広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第19週、「なつよ、開拓者の郷へ」

ついに、2019年の春、100作目を迎えたという、公共放送の朝ドラ。

その記念すべき作品は、なんと広瀬すずが主演で、加えて、北海道の十勝が舞台!

アニメーター、奥原なつの人生を描くという。

それは特別だ、という事で、2019年4月1日からはじまったこの、「なつぞら」

追いかけていきたい!

今週は、第19週、「なつよ、開拓者の郷へ」第109話から114話までのまとめだ。

◆ 第109話

昭和41年(1966年)秋。なつと坂場は、結婚を報告すべく、北海道の十勝へ。

しばた牧場へ着く2人。

牛たちがいる景色。

「この中で君は育ったのか。」と坂場。

「見たら、駆け出したくなる。私、いまの父さんに連れられて、ここにきた時、東京の焼け野原と違うほんとうの野原をみて、思わず駆け出したのを覚えてる。」

子供のころを思い出す、なつ。
懐かしんで、感慨深げ。

坂場、思わず走り出す。

牛の糞に足を滑らせて、転ぶ坂場。

そして、しばた家の面々勢揃いの中、あいさつする坂場。

「はじめまして、坂場一久と申します。よろしくお願いします。」

じいさん、険しい顔してる。

そして流れる、優しいあの子!
重い扉を開けたら暗い道が続いてて、めげずに歩いたその先に知らなかった世界。

月曜日は、

“口にするたびに泣けるほど
憧れて砕かれて
消えかけた火を胸に抱き
たどり着いたコタン”

という部分が長い。

今週の演出は、木村隆文。

それで、あいさつはそれだけ?となにかを急かす富士子。

はやくくつろいでもらいたいんだわ!と。

もうみんな知ってるんだからさ、イッキュウさんがここになにしに来たかを。形だけのことだべさ、とゆみこ。

結婚は形が大事です!と富士子。

「あの、わたくし、坂場一久は、なつさんと結婚したいと思っています。どうか、お許しください。….お嬢さんを、ぼくにください!」

「え!そうなの、なつ?」

一応、形だけ驚く富士子。

「そうですか、わかりました。ふつつかな娘ですが、よろしくお願いします。」

「母さんありがとう」

「よし、すんだね」と、まとめようとするよ、

でも、いまのは母親からだべ、普通は父親がなんかいうべ、と剛男。

あの、ふつつかな娘ですが、なつをどうかよろしくお願いします、と剛男。

同じようなこと言ってる。

「父さん、ありがとう!」

「おめでとう、なつ。」

じいさんからもないの、と話をふられ、

なつをほんとうに、幸せにできるのか」と坂場に言うじいさん。

暫し間があり、坂場答えようとするも、

「なしてすぐに返事ができん?」とじいさん。

あたふたする周り、

「し、しあわせにします、きっと」と坂場。

「きっと、ってなんじゃ」

「先のことは誰にもわからんでしょ」とフォローするなつ。

「わからんから、約束させるんじゃ!」

「あの、実は、堂々と言えない事情がありまして」となにかを切り出そうとする坂場。

「それはまだいいから!」と、あわてるなつ。

「会社を、辞めたんです。いまは、無職なんです。」とブッコム坂場。

ええ!?となる面々

「男にとって結婚はけじめじゃ。仕事もなくて、けじめがつけられるか。」と怒るじいさん。

「働かない、って言ってるわけじゃないから」とゆみこ。

「そうよね、考えがあって、やめたんでしょう」と富士子。

「いえ、仕事に失敗して、責任を取っただけです。」と坂場。

それはクビみたいなものじゃない、と目をまん丸くする富士子。

仕事とは、映画、神をつかんだ少年クリフ。

テルオとサラさんの息子、地平も帯広に観に行ったとか。

しかし、途中で地平は寝てしまったようだ。

「わたしも見たけど、わたしは面白かったわ」と成長したアケミが言う。

「大丈夫だって仕事、すぐみつかるよイッキュウさん」とゆみこ。

「東大出てんだべ、そろばんだってできんだべ」と戸村キクスケさん。

「坂場くんは、イッキュウさん、と呼ばれてるらしいじゃないか、ちょうどいい、ここで一休みだ。」と剛男。

「でも、坂場さんのキュウは、永久の、キュウでないの」と富士子。

「仕事みつけて、ここに来るのが筋だべ」と立ち去ろうとするじいさん。

しかし、

「もうどうでもいいったらそったらことは!この人は、なつが選んだ人です、結婚を望んでるのは他でもないなつだべさ、なつが選んだ結婚相手に文句があるんですか、なつが選んだ結婚相手をわたしは信じてます。したって、お父さんの孫じゃないですか」と強く言う剛男。

うーむ、と考え込むじいさん。

わたしも父さんに賛成!とアケミ。

じいさん、やはり険しい顔。

じいちゃん、お願いします、となつ。

「なつさんを、必ずしあわせにします。約束します。」と坂場。

「はじめから、そう言やいいべや。 」とじいさん。

「はい!」

「ありがとう、じいちゃん!」となつ。

立ち去るじいさん。

外に出て、牛の世話んするじいさん。
なんだか、所在なさげ、さみしそうだ。

牛舎へ行くなつと坂場。

ゆみこはいま、農協で働いてるとか。
視察旅行で外国に行ったりしてる、と。

そして、牛飼いの暮らしは素晴らしい、生産の美がある、いくらでも追求できる、と絶賛する坂場。

「牛飼いは、どんなに儲からなくても誰にも文句言えねーべ、ただ牛飼いだから仕方なくやってるだけだわ。」とキクスケさん。

「仕方なくやってるなんて言ったら、牛が泣きますよ」と坂場。

「都会からきて、牛飼いのなにがわかんだ!」とムッとするキクスケさん。

「たしかに、人は食うために働く。生きるために牛飼いをするのは正しいことだと思います。しかしそこに、生産することの喜びを見出すことができるから、人に喜びをもたらすことができるから、牛飼いを誇りに思えるのじゃないですか。どんな仕事でも、人を感動させることはできます。農業にも、酪農にも、そういう精神は必要じゃないでしょうか。」と述べる坂場。

なに言ってんだこいつこの野郎という顔で坂場の話をきくキクスケさん。

そこへ、じいさん。なにやってんだ、はやく仕事しろ、と場をおさめる。

夜。

阿川弥一郎も参加しての晩飯。

なんと、クマの肉の鍋だ!

結婚ときいて、無性にクマが撃ちたくなり、クマを撃ったという。

豪快だ。

ゆみこ、じいさんのバターを農協で売ろうとしているんだ、という話をする。

酪農農家がつくる、乳業メーカーのプロジェクト。

「なつよ、君の大好きなふるさとにも、新しい風が吹いている。」とウッチャンナレーション。

◆ 第110話

熊肉のなべを囲んでる北海道の面々。

農協が乳業メーカーをやろうとしているという話してる。

そのため、ゆみこが通訳も兼ねて組合長についてヨーロッパへ視察へ行ったりしてる。

ゆみこはそれで結婚できなさに拍車。

「ごめんね、ゆみ、先に結婚して」となつ。

「大丈夫、全然羨ましくないから」とゆみこ。

そして流れる、優しいあの子!

引き続き、なべを囲む人々。

アケミ、あんなに牛が嫌いだったゆみこが、いまやバターづくりにメインで関わっていることの驚きを指摘。

「ほんとにそだね、そだね」となつ。

「じいちゃん、よかったね。」

「新しいことをしなければ、十勝の牛飼いは、牛飼いの喜びを感じることはできなくなってるんじゃ。 」とじいさん。

そして、なんだか微笑ましく、しあわせな時間が過ぎる。

翌日、なつと坂場は帯広へ。

雪月を訪れる。

雪次郎と母が迎える。

元気そうな雪次郎!

俺はこうなると信じて待ってたんだわ!と結婚を喜ぶ雪次郎。

すっかり菓子職人の雪次郎。

奥から、雪之助、とよばあさん、もやってくる。

坂場、あいさつする。

まぁ、座って、お菓子食ってけ、となる。

しばたのじいちゃんに殺されなかったかい!と、とよばあさん。

なつ、坂場が会社を辞めたことを伝え、いろいろあったことを伝える。

しかし、なつがくぐり抜けてきた苦労を思えば、そんなことは問題にならん、と。

雪之助、ウエディングケーキは、俺にタダでつくらせてくれ、と名乗り出る。世界一の十勝のケーキつくる!と。

「坂場、ありがとうございます、仕事は、なんとかしますから!」とあたふた。

そこへ、なんと、雪月へ倉田先生が登場!

柄本祐演じる倉田先生。久々の登場だ!

雪次郎が、なつが来ることを伝えていたらしい。

奥原なつ!元気だったか、

はい!

「お前の漫画映画は、いつも見させてもらってる。神をつかんだ少年クリフ。あれは…素晴らしかったな!お前の魂を感じた!」

「よかった!」となつ。

「ありがとうございます!」と坂場。

雪次郎、坂場を、この人がその映画の演出家で、なつの夫になる人です、と倉田先生に紹介。

「そうか、君が。あの映画を演出した君なら、奥原を安心してまかせられる。奥原なつを、よろしくおねがいします。」と倉田先生。

「こちらこそ、よろしくおねがいします!」と坂場。

そこへ、なんと、高校演劇の仲間、よっちゃんとカドクラさんが!

よっちゃんとカドクラさんは結婚している。

まさかここでみんなに会えるとは!と感動しているなつ。

天陽は呼ばなかったのか?とカドクラさん。

空気読めよ!って感じで肘打ちするよっちゃん

「なんもなんも、みんなに会いたいよ。」となつ。

坂場は、天陽の絵のファンでもあるのだ。

「あいつはいまや、立派な画家だ。あいつの生き方そのものが、画家なんだ。牛を育て、家族とともに過ごし、自分の作品を生み出している。したからあいつの絵は、純粋で尊いんだ」と倉田先生。

天陽くんのところでは、一昨年、男の子を授かったとか。

ちなみに、カドクラさんとよっちゃんは子ども二人いて、もうひとり、お腹に。

雪次郎もはやく見つけろよ!とカドクラさん。

「おれはまだいいんだ、寄り道したから。まだ半人前だ」と雪次郎。

なつ、農協が乳業メーカーやろうとしている話を倉田先生にする。

「奥原、これは非常に画期的なことなんだ。農民が、企業を頼らずに、乳製品を消費者に届けようとしてるんだからな。」と倉田先生。

「北海道の酪農家は、8割は赤字経営だ。よしこの家の牧場を、俺が継いでよくわかった」とカドクラさん。

メーカーが、加工用として牛乳を安く買い叩いてる現実があるとか。

だから、農協自らが工場を作ろうとしてる。

酪農王国への道。

それをゆみこがやってる。

一方、音問別農協。

「組合長、大変です、国から横槍がはいりました!」とゆみこ。

十勝の市町村宛に、速達が届き、十勝全体を集約酪農地域に指定すると。

明後日までに返事をしなければいけない。

これは、工場建設に対する妨害。

集約酪農地域になると、国の補助が受けられる一方、勝手に工場建てたりできなくなる。

生きる道は、ひとつ。

明日中に、工場新設の届け出を出すこと。

明日は土曜日。それまでに会議で決定し、午前中の役所が空いてるうちに届け出す。

柴田のじいさん、そしてなつ、坂場も会議に出る!となる。

翌朝、皆で農協へと向かう。

「キクスケさん、先日は、みなさんの苦労をしらずに、勝手なことを言いました。申し訳ありませんでした。」と坂場。

坂場の勢いに、面食らうキクスケさん。

必ずみなさんの工場を新設させましよう、と熱くなる坂場。

その様子を、暖かい目でみているなつ。

「なつ、この人は、こういうことが本当に好きなんだな」とウッチャンナレーション。

◆ 第 111話

午前までに、工場つくる決議をして、役所に届けないといけない。

組合長となつ、久々の再会。

なつがこのタイミングで十勝に帰ってきてくれたことは、きっと天の恵みだ!と喜ぶ、宇梶剛演じる組合長。

そして流れる、優しいあの子!

かつて、なつの演劇で、じいさんが説得され、牛乳の共同販売が実現した。

なつに「なまら感謝してる!」と組合長。

そして、工場つくるかどうか決める会議にぞくぞく人が集まる。

その中には、天陽くんも。

坂場と天陽くん、初対面。

「坂場と申します。お兄さんとはいつも仕事しています。」と坂場あいさつ。

「おお!よかった、おめでとう!」と素直に喜ぶ天陽くん。

天陽くんの嫁も赤子を連れている。

天陽くんのお父さんもきてる。

「工場設置届を提出するため、十勝の各農協組合長が、決議に集まりました。」とウッチャンナレーション。

剛男が司会で会議は進む。

宇梶剛演じる組合長の田辺からあいさつ。

「計画中の、十勝農協乳業をなんとしても実現したい、国に潰される前に、届け出を出したい」と訴える。

満場一致でなければならない。

同意のひと、手をあげてください、と呼びかけると、そこで手をあげないひとりの男が。

「田辺さん、国が反対してるということは、国が我々のしようとしてることを無謀だと判断したからでしょう? これ以上乳業メーカーを敵に回して、それでもしその工場が失敗したら、農民はますます苦境に立たされるんでないですか」

「失敗したら….失敗などせん!」と感情的になる田辺組合長。

「我々は一般の乳業メーカーを締め出そうとしているわけではありません。自由競争することで、共存共栄を図ろうとしてるんです」と訴える剛男。

しかし、不安になってる酪農民もたくさんいる、とその男。

「なしてわからないんですか。この工場は、そういう酪農民が安心して暮らせるために、酪農民の誇りをかけて作ろうとしてるんです!」とゆみこ。

「そのとおりです、乳業だけが栄え、酪農が滅ぶ仕組みを変えるためには、どうしても、共同組合で作る、工場が必要なんです。これはわたしの、いや、十勝の使命だ!」と田辺組合長。

「その工場は、ほかの乳業メーカーよりもうまいバターが作れるんだべ?」とキクスケさん。

「俺らがもっと俺らの手で美味しいバターをつくろうとしてるだけだべさ。したら、なんで迷うんだ。俺らの手で、人に喜んでもらおうとしてるのに、なして迷うことあるんだ。ここにいる人らは、開拓者の二世や三世だべ。親父らのように荒地を耕した誇りは、俺らにはないかもわからんけど、俺らにだって、開拓できることはまだまだあるはずだべさ。俺は学のないただの牛飼いだけど、俺らの搾った牛乳が、人に感動を与えるものになるなら、こったらうれしいことはないもな。どうか、その工場を俺らに作ってください。」

キクスケさんの言葉に心打たれ、天陽くんも、

賛成!工場を作れ!と声を出す。

それに続いて、ほかの人たちも。

工場を作れ! 工場を作れ! とコール。

そして、もう一度、今度は全員に決をとる。

今度は、全員が手をあげる。

議決!

田辺さん、我々、組合長会も一緒に行きましょう!道庁への抗議もこめて! と組合長のひとり。

われわれ農民も一緒に行きましょう、キクスケさん! とみな、一緒にいこうとなる。

坂場も、なつも。

キクスケさん、坂場の言葉もあって、先ほどの思い切った演説となった。

さぁ、百姓一揆だ!とよっちゃん。

みな、どしどし向かう。

「おやっさん、もうわしらの出る幕じゃないですね、」とうれしそうにさみしそうに言う、ユウキチさん。

うむ、とうれしさみしそうに泰樹じいさん。

そして、十勝支庁庁舎。

新聞、テレビのメディアも集まってる。ノブさんもいる。

組合長を先頭に、支庁長室へ入る。

中に入ると、十勝支庁長の、大清水 洋 が出迎える。演じるのは、リーダー森崎。

「ここまで騒ぎを大きくされては、リーダーであるわたしが矢面に立つしかないでしょう」と大清水。

楽屋オチ的な展開。

工場設置届を、支庁長に渡す剛男。

「十勝を酪農王国にしたいというわれわれの願いを、どうか潰さないでください!」と頭を下げる組合長。

潰すだなんて、人聞きの悪い。

それなら、今回のやり方はなんですか!と声を荒げる剛男。

そうだ!そうだ!

十勝の酪農を守れ!!

それでもあんたは道産子か!!

と皆で声を出す。

それに対し、

「わたしだって道産子だ!!何を言ってるんだ!十勝を、北海道を思う気持ちは、あなた方にも負けない! この大清水が必ず、十勝を酪農王国にしてみせます。そのためにも、みなさんどうか、頑張ってください。」

と、大清水。

一同拍手。

組合長と大清水、握手。

組合長、思わず膝から崩れ落ちる。

「なつよ、十勝にとって、今日は歴史的な日になったな。」とウッチャンナレーション。

◆ 第 112 話

十勝の農民会社、十勝共同乳業が立ち上がることになった、前回の終盤の場面が映し出される。

そして流れる、優しいあの子!

ノブさんとなつと坂場、立ち話。

「坂場さん、なっちゃんをどうか、よろしくおねがいします。ほんとに辛い思いをしてきた人なんです。」

「わかりました」

そして、実はノブさんも去年結婚していたとか。

身内がいない中、ひっそりと挙式。

お互い、新しい家族を築いていく。

その後、なつと坂場、二人で歩く。

「君はすごいな。ほんとにいろんな人の恵みを受けて、生きてきたんだな。」

「わたしもそう思う。」

「それを、君もちゃんと人に返している。」

「そうだったらいいけど。」

「この北海道にきて、よくわかったんだ。君の絵を動かす力はどこからきたのか。それはこの大地に吹く風みたいに、君が生きてること、そのものの力なんだって、実感したよ。」

「また難しいこというんだから。」

「君は、僕の才能じゃなくて、生きる力を好きになったんだって、そう言ってくれたよね。そのことを、ずっと考えてたんだ。僕にも、もしもしそういう力があるとしたら、才能があるないに関わらず、またやってみたいんだよ」

「なにを?」

「漫画映画を。作りたいんだ。また一から、挑戦したいんだ。その道を探りたい。だから、ほかの就職先は考えられない。君に苦労をかけるかもしれないけど、それでも、いいかな。」

「いいに決まってるしょ。」

そういって、そっと抱きつくなつ。

「ほら、こうすれば、生きる力だって、二倍になるしょ。」

「うん」

「大丈夫だって。」

そして、空に向かって

やるぞー!空ー!

