして、その先へと向かう先進性を示すドラマ。

お子様へ、大きくなったら、ジブリもいいけど、カラミティ。

異性装による状況の打開の描写も印象的だった。
なぜマダムだけが、マーサが少年のふりをしていることを見抜くことができたのか?ということも。

その手綱から手を離せ、らしく振るまえ、という抑圧にさよならを。心にカラミティジェーンを。

以下、特別枠。

・007 ノータイムトウーダイ
ダニエルクレイグ、お疲れ様!ありがとう!

・アメリカンユートピア
観念的で哲学的な言葉と、フィジカルに訴えかけるグルーヴと、斬新でいて自由でいて統制の取れているステージングがあいまって、映画でありつつ、新次元の楽しいライブ体験。

・JUNKHEAD
とてつもない熱量と作業量と才能の結実した世界射程のインディペンデント映画。すげぇ!ってなった。

・べいびーわるきゅーれ
そのあまりの文句なしなおもしろさゆえ、スターダムかけあがった日本映画代表。

来年も映画を観て生きていきたい。

ふんどしを茹でる日々の映画鑑賞〜地獄の黙示録FINAL CUT/ チェリー

備忘録のため、己を奮い立たすため、観た映画についての感想を定期的に書き残していきたいと思う。

一週間に2本を目標にしていたが、全然達成できず。定期的に2本分、書き残していきたい。

◼️地獄の黙示録 FINAL CUT(2019)

ブルーレイで観た。フランシスフォードコッポラ
ジョンミリアス、フランシスフォードコッポラ ジョゼフコンラッド 闇の奥(Heart of Darkness) 原作。マーロンブランド、ロバートデュバル、マーティンシーン、デニスホッパー主演。

カーツ大佐の暗殺を極秘で任された、マーティンシーン演じるウィラード大尉の地獄巡り。182分、ファイナルカット版。泥沼戦争映画であり、ジャングルの奥地へと踏み込み、その異常な世界を目撃させられる、ベトナム戦争、ひいては、西洋の帝国主義を相対化した試み。

ぐったりする。すげえなぁ、という。

ジャングルの中で、狂気に呑まれている様子の兵士たち。ロバートデュバル演じるキルゴア、デニスホッパー演じる報道写真家、狂気にのまれた兵士たちの中、とりわけの狂気を放つ。

ヘリでのナパーム爆撃。
https://youtu.be/nZ_zNUmr8fM

プレイメイトたちのショー
https://youtu.be/k5RLLT5psmg

屠殺もリアル。

フランシスフォードコッポラが私財投げ打って作ったまさに超大作。6週間で終わる予定が14ヶ月かかったそうな。

それを思えば、この映画に4時間弱付き合うことなど、一瞬のこと。

ジョセフコンラッドの闇の奥を読んだ後に、またもう一回観たい。

◼️チェリー(2021)

Apple TVプラスで観た。アンソニー&ジョー・ルッソ兄弟監督、トムホランド主演。元米軍兵士のニコ・ウォーカーが自身の実体験をつづった同名小説が原作。

彼女にフラれた勢いで軍隊に応募。メディックとしてイラク戦争に従軍し、仲間が死に、地獄のような、トラウマ。帰国後、PTSDからの、薬物依存症、ドラッグ買う金が工面できなくなり、銀行強盗の泥沼にはまっていく男の哀しい物語。

なかなかに面白かった。

なるほど、チェリーとはつまり新兵のことだったか。

いろんなオマージュが感じられる。フルメタルジャケット、地獄の黙示録。あまりにもあからさまなオマージュすぎて、コメディ感もある。もうちょいシリアスめが良かったのかも。

こちら側に話しかけてくる、第四の壁を突き抜けてくる感じとか、銀行の名前がFuck Americaみたいになっていたりとか、信用できない語り手、な部分もある。なので、最後のエピローグが、彼の観た夢だったとしても不思議ではない。

また、2002年から2021年までの変化を生身のトムホランドが体現。ドラッグに溺れて身をやつす様子は圧巻。ドラッグ中毒は一度ループにはまるともう抜け出せない。PTSDモノでありドラッグの恐ろしさを伝えている。

恋人のエミリーとの出会いが全ての苦悩のはじまりだったとも言えるし、全ての幸せのはじまりだったとも言える。運命の人、と思える人に出会うということは、そういうことなのだろう。

そして、撮影かっこいいなと思ったら、ニュートントーマスサイジェル。ブライアンシンガー組でXMENシリーズや、ボヘミアンラプソディ(途中までブライアンシンガーが監督してた)、スパイクリーのファイブブラッズなど、多くの作品の撮影監督を務めている。

緊急事態な日々は続く。 
連続ドラマも観つつの、やはり映画が好き。

ふんどしを茹でる日々の映画鑑賞〜氷の微笑/バニシングポイント

備忘録のため、己を奮い立たすため、観た映画についての感想を定期的に書き残していきたいと思う。

一週間に2本を目標にしていたが、全然達成できず。定期的に2本分、書き残していきたい。

◼️氷の微笑 (1992)

真夜中にNetflixで観た。ポールヴアーホーベン監督、マイケルダグラス、シャロンストーン出演。音楽はジェリーゴールドスミス。撮影監督はスピード(1994)の監督でもある、ヤン・デ・ボン。カロルコピクチャーズの作品。

サンフランシスコ市警のニックが、アイスピックを使った凄惨な殺人事件の容疑者、キャサリン・トラメルの捜査を進めていくうちに、その妖艶さ、魅力、抗い難いものに、惹かれていく。謎の解明への欲求もまた、高まりつつ。

