2021年 個人的にグッときた音楽 【国内】

1【butaji – トーチ】

折坂悠太との共作という事で2つのVerが存在し、

リリースのタイミングも同時ということで

彼らの間での特別の曲なのだろうかという思いが湧いてくる。

自分がこの曲に最も惹かれたのは歌詞に「お前」「私」がある事

何となく今まで聞いてきた歌詞はお前なら一人称は「俺」になってた気が

したからだ。「あなた、僕」「彼、彼女」人間を指しているが

butajiは何を「お前」と言い

何を「私」と捉えているのか

そんな事を考えてると曲は終盤唐突に16ビートに加速しカタルシスは最高潮に達する

2【LEX – MUSIC】

Mary Joy Recordingsから発表されたアルバム「LOGIC」のラストを飾る曲

まだ10代のラッパーであるLEXの魅力を特に感じたのは歌唱法と歌詞で、この2つの

最高点を叩き出してるのがこの曲だと思う(Soundcloudにアップされてる曲も必聴)

成功に向かってすでに走り出してる事に迷ってるかのような思いをストレートに歌い

独特の歌唱法で自分にスタイルを完全にものにしている

これからが楽しみなラッパーの一人だ

3【土岐麻子 – Rendez-vous in ’58 (sings with バカリズム)】

EPO作曲で「俺たちひょうきん族」のオマージュである本作は

土岐麻子とEPOの相性の良さ、そしてバカリズムというスパイスが

かなり良い味を出している

4【RUDEBWOY FACE – JAM DOWN】

長く進化していなかった日本のレゲエをネクストレベルに押し上げた記念碑的作品

ローファイなトラックにルーボイがJAMAICAで録ったコロナ禍の思いを

淡々と歌い上げている

アルバム制作は現地にいる日本人プロデューサーMEDZ MUSIC達と

「今までに無いものを」と決めて渡JAしたルーボイだったが、

ジャマイカのコロナ対策で一日遅れたら入国できなかったらしい

映像も同時に作る予定だったらしいが一日遅れた撮影クルーは入国できなかったため

より多くの時間を音楽に費やすことが出来るようになり今作が生まれたそうだ

5【Tohji, Loota & Brodinski – KUUGA】

初めてYodakaを聞いた時驚きを隠せずTwitterに殴り書きした、

見てみると同じような事をしてる人たちが何人もいた。

これは一体何だ?何がTohjiに起こってるんだ?

時間が経つと分かるが、これはLootaとBrodinskiとの共作であり

二人の影響がかなりあるのだろう、MVも正直常軌を逸している

宮沢賢治に準える人も多く、文学的とも捉えられる。

だが、何より凄いと思ったのはTohjiの発声法だ、

地獄の底から聞こえてくる助けの声にも思うし、

神の目線で疑問を投げかけてるようにも聞こえる何とも奇妙な快感がそこにはある

2021年の忘れ難い”体験”としか言いようがない

6【タケヤマカルメラ – ヘイ・ユウ・ブルース ~許せ、友よ~ (blackboard version)】

3.11の後にリリースされたShing02 & HUNGERの「革命はテレビには映らない」は

Gil Scott-HeronのRevolution Will Not Be Televisedのオマージュとしてアンセム化した

そして今回のコロナ禍では誰が?と期待していたらまさかのカンニング時代に発表した

左とん平の名曲のアップデートバージョン、

竹山自身の生活を赤裸々に歌詞に落とし込んでいる

言葉の弾丸という表現が似合うキレ芸の竹山のキャラにも合っている

この時代にしか生まれ得ない曲だと思うし、カバーセンスも見事だ

7【Otagiri – The Radiant】

ele-kingの記事で知ったOtagiri、初めて聞いた時イルリメを思い出した

だがこの人も歌唱法が独特でラップと言えるがポトリーディングとも言える

そして声質が良くリリックが耳にすごく入ってきやすい、それは中毒性の一種だ

8【桑田佳祐 – Soulコブラツイスト~魂の悶絶】

まずはメロディーが良くてかっこいい

「命懸けで今日も生きているんだよ」

桑田さんがそう言うだけで前向きに生きていける人たちがどれだけいるだろう

YouTubeのコメントを一つ、その通りだと思う

“どの年代の人が聞いても、胸に刺さる”