と叫ぶなつ。

夜。居間でテレビをみてるしばた家の面々。

朝の、役所への工場新設の届け出を出した様子が映し出されてる。

その映像のあと、天気予報みたいのが流れる。

そこで話してる女性、佐々岡道子、この人はノブさんの結婚相手だ!となつが気づく。

めんこいな、とじいさん。

「そりゃテレビに出てる人だもん。」と誰かが言う。

「いや、めんこくないのも出てる。」

じいさんの審美眼。

テレビ関係の仕事いいな、と憧れを口にするアケミ。

どんな仕事も、できる、男女の差は無くなってきてる、と坂場。

夜遅く、剛男とゆみこも帰宅。

組合の仕事で遅くなった。

組合長は、帯広の病院に入院になったとか。
安静のため。

あれは、根っからの開拓者だ、とじいさん。

そして、組合長がなつに話があると。

翌日、病院を訪れるなつと坂場とゆみこ。

元気そうな組合長。
なにもしないで休んでる方が不安になる、と。

そして、なつに話がある、という件について。

工場の会社名のほかに、ブランド名が必要になる。

ブランド名は、たんぽぽ、を考えている。

たんぽぽが咲いてカッコーが鳴いたら、十勝の農民は、種まきの季節になったことを知る。

新しい種まきの季節を知らせ、春が来たことを実感させる花、それがたんぽぽ。

ブランド名、たんぽぽ、を考えたのは、剛男だという。

なつが十勝にやってきたのも、たんぽぽ咲く季節。なつが、たんぽぽを食べたこと、よく覚えている、と。

組合長より、なつに、その商標を考えてもらいたい、というお願い。

たんぽぽバターのマーク。

プロのアニメーターで、十勝にゆかりのあるなつにうってつけのオファー。

一方、雪月。

バターと向き合う雪次郎。

「俺のバター、おバター….おバター雪次郎…ふふふ、天才だ」と独り言。

雪月に集められる、なつ、坂場、ゆみこ、そして、よっちゃんやカドクラさんや天陽くんや倉田先生。

倉田先生は、呼ばれてないのにきた。

昨日のは面白かったな!と倉田先生。

そして、雪次郎、現れる。

自作のお菓子を持ってくる。

「俺の考えた、新しいお菓子です。先生、みんな、これが俺の、新しい魂です。」

登場したのは、まるいバターサンドのようなもの

「なつよ、この雪次郎くんの魂が、また新しい春を、呼び込むことになりそうな。」とウッチャンナレーション。

◆ 第 113 話

これが俺の考えた、新しいお菓子だ、と紹介する雪次郎。

バターにあんこを混ぜ合わせたものを、挟んでいるサンド。

その名も…

そして流れる、優しいあの子!

お菓子の名は、おばたアンさんど

みな、うまいうまい、と食べる。

「結局あんたにはお菓子屋があってたんだね、おいしいわ! 」とゆみこ

「奥原や天陽にも負けない、お前の魂を感じる」と倉田先生。

雪之助も、味わって食べる。

お前に、先越されたわ、と。

父のお墨付きを得た雪次郎!

これでもう、一人前だ!と喜ぶ。

それはまだ早い、と雪之助。

そして、

「おばたアンさんどのバターは、ゆみこちゃんのつくるバターを使うんだ」と雪次郎。

おばたアンさんどと、ゆみこちゃんのバターが、くっつくんだ、と。

なにか、意味深なことを言い出す雪次郎。

「これはもう、ゆみこちゃんと、十勝の菓子屋が、くっつくのと同じだべ。ゆみこちゃんと、雪月が、結ばれる運命だと言っても過言じゃないべさ。」

「例えすぎて意味わかんないべさ」とゆみこ。

「それじゃ、意味わかるようにいうね。ゆみこちゃん、俺と結婚してくれ」

え!

「俺と、結婚してください!!」

一同、騒然となる。

血迷ったか!とトヨ婆さん。

「俺は、ずっとこの日を待ってたんだ。ゆみこちゃんにそう言える日を。今日みんなに集まってもらったのも、そのためだ!」と叫ぶ雪次郎。

「なして、みんなを集めなきゃいけないの?!」とゆみこ

「十勝の男は昔から人前でプロポーズするのだ!雪次郎、よく言った、みんなの前で振られても、すぐにあきらめがつくからな!」とカドクラさん。

「ゆみこちゃん、ゆみこちゃんはゆみこちゃんらしく、はっきり答えてくれ。」と雪次郎。

「し、しらんわ、そったらこと」

逃げようとするゆみこ。

しかし、なつ、呼び止める

「こうなったら、逃げるわけにはいかないべさ!」

ゆみこ、覚悟を決め、

「わたしでいいのかい」

「え」

「ほんとに、わたしでいいのか、ってきいてんの!」

雪次郎、涙ぐむ。

「おじさん、おばさん、トヨ婆ちゃん、わたしは、雪次郎くんと結婚するような、そったら資格はないかもしれないのさ」

「そったらことあるわけないべさ」と雪之助。

「そったらこと、あるわけないべさ!」と妙子さん。

「東京に駆け落ちしたって話かい。わたしは、あれをきいて、ゆみこちゃんを見直したね!もしかして、そったらこと気にしてんのかい?」とトヨ婆さん。

「それなら、俺にもそんな資格はねぇ」と雪次郎。

「結婚に必要なものは資格ではない。覚悟だ。」と倉田先生。

「ゆみには、その覚悟があるの? 」となつ。

「俺にはある!結婚しても、ゆみこちゃんのしたいことすればいいべさ。うちの家族の前で、それを約束する。俺は、ゆみこちゃんが好きだ! 昔から、今はもっと好きだ!

「わたしは、もし、結婚するとしたら、あんたしかいないと思ってた」とゆみこ。

「え、、いつから?」

「いつって、いつのまにか、思ってたわ」

「ほんとかい?! やった! なっちゃん、やった!」と雪次郎。

「雪次郎くん。ゆみ。おめでとう! 」となつ。

みな、拍手!

「ひとつだけ問題があるわ!あのしばたのじいさんと親戚になるってことよ!」とトヨ婆さん。

「君のおじいさんと仲が悪いの?」と坂場。

「性格がぴったり似すぎてるだけ。」となつ。

その後、しばた家。

「お嬢さんを、僕にください! と頭をさげる雪次郎。」

びっくりしている、しばた家の面々。

こったら短い間に、2度もあるのかい、こんなことが!と富士子

これは偶然なのか!? ゆみこ、いつの間に雪次郎くんと、と剛男

「自分でもわかんない。いつのまにか、そういう覚悟は、できてたみたい。」

「覚悟!? 雪次郎くんで、いいの? 」

「え!」と雪次郎。

「へんな意味じゃなくてね、雪次郎くんのことをほんとに好きなのか、結婚のことを真剣に考えてるのか、ってこと」

「そったらこと、結婚してみなくちゃわからないでしょ」

「いいんです!こういうゆみこちゃんと、結婚したいんです!」

「変わってるねぇ、雪次郎くんも」

「昔から合ってると思ってたよ、わたしは」とアケミ。

「たしかに、ゆみちゃんに合うひとはなかなかいないかもね」とサラさん。

「ほんとに、バターとあんこだわ! 」となつ。

「みんな、わたしをなんだと思ってんの!」とゆみこ。

「わかった。したら、反対する理由はないべさ。」

「父さんにもないよ。ゆみこと雪次郎くんがそれでいいなら。」

「ありがとうございます!」と頭さげる。

「待って!じいちゃんは?」となつ。

じいさん、静かに、おばアンさんどを食べる。

「うまいな。これ。」と一言。

雪次郎、ガッツポーズ。

「ひとつだけ、問題がある。雪月のばあさんと、親戚になるのか..」とじいさん。

同じこと言ってる!

なつにも、ゆみこにも、春が。

「それじゃ、結婚式、十勝でいっぺんにやりましょう」と坂場。

「よし!そうしよう!その方が恥ずかしくない!とゆみこ。」

「わたしから、まだこれを言ってなかったな。ゆみこちゃんよ、なつよ、おめでとう。」とウッチャンナレーション。

◆ 第114話

縁側で、たんぽぽの絵を描いているなつ。

ゆみこのつくるバターのロゴ。

富士子、そばへ近寄り、なつへノートを渡す。

なつが子供のころから食べてきた料理のレシピがそこに。

母から娘への、レシピ。

ゆみこには、ノートじゃなくて、一から特訓が必要。

「したけど、あの子までが結婚なんてね。なつがまた、この家に奇跡を運んできてくれたんだわ。」

「母さん。わたしがここにきたこと、奇跡だと思ってるの?」

「奇跡でしょう。なつが生まれて、わたしの娘になったことは。そう思わんかったら、あんたに亡くなられたご両親に申し訳ないわ」

なつ、富士子に身を寄せる。

「わたしには、もうこれが普通だわ。」となつ。

「なつ、結婚しても、つらいことがあったら、いつでも、我慢しないで帰ってきなさいね。あんたは本当に、我慢強いんだから。なつが生まれてくれて、本当に良かったわ。」と富士子。

身を寄せ合い、涙を流すふたり。

一方、農協。

なつと坂場がオフィスへ訪れる。

なつ、たんぽぽバターの商標を描いて持ってきた。

一見、牛の顔に見えるが、たんぽぽがあしらわれているデザイン。Tの文字は、たんぽぽのTであり、十勝のT。

ナイスデザイン!

ほんとに大きくなったな、あのなつが、もう結婚か。と感慨深げな剛男。

kこれ、使わせてもらうよ!このマークをつけて、いずれは、バターだけではなく、いろんな乳製品を作りたいんだ」と組合長。

十勝の牛乳も、そのまま消費者へ。

そして、天陽くんのアトリエ。

なつと坂場が訪れている。

コーヒーを出す天陽くん。

「イッキュウさんのことは兄からも聞いていました。僕の絵を褒めてくれていたとか。l

「いや、褒めるだなんて。ただ、感動した、と伝えました。まさか、奥原なつさんの幼馴染だとは知りませんでした。」

と天陽くんと坂場のやりとり。

「わたしは、天陽くんから絵を教わったの。天陽くんがいなかったら、いまのわたしはいなかった」となつ。

それはお互い様だよ、と天陽くん。

「天陽さんにとって、絵とは、なんですか。絵を描くことは、畑で作物をつくることとは違いますか?」

「もちろん、違います」

「どう、違いますか」

「どう…どちらも生きるためにすることですが、畑仕事は食うためで、絵を描くことは、排泄かな。」

「排泄?」

「我慢できなくなると、漏らしてしまうでしょ。そういうものですよ、絵は。」

「なるほど、芸術的な価値を意識していないところに、あなたの絵の素晴らしさがあるんですね」

「絵の価値を描くなんて、つまらないですからね」

「そうですね」

「したけど、人から褒められると嬉しいし、けなされると悔しいんです」

「そうだね、そうやって、純粋に生きられたらいいね」となつ。

坂場、天陽くんの描いた天陽くんの肖像画をみる。

「僕が生きる場所を選んだように、なっちゃんも生きる場所を選んだだけなんだ、純粋に。アニメーションの世界は僕にはわかりません。なっちゃんと生きられるのは、イッキュウさんだけなんです。どうか、なっちゃんのこと、よろしくお願いします。」と天陽くん。

「あなたの絵を見て、僕も我慢できずに、漏らしそうです。」と坂場。

ふふふ、と微笑む天陽くん。

天陽くんはやっぱり、わたしの一番の目標です、と心のなかでつぶやくなつ。

そして、手を繋ぎ、草っ原を歩いてるなつと坂場。

「天国のお父さん、お母さん、元気ですか。わたしはこの人と、坂場一久という人と結婚します。未来のことはまだ、全然わからないけど、わたしは、幸せです。彼のご両親にもお会いして、一緒に食事をしました。」となつの心の声。

坂場の両親と会食した時の場面が映し出される。

坂場の父、一直を演じるのは、なんと関根勤。

歴史学、考古学について熱く話している一直。

もくもくと肉を食っている坂場。

そして、昭和42年。1967年の春。

たんぽぽの咲く季節。

kじいちゃん。」

なつ、結婚式の晴れ着で、牛舎に。

「そんな格好でこんなとこへくるな。汚れる。」とじいちゃん。

「じいちゃんがなかなか来ないから。ゆみも待ってるよ。」

「慌てるな、いまいく」とじいさん。

「じいちゃん、長い間、お世話になりました。」

「ありがとうな。」

「ありがとうは、おかしいべさ。育ててくれたじいちゃんが」

「わしもお前に育ててもろうた。たくさん、たくさんええものみた。ありがとうな。」

声を詰まらせ、涙で目を赤くするじいさん。

思わず、なつも涙を流す。

「じいちゃん、本当に、どうもありがとうございました。」

じいさん、背中でそれを受け止める。

そして、優しいあの子が流れる中、結婚式!

まるで、最終回かのような、大円団ムード。

十勝に、東京から咲太郎とマダムも。

「ここに千遥がいてくれたら。そうも思ったけど、この世に生まれたことを、神様に感謝したいくらい、わたしの心は、喜びに満ち溢れていました。天国のお父さん、お母さん、わたしを生んでくれて、ありがとう。なつは、今日、結婚しました。」

そして、記念撮影。

「嗚呼、なつよ、未来永劫、幸せになれよ。」とウッチャンナレーション。

★ 感想

ついに坂場と結婚式を決め込み、なんだかエンディングムードな今週。なつの物語として、一区切りついた感がある。次、どんな展開になるのか。

次週、なつよ、笑って母になれ!

 

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第18週、「なつよ、どうするプロポーズ」

ついに、2019年の春、100作目を迎えたという、公共放送の朝ドラ。

その記念すべき作品は、なんと広瀬すずが主演で、加えて、北海道の十勝が舞台!

アニメーター、奥原なつの人生を描くという。

それは特別だ、という事で、2019年4月1日からはじまったこの、「なつぞら」

追いかけていきたい!

今週は、第18週、「なつよ、どうするプロポーズ」。第103話から108話までのまとめだ。

◆ 第103話

昭和39年(1964年)のお正月、なつはまた、新しい年を迎えました。

この年で、27になるなつ。

正月衣装のようなもの、着付けしてもらってる。

そして流れる、優しいあの子!

月曜は、

“口にするたびに泣けるほど
憧れて砕かれて
消えかけた火を胸に抱き
たどり着いたコタン”

という部分が長い。

今週の演出は、木村隆文。

「毎年、1月3日に、晴れ着姿で集まるのが、東洋動画の恒例となっていました。」

なつも、三村茜もモモッチも、みな晴れ着だ。

社歌が流れ、社長の大杉があらわれる。

漫画のみなさん、あけましておめでとうございます。とあいさつ。

そして、

本年より、東洋映画の社長を退きます、と発表。

一同、ザワザワ

そして、会長になります。

一同、おおお、と。

「私が、子供の頃から好きだったものは、そろばんです。そろばんが世の中の役に立つと、信じて生きてきました。例えばね、いい鉄道とは、どんな鉄道か、わかりますか。それは、たくさんの人が利用する鉄道です。レールのまわりに家を建て、娯楽をつくり、街を作って、人々を呼び込めなければ、いい鉄道マンとはいえない。どうか漫画のみなさん、いい街づくりをしてください。しかし、予算と期日を守りながら。乾杯!」

とあいさつ。

その後、モモッチが新年の傘回しを披露するなどして、和やかに進む。

アニメーターたちのテーブルでは、

「あそこまで露骨に、金にならない芸術は作るな、と言われちゃな」と神地。

「芸術を作ってるつもりはないでしょ、別に。」となつ。

「作り手の理念と経営者としての理念を一緒にされちゃ困ります。芸術家的な野心がなければ、私たちの仕事は向上していきませんから」と坂場

「まあまあ、正月からそんな難しい話はやめよう」下山さん。

「そうですよ!わたしはさすが経営者らしいスピーチだ、と思っただけですよ」と三村茜

「さすが茜ちゃん!」と神地

さすがって、バカにしてるだろ!と堀内さん

しかし、そんなことないわよ、ね?と神地と目配せする三村茜。

堀内さんがんばれ!

仲さん、社長をなつのところに連れてきて、あいさつ。

こちらが、テレビ漫画を猿渡さんと一緒に原画担当している、奥原なつです。

「おお、奥原なつさん。好調だねテレビは。10年前わたしはアメリカを視察して、いずれは日本もテレビの時代がくると信じていた。その時こそ、このスタジオが活きると思って作ったんだ!その時がついにきたのだよ。映画を作る人間には、テレビを電気紙芝居だと言って見下してるものもいるがね、必ずそんなことは言ってられなくなる。それに先駆けて、テレビ漫画こそ、その電気紙芝居のパイオニアになるものだ。漫画と、紙芝居だけにね。違う?」

とおおいに自論を語る大杉社長。みな、忖度して、その通りです、と受け答え。

そして、演出の坂場も、社長に紹介。

祝賀会が終わり、喫茶店。

なつと坂場。

終わったな、これで、と肩を落とす坂場。

「なにがですか?」となつ。

「僕も君も、もう映画にはもどれないということだ。」

「そうなの?!」と三村茜。

それをわざわざ知らせるために、仲さんと井戸原さんは、僕たちを大杉社長に紹介したんですよ、と。

「考えすぎだって、イッキュウさん」とフォローする下山さん。

「仲さんが僕を嫌ってるのは事実でしょう」

「そうだとしてもだ」

「イッキュウさんはともかくとして、どうしてなっちゃんまで? 仲さんがそんなことするかしら、なっちゃんの才能を誰よりも買ってるのは仲さんなのに。」と三村茜

「そんな、才能なんてないですけど、仲さんが、そんなことをするとはおもえません。」

「茜さんは、いずれは戻れることもあるでしょう。」

「どうして私はないんですか?」となつ。

「君の場合は…」

「あ、イッキュウさんと、付き合ってるから?いずれ2人は結婚するからって思われてるから? 」とブッコム、モモッチ。

「それは、あくまで噂ですけどね」

「それは無責任でしょ」

「無責任…」と坂場。

「ただの噂だと思うなら、どうして否定しないんですか」

「君は、すればいいよ」

「へ?」

「ねぇ、実際はどうなのよ。2人は、付き合ってるんでしょ?」

「違います! ね?」となつ。

「はい。」と坂場。

どうしてそんな噂が流れたやら。

「だって、イッキュウさんとなっちゃんほど、ウマが合ってる人はいないでしょ。」とモモッチ。

とにかく、仲さんはそんな悪い人じゃないよ、とまとめる下山さん。

しかし、

「わかりませんよ、自分の作品を守るためなら。うちの映画はますますダメでしょう。童話的な世界から抜け出そうとしない。俺1人が頑張ったってどうしようもない」と神地。

大きいことをいう神地。

もっとヘンゼルとグレーテルみたいな破天荒なものが作りたいな、長編で、と。

それが、今は許されていないということです、と坂場。

「だけど今はテレビをがんばれ、ってことじゃないですか」となつ。

「あなたは、いまのテレビで満足していますか」と坂場。

「テレビのパイオニアになれ、っていう大杉社長の言葉に、私は嘘はないと思います」となつ。

「それでこそ、なっちゃんだ」と下山さん。

「一番大事なのは、予算と期日を守ることですか?」と坂場。

それでも、頑張るんです。となつ。

帰り道。

坂場のことを文句言いながら歩くなつ。
あんなに煮え切らないやつだとは、と。

赤い風車に着くと、新年会、人でいっぱい。

茂木社長もフジマサ親分もいる。

晴れ着姿のなつをみて、

「きれいだ!嫁にいかないのはもったいないぞ」

とフジマサ親分。

「いや、嫁にいったほうがもったいないですよ」

と茂木社長。

「ここにはもったいない女ばかりがいるわよ」

と煙カスミ。

「まぁ、なつも座れよ、嫁にいかなくてもいいからさ」と咲太郎。

ワイワイする面々。

話は、雪次郎の話題に。

雪次郎を惜しむ声。

「亀山蘭子となんかあったんじゃないのかぁ、スキャンダル。あやみにもあったよな、昔」と話題をふる島貫さん。

「スキャンダルじゃねぇ、あれは美しい、悲恋だ」とフジマサ親分。

「あやみさんが結婚しないのは、その恋愛があるからなんですか?」となつ。

静かに微笑むあやみさん。

「なつよ、あやみさんの恋、いまの君は、何を思うのかな。」とウッチャンナレーション。

◆ 第 104 話

あやみさんが結婚しないのは、その恋愛があるからなんですか?