真夜中にうってつけな、大人なサスペンス。堪能した。

酒をやめて、タバコもやめていた、マイケルダグラス演じるニック。シャロンストーン演じるキャサリンと接する中で、それらを解禁していく。だんだんと深みにはまっていく様子、誰が犯人なのかわからなくなっていく様子が、ヒッチコックなサスペンス演出を利かせながら、描かれていく。画面の中の青い色の使い方も印象的だった。街並み、海、雨。

車の運転シーン、マイケルダグラスはスタント使ってないとか。プロ並みの腕前。また、セックスシーンでのシャロンストーンのボディダブルも、使われていない。性的描写に関しては、すべてにおいて、演じたシャロンストーンの本当の合意があったわけではないだろう。トータルリコールからの、シャロンストーンの抜擢。シャロンストーンを一躍有名にした作品でもあり、複雑な気持ちにさせられる。

◼️バニシング・ポイント (1971)

2017年に出たブルーレイで観た。リチャードCサラフィアン監督、バリーニューマン主演。撮影はジョンAアロンゾ。

コロラド州デンバーから、アメリカの大地を白いダッジチャレンジャーが駆け抜けるロードムービーであり、バリーニューマン演じるコワルスキーの、反骨の魂を燃やし尽くす旅。

とても面白かった。

疾走感のあるロードムービーとしてのジョンAアロンゾの撮影がすばらしい。アメリカ映画の王道とは、茫漠たる大陸のハイウェイでの景色を捉えた、ロードームービーである、と言いたくなる。ダッジチャレンジャーは細かな整備が必要な繊細な車であり、コワルスキーの荒くれドライビング撮影の中で、計8台のダッジチャレンジャーをダメにしたとか。

ただ車をかっ飛ばしているだけのようでいて、ベトナム戦争へ行き、警察になり、モーターレースの選手になり、陸送勤めに至るまでの、回想エピソードで示される、コワルスキーの人生におけるトラウマ、権力への懐疑、自由への渇望の所以に、観る者は気づけば、自由の担い手のヒーローとして、コワルスキーに、それぞれの抑圧や忸怩たる思いを託している。

陸送(カーデリバリー)の爆走。今で言うところの、高速道路のウーバーイーツ配達員が元競輪選手で、警察に対して思うところがあって、夜通し爆走して遠くまで荷物を届けるといったところか。

60年代末の雰囲気とは違う、70年代の、熱狂の後のシラケ感、その疎外感をあらわし、コワルスキーに託した映画でもあるか、と。

家で映画を観るのもいいけれど、映画館で映画を観たい。

ふんどしを茹でる日々の映画感想 ハイフォン ママは元ギャング / ショーガール

備忘録のため、己を奮い立たすため、観た映画についての感想を定期的に書き残していきたいと思う。

1週間に二本を目標に。

■ ハイフォン ママは元ギャング (2019)

Netflixで観た。After 6 Junctionのスタントウーマン特集の中でおすすめされていたのをきっかに。https://open.spotify.com/episode/0ivRqU60bi8E4Dpka2lNL1?si=bMyCQKBSQVG7r2NsfMX-nA

人身売買集団に娘を誘拐されたハイ・フォンが、かつてギャングな生活をしていたサイゴンへと戻り、娘を救い出すべく奮闘する。

なかなか見応えあった。

華麗に舞うように殴る蹴るのアクションが観ていて痛快でありつつ、娘を守る母の底力を見せつける執念の救出劇に、心打たれつつ、ハイ・フォンを演じた主演のゴー・タイン・バンの身体能力の高さに驚かされ、その凛として強い表情と発する気に圧倒された。

焦げてまずそうなメシもまたご愛嬌な食事シーン、サイゴンのストリートのエキゾチック感も、見どころ。

■ ショーガール (1995)

DVDで観た。ポール・ヴァーホーベン監督作品。エリザベス・バークレイ主演。カイル・マクラクラン、ジーナ・ガーションら出演。

トップダンサー目指し、ラスベガスへやってきたノエミが、虚飾とドロドロの人間関係の中、栄光をつかもうと突き進む。

面白かった。

ショービジネスのヤクザな世界、トップレスは当たり前なセクシャルな描写がめくるめく中、下品低俗という誹りを受けるのもわかるが、しかし、今作が伝えてくるのは、女性を性的に消費しようとする男たちへの拒絶であり、エリザベス・バークレイ演じるノエミの立ち振る舞いやイズムは、職業としてのダンサーのプライドを感じさせる。

グレン・プラマー演じるダンサー、ジェームズ、の、ダンスには純粋な気持ちを込めてる部分は本当にあれども、結局はお前そういうことか、なエピソードも、切ない。

いわゆる、枕営業、の因果や、ライバルを蹴落とし、這い上がることの、後味の悪さも描かれている。

特筆すべきは、出てくる男みんなクズ、だということ。ノエミをはじめ、懸命に生きるダンサーたちの闘う姿、戦いのダンス。世の中のレビューよりも、まずは自分で観てなければ。

2月もすぐに過ぎていきそうだが、日々、世界は変わり続ける。ゴーストオブツシマをはやくクリアしなければ。

ふんどしを茹でる日々の映画感想 劇映画 沖縄 / 裏窓

備忘録のため、己を奮い立たすため、観た映画についての感想を定期的に書き残していきたいと思う。

1週間に二本を目標に。

今週の二本。

■劇映画 沖縄(1969)