9【DE DE MOUSE & TANUKI & 一十三十一 – Neon Lightの夜】

10代からレゲエが好きな自分が音楽で思考が変わるほどの衝撃を受ける事は

しばらくなかったのが、2013年にSaint PepsiがリリースしたHit Vibes、

それ以前のVaporwaveにはかなり音楽感を一新された、

その後Future Funkへと流れができAmbient、New Age、現在のCity Popブームへと繋がる

そこでDE DE MOUSEが起こした行動が「現行のFuture Funkを作る」というもの

その気合いが音からかなり伝わる仕上がりになっていて、

良いものを廃れさせない音楽愛も感じられる素晴らしい楽曲である

10【FRISCO – Vocals】

これは1曲目のスピナビルとのSho’ Nuff に尽きる、スピナは去年フルアルバムを出し、

日本のレゲエバンドで最もライブをこなしているHOME GROWNに

やっと自分たちがやりたかった音楽と出会えたと言わしめた存在。

今回はタイトルが「VOCAL」であり歌に焦点を置いている。

レゲエの歌い方ではなくソウル寄りの歌唱法でCarlton & The Shoesの

Give Me Little Moreのリズムを下敷きにSly Slick & Wickedの曲をカバーしている。

改めてスピナの歌の上手さに気付かされる

11【MISIA – HELLO LOVE】

2021年の年末にリリースされたフルアルバム、

先行シングルのHiger Loveは作詞作曲が藤井風

素晴らしい愛の讃歌であり、全ての人を幸せにする曲だと思う藤井風恐るべし。

だが個人的には1曲目のWelcome Oneを推したい。

ライナーノーツにもOPに相応しい曲とあり、明るくノリの良いダンサブルナンバーだ

MISIAに歌唱法など釈迦に説法なのだが、

とにかく恐ろしく表現力が高くて何度聞いても飽きない

メロディーも最高でサルソウルレーベルDouble ExposureのEverymanを彷彿させる

12【HIROSHI WATANABE – TAKACHIHO】

デジタルリリースは2020年だがフィジカル盤は今年だったので購入

「Kagura」にやられまくった、先ずは音の良さ、イントロの大太鼓、民謡のメロディー、

3分頃のブレイクから一気に音像が開けて

古いものと新しいものの融合の瞬間が心地良すぎた

こういう事はもしかしたらテクノの特質性なのかもしれない

13【Ryoji Ikeda – superposition】

2012年から世界各地で上演を続けている池田亮司のパフォーマンス作品が

今年まとめられリリースされた。

池田と言えばクリック音、現代美術、エレクトロニカに

無理に属する事もできるような音楽を作り続けていて世界の評価が高いイメージだ

今作で久々にフルを聞いたのだが自分には最近あまり出会えてない

素晴らしいDeep Houseのように聞こえて興奮した

特に「scene 3 | part 3–6」を聞いてみてほしい

14【Reggae Disco Rockers – The Whistle Song EP】

自分はダンスミュージックで最も好きな曲の1つが

フランキーナックルズのホイッスルソングだ

この曲は気分を上げたい時、リラックスしたい時、寂しい時、

いつも寄り添ってくれた大事な曲で彼の訃報を聞いた時はショックだった。

それが今年Reggae Disco Rockersがカバーすると聞いてすごく喜んだ、

聴く前から良いのが分かっているというのは気分が良くなる。

全年齢、全方位対応のレートは五つ星間違いなし

15【PSG & Original Love – I WISH / 愛してます】

オリジナルラブの楽曲カバー集より

元々2010年にPSGとしてアルバムをリリースし

そこでI Wishをサンプリングしてた曲があった

田島貴男の歌が入ってくるまではほぼ原曲通りの構成だが

そこからの展開に目を見開いた

PSGのアルバム「DAVID」はほぼPUNPEEのソロ作品で

この曲も彼のセンスによるところだが

とうとう想像上の絵が現実になった瞬間だったんじゃないかと思う

16【V.A. – HEISEI NO OTO】

一昨年のグラミー賞ノミネート作品「KANKYO ONGAKU: JAPANESE AMBIENT ENVIRONMENTAL & NEW AGE MUSIC 1980-90」がリリースされた時は驚いた