と、あやみさんの過去の、客との恋愛の話について、興味津々のなつ。

そして流れる、優しいあの子!
めげずに歩いたその先に、知らなかった世界。

その客は、早稲田の学生で、毎日のようにムーランに通い続けていた。

比較的地味で目立たない、その時のあやみさんに恋をしたその青年、イサキ。自分で台本書いて、持ち込んだという。

それが採用され、その後も何度も採用され、あやみさんがメインで踊ることも増え、その後に繋がったと。

結婚の約束までしたが、学徒出陣で、遠くへ行ってしまうことに。

彼は、客席で叫んだ。岸川あやみ、万歳!と。

当時は、どんな才人も、戦争に持っていかれてしまった。

当時を懐かしみ、しんみりする面々。

あやみさん、ステキな話です、となつ。

「戦後のあやみは、みてられなかった、痛々しくて。あのスターだったあやみが、生きる救いをなくして」と涙流し、滔々と語るフジマサ親分。

それを救ったのが、咲太郎だという。

闇市で出会った、咲太郎。

それが、あやみさんのまた生きる力になった。

しんみりする面々。

空気を変えるべく、よし、歌おう、とレコードに針を落とす煙カスミ。

“赤いルージュに
ひたされて
今日もくるくる
風車”

新年会が終わり、酔いつぶれたあやみさんを部屋へ運び、寝かす咲太郎。

なつに、俺今から事務所戻るから、よろしくな、と咲太郎。

「お兄ちゃん、あやみさんがいままで結婚しなかったのは、イサキさん、ってひとがいたからなんだね。」

「俺もその話をきいてから、なにも言えなくなった。」

「お兄ちゃんと一緒にいるから、じゃなかったんだね」

「ばか、そこまで俺の面倒見る義理はないだろ。じゃ、かあちゃんのこと頼むな。」

出かける咲太郎。

ふと、振り返る。

しかし、そのまま出かける。

なつ、あやみさんのそばへ。

咲太郎、と寝言をいうあやみさん。

翌朝。

「新しい年も、相変わらず、なつは仕事に追われる日々でした。百獣の王子サムは、大人気となって、アニメーターも演出家も、次々と新しい人間が投入され、放送期間は、一年半にもなってきました。その間に、なんと茜ちゃんがあの人と、電撃結婚しました。」とウッチャンナレーション。

なんと、相手は、まさかの下山さん!!

これは驚きだ!

たしかに、今週に入ってからの茜ちゃんはなんか色気が増していたような気がするぞ。

ちょっと待った!それはないよ茜ちゃん!と神地。

堀内さんは、その様子をみて、往生際が悪いぞ、と静かに背中を向ける。

「自分でも、驚いてるのよ。でも、前から好きだった、って気づいた。」と茜ちゃん。

社歌が流れる

茜ちゃん!最後に、俺と踊ってください!と神地。

へんなステップを踏んで踊り出す神地。

勢いで、茜ちゃんのメガネをとり、髪しばりをとる、神地。

すると、茜ちゃん、

めっちゃかわいい!!

これはずるいぞ、この一瞬で皆恋に落ちるやつ。

ニマニマとしながら、その様子をスケッチする下山さん。

後日。

会議室。

下山くん、君には、長編映画の作画監督をやってもらいたい、と井戸原さん。

長編映画を全て監修して、一本の作品に仕上げる仕事。

茜ちゃんをものにした、君のしたたかさにかけてるよ、と井戸原さん。

どんな企画をやりたいか、演出家は誰がいいか、決めてくれ、と。

「演出家は、坂場くんでいきたい」と頼み込む下山くん。

井戸原さんは、露骨にそれはいかんという反応。

「長編映画は、いま客の数が減ってきている。失敗したら、あとがないかもしれないよ。」と仲さん。

「だったらなおさら、僕と一緒にやるのは、坂場イッキュウしか考えられません!」と下山さん。

そして、廊下。

坂場、長編映画の演出になれたことをなつに報告する。

そして、なつも、それに加わってもらいたい、と。

「そして、もし、もし、この長編映画を成功させたら、成功したら、僕の人生には、君が必要だ、ということになります。」と坂場。

は?

「僕と、ぼ、ぼくと、ぼくと、僕と!….結婚してください。結婚、してくれませんか。」

言った!ついに言ったぞ!

「なつよ、出た。」とウッチャンナレーション。

◆ 第105話

ついに坂場が言った、ぼくと結婚してくれませんか、という言葉。

「ぼくの気持ちは、ずっと前から、わかっていたでしょ」とのたまう。

「いや、全然わかりませんでした」となつ。

「ずっと、長編映画の演出ができたら言おう、と思ってたんです。あなたの気持ちはどうですか」

「はい。わかりました」

「え」

「結婚、します」

「ほんとですか?!」

「はい」

「結婚ですよ?!」とにわかに信じられない坂場。

「なにを疑ってるんですか」

「映画が、成功したら、ですよ。」と坂場。

….それ、いる?

そして流れる、優しいあの子!
めげずに歩いたその先に知らなかった世界。

喫茶店。

モモッチに、事の顛末を報告するなつ。

びっくりした様子のモモッチ。いきなり結婚とは。

「いきなり結婚も、不思議なことに、そうなのかな、と思えた」というなつ。

しかし、長編映画が成功しなければ、結婚できない。

そこで、実はいま東洋映画の助監督と付き合ってる、と打ち明けるモモッチ。

「彼も、監督になるまでは結婚したくない、と思ってるみたい。」

「結婚と成功は関係ないのにね」

「不器用な男ほどそう考えるのよ。」

「そのためじゃないけど、必ず成功させたいわ。長編映画はわたしの夢だし。」

とにかく、誰にも言わないでね、と釘をさすなつ。

「それから、その長編漫画映画の企画は、猛烈な勢いで進んでいきました。」とウッチャンナレーション。

仮題は、神をつかんだ少年クリフ。

村の誰も抜けない剣を、クリフが抜ける。

しかし、その剣を、神が砕いてしまう。
神は、戦の神。

神を畏れなくなった人類に戦をさせて滅ぼそうとしてる。

その神の娘、キアラが、その目的遂行にくる。

クリフとキアラは、心通わせていく

みたいな話だ。

しかし、なつが描く、神の娘キアラに、坂場がなかなか納得せず、制作は難航。

脚本づくりは、遅れ、予定の8月になっても進まず。

キアラのキャラクター造形について話し合っているなつと坂場と神地。

主人公が恋に落ちる魅力もあり、神の娘としてのこわさもあり、微妙なところを抑えなければいけない。

仲さん、様子を見にきて、内容が難しすぎないかな、子どもには、とコメント。

大丈夫です、ちゃんと活劇にはしますから、と少し鬱遠しそうに言う坂場。

面白ければいいというものでもないからね、と仲さん。

話がわかりやすければいいというものでもないでしょう、と坂場。

キアラのキャラクターについて、なつがアドバイスを求めようとするが、それを止める坂場。

「生意気なようですが、好きにやらせてください。責任はとりますから」と坂場。

「なんで仲さんにそんな態度を」と怒るなつ。

「あの人に泣きついたら終わりだよ。平気で新しいものなんかできなくなる。」と神地。

とにかく、キアラのキャラクターをそのもっと練るように言われるなつ。

休憩中、中庭へいくなつ。

そこには、仲さんが。

「さっきは、キュウさんが、失礼な事をいい、すいません」となつ。

なかなかキャラクターのイメージをつかめず、キャラクターができず、脚本も進まない。

」普通は脚本から入るのに、珍しい演出家だよね。自分が絵を描けるわけではないのに。」と仲さん

「仲さんは、あの人がやろうとしてることは、間違ってると思いますか」

「なっちゃん、ぼくには、わからないんだよ。彼のやろうとしてることが、正しいのか、間違ってるのか。新しいのか、そうじゃないのか。どうも判断がつかない。それが悔しいんだよ。アニメーターとして、自分の限界を突きつけられたみたいで、悔しいんだ。」

夜。

店で一緒に飯をくい酒を飲んでる井戸原さんと下山さん。

「仲さん、やっぱりイッキュウさんのことは嫌いなんですかね」と下山さん。

「嫌ってる? イッキュウを嫌ってるのは俺だよ。」と井戸原さん。

思わず酒を吹き出す下山さん。

「仲ちゃんは、むしろ買ってるんじゃないかな、彼を。今回のも、君に彼を使うように言わせたんじゃないかな。だから、奥原なつもつけた。あくまで俺の推測だけどな。」

一方、長編映画制作の現場。

キアラのキャラクターが決まらず。

坂場、こういうのではないんだ!何度言えばわかるんですか、と怒ってる。

「こういう説明的で、わかりやすいキャラクターじゃないんです!」

「あなたの頭の中に向かって絵を描くのは、もう無理です」となつ。

「ぼくはもっと、中から湧き出てくる、そういう絵を使って映画を作りたいんです。テレビとは違うものを!」と叫ぶ坂場。

そりゃ無理だよイッキュウさん、映画にも締め切りがある。

「映画を作れなければ、なにもはじまりません。あなたひとりが作ってるわけではないんです。」となつ。

「だから待ってるんです!! わたしは絵描きじゃない、だから理想のキアラを描くことはできない、だけど妥協はしたくない。わたしは、わたしを超えたいと思ってます。どうか、みなさんもみなさんを超えてください。そういう絵を出してください…はやく、あなたのキアラを見せてください。」

なつ、悩む。考え込んでしまう。

なつが帰りがけ、仲さん、呼び止める。

「なっちゃん、なっちゃんに、頼みがあるんだけど。」

と、なつに、封筒を渡す仲さん。

なつよ、それはきっと、仲さんの魂だ。

◆ 第 106 話

仲さんから渡された封筒の中を見るなつ。

そこには、キアラと思われるキャラクターの原画が。

仲さん、渾身の絵だ。

そして流れる、優しいあの子!

キアラのイラストは、小田部羊一さんが描いているのか。

制作現場。

クリフと死神は決まったが、キアラはどうか。

なつ、描けませんでした、と打ち明ける。ある絵をみてからは、それ以上のものは描けないと思ったと。

その絵を坂場にみせるなつ。

坂場、ジッとその絵をみる。

他のスタッフも集まり、みなみる。

「これは、誰の絵ですか?」

「仲さんです」

驚く坂場。

「仲さんが描いて、わたしに託してくれたんです。」

ジッとみて、坂場、

「わたしはいま、やっとキララに出会いました。ずっとこれを待っていました。」と。

神地も、これは参った、と認める。

「仲さんだけが、イッキュウさんの心の中を理解してたんです。イッキュウさんのことを理解できないのは悔しいといいながら、仲さんだけが、キアラの魂を描くことができたんです。」となつ。

「仲さんは、決してイッキュウさんの敵じゃないよ、むしろ、陰ながら、イッキュウさんのことをみまもつていた」と下山さん。

「仲さんは、誰よりも自分を超えたいと思っているアニメーターです。わたしは、同じアニメーターとして、心から仲さんを尊敬します。」となつ。

それから、仲さんのところへ急いで向かう坂場。

仲さんの力を貸してください、と頼み込む。

この作品を完成させるには、どうしても仲さんのちからが必要。

どうか、キララを描いてください。

いいかい、僕で?

みな、お願いします、と頭を下げる。

とにかく、時間がない、仲さん、たのんます、と。

「うれしいよ、採用してもらえて」

「生意気言って、すみませんでした」

「謝ることなんてなにもないよ。よし、それじゃ、始めようか!」と仲さん。

「その日から、徐々にピッチをあげて、映画制作は、すすみはじめたのでした。」とウッチャンナレーション。

アニメーターたち、描いて描いて、描きまくる。活気付いてきた!

夜。

赤い風車まで、なつを見送りの坂場。

今日の仲さんへとのやり取りはよかった、みたいな話をするなつ。

君には、いつでもギャフンと言わされがちだ、と坂場。

それはお互い様、となつ。

坂場と一緒に、赤い風車にはいるなつ。

あやみさんが出迎える。

咲太郎にあいさつをしたいという坂場。

あいさつはまだいいよ、となつ。

いや、普通のあいさつを、と坂場。

え、じゃあ、普通じゃないあいさつ、を?となにかを察するあやみさん。

それは、そのうちさせてもらいます、と坂場。

やった!!と喜ぶあやみさん。

お兄ちゃんにはまだ言わないで、となつ。

いま作ってる長編が出来てからにしてほしい、と。

2人で言うから、と。

そして、

なつ、坂場、あやみさんでささやかな酒席。

なつ、自分の戦災孤児である過去が、坂場の親にはだめなんではないかと不安がる。

「大丈夫です。心配は、しないでください。」と坂場。

「両親はなにやってるの」ときくあやみさん

「父親は大学教授です。考古学を研究してます。母親は、師範学校での元教師で、僕がいた頃には、専業主婦でした。兄が2人と姉が1人います。僕は、末っ子です。2人の兄は、医者と弁護士をしています。姉は、やはり教師です。」

と、家族について話す坂場。

肩書きほど、お金に縁のある感じではないが、

「僕は必ず、君に不憫な思いはさせないから」となつに伝える坂場。

なつ、いい笑顔。

あやみさん、なっちゃんをお願いね、と、坂場へ。

むう、いい感じだ。

坂場、帰る。

なつの縁談に、心から喜ぶあやみさん。

しかし、映画スケジュールはその後、やはり遅れていった。

カット割りでアクションをごまかさないでください!と熱く語る坂場。

「そして、翌年の春が過ぎ、ようやく完成したのは、夏でした。映画はすぐに公開されましたが、不入りに終わったのです。」とウッチャンナレーション。

なつよ、大変だこりゃ

◆ 第107話

坂場が演出で手がけた映画は不入りに終わった。

クライマックス前で、子供が寝てしまう。

うぐぬぬ。

演出家にユーモアがないからだ、と社内でも陰口。

そして流れる、優しいあの子!

優しいあの子にも教えたい ルルルルル

社長室。

坂場が演出を手がけた、神をつかんだ少年クリフ、は、東洋動画始まって以来の低い興行成績。

制作期間も、予算も、倍近くかかり、この結果。

坂場が信念を貫いた結果。

この作品に関わった、全スタッフの昇給、ボーナスのカットを覚悟してくれ、といい渡される坂場。

責任は全て私にあります、坂場が言うも、

「坂場を任命した、映画部長の井戸原さんにも責任はおよび、井戸原さんは任を解かれ、今後、映画部署には親会社の東洋動画から人が送り込まれ、アニメーターが自由に企画を決めることは、もうできなくだろう」と。

責任は取るつもりです、と退職願を出す坂場。

一方、喫茶店。

なつが待つ。

坂場がやってくる。

ちょっと、話が、と坂場。

「映画が、すごく不入りだった。」

「みたいだね」

「でも、悪い映画ではないと思ってる。いい映画を作ったと、僕は思ってるんだ。いまでも。」

「私も、ほんとに気に入ってる。いままで作った中で、一番に。わたし、思うんだけど、大人の人にも見てもらえるように宣伝してくれたらいいのに。そう思わない?」

「僕には、もう作れないんだ。」

「どうして?今度は、あれよりももっとすごいもの作ればいいじゃない。絶対に作りたいけどな、また」

「会社を辞めてきた。君を含め、スタッフには、これから待遇の面で迷惑をかけることになる。その責任を取らなくてはならない。たとえ会社に残ったとしても、もう演出はできないだろう。」

「もっとよく考えたら? 仲さんや露木さんには相談したの?」

「僕は終わった。もう終わったんだ。」

「….そう。」

「だから、結婚はできない。僕のことは、忘れてくれないか」

「どうして?仕事と結婚は別でしょ」

「ぼくは嫌なんだ」

「いや?」

「君の才能を、誰よりも活かせる演出家になりたかったんだ。ぼくはその資格を失った。結局、君を幸せにする才能は、ぼくにはなかったということだ。」

…….そっか。そういうことか

「そういうことです。ほんとうに申し訳ない」

「おかしいと思った。考えてみれば、一度だってあなたに好きだって言われたことなかったもんね。わたしの方は、いつイッキュウさんのこと好きになったんだろうって考えてた、一緒に短編映画作った時か、一生かけて一緒につくりたいって言ってくれた時か。その前に、アニメーションにしかできないことはなにか、っていうので、イッキュウさんの言ってたことにしびれた時とか。」

ありえないことも本当のように描くこと、ありえないようにみせて、本当を描くこと、と語ってる坂場の回想映像。

「あれには、本当に参った。あれ以来、わたしはその言葉に恋をした。ありえないことも、ほんとうのように描くこと。わたしの人生には、本当にそんなことばかり起きてるから。戦争で孤児になって親を失って両親とも離れて兄弟とも離れたけど、ありえないような家族に恵まれて、ありえないような自然の中で育って、上野で浮浪児をしてた時に出会ったノブさんがある日また会いに来て、それで行方不明だったお兄ちゃんにも会えたし、もうだめかと思った妹も、ありえないような幸運手で、いまはどこかで幸せに暮らしてるって信じているし、自分のわがままで北海道を出て、好きなアニメーターにもなれて、ありえないような楽しいことがたくさんあって、これ以上の幸せはないなって思ってたから。やっぱり、これ以上はありえなくても文句は言えないけど、わたしは、わたしはあなたの才能を好きになったわけではありません。あなたの言葉を、生きる力を好きになったんです。あなたを好きになったの、ありえないくらい。だけどあなたは違った。好きじゃないことを才能のせいにしないでください。そんな人とは一緒にいたくない。さようなら。」

涙こらえながらまくしたて、喫茶店をでていく、なつ。

赤い風車に帰宅するなつ。

店は、いつもどおり。

静かに、自分の部屋へといくなつ。

力抜けたように、座り込む。

翌日。

中庭。

坂場がひとりでいると、そこに仲さんと下山さん

「退職届を出したんだって?君がひとりで責任を負うことじゃないよ、これは!」と仲さん。

「そうだよ。君が辞めるんだったら、作画監督の、ぼくも辞めなきゃいけない。ぼくのために、取り消してくれないか。」と下山さん。

「いいんです、それより奥原さんは?」と坂場。

なつは今日は休んでる模様

「みんな、君のやりたいことについて行ったんだ。なっちゃんだって、ぼくだって。完成した漫画映画に満足しているよ。あんな漫画映画、みたこたない。そういうものが、日本で作れたんだ。世界にだって、あんな漫画映画、まだないよ。」と仲さん。

そんなことはどうだっていいんです!