DVDで観た。去年ゲットして、そのまま積んであった状態のやつをようやく。

日本へ返還される前の沖縄を舞台に、故郷を奪われた人たちと労働者の苦悩と怒り、熱い戦いを描いた長編映画。武田敦監督、山本薩夫製作。

とても見応えがあった。

権力者の都合の正しさで弱きを殴ることの、正しくなさ、を思った。返還前沖縄で撮影のモノクロドキュメンタリータッチな映像も圧巻。生命力溢れる地井武男も良かったが、一番憎い悪役の戸浦六宏が素晴らしかった。

DVD特典の復刻パンフの中の、戸浦六宏のコメントがこれまた興味深い。民衆が権力者に対して立ち上がり、うろたえた権力者が御伽噺の鬼のように去っていく、というのは、現実の沖縄の問題の複雑さ切実さを捉えていない、と脚本の改訂を提言、それが反映された、と。

お伽噺のように鬼が退散する形で収束するのではなく、現実の世界で、今でも、沖縄での理不尽、抑圧は続いている。沖縄基地問題を描いた映画のルーツと呼ばれる今作の、その熱に触れ、現在の諸問題に考えを馳せるという意味でも、意義深い作品に思う。

苦しい状況の中で、忸怩たる思いを抱えふんばる者、新天地に希望を求める者、そして、長い物に巻かれて威張り散らす者。同じような状況に置かれて、自分ならどうふるまうか、考えさせられた。

後半、アメリカの民主主義の理念に訴えかけるも、無情な判決を受ける展開には、アメリカンニューシネマのそれのような乾いた絶望感、無力感があった。こういう映画こそ、海外で観られてほしい。 
 

■裏窓(1954)

Blu-ray吹き替えで観た。みるぞみるぞ、と去年くらいから思いつつ、観れていなかったのを、やっと観た。アルフレッドヒッチコック監督の作品。ジェームズスチュアート、グレースケリー、主演。 

撮影中の事故で骨折してステイホーム中のカメラマンが、窓から見える近所の人間模様を覗き眺めてるうちに、殺人事件なのでは、という場面を目撃し、恋人のリザとともに、さらに覗きしながら探偵めいた調査を進めていく。

なかなかに見応えがあった。

思っていた以上にステイホーム映画だった。主人公の骨折カメラマンは家から出ずずっと窓から近所の人のプライベートを覗き見。今でいうとこの、家から出ずにTwitterのタイムラインひたすら追うみたいな感じにも通じる。立体的な建物のセットが圧巻だったが、あんなに覗き見させられるくらい、あんな窓みんな開けるか?とは思った。いくら猛暑だからって。

アップの後になにを写すかで、アップになった人の印象が変わるという、モンタージュ理論が応用された、覗き見している主人公と覗いている対象の交互の映像は、古典的なテクニックでもありつつ、映像っておもしろい、映画っておもしろい、という根源的な楽しさの部分を伝えてもいるようにも思った。映像編集の基本中の基本のテクなのだろうが、youtube動画ばかり観ていると、こういう映画らしい映像編集こそ新鮮で斬新に感じられる。

Blu-rayは、2013年に出たユニバーサルのやつを観たが、ナイスな吹替もあるし、特典もメイキングやインタビューなど充実していて、配信ではなくソフトで過去の名作を観る上での理想的なパッケージといった印象。

グレースケリー扮するリザが、部屋の中のプライベートな空間でもずっと、パーフェクトな装いとヘアスタイルとメイクをキープしているのは、生活感がないな、と思ったが、よくよく考えてみると、「生活感」とはいったいなんだろう、とも思い至ったり。

散らかった部屋を、生活感のある部屋、とも言うが、泥棒が入った後くらい散らかっていれば、それは生活感のある部屋ではなく、犯行現場であり、つまりは、程度の問題なのだろうが、では、どれくらいの程度でこなれていたり散らかっていれば、生活感、と言えるのか。

生活、として許容できる程度はその人それぞれであり、共同生活などにおいては、その許容できる生活感の程度で、もめごとも発生する。グレースケリーのあまりの美しさに、生活感がない、と思ったが、それは失礼な話で、生活とは当人にとってそれぞれ基準があるものなのだ。それに、映画の中では、いつまでもだらだらと結婚をきめかねている骨折カメラマンと、結婚するならさっさとしたい、というグレースケリーの関係もある。いつも美しく画面に映るグレースケリーを、生活感がない、というのは、あらゆる意味で、浅はかで、わかっていないということになるのだろう。

現在、2021年2月。
緊急事態宣言も延長で、先が見えない。 
来月には、東日本大震災から、10年の節目を迎える。ただ時間は流れているようでいて、確実に変化している。 

日々に句読点を打つように、カルチャー摂取していきたい。

ふんどしを茹でる日々の映画感想 ミッドナイト・スカイ / 下女 

備忘録のため、己を奮い立たすため、観た映画についての感想を定期的に書き残していきたいと思う。

1週間に二本を目標に。

今週の二本。

■ ミッドナイト・スカイ / The Midnight Sky

Netflix で観た。ジョージ・クルーニー監督、主演の作品。世界の終わりの天文台(Good Morning Midnight) 、という本が原作。

舞台は2049年。北極圏にひとり生き残った科学者。地球はもう住める状態ではないこと、その範囲は地球全体に及んでいることを知り、帰還途中の宇宙飛行士に伝えるべく、奔走する。やがて、孤独な科学者の魂の救済。

まぁまぁ面白かった。

ポストアポカリプスSF。生き残りのジョージクルーニー演じるヒゲ面の科学者が、広い食堂みたいなところで、義務的に、虚無な様子でメシを食い、ひとりチェス、ひとり酒に興じる。かろうじて生きているという様子。ステイホーム。ひとりきり。哀愁もあるが、しかし、絶望感が強い。ほかに人がいて、ひとりで過ごすのと、本当にひとりしかいなくて過ごすのでは、違う。ZOOMはあっても、やる人もいない。そんな中、人の気配がして、まさか、となる展開では、ジョージクルーニー、はからずもちょっと嬉しそうであった。