そして今回はNew Ageのコンピである、もうこの手のジャンルは日本のお家芸だ

自国の発掘音源のコンピが海外のディガーがコンパイルする事は今までにもあり

日本のNEW WAVEやアングラロック、フォークなど様々だ

でも何故外の人が先にやってしまうのか、

悔しくないのだろうか、

俺は辛酸を舐める思いだ

17【COLDFEET – (Just) Don’t Stop The Music feat. Mika Nakashima】

J-WAVE(ラジオ局)で毎日夜中3時から5時まで放送してる

TOKYO MAAD SPINという番組がある

そこの月曜ナビゲーターがCOLDFEETのWatusiとDJのNazで、

毎回音楽家だけではなく政治家や活動家などもゲストに呼んで

ちょうどコロナに突入する時期に番組が新しくなった

Watusiは自身のキャリアと幅広い知識で

日本のクラブミュージックに関係する人達とのコネクションがすごく広く

毎回多彩な顔ぶれの滅多に聞けない話が聞ける番組だ

他の曜日(特に火曜日の高木完)も加えて素晴らしいものになっている

この曲はコロナ禍に無料DLで提供された何とも贅沢なハウスミュージックだ

18【キリンジ – crepuscular】

これはアルバムを通して聞くべきだと思う、スルメ曲がたくさん詰まってる

正直キリンジをしっかりと聞いたことが無く何となくオシャレなポップスやってるのかな

と思っていた、大体はあってるが制作がコロナ禍という事もあり歌詞にも興味が出た

1曲目「ただの風邪」から「再開」「first call」の流れは10回連続でも聴ける

注目すべきはここ最近良く目にする角銅真実氏がマリンバで参加したインスト

「ブロッコロロマネスコ」とりあえず聞いてみてはいかがでしょうか。

個人的には全体的な匂いと音像が木下美紗都の「それからの子供」に似てるなと感じる

19【どんぐりず – 4EP1 & 2】

群馬から世界を狙う若いラッパーの勢いを感じるEP

Disclosureのベースラインの気持ちよさがありそこにラップが踊るように乗っかる

2020年の「マインド魂」で知ったがそこから後追いで聴ける音源は全部聞いた

最近YouTubeの番組「オタク in tha hood」で彼らのヤサを見ることが出来る

20【アイナ・ジ・エンド – 彼と私の本棚】

元BiSHのメンバーという情報のみで聞いてみたところ歌い方にかなりやられた

この人の歌唱法も独特で自分を全て曝け出すような歌い方、でもがなるとは違う

正直アルバムはあまりにも普通で完全に名前負けしてるのだがこの曲は良かった

2021年 個人的にグッときた音楽 【海外】

1【Tyler, The Creator – SWEET / I THOUGHT YOU WANTED TO DANCE】

アルバム「CALL ME IF YOU GET LOST」より

10分に及ぶ曲はバックトラックが目まぐるしく変わり、その中でも

4’45”あたりから唐突に挿入されるレゲエのサンプリングには凄まじいセンスを感じた

タイラーはグラミー賞でこのアルバム、前作もHIP HOP部門で評価されたわけだが

本人はPOP部門でと主張しているらしい、聞けば分かるが万人が必ず良いと思える

楽曲が1つは入っているのだからその葛藤は正しいと思う

2【Floating Points, Pharoah Sanders & The London Symphony Orchestra – Promises】

JAZZ界の巨匠サンダースと電子音楽界の鬼才がタッグを組んだ

今作はまるで底なし沼のようだ。何故なら聴くたびに印象が変わるし

明確なフレーズというものが存在せずただ鳴っているからだ

スーパーやデパートのミュージックとも違うし

家具のような音楽として無視する事も不可能だ

ファラオ・サンダースはジョン・コルトレーンに師事しカルテットを組み

彼の死後は何枚もソロアルバムを発表してきた。

その中でも「Karma」というアルバムは個人的に強く衝撃を受けた

音楽とは一体何なのかという疑問を抱くきっかけになった作品でもある

一方Floating Pointsは09年の「Vacuum EP」で初めて聞き、テクノとハウスの中間、

当時流行っていたミニマルとニューディスコ文脈で解釈していたが

今聞くと完璧なDEEP HOUSEだと気付く。

両者に共通するものは音楽への愛情と実験精神だ、それがコロナ禍の中で見事に融合し

両者の代表的な作品の一つとなっている事は間違いないだろう

3【Sam Gendel – Fresh Bread】

2012年から2020年の間に自宅で録音された秘蔵音源52曲が収録された大作

Sam Gendelは細野晴臣のラジオでも今年のトピックに挙げられており

様々なアーテイストがラブコールを惜しまない

近作では秩父のギタリスト笹久保伸との共作まであり今最も脂の乗ったアーティストの一人だろう

4【Third Son – Your Face as Art】

ロンドンのプロデューサーであるThird Sonの仕事ぶりは去年に引き続き素晴らしい

多作でありながら常にスタイルを変え追求し想像を超えてくる

近年の作品は全て必聴で、discogsや本人のSNSでもきちんとまとめられていないのが勿体ない

5【Gombeen & Doygen – D’Americana / Auto-Lies】

アイルランドのアンダーグラウンドから出現してきたアーテイスト

もちろん初めて聞いたがドラム&ベースの音色が何とも魅力的で

すぐにベーシックチャンネルを思い浮かぶだろうがそれプラス近年の

ベースミュージックの要素も加わりかなりエッジの効いたNEW WAVEとして聴ける

この曲が一番今年らしいなとも思った

6【MAD REY – B.R.O】

5曲入りのEPだがOmar-SのRemixが入ってたので聞いてみたところまるでD.A.Fを聴いてる錯覚に

陥ってしまうほどのハンマー要素が強く、さらにメロディアス

7【The Pop Group – Y in Dub】

ポップグループが79年にリリースした1stアルバム『Y 』のプロデューサーである

デニスボーヴェルによるダブアルバムが新譜としてリリースされた

これは往年のファンとしては事件としか言いようがない

言うまでもなくShe Is Beyond Good And EvilのDUBは超ダンサブルでかっこいい

「Y」の時のメンバーがまだ10代というのは

現代に生きる我々にとってどう考えるべきなんだろう

石野卓球の一連のツイートにも感動する

8【Loft – Wish It Would Rain】

Loftことアヤ・シンクレアは今年HyperdubからAya名義で

とてつもないアルバムをリリースしている。

自分はとしての彼女を長年聞いてきたのでこちらに手を挙げたいのだが、

このEPが素晴らしくエモいのだ、「雨降って!」との事だがアートワークも含めて

リリース時期の初夏、黄昏時の夕立に想いを馳せてしまう

9【Yu Su – Yellow River Blue】

一昨年のEPはMUSIC FROM MEMORY傘下のダンスミュージックレーベル

Second Circleからリリースされその存在感を見せつけたユースーだが

今年待望のフルレングスを発表

エキゾチックな雰囲気の音像に浮遊館漂うシンセポップは

昨今のNew Ageリバイバルにも通じるところがあり

約束された成功に近いものがある、ぜひYaejiやYONYONなどとコラボをしてほしい

10【Sun Rhythms – First Touches EP】

とにかく1曲目のBetter To Loveに尽きる

今年のアンセムとして挙げても良いくらいの素晴らしいニューディスコで

ブームだった2010年あたりの雰囲気を真空パックしたような出来で

ワクワクしながらクラブへ通っていた時代を思い出す

11【Lowtec – Easy To Heal Cuts】

ベテランプロデューサーの新作は何も迷いが無い

この音こそ全てと訴えられてるような気すら思えてきて

リスナーとしても安心して聞いたり購入できるのではないだろうか

ちなみに私が最も好きなレーベルの一つとして「WORKSHOP」があるが

Lowtecはカタログ1番を担当している

12【Call Super – Cherry Drops II】

ミュージシャンズミュージシャンのイメージが強い実力者Call SuperのEPより

たまたま深夜ラジオでかかっていてどハマりした

ここ2年ほど爆音で音楽を聞いていないのでこの曲を大きなサウンドシステムで浴びたい

13【Quantic – Heaven Or Hell】

大人気のクアンティックの新作はラテンのリズムを使ったハウスミュージックで

文句の付け所が全く無いほどに完璧な音だ

「Mala in Cuba」のような金字塔を打ち立てるのもすぐそこだろう

14【Sofia Kourtesis – Fresia Magdalena】

ソフィア・クルテシスは1984年生まれのペルー出身で

ベルリンを拠点とするハウスプロデューサーだ

3枚目となる今作は前2作でのStudio Barnhusカラーを出しつつも、

絶大な人気を誇るFour TetやCaribouなどの音像に近いものを取り入れ

オリジナルな柔らかなテクノを奏でている

1曲目からリスナーはその音の虜になるに違いない実力者

15【Howie Lee – Birdy Island】

北京のプロデューサーによる鳥と祖先の霊が共存する

架空の島をコンセプトに制作されたアルバム

様々なアーティストの作品を聞いてくると

ジャケ買いやタイトル買いなどの感覚が身についてくる

自分は”Island”が入ったアルバム名は長くなければ

大抵耳に引っかかる経験があり今作もしっかり当てはまってくれた

16【Joaquin Joe Claussell – Way Back Then】

アルバム「Raw Tones」より

1曲目のLock Downからコロナ禍でのクリエイトだったのだと思うからか

全体的にダンスよりではなく浮遊感漂うAmbient Houseと言った印象だ

個人的にベストトラックであるWay Back ThenはJoeらしいコード進行に加え

スピリチュアルなシンセのループと美しいピアノの音色に心地よさが溢れている

17【Unknown Artist – Community Arts Project】

著名なアーティストの変名だと思われるが「団結」をテーマに4曲収録

1曲目は「さあ革命の話をしよう」と言われてるようなビートダウンで

途中政治家のような人物に演説がサンプリングされている

18【SRIRAJAH SOUND SYSTEM – SI PHAN DON LOVERS ROCK】

タイのサウンドシステムが放つモーラムラヴァーズロック

ジャマイカやUK、日本のレゲエとも違う何とも言えないゆるさがあり

自然に身体が動き出してしまう

ちなみにモーラムとは日本で言うと演歌のようなもので土着的要素があり

各国のオリジナルサウンドはラヴァーズロックとの相性が良い事が分かる

19【Disclosure – DJ Kicks】

今作は唯一のDJ MIX作品、Disclosureはデビューしてからメジャーまでの期間

素晴らしい作品を連発していたがメジャーになると良さの大部分が失われていたので

大いに失望していたのだが近年は以前のスタイルに戻りつつある

彼らの特徴的なベースラインをこのMIXでは存分に堪能できる

EPでいいので画期的作品を聞きたい

20【Damian “Jr Gong” Marley – Life Is A Circle】

最後はボブマーリーの息子ダミアンの神への賛歌

「人生は周り回って元に戻る、嫌なことも良いこともあるけど

前向きにの乗り切ろう」

Jamaicaはキリスト教徒が多く、伝統的にハードコアなDeeJaeであろうが、

シンガー、シングジェイ、レジェンド、ラスタ、ありとあらゆるレゲエの関係者が

神への賛歌、人生についての歌を歌う

この曲はストレートな歌詞も良いがトラック、歌声、ベストマッチだと思う

2021年 私的ベスト映画

2020年から引き続いてコロナ禍だった2021年。
ほとんど緊急事態宣言だった気もする。

そんな中、感染症対策をしっかりしつつ、映画館は開いていた。シェルターのように、そこにあり続けていた。

今年も変わらず映画館へ通った。

劇場で観た映画の中から選んだ、いまの時点での10本を以下に。

■10位 子どもはわかってあげない

南極料理人や横道世之助の、沖田修一監督作品。主演は、上白石萌歌、細田佳央太、豊川悦司、斉藤由貴、千葉雄大ら。田島列島の同名コミックを映画化した作品。

高校の水泳部のエースで、左官のアニメの好きな、上白石萌歌演じる、朔田 美波(さくた みなみ)。部活終わり、プールからみた学校の屋上に、なにか見つける。階段駆け上がり見に行くと、自分の好きな左官のアニメのキャラを筆で描いてる青年が。何君?と尋ねると、モジくん、あ、いや、門司(もじ)、と答える。彼との出会いから、ふとしたきっかけで、美波の実の父親探し、が始まっていく。

空の青と白いシャツ、健康的な日焼けとショートヘアーの上白石萌歌の、10代最後の夏を撮り納めた映画として、独特の移動長回しショットもあいまって、80年代青春映画の感もあり、素晴らしい。

水泳部の顧問が語尾に「な」をつける、美波の「アデュー」、美波の母の「OK牧場」、など、印象的な言葉が散りばめられた、会話も魅力。まじめな場面になると笑ってしまう美波の、どこか俯瞰で物事を見ているようなクールさと、独自の世界観、自分をしっかり持ってるがゆえのぶれない明るさが、映画全体の空気感を爽やかで超現実的でもあるいいバランスに保っている。