なげやりになる坂場。

…それよりも大事な、もっと大事なものを、ぼくは失ったんです、

「坂場くん…」と何かを察する仲さん。

一方、なつがなんか様子がおかしいことを、電話で咲太郎に伝えるあやみさん。

ずっと部屋で泣いているようだ、と。

絶対、なにかあったな、これは、と。

なつ、部屋で昨夜の格好のまま寝伏せている。

なつよ…

◆ 第 108 話

「あなたを好きになったのありえないくらい。だけどあなたは違った。好きじゃないことを、才能のせいにはしないでください。そんな人とは一緒にいたくない。さようなら。」

と、坂場に言い残し、去るなつ。

その事情を、咲太郎、あやみさんに話した模様のなつ。

そんなやつとは結婚することないよ! 忘れちまえ! こっちから願い下げだ、と怒る咲太郎。

そんな中、赤い風車の入り口に立つ、坂場。

そして流れる、優しいあの子!
重い扉を押し開けたら暗い道が続いてて、めげずに歩いたその先に、知らなかった世界。

俺にまかせろ!にいちゃんがもっとお前を幸せにするやつ見つけるから、と息巻く咲太郎

そこで

ごめんください

と、坂場、入ってくる。

「なにしに来たんだよ。」と怖い感じの咲太郎。

「謝りに来ました。」

「謝ってくれなくていいんだよ。いま家族会議を開いて、あんたのことは忘れることになった。お引き取りください。」

あやみさん、そんな咲太郎をなだめるも、

「俺はいやだからな!いまさらこいつを認めることなんてできないからな。仕事がないから結婚できないというのは、てめえの都合しか考えてないやつが言うことなんだよ。一度は約束したなら、すぐに仕事をみつけるから結婚してくださいというのが筋だろうが」と怒る咲太郎。

「おっしゃる通りです」と坂場。

「だったら帰れ!帰れよ」

と坂場の方を突き飛ばす咲太郎。

「なつが悩む前に帰れっつってんだよ」

「なつさんに、許してもらおうとは思っていません。昨日のことは、許さなくてもいいんです。その上で、もう一度話をさせてもらいたいんです。」

「まわりくどいこと言ってんじゃねえよ!」

そして坂場、語り出す。

「昨夜一晩、あなたのことをおもい、あなたを失う恐怖を感じました。それでわかったんです。あなたが、いままでどれほどの恐怖を味わってきたか。大切なものを失う恐怖はどれほどのものか。あなたの気持ちになりたくて考えました。あなたにすこしでも近づきたくて、考えたんです。それで結局、たどり着いた答えは、あなたのことが、奥原なつのことが、ぼくは心の底から、好きだということです。もう遅いかもしれないけど、心の底から言わせてください。あなたが好きです。あなたのことが大好きです。」

「もう遅いんじゃないかな」

「遅くない! まだ生きてるんだから、いくら間違えたっていいの!いくら失敗したって、へっちゃらだよね、なっちゃんは」

「涙流すなつ」

なつ…

「お兄さん、どうか許してください、妹さんを、奥原なつさんを、ぼくにください。結婚すること、許してください。奥原なつさんと、結婚させてください。」

「馬鹿野郎。まずはなつの許しをとれよ」

と坂場の背中をはたく咲太郎。

なつに向かい、

「どうか結婚してください。もう一緒に漫画映画は作れないかもしれないけど、あなたの人生をつくります。一生かけて。」

….ありがとう。

「必ず、傑作にします」

「ふつうでいいんだよ、ふつうで。気取ったこというな。」と咲太郎。

……僕と結婚してください。

「はい、よろこんで。」となつ。

「なつを、幸せにしろよ、不幸にしたら、絶対に許さないからな、覚えとけ。」

「はい!」

なつに抱きつく坂場。

ついにやった!

そして、そこから、川村屋へ行くなつと坂場。

「こんど、わたしの夫になるんです」と坂場を紹介するなつ。

いつもクールな野上さんも、動揺している模様。

マダムも祝福。

「うれしいわ、なっちゃん、もうないかと思ったわ!」

「お兄さんも喜んでくれてるんでしょ¥

「最初は反対されましたけど、最後は喜んでくれました。」

「こんなに遅い結婚でも反対されるものなんですね」とイヤミをいうのがみさん。

「だって、バカだもん。」

「そのバカを待ちわびている、不憫なひともいるかもしれませんね」

「え」と動揺するマダム。

「末永く。ごゆっくりと」と野上さん

お幸せにね、とマダム。

職場にも、結婚を報告。

まずは、仲さんに。

よろこぶ仲さん。

坂場の退職は、それは変わらないようだが。

「とにかく、二人の結婚を、心から祝福するよ」と仲さん。

そして、ほかのアニメーターたちも、みな、祝福。

みなさんと一緒に映画を作ったことは、一生忘れられません!

一生忘れられないよ、こっちも、と下山さん。

なっちゃんの幸せが、あの作品がよかったってことよ、と三村茜。

世界が気づく時がくるさ、あの映画の良さに。どうどうとこんな会社辞めちゃっていい!と神地。

廊下。

なつと坂場、ふたりきり。

「いろいろあったね」となつ。

「うん。」と坂場。

「これからもいろいろあるよね、きっと。」

「ありえないことが、ほんとうのように。」

2人で、歩く。

そして、2人は北海道、しばた牧場へ

ああ、なつよ、2人の夢は、ここからまた続くよ。来週に、続けよ!

★感想

ついに、なつと坂場が結婚! 魂込めた映画は不入りに終わり、結婚も危ぶまれたが、うまくまとまってよかった。人生の階段を、自分らしく、ひたむきに駆け上がっていくなつ、坂場、そして若者たち。その姿に、鼓舞される。なつぞらは最高。

次週、なつよ、開拓者の郷へ!

 

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第17週、「なつよ、テレビ漫画の幕開けだ!」

ついに、2019年の春、100作目を迎えたという、公共放送の朝ドラ。

その記念すべき作品は、なんと広瀬すずが主演で、加えて、北海道の十勝が舞台!

アニメーター、奥原なつの人生を描くという。

それは特別だ、という事で、2019年4月1日からはじまったこの、「なつぞら」

追いかけていきたい!

今週は、第17週、「なつよ、テレビ漫画の幕開けだ」第97話から102話までのまとめだ。

◆ 第 97話

「1963年、昭和38年の、夏になりました。」とウッチャンナレーション。

もうそんなになるのか!

暑そうにしてる作画課の人たち。

なつは26歳、東洋動画初の、原画を担当する女性アニメーターに。

カラフルな洋服に身を包み、週刊誌の記者を作画課へ案内するなつ。

その様子を見守る、神地、ホリウチさん、三村茜。

「奥原さんの、これからの夢ってなんですか?」と記者。

「それは、これからも漫画映画を作ることです。子どもが、夢を見るようにそれをみて、それが大人になって、覚めない夢になっていればいいな、と思います。今の私は北海道を出て7年。そんな風に、子どもの頃の夢を、み続けているように。」となつ。

そして流れる、優しいあの子!

月曜は、

“口にするたびに泣けるほど
憧れて砕かれて
消えかけた火を胸に抱き
たどり着いたコタン”

という部分が長い。

今週の演出は、渡辺哲也。

場面は赤い風車。

フロンティアの女たち、という週刊誌のコーナーで紹介されているなつ。

あやみさんとなつでそれをみている。

「赤い風車で、なつが載ってる週刊誌をばらまくぞ!」と意気込むあやみさん。

「千遥にも送れたら、いいですけどね」となつ。

もう、ポスターのクレジットには、奥原なつ、の名前がある。

赤い風車に、咲太郎と土間レミコが入ってくる。

週刊誌をみせる。

おお!

「咲太郎のプロダクションもなんとか形になって、今は四谷に事務所を構えています。」とウッチャンナレーション。

土間レミコも、新しい声の仕事が決まったタイミングだ。

一方。

雪次郎も、セリフの当たり役で、頑張っている。

洋画のアフレコに亀山蘭子と取り組んでいる雪次郎。

アメリカのコメディ、ビューティフルナンシー、で、気の弱い夫の声を演じている。

気の強い妻役は、亀山蘭子。

大人気となったとか。

劇団では、妙な噂があるという。

亀山蘭子と雪次郎が恋仲になってる。

その真相を、なつに探ってほしいという咲太郎と土間レミコ。

「劇団の恋の噂ってのは、まず当たってるんだよ、な、母ちゃん」と咲太郎。

「まぁ、そうね」とあやみさん。

「なつの職場はそういうことないか?」ときかれ、

坂場を思い出すなつ。

その後、雪次郎の部屋を訪れるなつ。

実は、週刊誌に載った、という話から切り出す。

「ほんまにでっかく載ってる!」と驚き喜ぶ雪次郎。

「すぐ北海道知らせなきゃな、北海道でも買えるべな」

「演劇は、うまくいってるの?」となつ。

雪次郎、なにかを察し、

「なんでそんなこときくべさ。さては、聞いたんだな。俺と蘭子さんのことだべ」と雪次郎。

噂はあるが、なんにもない、と。

「俺はな、あの人にはやく追いつきたい。俺の中にある魂は、そこなんだ。好きだなんだと、そったらことじゃない。芝居が好きなように、俺は蘭子さんが好きだ。」と弁明。

「そっか、なんか安心した。昔のままだ。」となつ。

「昔のようにセリフは訛らないけどな!」と雪次郎。

翌日、なつ出社したら、みんな、なつの週刊誌の顔の写真をお面にして、出迎え!

愛されてるなつ。

そして、仲さん、

「今日の10時、会議室来てくれる?大切な話があるんだ。」となつへ。

仲さんは、いまや中間管理職。作画課長。

三村茜もその会議に呼ばれる。

「もしかして、あれじゃないの?」と下山さん。

アトムのテーマが流れる。

会議室。

「今年から、手塚治虫さんが製作している鉄腕アトムが、テレビで放送されていることは知っているね。その鉄腕アトムが大ヒットしてて、そこでうちでも、テレビアニメを作る、テレビ班を作ることになったんだ」と仲さん。

なつを原画、三村茜を動画に配属して、東洋動画として、力をいれていく、と。

坂場を、演出家として配属。

「期待してるよ!」と声かける。

作品は、百獣の王子サム、というもの。

どんな作品かを、コマーシャル班のアニメーター、猿渡 竜男、が説明する。

姿は人間だが、ジャングルで獣たちと生きる少年が主人公。

しかし、坂場は、渋い顔をしている。

「仲さん、ひとつきいていいですか。東洋動画らしく、というのは、鉄腕アトムと違うやり方で作るということですか?」と坂場。

「いや、鉄腕アトムと同じやり方で作らなければ、成立しないだろうね。」

低予算、短時間でやってる、鉄腕アトム。

坂場、

「仲さんは、あれをアニメーションだと認めていますか? 僕は少なくとも、東洋動画らしいアニメーションとは思いません」

と異議を唱える。

「もちろん、あれはフルアニメーションではない。」と仲さん。

「それでも、作る価値はありますか?」と坂場。

ムムム!

「なつよ、新しい時代の波が、押し寄せてきた。君はその波に翻弄されるのか、それとも、乗るのか。」とウッチャンナレーション。

◆ 第 98 話

テレビ漫画をめぐり、もやる坂場。

「昭和38年、日本でも、本格的なテレビ漫画が登場しました。フルアニメーションとは違い、30分のアニメを毎週作るために、止まった絵を使ったり、部分を減らすなど、さまざまな手法が用いられていました。」とウッチャンナレーション。

あんなのは東洋動画のアニメとはいえない、と異議を申し立てる坂場。

あれに慣れてしまえば、日本のアニメーションは、後戻りはできないのではないか、と。

そして流れる、優しいあの子!

「おおげさだな、君は」と井戸原さん。

「いや、坂場くんの言ってることも案外おおげさではないかもしれない」と露木さん。

そういう時代はくることはおおいに考えられる、と。

「そうだとしても、やる価値はあると思っている」と仲さん。

「アニメーションを見る子供たちにとって、フルアニメーションかどうかなんて、関係ない。面白いか、おもしろくないか。その違いだからね。坂場くんは、そう思わないか。」と仲さん。

「わかりました。」と暗い調子で答える坂場。

『それに、フルアニメーションの良さは、これからも長編で、我々が守っていくつもりだよ。」と仲さん。

「そう、だから君は、安心してテレビに専念してくれたまえ」と井戸原さん。

作画課にもどるなつたち。

テレビ漫画の話でした、とみんなに話す。

そして、坂場と幹部陣とが揉めた話も。

「さすが坂場さんだ! いま、フルアニメーションが存亡の危機にさらされてるんですよ!」とまくしたてる神地。

その後、中庭。

俯いてる坂場。

なつ、近寄る。

「僕はもう、漫画映画の演出にはなれないな」とぼやく坂場。

「どうしてですか」

「露木さんの後に、次々に若手が演出に抜擢されてるのに、僕にはお呼びがかからない。僕たちの作った短編映画だって、いまだにお蔵入りしたまま、長編映画の付録として、劇場にかかることも無いだろう。僕に対する上層部の評価が低い印だ。 」と愚痴る坂場。

「仲さんは短編映画をほめてくれたじゃないですか」となつ。

「あの人は、本音を見せないからだ。あの人が描く絵と同じように、誰にでもいい顔していたんでしょう」

「何をすねてるんですか。あなたらしくない」

「君のことも、それに巻き込んでしまったかもしれないんです。それが、悔しくて。一本くらいは君と、長編漫画映画に挑戦してみたかった。この会社にいても、その可能性はもうないだろうな。」

「そんなこと、まだわかりませんよ。」

「そう、まだわかりませんよ」と隠れてきいていた、露木さん。

「君をテレビの演出にしたのは私だよ。」

突然の露木の登場に驚くなつと坂場の2人。

「君は、全く新しい環境で演出家になったほうがのびのびできると思った。そりゃ君は、多くのアニメーターからは嫌われてるよ。あれだけ理屈で攻めたら、感性で動く芸術家からは嫌われる。それに労働組合の幹部なんてなってるから会社からは煙たがられてる。君の味方はほぼいない。」

と露木さん。

そして、

「だから、腐るな。腐ったら負けだ。嫌われる勇気を持つことも、演出家の大事な資質た。君はそれを持っている。」

新しい環境で自分を磨くチャンスと思って頑張れ、と激励。

わかりました、と小さい声で返事する坂場。

露木さん、坂場の頭をはたき、

「声小さいね、自分も関西出身だったら、根性見せたらんかい!」と喝。

坂場、中学までは、神戸にいたとか。

そして、なつに対し、

「坂場のことを頼むな。内助の功で、支えてやってくれ。」と露木さん。

「はい、わかりました。……って、いまなんていました!?」と驚くなつ。

「いや、めちゃくちゃ噂になってるよ。じゃ、おつかれ。」

と去っていく露木さん。

狼狽えるなつ。

「う、噂なんて、き、気にしなくていいでしょう」と坂場。

「2人の関係は、周りが思うようには、行かないようです。」とウッチャンナレーション。

ドギマギと立ち去る坂場。

数日後、新しい部屋に、テレビ班の作画室が設立。

新しくきた制作進行の男、荒井 康助、が吼えている。

圧倒される、なつや三村茜や猿渡。

一方、雪次郎にも転機が。

次の舞台のキャスティングを発表してる。

なんと、雪次郎が主役に!