対して、地球がやばいことになっていることを知らない宇宙船の中の人々の様子は、どこか楽しげで明るく活動的。船外活動も、歌なんか歌っちゃったりして。しかし、なんとなく緊張感があり、もしや、と思っていると、大変な展開にもなる。
宇宙で液体はこうなるから、人体から出たものもこうなるのね、と。

終末モノであり宇宙モノでありスケールのでかさの印象を与えながらも、クルーニーが決死の、帰ってくんな!を伝えることがメインの比較的地味な話。しかし、やがてかすかに希望が灯るくらいの塩梅が、夜中に部屋を暗くして観るのにちょうどいい感もあった。

北極の様子がとにかく寒そうなので、冬に観るなら部屋を暖かくして観た方がいい。

世界の終わりの天文台、をむしろ読んでみたい気持ち。

■下女/ 하녀 /THE HOUSEMAID

韓国の鬼才と言われるキムギヨン監督、1960年の映画。Blu-rayで観た。修復されたクオリティで、白黒の映像美を堪能。下女役は、イ・ウンシム。

紡績工場の音楽教師、トンソク。やたら金ある。音楽教師はそんなに儲かるのか、当時としてかなり豪華な二階建ての家に住む。ミシン仕事がたたって過労の妻のため、下女雇う。やがて、下女とトンソクのNTRの展開。家庭の崩壊が巻き起こる。ひとつの家を舞台にした、崩壊の悲喜劇。

かなりおもしろく、見応えあった。

当時としての近代的、西洋的な暮らしを謳歌する音楽教師とその家族だが、下女により、内部から崩壊していく。下女は象徴的存在で、上昇への憧れ、と転落の不安の両方を暗示する、その家の階段、そのものと一体化するかのようで、それは、近代化を志向する社会そのものの危うさか。

倫理観や、憎しみにさえも勝ってしまう肉欲の不条理というか、生き物としての人間の悲しさみたいなものも、なんともいえない客観的な感じで、突き放して描いていた感も。

カレーの皿の上にねずみという衝撃的な悪夢の描写。家庭が外部からの侵入者によって犯されていく様子がそこに。ねずみの恐怖。

第四の壁を突き破り、アドバイスをかましてくる展開には、呆気にとられつつも、不気味な恐ろしさを感じた。

キム・ギヨン作品もっと観よう。

なにかしらの視点、専門性、で映画を読み解き、独自の語り口で語る、みたいなやつが理想ではあるが、そんなのなかなかできないし。身の丈の感想を繰り出して参ります。

2020 私的 映画ベスト 10

2020年も、たくさん映画を観て過ごした。

2019年より映画館に行く回数も減った。観る本数も減った。昔の映画を観ることも増えた。

つらい1年だった。

しかし、映画に楽しませてもらい、勇気づけられ、大切なことはなにかを、何度も教えてもらった。

2020年公開で、観たもので、よかった映画を、10本、選んだ。

■10位 ミッシングリンク

すごいストップモーションアニメを世に送り続けているスタジオライカの最新作。
ストップモーションアニメとしては初のゴールデングローブ賞もとったとか。

舞台はヴィクトリア朝のロンドン。人類の失われた環、ミッシングリンクの謎を追っていく冒険譚であり、好奇心あふれる変人英国紳士ライオネルと、未確認生物、ミスター・リンクの、デコボコバディもの。

その好奇心の強さゆえに、どこか変人扱いされているライオネル、存在そのものが異端なミスターリンクは、なんだか、鏡像関係。それぞれが、仲間内に認めてもらうため、というところからの、飛躍、さよならしていくカタルシスに、グッときた。

人生はさよならの連続で進んでいく。どういうさよならをしていったかが、自分らしさ、と呼べる、自分の輪郭を形作っていく。今年のベストにあげた作品には、そういう描写が特徴的にあったように思う。

ストーリーもさることながら、実際の物体を動かしているゆえの、重さ、を感じさせる、ストップモーションアニメの見応えも素晴らしい。今作ために作られた、顔、は106000個だという。とんでもない労力がかけられている。それが、原始的でありながらいままでみたこともないような、アニメーションの楽しさに結実しているのがこれまたすごい。特に、ミスターリンクの表情、動作、全てが愛おしく、いつまでもみていたい気持ちになった。

■9位 1917 命をかけた伝令

アカデミー賞で、撮影、録音、視覚効果の3部門を受賞した作品。巨匠サムメンデス監督で、ロジャーディーキンスの全編ワンカット風の撮影も話題となっていた。

舞台は1917年、第一次世界大戦のまっただ中。イギリス兵のスコフィールドとブレイクは仲良しで、木に寄りかかり一緒にうたたね。そんな二人に、最前線の味方に、作戦中止の伝令を伝えてこい、という、地味だが、極めて危険な任務が言い渡される。間に合わなければ、たくさんの仲間が死ぬ。覚悟を決める決めないの余裕もないまま、ミッションは容赦なく動き出していく。

動きだしたらもうとまらない、地獄めぐり。ワンカット風のカメラがそれを臨場感バリバリに伝えてくる。

スコフィールドとブレイクの、お互いを支え合う、見る、見られる、の関係性のドラマが、前半に濃厚に描かれるからこその、後半の、スコフィールドの、ミッションへの使命感の切実さが、痛切に感じられて、ひきこまれた。