画面の中で、青と白の割合が多い。出ている人が、みんな健康的に日焼けしている。プールが出てくる。海も出てくる。そういう画面をただ眺めていたい気持ちにさせられる。

食事を通して、心的な距離を近づけていく描写もいい。ゆるい時間を過ごしているようでいて、ひと夏終えての成長がある、という夏休み映画でもある。

ブーメランパンツを履いて「僕にも教えてくれよ」の豊川悦司はアウトめなギリギリ感大賞2021ノミネート。

■ 9位 BLUE

ヒメノア〜ル、愛しのアイリーンなどの、吉田 恵輔監督による、ボクシング映画。松山ケンイチ、木村文乃、柄本時生、東出昌大らが出演。

ボクシングへの熱量は誰にも負けないが、試合で勝てない瓜田。その後輩であり、瓜田の幼馴染とも結婚を控え、日本タイトルも目前のボクシングの才能に恵まれた小川。パチンコ屋でバイトして中学生にボコボコにされ、やってる感を出す浅い目的でジムにやってきた楢崎。それぞれのやり方でボクシングと向き合う3人のボクサーの生き様を描く。

ビハインドからの勝利だとか、ヒロイックな展開だとか、ドラマチックなロマンスだとか、わかりやすいカタルシスがないのに、なんでこんなにも忘れ難く、涙が出てしまうのか。とにかく、負けまくっても闘い続ける瓜田の姿が、その背中が、自分が負けて悔しくても人のために手を差し伸べるその姿が、心を打つ。 

熱量と才能は別、というリアルもあれば、熱量があること、それこそが才能でもある、という考えもある。好きこそものの上手なれ。好きなことを見つけよう。しかし、才能のないところでの熱量というのは呪いでもある。好きで得意だったらそれを突き詰めればいいじゃない、も、好きは別にして得意なことや金になることすればいいじゃない、も、どちらも正しいのだろうが、瓜田を筆頭に今作の3人のボクサーは、そのような正しさの尺度ではないところで生きている。そういう生き様へと向かわせるのがボクシングの魅力であり、恐ろしさでもあると感じる。でも、3人とも、苦しそうでもあるし辛そうでもあるが、すごく、生きている、感じがする。  

自分の身体の悲鳴や、周囲の冷静な視点を超えての、好きゆえの呪いというところでは、ダーレンアロノフスキー監督、ミッキーローク主演の映画レスラー(2008)のそれを思い出したりもした。

ボクシングジムの会長、ボクシングジムのスタッフ。実在感あった。ボクシングの殺陣は監督自ら行ったという。過度にドラマチックに演出されていないボクシングのリアル描写という温度感。

ボクサー版のトキワ荘の青春、を目指したとか。青春物語に苦みやつらみはつきもの。当事者が切実になにかに向き合っているほどに。

パチンコ屋の中学生とか、パチンコ屋のスタッフルームだとか。地方都市のなんともいえない哀しみおかしみを描く手腕の確かさも健在。 

■ 8位  21ブリッジ

マーベルの一連の作品で知られるルッソ兄弟製作。監督はブライアンカーク。ブラックパンサーのチャドウィックボーズマンが主演。シエナミラー、JKシモンズ、ステファンジェームズら出演。 

マンハッタンの真夜中、確かな筋からの情報を基にレストランの地下から麻薬を盗み出す2人組。想定していたより大量のブツに驚きつつも、強奪。しかし、ちょうど警官がそこへ入ってくる。なぜこんな時間に警官が?あれよあれよと撃ち合いになり、2人組は逃走、警官たち多く犠牲になる。やがて、事件の現場に現れたのは、正義の代価だ、と犯人追跡中の射殺もいとわないハードなニューヨーク市警刑事、アンドレ。大胆にも、マンハッタンへとかかる21の橋を封鎖。朝のラッシュまでな。タイムリミットは夜明け。絶対捕まえるぞ、と犯人追跡をはじめるが、なにか、うまく進みすぎて腑に落ちないところがあると感じるアンドレ…。 

こういう類の映画が大好きだ。まさにこういう映画が観たくて映画を観ているというところもある。マンハッタンを舞台に繰り広げられるリアルアクション。夜のマンハッタン、犯罪、警察、地下鉄やビルや厨房の裏口や資金洗浄の現場で響き渡る銃声。いわゆる、テレビ東京の午後のロードショー系の安定感。しかし今作は、都市型リアルアクションのジャンル映画的面白さを追求しつつ、サスペンスでもあり、チャドウィックボーズマンが正義とはなんぞやと葛藤しながら闘う姿を見せつけてもおり、観終わった後余韻に浸って都市部における正義について考えを巡らせてしまうような奥深さもある。 

雨に濡れた道路を黒光りする車が走り、マンハッタンのビルの明かりが夜の闇を彩り、そういった画面を眺めているだけで、ああ、映画を観てるなぁ、という気分になれる。都市型リアルアクション映画をもっと観たいし、このような映画でのチャドウィックボーズマンの今後のさらなる活躍をみたかった。ブラックパンサーもいい映画だが、ことあるごとに見返すことになるのは、21ブリッジだ。  

■ 7位 最後の決闘裁判/ The Last Duel

監督はリドリースコット、脚本はニコール・ホロフセナー、マット・デイモン、ベン・アフレック。ジョディカマー、アダムドライバー、マットデイモンらが出演。実話を元に、14世紀フランスのスキャンダル を描くミステリー。

騎士の妻であるマルグリットが受けた暴行。その真相を巡り、黒澤明の羅生門的な叙述で、三者それぞれの立場から、状況と顛末が提示される。

ぼてっとした不器用マッチョなマッドデイモン。インテリぶった感じ悪いうえにホモソな環境でいい思いして感じ悪いアダムドライバー。そして、なんといっても、ジョディカマー。中世を舞台にしつつ、現代にも通じる問題、男性の愚かさを鮮烈に描く。

話のテーマや語り口とは別に、中世の衣装や美術、撮影のセット、素晴らしかった。丁寧にお金のかけられた歴史スペクタクルな映画の画面のルック。おおげさなCGで、いったいなにを見せられているのだろう?と虚無になる感情とは真逆の、やっぱり映画はいいなぁ、というエモーション高まる。

ベンアフレックどこに出てた?と思ったら、あのキャラクターか、と後で気づくくらい、なんか見た目変わってる。

2時間半くらいある映画。ディズニープラスで配信あるが、やはり映画館で没入したい。そして、パンフを読みたい。今作で劇場パンフがなかったこと、その配給の姿勢に関しては、覚えておきたい。

■ 6 位 プロミシングヤングウーマン

エメラルド・フェネルが監督脚本。長編デビュー作。大胆不敵な物語に共鳴したマーゴット・ロビーも製作に名乗りを上げたとか。 
キャリーマリガンが主演。ボーバーナム、アリソン・ブリーら出演。

「甘いキャンディに包まれた猛毒が全身を駆け抜ける、復讐エンターテインメント」ということだ。
物語については、多くは知らずして観るのがいいのだろう。

今年のベストオブ復讐ドラマであり、今作以前と以降で、決定的に色々と変えてしまっている。

エイスグレードのボーバーナムも、本人のリベラルでアップデートされているイメージを逆手に取ったキャラクターとして鮮烈に印象に残りつつ、なんといっても、キャリーマリガン演じるキャシーが凄まじい。 