しかし、それに異議を唱える男、虻田 登志夫。

そして、なぜ雪次郎なんだ、理由を説明しろ、とその他の演者たちも。

このキャスティングが、ひとりの俳優の私情によることに、問題を感じている!と。

そんなの事実無根だ!と反論する演出家。

キャスティングを考え直してくれなければ、この舞台に協力はできない、と言い放つ虻田ら演者たち。

その最中、

「仕方ないわね。協力できないというひとに、無理に参加してもらうことはないわよ、」と亀山蘭子。

その後、亀山蘭子さんがいないところで、雪次郎、演者たちに対して、噂は真実ではないと必死に説く。

「実力だけで大きな役を得たとでも思ってるのか!」と劇団員たち。

「たとえ恋愛関係になくても、亀山蘭子からえこ贔屓を受けているのは事実だ!」

という言葉が飛び交う。

「俺にどうすれば….」と狼狽える雪次郎。

そこで

「いや、我々こそ、君の実力を知っている。我々と一緒に、新しい劇団を作らないか」と持ちかける虻田。

新しい演劇を作らないか!と。

ウッとなる雪次郎。

しかし、

「亀山蘭子という女優と共演することが、夢で、そのためにここにいます。だから、いまやめるわけにはいきません。」と言ってのける。

「亀山蘭子が君の夢か。その夢を追いかけるほうが、今の君にはラクだもんな。悪いけど、俺たちは、先に行かせてもらおう。」

立ち去る、演者たち。

場面は赤い風車。

雪次郎の話をする、土間レミコ。

雪次郎は、苦しい立場だ。

まわりからのやっかみ。

雪次郎の状況を茶化す、島貫さんと松井さんに、苛立ちをあらわにするなつ。

恋の噂には、なつもイライラさせられているのだ。

◆ 第 99 話

虻田ら役者たちに、新しい劇団を立ち上げないか、と誘われる雪次郎。

しかし、亀山蘭子と共演することが夢でここにいるから、と断る雪次郎。

後日。

その顛末を、部屋を訪れたなつ、土間レミコに話す雪次郎。

こうなったら、心を決めて、頑張るしかないしょ となつ。

そして、私も、今度、テレビでアニメつくるんだわ、と。

テレビの作り方よくわかってないけど、頑張る、と。

景気付けに、飲むか、となり、

ビールで、頑張る乾杯。

そして流れる、優しいあの子!
氷を散らす風すら味方にもできる。

む、口にするだけ泣けるほど〜、の部分が、水曜なのにあるぞ。演者のクレジットが多いからか!?

「残った劇団員で、稽古がはじまりました。演目は、チェーホフのかもめ。雪次郎くんと蘭子さんは、親子を演じます。」とウッチャンナレーション。

舞台稽古をする雪次郎。無駄な動きが多い、と注意されている。

自分をみせようとせず、ちゃんと役を演じて!、と。

「一方、テレビ漫画、百獣の王サムは、絵コンテも出来上がり、作画作業をしていました。なつは、サムが駆け抜けるところの原画カットを描いています。」とウッチャンナレーション。

原画を描いてるなつの横から、口を挟む、猿渡。

そんな丁寧に描かなくていいよ。
速く走る感を出すには、流線だけでいいんだよ、と。

パラパラと動画をみて、なるほど、と、これはこれでアリか、という反応のなつ。

引き続き、芝居の稽古を続けている雪次郎と蘭子さん。

「だめ、全くだめ。」と亀山蘭子。

「もっかいお願いします。」と食いつく雪次郎。

「もういいわ、すこし、休みましょう」

「すいません」

「あなた、覚えてる? あなたがはじめて私の芝居をみにきてくれたこと。あなたが、わたしに言ってくれたこと。」

「え」

「わたしの芝居に、アマチュア精神を感じる、と言ったのよ。それはどうして?」

「それは、高校の時の演劇部の顧問から、よく言われていたからです。アマチュア精神を忘れた芝居をしようとするな、って。役者としてうまくやろうとするな、かっこつけるな、って。普通の人間として喋れ、って。ほんとの役者こそ、まさにそういうものだと思ったからです、蘭子さんをみて」

「わたしも、言われたのよ。芝居をはじめたころ、お世話になった人に。新劇で一番大事なものは、アマチュア精神だ、って。こんなふうにその人は、いつまでもわたしに付き合って、徹底的に教えてくれたの」

「男の先輩ですか?」

静かに頷き、

「もう、死んだけどね。戦争がはげしくなって、わたしは疎開したけど、その人は移動演劇隊に入って、昭和20年、8月6日に、広島にいて。」

「…蘭子さんは、その人のこと?」

「あの人と同じ言葉を言ったあなたには、あの人のぶんも生きて、演じてほしいのよ、頑張ってほしいの、これからも。」

「わかりました。」

「それじゃ、もう一回やりましょう」

「はい」

雪次郎、気合いが入った様子。

一方、作画課。

作画、動画をチェックしているテレビ漫画班。

動くところ、動かさないところについて話してる。

じっくりみて、坂場、

「なるほど、単純な動きでも、登場人物の気持ちが伝わるものなのかもしれないな。」となにかひらめいた様子。

「それは、止まった絵の漫画でも、気持ちは伝わるよ」と三村茜。

「いや、意識の問題だ。登場人物の気持ちに合わせて、動きにメリハリをつけていく意識を持てば、省略された動きでも、活き活きとみせることはできる、ということです。ほら、日本人の感覚にある、歌舞伎の演技のように。形式は違っても、そうやって登場人物を演じる能力こそが、うちのアニメーターが培ってきた、強み、ではないでしょうか。」と坂場。

「強み..」

「君の力です。動きを抑えても、アニメーターの気持ちは抑えることはないんです!表現として、妥協することはないんです。腐らずに、やってください!」

と、なつに向かっていいまくし立て、活き活きと歩く坂場。

そして、一方、雪次郎の稽古場。

アマチュア精神で、うまくやろうとするのではなく、そこにいる人間として、迫真の演技をかます雪次郎。

なつの前進に合わせて、雪次郎も前進。

作画課。

なつ、残業して原画描いてる。

実際に動いて、百獣の王サムの動きを研究してる。

その様子を、遠目でみて、ニンマリしてる坂場。

「そうして、時を重ね、雪次郎くんの舞台が初日を迎えました。」

かもめ、の舞台公演。

客席には、なつと坂場と三村茜が並んで座り、そして、あやみさん、咲太郎、マダムが並んで座ってる。

いざ、幕が上がる。

「なつよ、雪次郎くんの成長を、見届けよ」

◆ 第 100 話

「昭和38年、秋。雪次郎くんが大役を務める舞台が本番を迎えました。」とウッチャンナレーション。

客席に集う、なつや坂場や三村茜、そしてあやみさんに咲太郎にマダム。

いざ、幕が開く。

そして流れる、優しいあの子!

舞台がおわり、楽屋を訪れる面々。

ほんとに凄かった!と興奮気味のなつ。

うまくいったようだ。

亀山蘭子もあらわれる。

雪次郎くんを、これからもよろしくお願いします!となつ。

雪次郎くんとわたしは、もう、共演者だから。と蘭子さん。

もう、ひとりの役者として、認められたぞ雪次郎!

その後、赤い風車で、打ち上げ。

咲太郎が、てんぷらをふるまう。

咲太郎のてんぷらは定評がある。

ほんとによい芝居だったな、とみな話していると、

「蘭子さんの芝居、たしかに良かった。でも、劇団としては、どうなんでしょうか。」と切り出す坂場。

「なにか新しいものを生み出していく、という意欲を、感じませんでした。」と批評。

あれは、チェーホフだから、と言われるも、

「チェーホフなら、新しくなくてもいいんですか。昔の人から教えられた、ありきたりの新劇でいいんですか。」と、歯に衣着せぬ、坂場のコメント。

それに対し、雪次郎、ムッとした様子で

「ありきたりだと?蘭子さんの芝居がありきたりだというのか?」と反論。

「ただ蘭子さんの芝居を見せるためにやっていた、と感じたんです。そのための劇団で、いいんですか?」と問いを投げかける坂場。

「あんたになにがわかるんだ!」と立ち上がる雪次郎。

一触即発。

油使ってんだから、あんまり興奮すんな、となだめる咲太郎。

なつも、間にはいり、それを言って、どうするんですか! と坂場を諭す。

「僕は、雪次郎くんがそれを変えていくきっかけになればいいと思ったんです。せっかく蘭子さんに認めてもらえたなら、なにか新しいものを生み出す、きっかけになればいい、と、僕はそう思いました。雪次郎くんには、蘭子さんや劇団を変えていくような、そういう存在の役者になってほしいと思いました。」と坂場。

雪次郎、それを聞いて、おし黙る。

「なるほどな、ただの共演者で満足するな、ということか。そのことで蘭子さんだけの劇団ではなくなるし、辞めた劇団員も、見返せられるよ」と咲太郎。

「そう思います」と坂場。

「はじめから、そういう風にいえばいいのに」と坂場へ苦言を呈する三村茜。

「あなたは、人から反感を買うようか言い方でからしか、物が言えないんですか」と加えるなつ。

「問題を考えさせず、いきなり結果からいうのは傲慢です」と坂場。

「それで傲慢、って思われてるんですからね!少しは気をつけてください!」

と、もはや身内という感覚からか、坂場へは厳しくあたるなつ。

「仲がいいのね、おふたりさん。そういう関係かしら?」とあやみさん。

「い、いえ、ただの仕事仲間です」と狼狽える坂場。

打ち上げおわり、皆帰る。

見送った後、なつと雪次郎残る。

「さっきは、イッキュウさんがごめんね。」となつ。

「イッキュウさんて、なつの恋人でないのlと雪次郎

「ちがうわ」

「ほんとに?!」

「ただの仕事仲間だって」

「とっくにそうなってると思ってたわ。イッキュウさんは、なっちゃんのこと好きだと思うけどね。」

「あの人の考えてることは、さっぱりわからんわ。ちょっとだけ、そうかな、って思うこともあったけど。結局、仕事でのことだけみたい。」

「なっちゃんは、好きなのかい?」

「一緒に生きれたらいいな、とは思うけどね。」

「それは、好きってことだべさ!」

「したって、好きでも一緒に生きられないことだってあるし、たとえ相手に好きになってもらえなくても、好きなことが同じなら、一緒に生きれてることだってあるんでないかい」

「そんなこと考えてんのかなっちゃん」

「おかしい?」

「おかしくはないけど、なんかさみしいな」

「雪次郎くんだって言ってたべさ。いまは好きだなんだと、そったらこと言ってる場合じゃないって。わたしはいまはとにかく、テレビを成功させることだけ考えなくちゃ」

「切ねえな、なっちゃんは」

「なして」

「もっと、人に甘えたらいいべさ、わがまま言ったらいいべさ、好きなら好きって、自分から言ったらいいべさ」

「わたしが一番好きなのは、仕事だから。まぁ、結局、前にゆみが言ってたみたいに、同士でいることが一番いいんだわ。」

「そしたら俺もいまは、舞台の成功だけ考えなきゃな。」

「ん?」

したらね、ありがとう、と帰る雪次郎。

ヤングアダルトの恋模様。

そして、雪次郎の舞台も千秋楽を迎える。

舞台終了後、

「今夜打ち上げが終わったら、うちへいらっしゃい。場所はわかってるわよね。2人だけで、お祝いしましょう」

と、雪次郎を誘う蘭子さん。

は、はい、と緊張しながらも答える雪次郎。

この展開は?!

その夜、赤い風車。

なつが帰宅すると、土間レミコがいる。

雪次郎くんが….

と、なにやらただならぬ状況を、話し始める。

一方、亀山蘭子の自宅。

ロゼワインをグラスに注ぐ亀山蘭子。

お土産にケーキを持ってきた雪次郎。

ロゼワインを飲み干すふたり。

「蘭子さん、俺は蘭子さんを好きです」と切り出す雪次郎。

「からかってるの?」

「違います」

「気の迷い?」

「違います。俺は、蘭子さんをずっと好きでした。」

「わたしには芝居しかないのよ。芝居しかない女よ。」

「だから好きなんです。俺もこのまま、蘭子さんと芝居をしていきたいんです。」

「こんなところに呼んじゃったから、なにか、勘違いさせちゃったのかしら。」

「これは、俺の勘違いですか?」

「そういう覚悟をして、ここにきたわけ?」

「はい。来ました。」

グラスを置く亀山蘭子。

「そう。」

じっと、雪次郎を見つめる亀山蘭子。

はたして、ど、どうなる?!

◆ 第101話

これは、俺の勘違いですか?

そういう覚悟をして、ここにきたわけ?

はい。来ました。

と、雪次郎と亀山蘭子の、ロマンチックで緊張感のあるやりとり。

そして流れる、優しいあの子!

実は舞台の稽古がはじまる前に、劇団をやめた虻田たちから、一緒に抜けて、新しい劇団をつくろうと話をもちかけられていたことを亀山蘭子に伝える雪次郎。

「だけど、すぐに断りました、迷わず断りました。俺の夢は、蘭子さんと芝居をすることだったから。新しい演劇を作るなら、蘭子さんと作りたいんです。蘭子さん、俺は蘭子さんを絶対に裏切りません。」

真摯に、熱く語る雪次郎。

亀山蘭子、神妙に聞いていたが、フフフ、と笑い出し、ワインを飲み干す。

「あなた、やっぱり勘違いしてるわ。わたしがあなたをここへ呼びつけたのは、ダメ出しをするためよ。」

「え、、はい!」

「あなたの演技は、最悪だった。最低、最悪。ひどすぎて、舞台の上で何度も笑いそうになったわ。」

あからさまにひどいことを言う亀山蘭子。

雪次郎、すいません、と立ち上がる

「いまさら撤回したってダメよ。あなたの勘違いしてる言葉を、散々聞かされた後だもの。気持ち悪いったらありゃしないわ。悪いけど、あなたとはもうなにも一緒にできないわ。悪いけど、その虻田さんたちのところへ行って。そこで、その新しい演劇とやらを作ったらどうなの。アマチュアは、アマチュアらしくね!」

茫然と言葉を受け止め、ジッと亀山蘭子を見つめる雪次郎。

「はやく出てってちょうだい。」

「蘭子さん…」

「出てって!」

出て行く雪次郎。

亀山蘭子、ひとりになり、グラスにワインを注ぐ。

なにかにこらえきれず、涙を流している。

その後、赤い風車へとひとり向かう雪次郎。

なつと土間レミコがいる。

入ってきて、お酒ください。と一言。

静かに、何杯も飲む雪次郎。

翌朝。

カウンターで寝てしまった雪次郎。

となりには、なつも寝ていた。

雪次郎の酒に付き合ってくれていた模様。

「水飲む?」

蛇口の水を差し出すなつ。

「俺、蘭子さんを傷つけてしまったんだ」

「雪次郎くんが、蘭子さんを?」

「蘭子さんに俺、はっきり好きだって告白したんだよ。」

「え!? 」驚くなつ。

水を飲み干す雪次郎。

「やめた劇団員から、一緒に劇団をつくらないかと誘われたことも話した。」

「蘭子さんに?」

「正直言って、迷ったんだわ、そん時。一緒に今まで、演劇を学んできた仲間から、お前の力を買ってる、っていわれて、一緒に新しい劇団を作りたいって言われて、ほんとは、すごく嬉しかったんだ。正直、心が動いたんだわ。やってみたかったのさみんなと。そういうとこ、蘭子さんにも見抜かれたのかもしれないわ。蘭子さんに怒られながら、俺そう思った。」

「怒られたの。」

「なまら怒られた。アマチュアはアマチュアらしく、そっちの仲間のとこいけばいいって。したけど、蘭子さんを好きなのも、ずっと一緒に芝居がしたかったのも、本当なんだわ」

嗚咽、涙を流す雪次郎。

「したらこれからも、自分に正直になればいいんでないの。正直な気持ちを蘭子さんに…」

「もう遅い。俺が気持ち悪いと、下手くそすぎて使えないと、はっきり言われた。もう一緒にはできねえと」

それは、嘘なんじゃないかな、と影で聞いていたあやみさん。

「雪次郎くんをそっちの劇団に入れるためにさ。嘘ついたのよ。」

俺も、そんな気がするな。と、こちらも影で聞いていた咲太郎

「お前の力を認めてくれたんじゃないは。お前なら、蘭子さんから独立しても、芝居をしていける、って。」

「その方がいいよ、って、精一杯の愛情を示したんじゃないかな。なっちゃんは、どう思う? 」とあやみさん。

「わたしは…わかりません。ただ、自分といたら雪次郎くんが不幸になるって蘭子さんが思ったってことでしょ。蘭子さんにとって生きることは舞台に立つことで、そのために、誰も犠牲にしたくないって。本気でそう思って、生きてるとしか思えない。」

…かなわねえよな。と雪次郎。

店を出る雪次郎。

見送るなつ。

「これからどうすんのさ」

「わかんねぇ。わかんねぇけど、もう一度、正直な気持ちを考えてみる」

「何があっても、わたしらは、お互いを応援しあう仲間だからね」

「おう。なっちゃん、俺気づいたんだけど、なっちゃんも気づいてるかもしれないんだけど、あやみさんは、咲太郎のこと好きなんじゃないかな、男として。」

「え!?なにバカなこと言ってるのさ!」

「そう思わんかったかいいままで」

「思わんでしょそったらこと!」

「そうかい? あやみさんあんなに魅力的なのに」

「変なこと言わんでよ」

ふむ、と立ち去る雪次郎。

なつ、フッと息を吐き、気合いを入れる。

「その後も、なつのテレビ漫画への挑戦は続きました。」

作画課、アニメーターとして仕事続けるなつ。

坂場や三村茜と、テレビ漫画を作ってる。

「なつよ、君は正直にだれかに気持ちを伝える日が来るのか。」

◆ 第102話

「昭和38年、10月。なつたちの作ったテレビ漫画が、日曜日よ夕方に始まりました」

あやみさん、咲太郎、なつで、テレビをみている。

原画のクレジットに

猿渡 竜男
奥原 なつ

と出てきて、一同盛り上がる。

坂場も、川村屋のテレビで放送をみている。

「なつたちのこの苦難と冒険は、やがてジャパニーズアニメーションの未来へと、繋がっていくのです。」

そして流れる、優しいあの子!