最後まで映画を観て、スコフィールドが、ブレイクを見て、やり遂げて、それをブレイクも見ていたのだと、思った。極限状態で人間が限界を超えるのは、大切な誰かへ向ける目線、大切な誰かから向けられている視線があってのことなのだろう。そのことにグッときた。

IMAXで観たが、没入感ハンパなかった。映画館で映画を観ることの意味を問い直すような映画体験のひとつとなった。

■8位 燃ゆる女の肖像

監督のセリーヌ・シアマはカンヌで、脚本賞と、クィア・パルム賞の二冠に。シャーリーズセロンが、4回観た、と述べ、ブリーラーソンに、50年後にも残る映画、と言わしめた。批評家筋からも評判がいい作品。

18世紀のフランス、ブルターニュの孤島が舞台。とある貴婦人に、娘のエロイーズの嫁入りのための肖像画を描くように頼まれ孤島の屋敷にやってきた、画家、マリアンヌ。エロイーズとマリアンヌ、描かれる対象、描く側、の間で燃ゆる心のドラマ。

マリアンヌがエロイーズをみて、エロイーズがマリアンヌをみて。交わされる視線。ふたりの、お互いへの興味、引力を感じている様子が、目線で、語られる。この、目線のやりとりで、関係性を深めていく描写に、グッときた。

最後のシーンが意味するものはなんなのか、それを考えるほどに、また、観たいと思わされる。 マリアンヌはずっとあれからエロイーズを見てきたし、エロイーズも、見てきたのだろう。物理的に近くにおらずとも。

暖炉で薪がパチパチ爆ぜる音、波が打ち寄せる音。感情の高まりを、それらが静かに、力強く伝える。余計なBGMを排除した音の演出によって、ASMR的な癒し、没入感を感じた。劇中で重要な意味を持つ、ヴィヴァルディの曲を、ドバーンと流すのも、他の場面で抑制が効いているからこそ、効果的かつ印象的に響いていた。

このご時世の前に撮られた映画とはいえ、奇遇にも、マスク、が、一線を越える時の、もう戻れなさ、高まりを盛り立てる小道具として機能する場面には、心高鳴った。性描写も、直接的すぎず、それでいてエロチックかつロマンチックで素敵だった。

18世期の、今の感覚に照らし合わせても人権無視な感覚の状況の中、登場する女性たちの自由や尊厳への意識は2020。そのことで、浮き彫りになるなにか。旧い感覚に、おさらばを。

■7位 ブックスマート

製作総指揮が、俺たち、シリーズのアダム・マッケイとウィル・フェレルという安心印。監督、脚本、主演の全てが女性主導でぶちあげている。痛快最高な青春コメディ。

卒業式を翌日に控えたタイミング、勉強に学生生活を費やし、その結果いい進路を勝ち取ったと、優越感に浸っていた、親友のモリーとエイミーの二人だったが、他のパーティ三昧なやつらも、いい大学やいい仕事に進むことを知り、驚愕する。残された高校生活、パーティして取り戻してやる、と決意する二人であったが…

これは、ダサい女の子たちがダサくなくなるとかそういう話ではなく、友情についての話。一貫して二人とも楽しい、クールなのはふたりの間では周知のこと。それを、知らしめてやる痛快さと、その中で浮かび上がる二人の友情の尊さに、グッとくること必至の映画。

真面目に遊ばず勉強してる人にユーモアがないわけでもなく、パーティーで遊んでる人が真面目に勉強してないわけでもない。ステレオタイプを超えたところの人間が描かれていた。人を決めつけて遠ざけてはいけない。凝り固まった固定観念とさよならして、パーティを続けよう、という、価値観のアップデート、人生の肯定の映画である。

アパトープロダクションのこじらせ男子校のノリを女性に反転させた感じ、との見立てもあったが、まさに。多様性、先進性がありつつ、コメディとして、純粋におもしろいつくり、お涙頂戴に終始しない話運びも、品がある。

■6位 佐々木、イン、マイマイン

2016年の長編映画、ヴァニタス、が初の長編にして、PFFアワード2016観客賞を受賞した内山拓也監督作。今作で、佐々木、役を務める細川岳の、高校時代の同級生とのエピソードが原案。藤原季節、萩原みのり、遊屋慎太郎、森優作、小西桜子、ら、出演。 

別れた彼女と、だらだら同棲を続け、役者の道も中途半端。煮え切らない日々を送る石井ユウジ。偶然久しぶりに再会した高校時代の友人、多田、と話す中で、佐々木、という男について、思い出す。佐々木、ユウジ、タダ、キクチ。青春の日々。その日々を映し出す中で紐解かれていく、佐々木と佐々木の父親との微妙な関係、そして、四人の中でも、ユウジと佐々木の間には、より深く、なにか心通わせるものがあったということ。

佐々木との思い出と、いまが、交錯しながら、ある決定的な出来事に向かって進む。

映画的に疾走して意味を超越していくクライマックス。心が持っていかれた。これは佐々木についての映画であり、ユウジの物語であり、それを観て、観る者は、なにかしら己を投影してしまう映画体験。自身の過去に、それぞれの佐々木、を探してしまう。そして、なにかにさよならして、前に進んでいくことにも、向き合わされる。 

タバコをくゆらせ、言葉にならない感情を表現する演出、細かい、印象に残る人物描写、小道具の使い方の数々。監督の確かな手腕を感じさせる、ロジカルに組み立ててられた脚本や演出があるからこそ、怒涛の、意味を超えたクライマックスが鮮烈に印象づけられた。