自分は悪い人ではない、比較的良心的である、と思っている人ほど観ると打ちのめされる。

■ 5 位 THE SUICIDE SQUAD

トロメオ&ジュリエットでの脚本も担当して、ガーディアンズオブギャラクシーで世に知れ渡ったジェームズガン監督による、新スースク。イドリスエルバ、マーゴットロビーら主演。

極悪な受刑者たちが、減刑を餌に政府の秘密任務へと駆り出される。命令に背いたり、任務に失敗すれば即死。スーサイドスクワッド、と呼ばれる彼らを、決死の任務が待ち受ける…。

最高最高。人を食ったような残酷描写ばかりかと思いきや、トロマ映画みのある、底辺で小さき者が最後に勝つ、みたいな展開もあり涙。

フランチャイズのアメコミ映画で作家性が遺憾なく発揮されるということが必ずしも良いことばかりではないのだろうけど、今回のザスーサイドスクワッドに関しては、キャスティング、演出、やりたいこと、諸々、うまく噛み合って、突然変異な爆発力。お金をかけたトロマ映画、とも言われるのもわかる、異常なエネルギーを感じる作品。

これは戦争映画だというジェームズガン。なるほど。上の命令で決死の任務にあたる。人死にが出る。理不尽な状況。ファンタスティックなゴア描写や悪趣味とポップでカラフルのギリギリの塩梅のルックでありながら、たしかにこれは、DCフランチャイズのヒーロー映画である前に、戦争映画なのかもしれない。

中盤以降から活躍するハーレイクインも、これまでのマーゴットロビーのハーレイクインで一番輝いていた印象。シルベスタースタローンが声のサメ人間ナナウエがオフビートな笑いと常に誰が喰われる不穏さを加えていて最高。

■ 4 位マリグナント 狂暴な悪夢 (2021)

ソウや死霊館のジェームズワン監督の作品。 

過去に恨み持ってるモンスターモノでありつつ、ジャンル映画的でありながら、ファンタスティックかつ痛快な落とし所をたたきつける。
 
音楽もかっこいい。脇を固めるキャラクターたちもいい感じ。そして、ガブリエルというダークヒーロー爆誕。

ホラーとしての怖さもあるし、ダークヒーローものとしての楽しさもある。

こういう映画を観ていきたい。

■ 3 位 RUN

アニーシュ・チャガンティ監督、セブ・オハニアンとアニーシュ・チャガンティ脚本、サラポールソン、キーラアレンら出演。

ワシントン州パスコの郊外の一軒家で仲良く暮らす親子。クロエとダイアン。クロエは持病で車いす。しかし親子で仲良くホームスクーリングして、大学へ向けて勉強。かと思いきや、不穏な様子。クロエが持病のために飲んでいたクスリ、緑のその錠剤の、ボトルのラベルが上から貼りなおされていた。下にあった薬の名は、トリゴキシン。いったいどういうことなのか。これまで与えられていた自由を疑い始めた時、戦慄のサイコスリラーが幕を開ける..

冒頭から、病院の場面、病院のスタッフの作業着、クロエとダイアンの暮らす一軒家に、共通して使われている、濃いめのミントグリーン緑色。その毒にも薬にも思える色は、トリゴキシンの錠剤の色。映画全体のトータルデザインにも、マクガフィンとしても、スリルとサスペンスを牽引するアイテムとしても、緑の錠剤トリゴキシンがとても優秀。

母の愛情、母と子の絆、それは美談として語られがちである。家族の絆。家族で支え合う。あなたには私が必要。あなたのためにやっている。
そういったところを逆手にとって、こんなにも怖くて手に汗握るホラースリラーを作り上げるとは。愛と暴力は紙一重。

90分という上映時間にも驚かされる。テンポがいい。信号渡れるかどうかサスペンス、気づかれるかどうかサスペンス。細かいサスペンス演出がうまい。

■ 2位 マトリックス レザレクションズ

マトリックス、18年ぶりのリブート。

別の世界線みたいなところで生きているのか?なにこれ?と思わせる序盤からの、ええ?どういうこと?な中盤からの、やっちまえ!な終盤。1、2、3見返してから観たけど、もともと2と3はぼんやりしてるし、関係なくアガる映画。

観た後、昔仲良くていまじゃ疎遠になっている友人に連絡をとりたくなる映画でもあった。

なにがリアルで、なにが虚構か。ぬくぬくと羊のごとくリアルのように見せかけた虚構を生きるのか。いや、違う。目を覚ませ。

キャリーアンモスのかっこよさ、デジャヴーな猫。

中年のロマンスでありつつ、後味さわやか。

いろんな種類のサングラスがかっこいい、いろんなデザインがかっこいい。

今作を映画館で観て、いろいろあった2021年も〆った気がした。

Wake up!

■ 1位 カラミティ

高畑勲監督も推したロングウェイノースの主要スタッフが再集結。レミシャイユ監督作品。アヌシー国際アニメーション映画祭で最高賞であるクリスタル賞を受賞。フランスのアニメ。共同制作、デンマーク。伝説の女性ガンマン、カラミティジェーンの少女時代の物語。

なんだか居心地の悪そうなマーサジェーンのしかめっ面から幕開け。マーサは家族と共に幌馬車で西へ西へと旅団の中。家族支える父親が暴れ馬にやられて休まざるを得なくなり、マーサが父親がわりに家族を守る役割をすることに。馬の手綱を握ることも、女だから、という理由でさせてもらえない。スカートや長い髪が、ケンカしてれば邪魔になる。少年のような装いでタフに振る舞うマーサを、周囲は咎める。そんな中、窮地を救ってくれた軍人、サムソン、を旅団に招き入れたことから、マーラはトラブルに見舞われることになる…。

権威の愚かしさを暴き、疫病神がやがて英雄に。カラミティ・ジェーンというヒーローの誕生譚は痛快でいて寓意に満ちている。かつてのスタジオジブリのマインドに通じる、少女の成長物語。

主線のない独特の作画、幻想的な美しい色使いの風景も素晴らしかった。

カラミティ観たタイミングでロングウェイノースも観たが、家や自分の与えられた役割に縛り付けられる必要はない、やりたいこと、信念のおもむくままに生きよ。その道で自立することを通じて家に報いよ。というメッセージが両作品に共通してあるように感じた。19世記が舞台で、若草物語とか、アップルTVプラスのドラマ、ディキンスンにも通じる、現在と比べても抑圧的な価値観が支配的だった時代を舞台にして現代的な意識を持った人を主人公として描くことで、過去にも現在にも通じる普遍的な問題を浮き彫りにして、その先へと向かう先進性を示すドラマ。

お子様へ、大きくなったら、ジブリもいいけど、カラミティ。

異性装による状況の打開の描写も印象的だった。
なぜマダムだけが、マーサが少年のふりをしていることを見抜くことができたのか?ということも。

その手綱から手を離せ、らしく振るまえ、という抑圧にさよならを。心にカラミティジェーンを。

以下、特別枠。

・007 ノータイムトウーダイ
ダニエルクレイグ、お疲れ様!ありがとう!