重い扉を押し上けたら、その先に未来が広がる。

北海道の柴田家

「なつ、見たさ!面白かったわ!」

と、テレビ漫画の感想を電話で伝える富士子。

ほんとに? と不安げななつ

「ほんとさぁ! 地平も好きになったみたいでじーっとみてたわぁ」

地平とは、テルオとサラさんの間の息子だ。なつの甥っ子。

なつの名前も出てたね!じいちゃん思わず、おお!って声出してたわ

じいちゃん、テレビみて、すぐ牛舎戻って作業。戸村キクスケのユウイチも、年を取ったもんだ。

剛男、俺にも変わってくれ、と電話でたがるも、したらねー、と電話を切る富士子

電話代もったいないっしょ!と。

声を聴くのが、用事だべさ!なぁ? と地平に同意を求める剛男。

一方、東京、新宿。

一緒にご飯食べてるなつとももっち。

テレビ漫画の話してる。

テレビみてて、やはりアニメーションの動きがぎこちないな、と気になってしまっていたなつ。

「そんな中でも、なっちゃんらしいなって思うところたくさんあったよ。モノクロじゃなければ、私が色を塗りたいところだけど。」とモモッチ。

「わたしより、猿渡さん、って人がすごいの。パパパって描いちゃうの」

「それじゃ、順調なんだ」

「それが、そうでもないんだよ。問題は、やっぱりあの人よ」

テレビ漫画の部署で、怒られている坂場。

あんたの言うこと聞いてたら、みんな4000枚くらいかかなあかんじゃないかい!と。

鉄腕アトムは1000枚前後で描いてんだぞ、と。

鉄腕アトムは作品としての魅力があっての話です。うちはうちらしい個性を出さないと太刀打ちできないでしょう、と反論する坂場。

「放送できへんかったら意味ないやろ!いまやったら、一月で放送できんようになるぞ!」と怒鳴る、テレビ部署の長のアライさん。

アライさん、大丈夫です、わたしがなんとなしますから、となつ。

これからかく予定の原画を見直す、と。

虎の喧嘩シーンをモコモコ煙で表現する、攻撃が当たった時に画面いっぱいに星が見える、とか。

そこを簡略化し、ちゃんと手をかけるところには手をかける、と。

イッキュウさんも、なつのその決定は尊重。

そして、そのころ、北国では。

雪月にしのびよる人影。

雪次郎が、帰省だ。

なにやら、神妙な面持ち。

雪月には、雪次郎の出た舞台のポスターが飾ってある。

トヨ婆さん、雪之助、母さん、喜んで出迎える。

おお、正月にはちょっとはやいんでないか、と嬉しそうな雪之助。

クリスマスに間に合うように、ってな。父さん、クリスマスケーキ作るべ。

なんだか神妙な雪次郎の様子に、一同、なんだなんだ、となる。

そして、自分の出た舞台のポスターをはがす雪次郎。

「父さん言ったべや。諦める時は、潔く諦めろって。」

「諦めたのか?」

「その芝居で失敗したのかい!?セリフ忘れたのかい!? 」とあわてふためくトヨばあさん。

「もう悔いはないんだ。俺は、菓子屋に戻る。」

雪之助、それをきいて

「バカでねぇか!そんな中途半端なことで、菓子屋になれっか!」

「だったら父さん、俺を鍛えてくれ。中途半端な菓子屋として、人間として、俺を鍛えなおしてくれ! たのむ、父さんのもとで、もう一度やってみたくなったんだわ」

頭を下げる雪次郎。

「本気か。」

「本気だ。」

「逃げてきたわけではねぇんだな」

「逃げてねぇ。捨ててきた。」

一方、天陽くんのアトリエ。

雪次郎、訪れる。

「おお、帰ってきたのか!」

「ずっとな。これからは。もうずっとこっちだ! よろこべ!」とおどける雪次郎。

べつにうれしかねぇわ、と天陽。

「冷てぇな! 倉田先生にも、あいさつに行かねぇとな」

「おお、そりゃ喜ぶべな。よっちゃんや、番長も呼んで、みんなで酒飲むべ。みんなお前に会いたがってるぞ。」

「そういや、お前なっちゃんのテレビみたか」

「ああ、兄貴から聞いたけど、テレビ、買えんからな」

「買えても買わんだろ。 俺も、テレビ出てたよ」

「声だけな」

「それは知ってんのか!」

「なっちゃんも、あいかわらずやってんだべかな!」

「おう、なっちゃんは、相変わらずだ。どんどん先行くぞ。わき目もふらずって感じだな。俺は結局、なっちゃんには、追いつけやせんかった」

「競争じゃないべ、生きるのは」

「そうだな」

「おかえり、雪次郎。」

「..ただいま。」

赤い風車。

亀山蘭子が店に来ている。

雪次郎が北海道に帰った、という話をきき、

「別に、心からやめろと言ったわけではないのに」と蘭子。

「彼はそれも、わかってましたよ。」とあやみさん。

「わかったから、辞められたんだと、思います」と咲太郎。

「雪次郎くん、あれからじっくり考えて、気づいたそうです。自分が開拓者になるなら、演劇じゃなくて、菓子屋だって。」

「俺は少し、残念ですけどね。」と咲太郎。

赤い風車には、雪次郎と亀山蘭子が共演した舞台のポスターがまだ飾ってある。

「だったら、あれもはがしたら?」

「うちは、思い出を捨てない店ですから。あれは、残しておきましょう。」

メリークリスマス。ケーキを食べる面々。

「嗚呼、なつよ。降りしきる雪が溶けるように、やがて時間が過ぎていくだろう。そこに残るのは、思い出か、愛か。」

★感想

雪次郎のひとつの青春物語が幕を閉じた今週。そして、なつや坂場が手がけたテレビ漫画も公開。なつたちがアラサーに近づき、青春が終わったり、新しい人生が始まったりの今週。アラサーとは、人生で一番楽しい時期のひとつかもしれない。

次週、なつよ、どうするプロポーズ!

ついにプロポーズか!

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第16週、「なつよ、恋の季節がきた!」    

ついに、2019年の春、100作目を迎えたという、公共放送の朝ドラ。

その記念すべき作品は、なんと広瀬すずが主演で、加えて、北海道の十勝が舞台!

アニメーター、奥原なつの人生を描くという。

それは特別だ、という事で、2019年4月1日からはじまったこの、「なつぞら」

追いかけていきたい!

今週は、第16週、「なつよ、恋の季節がきた」第91話から96話までのまとめだ。

◆ 第 91 話

先週の、青春の一幕がダイジェストで流される。

「なんだか、なつたちの新しい時代が始まったようだぞ」とウッチャンナレーション。

そして流れる、優しいあの子!

月曜は、

“口にするたびに泣けるほど
憧れて砕かれて
消えかけた火を胸に抱き
たどり着いたコタン”

という部分が長い。

今週の演出は、田中健二。

赤い風車、みな乾杯している。楽しそうだ。

なつも、ビールを飲んでいる。

酔って、ゆみこにからむなつ。

泊まっていけよ、と。

「そうしてやってくれよ、なつは心配してるんだ」と咲太郎。

「なつは私のことが心配なんじゃなくて、私より北海道の家族のことが大事なの。だから、私が望まないこともしようとする」とゆみこ。

そんなこと!

「なんでもいいあえる仲なのね、本当の姉妹みたい」とマコ様。

「わたしとなつは、本物以上だもん。うそのない姉妹だもんね。」とゆみこ。

「だったらなして、嘘つくのさ!」

「いまどこで誰といるから言わないべさ!」

「嘘と隠し事は違うべさ」

「どこが違うの!」

と、言い合うなつとゆみこ。

「ねぇ、駆け落ちでもしてきたの?」とブッコム煙カスミ。

「世間一般の目からみたら、そういうことになりますかね」とゆみこ。

相手も同じ大学生だとか。

「ご両親に反対でもされてるの?」

「そもそも親には何も言ってないので、反対もなにもないです、お互いに。」とゆみこ。

「だって、駆け落ちしたんでしょ?」

「それは、世間がそうみるかもしれないってことです。」

「世間は関係ないでしょ!」となつ。

「人は世間とは関係なく生きられるでしょうか 」と坂場

坂場も、酒を飲んで、いい感じに醸している。

「はぁ?! ちょっと黙っててもらえますか?!」となつ。

「失礼、続けてください。」

「世間と関係なくは生きられないから、駆け落ちしたんです。」とゆみこ。

「どういうこと?」となつ。

「このまま北海道にいたら、親にもわかって、2人はどういう関係なんだ、とか、結婚する気はあるのかないのか、とか、認めるとか認めないとか、そういうところから自由になるため」

「なるほど! わかりました。」と坂場

「わからなでください!」となつ。

「失礼、続けてください。」

「ゆみこちゃんはその人のことを愛しているのかい」と棒読みでつぶやく雪次郎。

「愛って、なにさ、雪次郎?」とゆみこ。

「え、、愛って、なんだべ、、」

「教えてあげる。愛って、志よ」

「こころざし?」

「男の存在には愛を持てないけど、志だったら、愛を持てる」

「じゃあその志が消えたら愛も消えちゃうの?」とマコ様。

「そう、そこにその人がいるから愛してるなんてありえない」とゆみこ。

「なんだか、すごく合理的な愛に聞こえるよな!」と堀内くん。

「愛の不合理さを認めるから、女は不幸になるんです!それはもう古い!」と一喝するゆみこ。

「わたしにはもうわかんない!新しくなったりとか、古くなったりとかしないから、愛なんじやないの!?」となつ。

酔って倒れかける、なつ

近くにいた、坂場、なつを抱えて、

「き、き、君の、愛ってなんですか」

とブッコムが、

「ごちゃごちゃ言うな! 」となつ。

泥酔

「若いって素晴らしいわね、あやみちゃん!」と煙カスミ。

「愛を語れるだけ、すばらしいわ!」とあやみさん。

レコードに針を落とすマコ様。

煙カスミ、合わせて歌を歌う。

“愛の言葉は
眠らせないでね
夢と同じように
消えやすいから
恋しくて通う道
はてなき
里の道よ”

夜。

なつの部屋。

ゆみことなつ。

飲みすぎたなつ、水飲んで、だいぶ酔いさめた。

「ねぇ、ゆみ、わたしにもわかるように話してよ。どうして東京にきたのか、その人はどういう人なのか。」

「その人は、物書きをこころざしている。」

「物書きって、小説とか?」

「小説に限らずよ。ジャズが好きだから、ジャズの評論とかも、大学の同人誌で書いてる。」

「その人も、ゆみのこと本当に好きなの?」

「男に騙されてるとか、そんな心配いらないからね。なつもその人に会えばわかる。」

「だったら、会わしてよ、そのひとに!」

「そのうちね、もう寝よ。」

ひとつのふとんに一緒にねる、なつとゆみこ。

消灯。

「なつ、迷惑かけて悪いね」

「迷惑なんて、思うはずないしょ」

「おやすみ。」

「おやすみ。」

いい、姉妹だ。

翌朝。

「今日は、どうすんのさ」

「とりあえず仕事探さないと」とゆみこ。

「こっちで探すの?!」とおどろくなつ。

「大学には戻らないのか?」と咲太郎

「それはまだ決めてないけど」

「それはさすがに親にも言わないと」とあやみさん。

「そりゃ、自分で決めたら言いますよ。」と言い放ち、お邪魔しました!、と帰ろうとするゆみこ。

すかさず、

「ねぇ、とりあえず、うちで働かない?」とあやみさん。

「好きな時間に、自由に来てもらっていいから」と。

「本当ですか?したら、仕事がみつかるまででも、よろしくお願いします!」

とりあえず、また来ます、と言い残し、

ゆみこ、出かける。

「あやみさん、本当にいいの?」となつ。

「顔みれれば、ちょっとは安心できるでしょ!」

あやみさんの気遣いだ。

そして

「ヘンゼルとグレーテルは、作画作業が始まっていました」とウッチャンナレーション。

「あの、なっちゃん、原画見てもらえますか」と神地。

よく描けてる。

裏からみても、デッサンに狂いがない。

流石の神地。

「これでいいと思う、じゃ、これ、自分で動画も描いてみる?」とマコ様。

「はい!、あ、あかねちゃん、描いたらみてくれる?」と神地。

馴れ馴れしい男。

いきなりちゃんづけ。

しかし、大物。

一方、会議室。

「いくら勉強のための短編だからってね、いつか劇場公開されることを前提に作ってもらわないと困るよ、」と坂場に対して井戸原さん。

わかってます、と坂場。

「じゃあこの中に、社会風刺の意図は入ってないんだね?」

「もちろん、そのために作ってるわけではありません。」

「魔女の上に、わざわざ悪魔を出して、これは、アメリカと日本の関係を表してないだろうね?」と井戸原さん。

「見る側がどう受け止めるかは自由じゃないでしょうか」と言い返す坂場。

「もちろん、自由なんだけど、純粋に子どもが楽しめるものにほしいだけなんどよ」と仲さん。

「それは、もう古いんじゃないでしょうか。」とブッコム坂場。

「古い?」

「マンガ映画は、子供がみることだと決めつける考え方ですです。」

うおお。仲さんと坂場の対立。

作画課。

マコ様となつ、残業。

「ねぇ、奥原さん。あの子、どうした?」とマコ様がなつに話しかける。

「あのこ?、あ、ゆみことですか。とりあえず、風車で働くことになりました。」

「あの子の考え方、わたしは間違ってないと思うわよ。女にとっては、結婚も志でしょ。するかしないかを含めて、女はなにを一番に選ぶかによって、生き方が決まってしまうんだから。」

意味深だ。

「仕事が結婚、どちらかを選ばなくちゃいけないんですか?」

「どんな生き方をしても、人からせめられることはない、ってことよ。」

ふむ。

マコ様の、横顔が、なにをか語らんや。

赤い風車に帰宅するなつ。

すると、む、そこに、ヒゲの青年が!
一瞬、じいさんと、見間違うなつ。

「なつ、会わせてやったよ。」とゆみこ。

ええ!

「なつ、じいさんがここにくるわけがないだろう。けど、ゆみこちゃん、そういう人が好きだったのね。」とウッチャンナレーション。

◆ 第 92 話

どうも、高山 昭治です、と、なつにあいさつするヒゲの男。

なんだか、泰樹じいさんに似た装いだが、なんと、ゆみこが見せた写真から、ヒゲも含めたじいさんファッションを取り入れてるのだとか。

「じいちゃんのこと、気に入ってくれたんですか!」となつ。

「開拓者の一世にしかない雰囲気がある」と高山。

ジャズを聴いて、ナッツをつまみ、ウイスキーを飲むのが似合いそうです、と。

「普段は、饅頭食べてお茶飲んでますけどね」となつ。

そこへ、咲太郎、雪次郎、土間レミコが店の中入ってくる。

ん、お客さんか、と咲太郎

「いや、この人は、ゆみこの…」

「あ、駆け落ちの!」と食いつく雪次郎。

そして流れる、優しいあの子!

「高山さん、よく来てくれましたね。いま、どこに住んでるの?」と咲太郎。

「言えませんよ、駆け落ち中ですから」と高山。

うぐぬ!

ゆみこ曰く、この高山さんはゆみこの同志。

ジャズの評論をし、物書きを志してる。

「ジャズなら、グレンミラーとか、ベニーグッドマンとかあるよ、かけようか?」とあやみさん。

「いえ、好きなのは、モダンジャズなので。コレトレーンか、ガーランドがあれば、かけてください。」と高山。

モダン?!

「新宿はいまや、モダンジャズの街になりつつある。それを知らなきゃ、古いですよ」と言ってのける高山。

古いとは聞き捨てならんぞ、と怒るなつ。

「人それぞれ、大事にしてるものはあるじゃないですか。それを古いというのはおかしいですよ。」と。

「あなた、それでも、映画を作ってる人?」と挑発的なタカヤマ。

はあ?

「映画も、音楽も、時代によって変わっていくのは当然のことだべさ。古いものに固執することを、古いと言って、なにが悪いんだ。したけど、悪いとは言ってない。君の言う通り、人それぞれだからね。」とまくしたてる。

なんとも言えない語り口の男だ。

やっぱり、いつものジャズ喫茶で待ってるよ、とゆみこに言い残し、立ち去る高山。

「なんか怒らせたかな」となつ。

「なっちゃんが怒るのも当然だ。あの人の言うこともわかるが、言い方ってもんがあるべ!」と雪次郎。

高山は、お金持ちの後継ぎで、親の決めた許嫁までいるとか。

「それで、卒業前にふたりでにげてきたわけだ」とあやみさん。

「逃げたというより、しがらみの外に踏み出した、と言ってください!」とゆみこ。

心配そうに見つめるなつ。

翌朝。

作画課。

みな、朝早い。

下山さん、開口一番、今日から僕も原画を手伝わせてもらうよ! 時間もないしさ。と。

しかし、なんかギクシャクしてる。

「なんかあったんですか?」

「いやあ、子どもが楽しめる、面白さ満載の、ヘンゼルとグレーテルにしようと、思ってね、いいよね?」と、なんだかギクシャクと言う下山さん。

「なにがあったんですか?」とマコ様。

「イッキュウさんが、ちょっとね。」

作画課会議のシーンを回想。

社会風刺を漫画映画に盛り込むことを避ける考え方は、古い、と仲さんに言ってのける坂場イッキュウ。

漫画映画は、子どもむけだけのものではない、と。

「僕はそうは思わない。漫画映画は、あくまで子どものために作るものだと思うよ」と仲さん。

「それじゃあ、その子どもが、大人になったらどうしますか。同じ漫画映画をみて、懐かしいと思う他に、あらためて、おもしろいと感じることはあるでしょうか。」と食いつく坂場。

「あると思うな。子どもの頃に面白いと感じたなら、その感性は大人になっても必ず残ってるはずだよ。そうやって、夢や希望を残してやることが、漫画映画の使命なんじゃないかな。」と折れない仲さん。

立ち上がり、部屋を出て行こうとする仲さん。

「おもちゃとしての夢ならいいでしょう。」と追いうちをかける坂場。

おもちゃ、だと。

「子どものころには分からなかったことが、大人になってはじめてわかることもある。そういう漫画映画が生まれなければ、子どものおもちゃとして、いずれは廃れていくだけではないでしょうか。」と説く坂場。

目を閉じ、考え込む仲さん。

「僕は漫画映画は、他の映画と比べても遜色ないくらい、いや、それ以上に作品としての質を高めていかなければ、未来に残らないと思うんです。」と、

それを聞いて、仲さん、メガネを外し、

「わかったよ、坂場くん。だけどね、そこにどんな意味があろうと、純粋に子どもが楽しめる漫画映画にしてくれるんだろうね。それができなければ、いくら高い理想を掲げたって、つまらない漫画映画と言われるだけだよ。」と、強い口調で。

「それは…」と答えに窮する坂場。

「それができなければ、君は失格だ」と井戸原さん。

仲さんも、井戸原さんも、怒っている。

作画課。

事情を理解したアニメーターたち。

坂場、やってくれたな、という雰囲気に。

そこへ、神地が出勤。

若干の遅刻。

しかし、徹夜で原画をたくさん描いてきた、と。

神のようなタイミング!