■5位 ストーリーオブマイライフ 私の若草物語

ルイーザ・メイ・オルコットが19世紀アメリカを舞台に描いた、自叙伝的小説。若草物語。グレタ・ガーウィグが「女性がアーティストとして生きること、そして経済力を持つこと。それをスクリーン上で探求することは、今の自分を含む全女性にとって、極めて身近にあるテーマ」との考えのもと、監督、脚本を手掛けた。シアーシャローナン、エマワトソン、ティモシーシャラメ、フローレンスピューら、出演。

マーチ四姉妹の次女、ジョー・マーチは、小説家を目指し執筆に励む。姉のメグは、女優の才能がありながら、望むのは幸せな結婚。妹のベスには、病と言う壁が立ちはだかる。さらに妹のエイミーの野心。4人の選択と決意が描く、物語が、セピア色の過去とその未来を織り交ぜ展開。マーチ四姉妹、青春時代の総括。 

選択するということは、ほかのありえた可能性と、さよならしていくということ。何者にもなり得た時代から、なにかをつかみ取り、何者かになっていく青春の時代の様子は、いつだって、切なく、それでいて、人生における大事なことを伝えている。 

そして、金のための結婚か、愛のための結婚か。主人公の4姉妹が向かいあう問題。ジョーが描いた物語、結末にケチをつけられ「フィクションの中でさえ、結婚は経済的なものなのね!」と痛烈な皮肉も飛び出す。「結婚だけが女の幸せ、ってそんなわけあってたまるかよ! でも、たまらなくさびしい! 」というジョーの叫びの切実さ。それら振り切るかのように、執筆していく、物語。

本が製本されて、出来上がっていく様子に、いろんなことが込められていた。抑圧や、旧い考えに、さよならを。 

ティモシーシャラメの魅力炸裂。文学的美少年の魅惑っぷりも堪能できる作品。

■4位 透明人間

ユニバーサル映画の有名キャラ、透明人間、を、これまでのイメージを大きく覆し、女性目線で描かれる現代にこそふさわしいアップデートで、サイコサスペンスに仕立てた作品。ブラムハウスプロダクションが製作に関わり、リー・ワネルが監督、脚本、製作総指揮。主演は、エリザベス・モス。

深夜3時。睡眠薬で男を眠らせ、逃げ出す女、セシリア。抑圧的状況からの脱出。ギリギリのとこで、抜け出し、その後、男は自殺したと聞かされる。平穏が戻ってきたかにみえた。しかし、なにか、視線を感じる。おかしなことが起こる。著名な光化学者でありソシオパスな男、エイドリアンが、ついに透明人間になりやがったのだ、とセシリアは気づく。しかし、傍目にみれば、セシリアが頭おかしくなり、見えない敵と、自作自演で戦っているようにみえる。どんどん孤立していくセシリア。ひとり、エイドリアンと対峙する中、逃げ出してきた、エイドリアンの根城に、なにか彼の透明人間の物証があるのではと、向かうセシリアであったが、そこで彼女が目にしたものは….

男性支配からの、さよなら、を、極上のサイコサスペンスでハラハラさせつつ、痛快なリベンジ劇でキメる。作品が伝えるメッセージも素晴らしければ、ジャンル映画としてもめちゃくちゃおもしろく楽しめる。インダストリアルかつおどろおどろしい劇伴も最高であった。

セシリアの透明人間との戦いの様子は、精神異常で、まさに、本当に見えない敵と戦っているだけなのでは?と思わせる塩梅が素晴らしい。そこにいるのではないか、しかし、姿は見えない、というサイコな恐怖。透明人間モノの醍醐味が詰まっている。 

■3位 ブルータルジャスティス

新食感なバイオレンスものの作品でカルト的な人気を博す、S・クレイグ・ザラーが監督を手掛けた、メルギブソン、ヴィンス・ヴォーンが演じる刑事バディが繰り広げる、クライム・アクション。

メルギブソン演じるベテラン刑事ブレットと、ヴィンス・ヴォーン演じるその相棒のトニー。悪いやつかまえてたら、その過度に暴力的な様子動画とられて、6週間の謹慎。同期のあいつと俺の差、も痛感させられ、娘もいじめ受け、妻は病気。金がいる。ということで、一攫千金を狙い、犯罪者から金を強奪してやろう、と、思いきった計画を実行していくが…

映画の中の多くの時間が、ブレッドとトニーが、張り込みをしている時間で費やされる。特になにも起きず、独特のテンポ感の会話が、ひたすら繰り広げられる。この異常性が、新食感になっていて、この味わいが嫌いな人は、クライマックスにたどり着くまえに、眠りに落ちること必至。実際、張り込み中、ブレッドがいびきを立てて寝ている。そのいびきや、張り込みの車内でトニーが食べるチキンの咀嚼音や鼻息が、ASMR的な不思議な心地よさをもたらす。特になにも起こらず会話してる時間が長いのだが、しかし、なにかやばいことが起きるんじゃないか、不吉な緊張感も張り詰めているから侮れない。 

この張り込みの様子の、どこか一定の場所に潜伏している感じは、コロナ禍の中で、ステイホームの時間が長くなっていた今年の日常と、リンクしてくる部分もある。その潜伏、張り込みの時間の濃密さこそが、この映画の、グッとくるところの、大きな部分を占める。

後半の怒涛の展開も、見応えは十分だ。激しくバイオレンスが繰り広げられる。ブレットは、結果的に、いろんな自分と、さよならしていくことになる。 ひとつひとつの決断が、自分の未来を形づくっていく。観ていて、自分がブレットの境遇ならどうするだろうか、と、辛い妄想をした。