・アメリカンユートピア
観念的で哲学的な言葉と、フィジカルに訴えかけるグルーヴと、斬新でいて自由でいて統制の取れているステージングがあいまって、映画でありつつ、新次元の楽しいライブ体験。

・JUNKHEAD
とてつもない熱量と作業量と才能の結実した世界射程のインディペンデント映画。すげぇ!ってなった。

・べいびーわるきゅーれ
そのあまりの文句なしなおもしろさゆえ、スターダムかけあがった日本映画代表。

来年も映画を観て生きていきたい。

ふんどしを茹でる日々の映画鑑賞〜地獄の黙示録FINAL CUT/ チェリー

備忘録のため、己を奮い立たすため、観た映画についての感想を定期的に書き残していきたいと思う。

一週間に2本を目標にしていたが、全然達成できず。定期的に2本分、書き残していきたい。

◼️地獄の黙示録 FINAL CUT(2019)

ブルーレイで観た。フランシスフォードコッポラ
ジョンミリアス、フランシスフォードコッポラ ジョゼフコンラッド 闇の奥(Heart of Darkness) 原作。マーロンブランド、ロバートデュバル、マーティンシーン、デニスホッパー主演。

カーツ大佐の暗殺を極秘で任された、マーティンシーン演じるウィラード大尉の地獄巡り。182分、ファイナルカット版。泥沼戦争映画であり、ジャングルの奥地へと踏み込み、その異常な世界を目撃させられる、ベトナム戦争、ひいては、西洋の帝国主義を相対化した試み。

ぐったりする。すげえなぁ、という。

ジャングルの中で、狂気に呑まれている様子の兵士たち。ロバートデュバル演じるキルゴア、デニスホッパー演じる報道写真家、狂気にのまれた兵士たちの中、とりわけの狂気を放つ。

ヘリでのナパーム爆撃。
https://youtu.be/nZ_zNUmr8fM

プレイメイトたちのショー
https://youtu.be/k5RLLT5psmg

屠殺もリアル。

フランシスフォードコッポラが私財投げ打って作ったまさに超大作。6週間で終わる予定が14ヶ月かかったそうな。

それを思えば、この映画に4時間弱付き合うことなど、一瞬のこと。

ジョセフコンラッドの闇の奥を読んだ後に、またもう一回観たい。

◼️チェリー(2021)

Apple TVプラスで観た。アンソニー&ジョー・ルッソ兄弟監督、トムホランド主演。元米軍兵士のニコ・ウォーカーが自身の実体験をつづった同名小説が原作。

彼女にフラれた勢いで軍隊に応募。メディックとしてイラク戦争に従軍し、仲間が死に、地獄のような、トラウマ。帰国後、PTSDからの、薬物依存症、ドラッグ買う金が工面できなくなり、銀行強盗の泥沼にはまっていく男の哀しい物語。

なかなかに面白かった。

なるほど、チェリーとはつまり新兵のことだったか。

いろんなオマージュが感じられる。フルメタルジャケット、地獄の黙示録。あまりにもあからさまなオマージュすぎて、コメディ感もある。もうちょいシリアスめが良かったのかも。

こちら側に話しかけてくる、第四の壁を突き抜けてくる感じとか、銀行の名前がFuck Americaみたいになっていたりとか、信用できない語り手、な部分もある。なので、最後のエピローグが、彼の観た夢だったとしても不思議ではない。

また、2002年から2021年までの変化を生身のトムホランドが体現。ドラッグに溺れて身をやつす様子は圧巻。ドラッグ中毒は一度ループにはまるともう抜け出せない。PTSDモノでありドラッグの恐ろしさを伝えている。

恋人のエミリーとの出会いが全ての苦悩のはじまりだったとも言えるし、全ての幸せのはじまりだったとも言える。運命の人、と思える人に出会うということは、そういうことなのだろう。

そして、撮影かっこいいなと思ったら、ニュートントーマスサイジェル。ブライアンシンガー組でXMENシリーズや、ボヘミアンラプソディ(途中までブライアンシンガーが監督してた)、スパイクリーのファイブブラッズなど、多くの作品の撮影監督を務めている。

緊急事態な日々は続く。 
連続ドラマも観つつの、やはり映画が好き。

ふんどしを茹でる日々の映画鑑賞〜氷の微笑/バニシングポイント

備忘録のため、己を奮い立たすため、観た映画についての感想を定期的に書き残していきたいと思う。

一週間に2本を目標にしていたが、全然達成できず。定期的に2本分、書き残していきたい。

◼️氷の微笑 (1992)

真夜中にNetflixで観た。ポールヴアーホーベン監督、マイケルダグラス、シャロンストーン出演。音楽はジェリーゴールドスミス。撮影監督はスピード(1994)の監督でもある、ヤン・デ・ボン。カロルコピクチャーズの作品。

サンフランシスコ市警のニックが、アイスピックを使った凄惨な殺人事件の容疑者、キャサリン・トラメルの捜査を進めていくうちに、その妖艶さ、魅力、抗い難いものに、惹かれていく。謎の解明への欲求もまた、高まりつつ。

真夜中にうってつけな、大人なサスペンス。堪能した。

酒をやめて、タバコもやめていた、マイケルダグラス演じるニック。シャロンストーン演じるキャサリンと接する中で、それらを解禁していく。だんだんと深みにはまっていく様子、誰が犯人なのかわからなくなっていく様子が、ヒッチコックなサスペンス演出を利かせながら、描かれていく。画面の中の青い色の使い方も印象的だった。街並み、海、雨。

車の運転シーン、マイケルダグラスはスタント使ってないとか。プロ並みの腕前。また、セックスシーンでのシャロンストーンのボディダブルも、使われていない。性的描写に関しては、すべてにおいて、演じたシャロンストーンの本当の合意があったわけではないだろう。トータルリコールからの、シャロンストーンの抜擢。シャロンストーンを一躍有名にした作品でもあり、複雑な気持ちにさせられる。

◼️バニシング・ポイント (1971)

2017年に出たブルーレイで観た。リチャードCサラフィアン監督、バリーニューマン主演。撮影はジョンAアロンゾ。

コロラド州デンバーから、アメリカの大地を白いダッジチャレンジャーが駆け抜けるロードムービーであり、バリーニューマン演じるコワルスキーの、反骨の魂を燃やし尽くす旅。

とても面白かった。

疾走感のあるロードムービーとしてのジョンAアロンゾの撮影がすばらしい。アメリカ映画の王道とは、茫漠たる大陸のハイウェイでの景色を捉えた、ロードームービーである、と言いたくなる。ダッジチャレンジャーは細かな整備が必要な繊細な車であり、コワルスキーの荒くれドライビング撮影の中で、計8台のダッジチャレンジャーをダメにしたとか。

ただ車をかっ飛ばしているだけのようでいて、ベトナム戦争へ行き、警察になり、モーターレースの選手になり、陸送勤めに至るまでの、回想エピソードで示される、コワルスキーの人生におけるトラウマ、権力への懐疑、自由への渇望の所以に、観る者は気づけば、自由の担い手のヒーローとして、コワルスキーに、それぞれの抑圧や忸怩たる思いを託している。

陸送(カーデリバリー)の爆走。今で言うところの、高速道路のウーバーイーツ配達員が元競輪選手で、警察に対して思うところがあって、夜通し爆走して遠くまで荷物を届けるといったところか。