昼、中庭。

「どうして仲さんにあんなこと言ったんですか!」と坂場を問い詰めるなつ。

「流れで言ってしまって」

「じゃあ、本気で言ったわけではないということですね?」

「いえ、嘘を言ったつもりはないです。」

「仲さんの作る漫画映画が古いなんて、どうしてそんなこと言えるんですか」

「作るものではなくて、考え方が、古いと言っただけです」

「同じじゃないですか!」

「まぁそうですね。」

「はあ?!」

「あなたが怒るのはどうしてですか。仲さんを尊敬しているからですか。」

「その通りです。」

「仲さんの描くものは素晴らしいです。面白いし、かわいい。子どもの心を捉えるし、大人が見てもかわいい。」

「あなたにもかわいいと感じる心はあるんですね。」

「かわいいものは、大好きです!」

坂場、いい味出してる。とてもいい。

「しかし、子どもはかわいいと感じるだけじゃない。面白いと感じるだけじゃない。もっと、いろんな感情を世界から受け取って生きているんです。」

「それは、もちろんです。」

「僕も子どもの頃、空襲に遭いました。焼け跡をひとりで、家族を探して歩き回りました。あの孤独と、飢え死にしそうな絶望感を、忘れることはありません。大人の冷たさを、子どもの卑しさを、嫌という程見せつけられました。でも反対に、見知らぬ人の愛も、知ったんじゃないですか。そういう子どものころの体験が、いまのぼくや、あなたを作っているんです。違いますか。」

坂場の身を切るカミングアウトが胸を打つ。

なつ、考え込む。

「だから、なんだっていうんですか。」

「だから、仲さんたちと違うものをつくるのは、僕らの使命です。」

ジッと坂場を見つめるなつ。

喫茶店。

この作品だけは、最後までやらしてください、と仲さんに頼み込むマコ様。

「みんなで決めたとおりに、やらせてください。」

「君も、坂場くんに影響を受けてるみたいだね。」と仲さん。

「私も、最初は疑っていました。坂場さんと奥原さんの熱意は、本物です。あの2人は、ずっと先に向かってアニメーションのこと考えてるんです。」

「君が、そこまで思うなんて」

「イッキュウさんはともかくとして、奥原さん、なつちゃんのことを最初に認めたのは仲さんじゃないですか。」

ううむ、と考え込む仲さん。

中庭、なつと坂場。

「ぼくは、奥原さんには仲さんとは違うアニメーターになってもらいたい。」と坂場。

「どんなアニメーターですか」となつ。

「世界の、表も裏も描けるような、現実を超えた現実をみせる、それをまるごと、子どもたちに体験させるようなアニメーターです。ぼくも、そういう演出家になりたいと思っています。….一緒に、作ってほしいです。」

「一緒に?」

「一生をかけても、あなたと作りたいんです。」

こ!これは!

「なつよ、古い人間の私は、腰が抜けたぞ。」とウッチャンナレーション。

◆ 第 93 話

赤い風車、日曜日、ぼーっとしてるなつ。

一生をかけても、あなたと作りたいんです。

という坂場の言葉を思い出している。

そこへ、ゆみこが。

「あれ、赤い風車は日曜日休みかい。じゃあ帰る」

というところ、ひきとめるなつ。

「せっかくだから、日曜日一緒に過ごそうよ!」

そして流れる、優しいあの子!

雪次郎の部屋へ行くなつとゆみこ。

どんな暮らしをしてるかみにきた。

「あの雪次郎がここまで親不孝するとはね!」とゆみこ

「それは言わんでよ!親不孝ならゆみこちゃんのほうでしょ!」と雪次郎。

「また訛ってるよ」となつ。

雪次郎、台詞回しで訛りをださないよう特訓中なのだ。

「雪次郎はだれかいないの、好きな人」

「そんな余裕はねぇからな」

「劇団に好きな人とかいないの?」

「え」

固まる雪次郎

「あ、いるんだ?」

「いや、勝手に憧れてるだけだ」

「なんだ、蘭子さんか」となつ

「え、いや、俺が相手にされるわけないべや。役者として、憧れてるだけだ。」

「なつは、いないの?」とゆみこ。

ウッ、となるなつ。

「あ、この間一緒に踊った会社の人! イッキュウだ!」

と勘が鋭いゆみこ。

違う! とムキになるなつ。

「わたしには絵で繋がってるひとがいるからいいの」と。

しかし、それをきいて

「それはだめだや。天陽は、もう、他人の旦那だ。」と雪次郎

それをきいて、

「なしてそんなこと言うかな」

と遠い目をするなつ。

傷口に塩を塗った雪次郎。

気を取り直して、これからどうする?、と3人。

「映画! 休みの日は、映画しか、ないべや!」

とテンション高い雪次郎。

いいね!

そして、3人で映画館へ。

映画を見ながら、字幕のセリフをぶつぶつつぶやいてる雪次郎。

迷惑なやつだ!

映画終わり。

「雪次郎、あんたなにぶつぶつ言ってたの気持ち悪い」とゆみこ

「吹き替えの練習だ!」

「迷惑だってば」

と怒るゆみこ。

川村屋へ行く3人。

ノガミさんに、ゆみこを紹介するなつ。

ノガミさん、ごぶさたしてます、と雪次郎

「よくこの敷地が跨げましたね」

え!

「冗談です」

ノガミさん、いつも嫌味にキレがある。

サチコさんにも久々に再会。

なんと、サチコさん、近々結婚するという。

咲太郎のことは待てなかった、と。

マダムの知り合いと、お見合いをしたとか。

「咲ちゃんが悪いのよ、わたしを放っておくから。」

サチコさんの結婚を喜ぶなつ。

しかし、結婚イコール女の幸せ、ということに異議を唱えるゆみこ。

「ゆみは、結婚したくないの?」

「結婚なんかしなくても、お互い一緒に生きる道があるはず、そのほうがへんな甘えが生じなくていい」とゆみこ。

「結婚できないだけじゃないのかい。向こうには、親が決めた許嫁がいて」と雪次郎。

「そんな生き方を捨てた、あの人だからいいの!」とゆみこ。

「したら、結婚ってなんなのさ」と、悩んでしまうなつ。

そこへ、マダム登場。

お久しぶりです、とあいさつし、ゆみこを紹介するなつ。

「北海道大学に受かったっていう子ね!ご家族の期待の星ね」とマダム

なんとも言えない表情のゆみこ。

「咲ちゃん、新しい会社を始めたんだってね。」

「外国映画の吹き替えをする声の会社です。」

「咲ちゃんも自分のために動きだしたわね。なっちゃんの開拓精神が、咲ちゃんの心を強くしたのよ」とマダム。

ゆみこちゃんも、北海道帰るまでゆっくりしてってね、とマダムが言うと、

「はい、…事によると、ずっと新宿にいることになるかもしれません」と言い出したもんで、

「なに言ってんのさ!」と驚くなつ。

「わたしにも、開拓精神があるんです!マダムに相談があるんですが!」と切り出すゆみこ。

そして、夜。

赤い風車。
なつとあやみさんと咲太郎。

どうやらゆみこは、新宿にジャズ喫茶を開きたいのだという。

相談を受けたマダムは、本気ならいつでも力になる、と答えたとか。

「誰にでも、力になる、とかいうんだよあいつは!」と咲太郎。

そんな言い方するもんでないよ!と、なつにたしなめられる咲太郎。

ゆみこを案じて、悩むなつ。

「ひとりで悩むことではないよ」とあやみさん。

夜、北海道の家に電話をかけるなつ。

富士子が電話出る。

「なつ、なんかあったの?」

「母さん、ゆみが、ゆみこが」

事情を話すなつ。

驚く富士子。

「ゆみこから聞かれても、知らなかったことにしといて。どうしよう、母さん」

「とにかく、なつがいてくれてよかったわ。こっちのことはいいから、そばにいてやってちょうだいね」

またこっちから電話かける

お願いね、したらね

電話切る。

すると後ろに剛男と泰樹。

「なんかあったのか?」

「いや、なんもない」

「ほんとか!こんな遅い時間に電話かけてきて」と剛男。

受話器をとるじいさん。

「もう、電話切れとるわ」と富士子。

「わ、わかっとるわ」とじいさん。

「なつよ、大丈夫だ。みんなと、繋がってるから 」とウッチャンナレーション。

◆ 第 94 話

木の怪物の作画を描いているなつ。

「ヘンゼルとグレーテルの作画作業は、大詰めを迎えていました。」とウッチャンナレーション。

なにやら悩んでいる坂場イッキュウ。

「この鳥は、なにをしたいんでしょうか」と疑問を投げかける。

「ヘンゼルとグレーテルを助けたいんでしょ」とマコ様

ほかにないでしょ、と。

「いや、鳥たちは、魔女がいることに不満があって、ヘンゼルとグレーテルを助けたはずで、それにしては鳥たちの不満がみえない」と坂場。

そうだ!鳥たちが、デモをしてるように書き直して見てください!

と坂場演出。

後出しで書き直しばっかりじゃない!と文句を言いつつも、しぶしぶ受け入れるマコ様。

そして流れる、優しいあの子!

坂場イッキュウの書き直し要求に腹をたてるマコ様。

俺の原画は褒められましたけどね、と飄々としてる神地。

火に油を注いだ模様。激怒するマコ様。なだめるなつ。

冷静に!

後日。

「なつは、最後にヘンゼルとグレーテルを救う木の怪物の動きに四苦八苦していました。」とウッチャン。

木の怪物の動画をチェックしてる坂場イッキュウ。

「なぜ、木はこんな風に歩くのか。この木は樹齢何年なのか。もっと突き詰めて描いてほしい」と坂場。

「そんなこと言われても!」と怒るなつ。

今度はマコ様がなつをなだめる。

木の怪物の歩く感じを、自分で実際に廊下で動きイメージするなつ。

そして、なつ、美術課の陽平さんのとこ訪れ、背景の森をみせてもらう。

「なんか悩んでるの?」と陽平さん。

木の怪物の歩き方で、坂場イッキュウに詰められてる、という状況を話す。

「人の苦労がわかんないんですよ彼は」となつ。

「いや、人に詰める分、彼はそうとう勉強してると思うよ」と陽平さん。

「絵をですか?」

「絵だけじゃないと思うけど。あ、天陽の絵も知ってたんだよ、彼は!」

なつも感心した模様。

坂場イッキュウのリサーチ力、侮れぬ。

一方、赤い風車。

あやみさんとゆみこ。

レコードで、グレンミラーを聴いている。

「やっぱいいですねグレンミラーは」とゆみこ。

「そんなこと言うと、モダーンな彼に怒られるんじゃなーい」とあやみさん。

「いいんですよ、私は人の好みには合わせないので」とゆみこ。

あのゆみこの彼氏の髭男は、日中は原稿を描いて、スイングジャーナル、という雑誌に持ち込んでいるとか。

なかなか採用されないようだが。

落ち込んでおり、喧嘩が多い最近。

「お金持ちの坊ちゃんだから、まだ仕方ない。」と冷静なゆみこ。

電話がかかってくる。

あやみさんが受話器を取る。

北海道 おといべつからだ。

あ! と機転を利かし、電話を切るあやみさん。

電話をかけたのは富士子だった。

夜。

なつから、富士子へ連絡かける。

「お母さん、昼間こっちに連絡したでしょ」

「したよ。あやみさんにあいさつしようと思って。ゆみこがいたから、切られたんだね」

「待って、いまあやみさんに変わるから」

あたふたするあやみさん。

「はい、あやみでございます。」

ついに、富士子とあやみさんの受話器ごしの会話が実現!

カットバックでの山口智子と松嶋菜々子。これは眼福。

「なつもゆみこもお世話になってしまって」と富士子。

「それでいま、ゆみこはどんな状況でしょうか。迎えにいこうかと思うんですが」

「だいぶ、落ち着いてきてます。お母さん、いまがチャンスかもしれません!」

「あ、そうですか!すぐにいきます。したらね」

受話器を置くと、

後ろに、剛男と泰樹。

「ゆみこが、どうしたんだ!?」

聞かれてた!

一方、赤い風車では

「なにがチャンスなの?」となつ。

「ゆみこちゃんが立ち止まるか、先に進むか、それを考える、チャンスよlとあやみさん。

一方、北海道。

事情を聞いて、なしてそんなこと黙ってたんだよ!と 大きい声を出す剛男。

「ゆみこの気持ちが落ち着くのを待ってたのよ、それに話を聞いたら、男のほうをあんた抹殺しにいこうとするでしょうや」と富士子。

「抹殺…..たしかに」と泰樹じいさん

「だから言ったしょ!」と富士子

「しかし、そいつは、どんな男なんだ!」と剛男。

「タカヤマ ショウジ。札幌にある、老舗デパートの長男。」と富士子。

「調べたのか!」

「そりゃ。2人とも、休学届けだしてるみたい」

「2人は結婚するのか?」

「それは、調べようがないわ。なつの話では、しなさそう。 」

「駆け落ちを後悔してるんだ!許せんな、そいつは!」と憤る剛男。

「どっちが言い出したかわかんないでしょ」

「男が悪いに決まってる!!」と怒る剛男。

「とにかく親が連れ戻さなきゃだめだ!」と昂ぶる剛男。

「せっかく冷静になってきてるのに。それで一番傷つくのはゆみこだよ」と富士子。

やはり、親が行くのではなく、慣れてない人がいいのでは、

じいさんに言われたら、ゆみこも、聞くのでは、

「甘えさせてやってや、ゆみこを!」とじいさんに頼む富士子。

それから数日後。

赤い風車に、ただならぬ様子で入ってくるゆみことタカヤマ。

「なつ、あんた家族にしゃべったでしょ。」とゆみこ。

「裏切ったしょ!!」

これは、修羅場。

なつよ、どうする。

◆ 第 95 話

血相を変えて、ゆみことタカヤマが入ってくる

なつ、あんた家族にしゃべったでしょ。
裏切ったしょ!!

修羅場!

そして流れる、優しいあの子!

タカヤマの家にもバレたそうだ。
富士子がリサーチしたことでばれたらしい。

もう東京にはいられない、とゆみこ。

昨日まで働いた給金をもらいにきました、と。どこにいくかもいえない。

「好きなら、なして逃げるの!? タカヤマさんもゆみも、好きなら、なして親にいえないの!? 親に決めた相手じゃなくて、ゆみと結婚したいってなしていえないんですか!?」とたたみかけるなつ。

「だから、そういうことがいやだって言ってるじゃない。」とゆみこ。

「そういうことから逃げて、幸せになれるとは思えないよ、ゆみ。」となつ。

「結婚を認めてもらうことが幸せなの? 幸せは、人から与えてもらわないといけないものなの!? 」と言い返すゆみこ。

厳しい視線で見つめ合うゆみことなつ。

そこで、

「もうやめるべ、俺といたっていいことひとつもなかったべ」とタカヤマ。

「そんなことないよ!いいことは、これから一緒に作ってくんでしょ!」

わかった!とりあえず、みんなでご飯食べましょう!朝ごはんまだでしょう!とナイスフォローなあやみさん。

みんなで朝ごはん。

空気は重く張り詰めている。

咲太郎がかき混ぜる納豆の音がむやみに響く。

「俺は、本気でなかったんだ。」とタカヤマが漏らす。

咲太郎、納豆をかき混ぜながら、厳しい調子で、「おい、ちゃんと考えてからものを言え。勢いでものを言うと、取り返しのつかないことになるぞ。」とタカヤマを睨みつける。

「勢いじゃないです。本気で駆け落ちがうまくいくだなんて思ってなかったです。」とタカヤマ。

「どういうこと?」とゆみこ。

「このままうまくいくなんて、思えるわけがないだろ。」

「タカヤマさん、あなたが、うまくいかなかったからじゃないの?」とあやみさん。

「ジャズの雑誌に原稿持ち込んでも、うまくいかなかったんでしょ。自分の実力を知って、こんなはずじゃなかった、って。」

「ジャズなんて、ただの遊びですよ!……俺が家を継がないなんて、できっこないんだ。」とタカヤマ。

なして、そんな

「ゆみだってそう思ってるからここにきたんだべ、うちの親に、ばれればいいと思ったんじゃないのか。」

「は?」

「お前だって、本当は、俺がマルタカデパートの跡取りだから好きになったんだべ」

タカヤマに火がついた。

「それ、本気で言ってるの?」

ゆみこもブチギレ寸前。

ただならぬ雰囲気に。

いいあいをしてると、赤い風車ののれんをくぐる、ひとりの男。

あやみさんが、お茶を汲みにいくと、そこには、泰樹じいさん!

いい合いを続ける、タカヤマとゆみこ。

それを聞いて、なぜか、なつが涙を流す。

「ゆみは、子供の頃からひとに甘えたりしなかった。わたしがいたから。9歳の時に、突然見ず知らずの私がやってきて、ゆみが、一番親に甘えたかった時に、わたしがいたから。ゆみは、誰にも甘えられずに、それでも私のこと受け入れてくれて。だから、家族とか結婚とか、そういうことに醒めてるとこがあるとすれば、それは、わたしのせいで」と、涙ながらに語るなつ。

その様子にゆみこも、驚く。

「でもね、ゆみは、ただ一度も、一度も嘘をつかなかった。誰に対しても嘘をつかず、嘘のないゆみのままでいてくれた。それにわたしが、どんだけ救われたか。いままで生きてきて、ゆみのように素直なひとにわたしは会ったことない。ゆみが計算高くて偉そうだなんて、あんたはゆみのこと知らなさすぎる!あんたにゆみをやらない、絶対に渡さない、あんたとゆみの結婚をわたしはみとめない!」

と涙ながらにタカヤマに激しく言葉をぶつけるなつ。

「なつ、落ち着いて、そもそも結婚する気はないんだから」とゆみこ。

「俺だって、結婚する気はないよ」

そのタカヤマの言葉に、ゆみこの心が折れる音。涙をこらえるゆみこ。

「あんたは、自由にはなれないんだね」

となんとか、平静に、言葉を出すも、

「自由になったって、飯もつくれん女と結婚してもしかたないべ!」

と言い捨て、出て行こうとするタカヤマ。

ねぇ、ちょっと!! とタカヤマに怒鳴りつけるなつ、しかし、咲太郎がそれを止め、

「もういい。もう、話はついたから。」

タカヤマが出口のほうへ向かうと、

そこには、泰樹じいさん。

タカヤマ、ウッ、となる。

「お前か。」

すごいオーラでタカヤマを睨みつけるじいさん。

そそくさ、出て行こうとするタカヤマ。

しかし、

じいさん、 「抹殺」とつぶやくと

タカヤマに右ストレート、鉄拳でぶん殴る!