メルギブソンが、リボルバーに弾を装填しているポーズ、装填の音、かっこよかった。

そして、オリジナルスコア、よかった。ショットガンサファリ、が頭から離れない。

映画の原題は、Dragged Across Concrete。コンクリートをひきずりまわされ。 この映画に、ジャスティス、つまり、正義、はない。追い込まれた者たちの、選択と、因果がある。 

2時間半くらいあるが、節目節目に、観かえしたい作品。 

■2位 のぼる小寺さん

同名漫画の実写化。主演の小寺さんを演じるのは、工藤遥。実際に、3カ月のトレーニングを経て、ボルダリングに臨んでいる。監督は、古厩智之。脚本には、吉田玲子。

ひたむきに壁にのぼる、クライミング部の小寺さん。クライミングを職業としたい小寺さんは、進路調査表を白紙で提出。同じく、進路調査表を白紙で提出する、近藤、四条、倉田、めがねのカメラ女子ら、小寺さんののぼる姿をみつめる中、それぞれに、変化が訪れていく。青春群像劇。

なんとなく常に客観視で、打ち込むものもなかった近藤(演じるのは伊藤健太郎)、学校行かずチャラく遊んでたクラタ、とにかく自信のなかった四条、カメラに興味があったが友達との付き合いみたいなのを優先させてためがね。それぞれが、のぼる小寺さんの背中を見つめる。

小寺さんはなぜのぼるのか。難しい議題を打ち落とすため。勝つため。でも、結局、勝ち負けじゃない。そのひたむきさ。なんか泣けてくる。

小寺さんの背中をみて、感化されたそれぞれが、それぞれの壁をのぼる。決してすぐにうまくいくわけではない。学び、つまずき、工夫して、やっていく。

ひたむきに壁に向かう人の背中は、人を動かす。傍観者だった自分と、さよならをしていくことは、いつだってドラマチックで感動的。

■1位 ランボーラストブラッド

ランボー、最新作。

前作の、最後の戦場から10年。いろいろあったが、馬の世話をし、世話してくれる女性と、その娘と、平穏な暮らしをしていたジョンランボー。どういうわけかトンネルを掘り、あなぐらで寝起きしている。そして、いまでもフラッシュバックする、あの頃の記憶。The doorsのFive to Oneを流し、眠る。

娘のように可愛がる、ガブリエル。ちゃんと育ち、大学へいく。しかし、ガブリエルのもとに、電話がはいる。父親が見つかったと。メキシコにいる。会いに行きたいというが、ランボーは大反対。しかし、行ってしまう。

いろいろ、悲惨なことが続き、悲しみにくれ、鬼となるランボー。あいつらに、死が迫る悲しみ、恐怖、同じ思いをさせてやる。淡々と、確実に、冷徹に、抜かりなく、殺すための、準備をはじめるランボー。壮絶なリベンジ が幕を開ける..。

度を超したショック殺戮。なにも終わっちゃいない。罠を仕掛け、徹底的にやる。こんなにも徹底して、周到な準備で、圧倒的な、復讐劇のドラマはみたことない。復讐劇、ここに極まれり。

その前の序盤、あなぐら暮らし、潜伏して暮らすランボーの様子にも、コロナ禍での、ステイホーム、ソーシャルディスタンスな日々が、重なってきて、切ないのも、見どころ。

ランボーが、復讐の連鎖からさよならできていれば、違った未来があったのでは、とも思う。いや、しかし、いろいろなことが、手遅れであっただろうか。 

ラストブラッド、ということだが、ランボーという物語の続きが観たい。破滅以外の道を行くランボーを。しかし、それはもはやランボーではないのかもしれない、復讐と破滅の姿を通して、なにごとかを観る者にぶちこむランボー。

たとえそれがランボーとは呼ばれないものになったとしても、ランボーには、幸せになってほしい。

2021年になって、なにかいいことあるだろうか。それは、主体的につかみとっていくものか。人生はハード、と言っていられるうちは、まだソフト。

とりあえず、もっとアウトプットしていけるように頑張ります。

自粛と無鉄砲野郎

自粛するという言葉を少し噛み砕くと、self restraint 、自制、克己心、という言葉が出てくる。少し乱暴に言い換えれば、自粛しろ、というのは、我慢しろ、ということ。

トイレットペーパーの紙を買いすぎるのは我慢してくれ、とは言えても、トイレに行くのを我慢してくれ、とは、言えない。人の心がある人ならば。

トイレに行くことを自粛していたら、その辺に野グソでもするしかない。生きていくことに必要だからだ。

新型コロナの拡大防止のため、さまざまなことに、自粛、が求められている。ちょっとやばいんで、我慢してくださいよ、と。

しかし、ラーメンを週に5回から1回にしてくださいとか、深夜に部屋で楽器鳴らすのはちょっとやめてとか、そういう我慢とは次元の違う、トイレに行くの我慢してください、レベルの我慢としての、自粛要請がぶちかまされている。

挙げ句の果てが、布マスク二枚の支給。

こんなことしていると、無鉄砲野郎の暴発が危惧される。

10階のモスキート(1983) という映画がある。

監督:崔洋一
脚本:崔洋一、内田裕也
出演: 内田裕也、宮下順子、小泉今日子

交番勤務をまじめに勤めて20年。内田裕也演じる警察官。しかし、離婚し、出世も望めず、消費者金融とギャンブルとでズブズブで首が回らなくなり、時代に遅れまいとして買ったパソコンを夜な夜な学んでミニゲームみたいなのつくる。

人生上向きにさせたかったけども、あれやこれやうまくいかず、なりやまぬ取り立ての電話で、我慢の限界大爆発。走り出し、10階の部屋から、無鉄砲野郎となりクライマックスへと雪崩れ込む。