60年代末の雰囲気とは違う、70年代の、熱狂の後のシラケ感、その疎外感をあらわし、コワルスキーに託した映画でもあるか、と。

家で映画を観るのもいいけれど、映画館で映画を観たい。

ふんどしを茹でる日々の映画感想 ハイフォン ママは元ギャング / ショーガール

備忘録のため、己を奮い立たすため、観た映画についての感想を定期的に書き残していきたいと思う。

1週間に二本を目標に。

■ ハイフォン ママは元ギャング (2019)

Netflixで観た。After 6 Junctionのスタントウーマン特集の中でおすすめされていたのをきっかに。https://open.spotify.com/episode/0ivRqU60bi8E4Dpka2lNL1?si=bMyCQKBSQVG7r2NsfMX-nA

人身売買集団に娘を誘拐されたハイ・フォンが、かつてギャングな生活をしていたサイゴンへと戻り、娘を救い出すべく奮闘する。

なかなか見応えあった。

華麗に舞うように殴る蹴るのアクションが観ていて痛快でありつつ、娘を守る母の底力を見せつける執念の救出劇に、心打たれつつ、ハイ・フォンを演じた主演のゴー・タイン・バンの身体能力の高さに驚かされ、その凛として強い表情と発する気に圧倒された。

焦げてまずそうなメシもまたご愛嬌な食事シーン、サイゴンのストリートのエキゾチック感も、見どころ。

■ ショーガール (1995)

DVDで観た。ポール・ヴァーホーベン監督作品。エリザベス・バークレイ主演。カイル・マクラクラン、ジーナ・ガーションら出演。

トップダンサー目指し、ラスベガスへやってきたノエミが、虚飾とドロドロの人間関係の中、栄光をつかもうと突き進む。

面白かった。

ショービジネスのヤクザな世界、トップレスは当たり前なセクシャルな描写がめくるめく中、下品低俗という誹りを受けるのもわかるが、しかし、今作が伝えてくるのは、女性を性的に消費しようとする男たちへの拒絶であり、エリザベス・バークレイ演じるノエミの立ち振る舞いやイズムは、職業としてのダンサーのプライドを感じさせる。

グレン・プラマー演じるダンサー、ジェームズ、の、ダンスには純粋な気持ちを込めてる部分は本当にあれども、結局はお前そういうことか、なエピソードも、切ない。

いわゆる、枕営業、の因果や、ライバルを蹴落とし、這い上がることの、後味の悪さも描かれている。

特筆すべきは、出てくる男みんなクズ、だということ。ノエミをはじめ、懸命に生きるダンサーたちの闘う姿、戦いのダンス。世の中のレビューよりも、まずは自分で観てなければ。

2月もすぐに過ぎていきそうだが、日々、世界は変わり続ける。ゴーストオブツシマをはやくクリアしなければ。

男の雑文 ペアーズ有料会員になった話

プロフィールアップして初期ポイントである分だけいいね連打してしばらくすると、相手からのいいねが届いていた。

「よっしゃ!」と思ったが、自分からいいね!していない人で自分の写真も載せてない女性だった。
怪しいとは思ったがとりあえず初マッチング成立〜!

と思ったのも束の間、
初マッチングから60分以内に有料会員になると月額料金が〇〇%お得のメッセージが!

足下みやがって、ぐぬぬ。
しかし有料会員にならないとメッセージのやりとりができないようなのでググってこのタイミングで入会すべきか調べる。

そうするとこのタイミングの入会が最安みたいなのは確かだが、アプリから入会するよりもweb版から入会した方がさらにお得という情報が!

そして3か月より6か月、6か月より12か月まとめて入会した方がお得〜^_^

という事で12か月まとめて入っちゃいました!

この選択がのちに悲劇をもたらすとは知らずに•••

つづく

男の雑文
アラフォー、ペアーズを始める。

どーも人工知能知能3号です。
人工知能ブログが止まってはや数年。
動きます。

このあいだ丸亀製麺という若者に人気のうどん屋で孤食をしていると隣の若者グループがペアーズの話をしていた。
マッチングアプリと聞くと我々アラフォー世代はリアルで出会えない恋愛ヒエラルキー最下層の男女が使うやばいアプリだというイメージだが、現代の若者達にとってはそうではないらしい。
隣の若者グループも渋谷に普通に歩いていそうなリア充な若者たち。
コロナ禍で不況になると風俗嬢のレベルが上がると語って炎上した岡村ではないが、コロナ禍の巣篭もり需要でマッチングアプリを利用している人達の数が増え相対的に利用者のレベルも上がっているのではないかと考えた私はここがラストチャンスとばかりに行動に出た。

まずはプロフィール作り。
特に写真は最重要事項。
ラッパーの林也寸夫が「人は見た目が10割」と歌っているくらい真理だ。
林也寸夫信者で良かった。
本来なら第三者に撮ってもらった自然な写真がベターらしいのだが、一刻も早く登録だけはしておきたいと思っていた自分はその場で自撮り写真を撮ることに決めた。

駄菓子菓子、
こういうマッチングアプリで痛いのが自撮り写真をプロフィールにしている人達。
特に30代以上の年齢が高めの利用者ほど自撮りアップ率が高くなり、ドアップの写真が多くなる。
何かを隠そうとしてドアップにしているのだが知らんが、中年のドアップほどキツいものはない。しかもそういう人たちに限って無加工なのがさらに痛い。
加工は化粧と同じで礼儀だぞ!

幸い自分はAdobeのコンプリートプランに入っていたのでLight roomを使って加工する事ができたのは良かった。
自撮りに見えてしまっているのは頂けないが、痛い自撮りにはなるまい。
これできっちり作りこんでロケットスタートだ🚀

と冗長気味にプロフィール写真について語ったが、めんどくさくなってその場で自撮りして加工して上げた。

あとは自己紹介文も適当に、年齢は少し若く、年収などは2割ましにしてGOだ!

つづく

著者プロフィール写真

ふんどしを茹でる日々の映画感想 劇映画 沖縄 / 裏窓

備忘録のため、己を奮い立たすため、観た映画についての感想を定期的に書き残していきたいと思う。

1週間に二本を目標に。

今週の二本。

■劇映画 沖縄(1969)

DVDで観た。去年ゲットして、そのまま積んであった状態のやつをようやく。

日本へ返還される前の沖縄を舞台に、故郷を奪われた人たちと労働者の苦悩と怒り、熱い戦いを描いた長編映画。武田敦監督、山本薩夫製作。

とても見応えがあった。

権力者の都合の正しさで弱きを殴ることの、正しくなさ、を思った。返還前沖縄で撮影のモノクロドキュメンタリータッチな映像も圧巻。生命力溢れる地井武男も良かったが、一番憎い悪役の戸浦六宏が素晴らしかった。

DVD特典の復刻パンフの中の、戸浦六宏のコメントがこれまた興味深い。民衆が権力者に対して立ち上がり、うろたえた権力者が御伽噺の鬼のように去っていく、というのは、現実の沖縄の問題の複雑さ切実さを捉えていない、と脚本の改訂を提言、それが反映された、と。

お伽噺のように鬼が退散する形で収束するのではなく、現実の世界で、今でも、沖縄での理不尽、抑圧は続いている。沖縄基地問題を描いた映画のルーツと呼ばれる今作の、その熱に触れ、現在の諸問題に考えを馳せるという意味でも、意義深い作品に思う。