無鉄砲、それは、抑圧した自我の暴走。

誰のために生きるんだ。なんのために生きるんだ。

俺だって人間だ、というセリフ、が耳に残る。

まじめに納税してたって、いざという時にガーゼマスク二枚の配布、これが現実。

自粛とは我慢であり、自我の抑圧。

暴走しそうな気分を、映画観て鎮め、無鉄砲野郎の顛末を観て、教訓としたい。

そして、選挙に行って、合法的にクソ野郎を引きずり降ろそう。

社会の周縁からお上に対して、痛快な一撃を食らわせるアウトローの青春映画

銀行も証券会社も、経済社会にとって重要な機能を果たしていて、一概に言えないことは重々わかった上で、思うのは、銀行員とか証券屋とか、利ざやでのさばって偉そうにしている奴らなんなの、っていう気持ち。

社会の周縁からお上に対して、痛快な一撃を食らわせるアウトローの活躍を観て、気持ちを鎮めたい夜もある。

そんな夜に観たい映画。

ニュートンボーイズ/The Newton Boys (1998) 
監督: リチャードリンクレーター
脚本: リンクレーター、クラウドスタウシュ、クラークリーウォーカー
出演: マシューマコノヒー、イーサン・ホーク、スキートウールリッチ、ビンセントドノホリオ

若き日のマシューマコノヒーを筆頭にハンサムを発揮。20世紀の初頭の頃の、ウソのようなホントの話。ニトロを金庫に塗り、爆破!現金強奪! 80も銀行強盗して、列車強盗して、ちょっとした刑期で釈放、その後の人生を豊かに過ごしたという、ニュートンボーイズたち。

「他人の金をとるんじゃない、銀行の金だ。銀行、保険会社は他人から金を騙し取っている。銀行は泥棒。貧乏人のことなど気にかけない。だから俺らもやつらのことは気にかけない。泥棒から奪っただけだ。」と、自分らを正当化。 そりゃあんまりにもな理屈だが、だれも殺さずた、ただ職業として、ただお金が好きで、金庫の爆破を繰り返すニュートンボーイズに、気づけば感情移入している。

いい気なもんで、銀行強盗を繰り返すニュートンボーイズだが、そうそううまくいってばかりでもない。とある想定外の展開で、窮地に追いやられる。

青春群像劇、会話劇の名手、リチャードリンクレイターが描く、アウトローなんだけれども、アイドル的な存在にもなっていた青年たちの青春。組織犯罪プレイがスリリングかつエンタメ感ある良質なケイパーもの映画としても楽しめる。

全体的に、重すぎず軽すぎず、ちょうどいい塩梅なのも、とてもいい。

本人映像が流れるエンドクレジットも必見。

大手配信サービスでは現在特に取り扱われていないようだ。

レンタルビデオ店にはまずあるだろう。レンタル落ちのワゴンセールでも見かけるかもしれない。

自宅待機、外出自粛。利ざやで儲ける、人を騙して儲ける者共がはびこりがちな季節。

ニュートンボーイズを観て、いっちょ繰り出そう、銀行へ。

不当に低い数字 なんかおかしいのでは ともやもやする気持ちの時に観たい映画

ある地域では数字が目立って、ある地域では全然なくて、それ、ほんとかよ、と思ってしまいますよ。

北海道だけ、多いとかね。

確たる証拠のないところで、陰謀論みたいの考えるのもバカらしいんだけど。本当なの? ってモヤっとしてしまう。

そんなもやっとした時に観たい映画。

コップランド(1997)
監督:ジェームズマンゴールド(フォードvsフェラーリの監督)
脚本:ジェームズマンゴールド
出演: スタローン、ハーヴェイカルテル、レイリオッタ、ロバートデニーロ、ピーターバーグ

ニューヨーク市警のコップたちが、郊外であるニュージャージーに築いた楽園、コップランド。犯罪率は超低い。しかし、そこでは、ハーヴェイカルテル演じるレイを中心に、麻薬も絡んだ、治外法権なコップたちの世界が繰り広げられていた!

コップランドのコップの失態を隠蔽しようとする側と、デニーロらニューヨーク市警の内務調査機関側との、やり取り。そのはざまにいるキーパーソンが、名目上は犯罪率がすげえ低い事になっているニュージャージーのコップランドで保安官をしている、フレディ。

ずんぐりむっくりとして、なんだか抜けているようにも思えるフレディだが、正義感は強い。 片耳しか聞こえず、保安官に甘んじてる。それも、好きな女性が海に落ちたのを助けるために、海に飛び込んでそうなってしまった。その女の人は、ほかの調子のいい、ニューヨーク市警のいけ好かないコップと結婚してしまったが! 女なんてそんなもんか! 1人レコードに針を落とし、モノラルサウンドを堪能するフレディのブルース。 その女の夫は浮気者のクソ野郎って顛末。

https://youtu.be/dKAvAAT2q_U
片耳でレコード聴くスタローン

負け犬な警官スタローン演じるフレディの、アンダードッグの一撃な大活躍に魂が震える! 見応えのあるコップドラマ。

スタローンとデニーロの共演。濃くて味わいぶかい顔の男たちがわんさか出てくる。

コップランドは、アマゾンプライムでレンタルできる。
https://www.amazon.co.jp/dp/B01MXO7N64

それに、場末のレンタルビデオ屋や、各種レンタルサービスでも対応しているであろう作品。

自宅待機のけだるい午後のロードショー。

コップランドを観て、魂に活力注入して、サバイブ!