苦しい状況の中で、忸怩たる思いを抱えふんばる者、新天地に希望を求める者、そして、長い物に巻かれて威張り散らす者。同じような状況に置かれて、自分ならどうふるまうか、考えさせられた。

後半、アメリカの民主主義の理念に訴えかけるも、無情な判決を受ける展開には、アメリカンニューシネマのそれのような乾いた絶望感、無力感があった。こういう映画こそ、海外で観られてほしい。 
 

■裏窓(1954)

Blu-ray吹き替えで観た。みるぞみるぞ、と去年くらいから思いつつ、観れていなかったのを、やっと観た。アルフレッドヒッチコック監督の作品。ジェームズスチュアート、グレースケリー、主演。 

撮影中の事故で骨折してステイホーム中のカメラマンが、窓から見える近所の人間模様を覗き眺めてるうちに、殺人事件なのでは、という場面を目撃し、恋人のリザとともに、さらに覗きしながら探偵めいた調査を進めていく。

なかなかに見応えがあった。

思っていた以上にステイホーム映画だった。主人公の骨折カメラマンは家から出ずずっと窓から近所の人のプライベートを覗き見。今でいうとこの、家から出ずにTwitterのタイムラインひたすら追うみたいな感じにも通じる。立体的な建物のセットが圧巻だったが、あんなに覗き見させられるくらい、あんな窓みんな開けるか?とは思った。いくら猛暑だからって。

アップの後になにを写すかで、アップになった人の印象が変わるという、モンタージュ理論が応用された、覗き見している主人公と覗いている対象の交互の映像は、古典的なテクニックでもありつつ、映像っておもしろい、映画っておもしろい、という根源的な楽しさの部分を伝えてもいるようにも思った。映像編集の基本中の基本のテクなのだろうが、youtube動画ばかり観ていると、こういう映画らしい映像編集こそ新鮮で斬新に感じられる。

Blu-rayは、2013年に出たユニバーサルのやつを観たが、ナイスな吹替もあるし、特典もメイキングやインタビューなど充実していて、配信ではなくソフトで過去の名作を観る上での理想的なパッケージといった印象。

グレースケリー扮するリザが、部屋の中のプライベートな空間でもずっと、パーフェクトな装いとヘアスタイルとメイクをキープしているのは、生活感がないな、と思ったが、よくよく考えてみると、「生活感」とはいったいなんだろう、とも思い至ったり。

散らかった部屋を、生活感のある部屋、とも言うが、泥棒が入った後くらい散らかっていれば、それは生活感のある部屋ではなく、犯行現場であり、つまりは、程度の問題なのだろうが、では、どれくらいの程度でこなれていたり散らかっていれば、生活感、と言えるのか。

生活、として許容できる程度はその人それぞれであり、共同生活などにおいては、その許容できる生活感の程度で、もめごとも発生する。グレースケリーのあまりの美しさに、生活感がない、と思ったが、それは失礼な話で、生活とは当人にとってそれぞれ基準があるものなのだ。それに、映画の中では、いつまでもだらだらと結婚をきめかねている骨折カメラマンと、結婚するならさっさとしたい、というグレースケリーの関係もある。いつも美しく画面に映るグレースケリーを、生活感がない、というのは、あらゆる意味で、浅はかで、わかっていないということになるのだろう。

現在、2021年2月。
緊急事態宣言も延長で、先が見えない。 
来月には、東日本大震災から、10年の節目を迎える。ただ時間は流れているようでいて、確実に変化している。 

日々に句読点を打つように、カルチャー摂取していきたい。

ふんどしを茹でる日々の映画感想 ミッドナイト・スカイ / 下女 

備忘録のため、己を奮い立たすため、観た映画についての感想を定期的に書き残していきたいと思う。

1週間に二本を目標に。

今週の二本。

■ ミッドナイト・スカイ / The Midnight Sky

Netflix で観た。ジョージ・クルーニー監督、主演の作品。世界の終わりの天文台(Good Morning Midnight) 、という本が原作。

舞台は2049年。北極圏にひとり生き残った科学者。地球はもう住める状態ではないこと、その範囲は地球全体に及んでいることを知り、帰還途中の宇宙飛行士に伝えるべく、奔走する。やがて、孤独な科学者の魂の救済。

まぁまぁ面白かった。

ポストアポカリプスSF。生き残りのジョージクルーニー演じるヒゲ面の科学者が、広い食堂みたいなところで、義務的に、虚無な様子でメシを食い、ひとりチェス、ひとり酒に興じる。かろうじて生きているという様子。ステイホーム。ひとりきり。哀愁もあるが、しかし、絶望感が強い。ほかに人がいて、ひとりで過ごすのと、本当にひとりしかいなくて過ごすのでは、違う。ZOOMはあっても、やる人もいない。そんな中、人の気配がして、まさか、となる展開では、ジョージクルーニー、はからずもちょっと嬉しそうであった。

対して、地球がやばいことになっていることを知らない宇宙船の中の人々の様子は、どこか楽しげで明るく活動的。船外活動も、歌なんか歌っちゃったりして。しかし、なんとなく緊張感があり、もしや、と思っていると、大変な展開にもなる。
宇宙で液体はこうなるから、人体から出たものもこうなるのね、と。

終末モノであり宇宙モノでありスケールのでかさの印象を与えながらも、クルーニーが決死の、帰ってくんな!を伝えることがメインの比較的地味な話。しかし、やがてかすかに希望が灯るくらいの塩梅が、夜中に部屋を暗くして観るのにちょうどいい感もあった。

北極の様子がとにかく寒そうなので、冬に観るなら部屋を暖かくして観た方がいい。

世界の終わりの天文台、をむしろ読んでみたい気持ち。

■下女/ 하녀 /THE HOUSEMAID

韓国の鬼才と言われるキムギヨン監督、1960年の映画。Blu-rayで観た。修復されたクオリティで、白黒の映像美を堪能。下女役は、イ・ウンシム。

紡績工場の音楽教師、トンソク。やたら金ある。音楽教師はそんなに儲かるのか、当時としてかなり豪華な二階建ての家に住む。ミシン仕事がたたって過労の妻のため、下女雇う。やがて、下女とトンソクのNTRの展開。家庭の崩壊が巻き起こる。ひとつの家を舞台にした、崩壊の悲喜劇。

かなりおもしろく、見応えあった。

当時としての近代的、西洋的な暮らしを謳歌する音楽教師とその家族だが、下女により、内部から崩壊していく。下女は象徴的存在で、上昇への憧れ、と転落の不安の両方を暗示する、その家の階段、そのものと一体化するかのようで、それは、近代化を志向する社会そのものの危うさか。

倫理観や、憎しみにさえも勝ってしまう肉欲の不条理というか、生き物としての人間の悲しさみたいなものも、なんともいえない客観的な感じで、突き放して描いていた感も。

カレーの皿の上にねずみという衝撃的な悪夢の描写。家庭が外部からの侵入者によって犯されていく様子がそこに。ねずみの恐怖。

第四の壁を突き破り、アドバイスをかましてくる展開には、呆気にとられつつも、不気味な恐ろしさを感じた。

キム・ギヨン作品もっと観よう。

なにかしらの視点、専門性、で映画を読み解き、独自の語り口で語る、みたいなやつが理想ではあるが、そんなのなかなかできないし。身の丈の感想を繰り出して参ります。