吹き飛ぶタカヤマ。

荷物を持ち、急いで出て行く。

一部始終をみていた、面々

じいちゃん、、

泰樹さん、、

「はじめまして」とあやみさん

「お世話になりました。….ゆみこ、迎えにきた。一緒に帰るべ。」

ゆみこ、こらえきれず、涙。
ゆっくり、じいさんに近づき、抱きつく。

人に甘えられず、突っ張ってきたゆみこ。

甘えることも、強さだ。

全て受け止める、じいさんの大きさ、暖かさ。

なつぞら何度目かの、涙腺決壊シーン。

そして、駅へ向かう、なつとゆみこと泰樹じいさん。

「じいちゃん、もう帰っちゃうの?」となつ。

「用事は済んだ。それに、牛のいないとこは落ち着かん。」

「わたしが札幌案内してあげようか? 」とゆみこ。

「それより、はやくウチさ帰ってやれ。お前の親父はこのまま放っておくと、何するかわからんぞ。」

「だけど、じいちゃんよく東京くる気なったね!」となつ。

「そんなの決まってるしょ。わたしに手を焼いてる母さんに言われたからだべ。」とゆみこ。

ん、いや、東京の、パフェ、というのを食べたくなってな、雪月の、大将に聞いてな、と恥ずかしそうに言うじいさん。

「パフェ! パフェ行こう! パフェ食べて帰ろう、じいちゃん」とテンション上がるゆみこ。

「なつは?」

「うん、わたしは仕事だから。ゆみこと行ってきて。」

「そうか。なつ、身体に気をつけて、仕事頑張れ。」

「うん。おじいちゃんも。みんなによろしく。」

「したらじいちゃん、行くべ。」とゆみこ。

「いってらっしゃい。」

笑顔で見送るなつ。

笑顔で手を振る、ゆみことじいさん。

そのじいさんの歩く後ろ姿に、なつ、なにかを閃く。

作画課。

木の怪物の歩く動画を描くなつ。

それをチェックする坂場。

「なるほど、後ろ姿ですか、それは思いつかなかった。たしかに後ろすがたをみせることで、この木の歴史が見えるようになる。樹齢を後ろ姿で表してますね、素晴らしい!これでいきましょう」と坂場。

やっと、木の怪物のところのオーケーが出て、ひと息ついたなつ。

マコ様と話し、

「イッキュウさんは、ただの偉そうな人ではないですよね」となつ。

「わたしは、偉そうな人だとは思ったことないわよ。あなた、そう思ってたの?」

「え、いや、違いますよ!」

「要するに、あの人は、漫画映画が好きなだけなのよ。」

「はい。そうなんです。それに、可能性を、見てるんですよね。」

熱く語り合ってる、坂場と神地。

「あの2人って、なんだかすがすがしいですよね!」と三村茜。

さ、私たちも仕事よ

と作画、動画にとりかかる。

「なつよ、その先の、先へ、進め。そして、いつか、誰かを愛せよ(Everybody love somebody sometime) 」とウッチャンナレーション。

坂場、遠くからなつを見つめている。

◆ 第 96 話

「なつたちの短編映画がようやく完成へ向かい、声を吹き込むアフレコの時を迎えました。」とウッチャンナレーション。

アフレコの録音現場。

いざ、はじまる。

そして流れる、優しいあの子!
重い扉を押し開けたら暗い道が続く
メゲズに歩いたその先に、知らなかった世界

アフレコをあてている、亀山蘭子。亀山蘭子は、魔女の声の役だ。

緊張の面持ちでその様子を見守るアニメーターたち。

マコ様も、見入っている。
神地も、ニヤッとしながら見ている。
下山さんも、いいぞ、というふうにみている。

クライマックス、木の怪物が現れる。
なつが手をかけたシーンだ。

感慨深げにみつめるなつ。

アフレコおわり

オッケーです、と坂場。

うまくいった!

魔女のキャラクターを絶賛する亀山蘭子。

魔女には、そのキャラクターを造形した大沢 麻子、マコ様の魂が入っていた、と。

その後、階段。

なつと坂場。

あなたは、大丈夫でしたか。これで、満足していますか、となつに問う坂場。

少し考え、

「してません。もっとイッキュウさんと、作りたいです」

となつ。

「それなら、私と同じです。」

と坂場

「短編映画を作り終えてなつたちは、しばしの休息を味わいました。」とウッチャンナレーション。

みんなでバレーボールしてる。

全然できない坂場!

「できるまでやるのよ!」とマコ様

バレーボールの後は、草むらでピクニック。

おにぎりとパンを交換しあったりするなつと坂場。

若者たちの交流。

短編映画を通して、距離を縮めた面々。

楽しそうに戯れる。

じっと、なにかを見つめているマコ様。

「マコさん、なにか、見つけましたか?」となつ。

「見つけた。….わたし、結婚するのよ。やっと、白馬に乗った王子様を見つけました。」

唖然とする皆々。

「学生の時に付き合ってた人がいて、彼は、一人前の建築家を目指していて、今度、イタリアに行くことになって。それで、プロポーズされて、別れるべきかなやんだんだけど、この作品やって、やっとふんぎりつきました。」

マコ様からの衝撃の告白。

「それは、アニメーターをやめるってことですか? 」と驚きをかくせないなつ。

「そうよ」

「それはないですよマコさん!」と動揺するなつ。

「わたしは、この作品を絶対に成功させたかったの、成功させて、わたしにはこれしかないって、存分に思えたら、彼と別れることも決心がつくかと思ってた。でも、実際は反対だった。仕事に満足したから、結婚してもいいと思えたの。この先、わたしがもっとなにかをつくるためには、ここで立ち止まることも大事かなと思えたの。なっちゃんゆイッキュウさんと比べると、わたしにはなにかたりないような気がして。それが悔しくてね。」

「そんなことないです、マコさんのようには、わたしはまだ描けません」

「楽しめないのよ、あなたのようにはまだ。それがどうしてなのか、才能なのか、迷いなのか、ここで一旦立ち止まって考えてみたくなったの」

「あなたはいいアニメーターです。少なくとも日本には、あなたのようなアニメーターは、まだあまりいない」と坂場。

「ありがとう。そうやって冷静に言われるとかえってうれしい」

マコさん、また必ず、戻ってきてください。

「また戻ってきたくなるような、羨ましくなるような漫画映画を、これから作ってよね、なっちゃん!」

「わかりました!」

「俺も、がんばります!」と神地。

「でもみんな勘違いしないでよね。わたしはもっと幸せになれるんだから。安月給のアニメーター暮らしとはおさらばできるんだからね!」とマコ様。

「羨ましい!」と叫ぶモモッチ。

その様子を、スケッチブックに描く下山さん。

この幸せな様子を、忘れないように、描いて残してるんだ、と。

木漏れ日の降り注ぐ、平和な森で、なつはあらたな誓いを立てました。自分は一生、アニメーターを続けていたいと。

若者たち、その幸福な瞬間の刹那よ。

「ああ、なつよ、これからも、好きな仲間と、思いのままに生きよ。来週に続けよ。」とウッチャンナレーション。

★感想

短編映画を作っていく中での若者たちの青春模様。そして、駆け落ちして東京へやってきたゆみこの味わう苦味。 今回も見どころ満点のなつぞら。

恋の季節、それは青い季節。必然的に、若気の至りで、いろいろあるわけだ。
人生変わりゆく季節のダイナミズム。

次週、なつよ、テレビ漫画の幕開けだ!

 

次週、なつよ、テレビ漫画の幕開けだ!

文字で読む、なつぞら。

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録あらすじ —第1週 「なつよ、ここが十勝だ!」

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ セリフ書き起こし 第2週 「なつよ、夢の扉を開け!」

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ セリフ書き起こし第3週「なつよ、これが青春だ!

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第4週「なつよ、女優になれ!」

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第5週「なつよ、お兄ちゃんはどこに!」

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第6週「なつよ、雪原に愛を叫べ」

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第7週「なつよ、今が決断の時!」

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第8週「なつよ、東京に気をつけろ!」

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第9週「なつよ、夢をあきらめるな」

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第10週 「なつよ、絵に命を与えよ」

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第11週 「なつよ、アニメーターは君だ」

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第12週 「なつよ、千遥のためにつくれ!」

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第13週、「なつよ、「雪月」が大ピンチ!」      

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第14週、「なつよ、十勝さ戻って来い」      

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第15週、「なつよ、ワクワクがとまらない」      

 

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第15週、「なつよ、ワクワクがとまらない」      

ついに、2019年の春、100作目を迎えたという、公共放送の朝ドラ。

その記念すべき作品は、なんと広瀬すずが主演で、加えて、北海道の十勝が舞台!

アニメーター、奥原なつの人生を描くという。

それは特別だ、という事で、2019年4月1日からはじまったこの、「なつぞら」

追いかけていきたい!

今週は、第15週、「なつよ、ワクワクがとまらない」第85話から90話までのまとめだ。

◆ 第85話

北海道大学に通う、ゆみこ登場。
なつとは、3年ぶりの再会!

「ゆみこ、なんできたの?」と驚く富士子。

「なんで、って、母さんが連絡したから」

「なんで、っていうのは、どうやって。」

「そうだ、連絡してくれたら迎えに行ったのに」と剛男。

「大丈夫、帯広から車できたから。」

大学の友達に、ドライブのついでに送ってもらったという。

男に。

「どういうことだ!」となる剛男

「そんなことより、なつ、千遥ちゃんは?」とゆみこ。

「いまは、いない。千遥は自分の場所に帰ったわ。」となつ。

そして流れる、優しいあの子!
氷を散らす風すら、味方にもできる。

月曜は、

“口にするたびに泣けるほど
憧れて砕かれて
消えかけた火を胸に抱き
たどり着いたコタン”

という部分が長い。

今週の演出は、田中正。

夕食。

事情を聞き、

「千遥、としいくつだっけ?」とゆみこ。

「18。」

「18で結婚?! 結婚するから、もうなつにも咲太郎さんにも会えないって?!」と驚くゆみこ。

そして、そもそもそれは千遥が望んでることなのか、と、問題提起するゆみこ。

「おい、勝手なこと言うなよ!」とテルオ。

k人の心を引っ掻き回すな!」とあけみ。

むーう、となるゆみこ。

「わたしは、それが千遥の意志だとしんじてるから」となつ。

「18で嫁に行くことが、女の意志だって言えるのかい!」とゆみこ。

「18だったら、十分、嫁にいく年齢だわ」と富士子。

「母さん、いまつまんないこと言った」とゆみこ。

は?つまんないこと?!と怒る富士子。

「いいですか、みなさん。女が子どもを産めば母になる。それはそうとして、その前に誰かの嫁になる、家に嫁ぐ、男のものになる、そういう固定観念を疑わなければ、女はいつまで経っても自由になれない、とわたしは言ってるんです!」と滔々と説くゆみこ。

「俺は、サラのこと、俺のもんだなんて思ってない」とテルオ。

「え、わたしはあんたのものじゃないんだ?」とサラさん。

「いや…俺のもんだ 」とタジタジになるテルオ。

もういいしょ、そんなことは、といさめようとするなつ。

「よくない!もっと普通を疑え、なつ!」と強いゆみこ。

フハハ、っと笑う咲太郎。

「なつは、本当に面白い家で育ったんだな」

夜。

千遥が手紙に描いた、なつと咲太郎の絵をみているゆみこ。

「不思議だねぇ。なつが持ってた、戦死したお父さんの絵を知らないのに、千遥ちゃんが同じことしてたわけだべ」とゆみこ。

咲太郎も、絵を描いていた。

なつが絵描きになるのも、必然を感じさせる。

そして、ゆみこ、なつの持ってきてる本、グリム童話集に目をやり、

「ずいぶん幼稚なもの読んでるね」

「それは、仕事のため。漫画映画の原作を考えてんだわ。」

「あんた、もうそんな仕事させてもらってんの」

「短編映画だけどね。若手の育成のために、企画から作らせてもらえることになったのさ。」

しかし、なかなかこれ、というものが決まらない。

ペラペラ本をめくりながら、

「そういえば、あんたら兄弟ってヘンゼルとグレーテルみたいだものね」とゆみこ。

ヘンゼルとグレーテルは、兄と妹の話。

継母に捨てられた兄妹が、森の中で、おかしの家をみつける話。

深い森を通る時、兄が帰り道わかるようにパンをちぎって落としていく。

「あんたの兄妹にとって、そのパンが、絵、なんだわ」とゆみこ。

パンを落とすかわりに、絵を描く。
帰るための、道しるべとして。

そのパンが鳥に食べられて、帰り道を見失う。

時の流れ、という名の、鳥に食べられて。

時、は流れて、子どもは子どもではなくなっていく。

「これ、ぴったりでしょ!なつがやるなら、これしかないしょ!」とゆみこ。

ほー、という顔のなつ。

ヘンゼルと、グレーテル。

一方、土間のようなところで、咲太郎、じいさん、剛男、富士子。晩酌のんでる。

うまそうに酒を飲む咲太郎。

「咲太郎くん、君らをこんな運命にしたのは、僕かもしれない」と剛男。

ジッ、と剛男をみつめ「そうですよ」と咲太郎。

俯いてしまう剛男。

「だから俺は、心から感謝しています。」

「・・・ありがとう。」

「咲太郎、お前はここまで、よくやったな。よく頑張って、生きてきた。この先も、胸張って生きりゃいい。」とじいさん。

思わず、言葉が響き、ウルッときてる様子の咲太郎。

翌朝。

久々の搾乳にはげむなつ。

楽しそうに搾乳してる。

腕はなまっていない。

もう、今朝、東京へと発ってしまうなつ。

「東京もどらず、ここで漫画映画つくりゃいいよ。このキクスケさんが手伝ってやるから。肩もみくらい。」と名残惜しいキクスケ。

「それきいて、やっと東京もどりたくなったわ!」となつ

和やかな雰囲気。

出発の準備おえ、いざ。

「気いつけてね」と見送る。

お互い、また来てください、と。

千遥の服は、なつの部屋においておく。
いつか、取りにこれるように。

「咲太郎。しっかりしろや。」とじいさん。

身が引き締まる咲太郎。

「いってきます。」

「こうして、なつの短い里帰りが終わりました。」とウッチャン。

オーバーオール姿の千遥を思い浮かべるなつ。

「なつよ、千遥の目にも、この風景は焼き付いているだろう。」

◆ 第 86 話

「なつと咲太郎が新宿についたのは、翌々日の早朝でした」

赤い風車に帰ってくる、なつと咲太郎。

あえて、ただいま!と元気よく。

そして流れる、優しいあの子!

千遥の写真を、あやみさんに見せる。

「東京のどこの置屋なんだろうね」

「それは聞かなかった。結婚するから、置屋にもいなくなるんだろ」

「そんないい家のとこと結婚して、幸せになれるんでしょうか」となつ。

「なれるよ。自分で、こう、と決めたことがあったら、どんなことがあったって前に進んでいける。でも、もし、ああつらい、ああしんどい、って思った時には、千遥ちゃんには、北海道!ってものがあるんじゃないの」とあやみさん。

言い聞かせるように、そうですよね、となつ

そして、なつ、ヘンゼルとグレーテルらしき絵を描いている。

「なつは、短編映画の企画案に、ヘンゼルとグレーテルを持っていくことにしました。」とウッチャンナレーション。

壁には、千遥の絵と写真。

「あんたら兄弟にとっては、絵がパンなんだわ、それが自分の家に帰るための道しるべなんだわ」といったゆみこの言葉思い出してる。

ゆみこ、パッと出てきて、重要なこというから侮れない。

そして、久々の出社。

短編映画の企画で、下山さん、マコ様、坂場と打ち合わせ。

「しばらく留守にしてすいませんでした。」

「なにがあったかは聞かないけど、ちゃんと短編の企画のことは考えたんでしょうね」とマコ様。

「はい!マコさんと坂場さんは?」となつ。

「あなたがいない間に散々2人で話し合ったんだけどね、どうもだめなのよ、全然考えあわなくて」とマコ様。

「とりあえず、君の意見を聞いてから、また意見を擦り合わせようということになっている。」と坂場。

「考え方の違いだから、擦り合わせようがないんだけどね」とピリピリしてるマコ様!

「どう違うんですか?」

「いいから、あなたのを見せなさい!」

なつ、ヘンゼルとグレーテル、をみせる。

「なぜ、ヘンゼルとグレーテルなんですか?なぜこれをやりたいと。それは、休みを取った理由と関係がありますか」と坂場。

「あの、わたしは、戦争で孤児になったんです。兄は生きています。それに、子供のころに生き別れになった妹もいます。この休みの間に、その妹が、元気に生きてることが、確認できたんです。3人とも、それぞれいろんなことがあって、いろんな人に助けられながら、今日まで生きてきました。」

なつの話を聞き入る坂場。

「なるほど。それは、ヘンゼルとグレーテルに、あなたたち兄妹を投影したいということですか?」

「いや、そうでは、考えていません。でも、惹かれたきっかけには。ヘンゼルとグレーテルは、継母に捨てられて、道に迷い、お菓子の家を見つけたせいで魔女に見つかってしまいます。魔女に食べられそうになっても、生きることを諦めませんでした。なんかそういう、困難と戦って生きていく子供の話を描きたいと思ったんです。」

「なるほど、広い意味で、これは、子どもの戦い、ですからね。」

「たしかに、冒険もの、面白そうじゃない」と下山さん。

「面白そうですが、どうやっておもしろくするかです。童話を映像にするにあたり。」とマコ様。

「それは、これから考えましょう。テーマさえあれば、あとはどう面白くするか考えるだけですから。」と坂場。

「ちょっと待って。やっぱり脚本作らないつもり?」と驚いた様子のマコ様。

「脚本を作らないとは言ってません。脚本家を立てないと言ってるのです。」と坂場。

「そこが考え方の違いなのよ!わたしは、話を重視して企画を決めたいのに、この人は、テーマがあれば話はいらないというのよ!」

「いらないとは言ってません。最初から決める必要はないと言ってるんです」

「まぁまぁ、まずはヘンゼルとグレーテルということだけでも決めようよ」と下山さん。

とりあえず、満場一致で、ヘンゼルとグレーテルでいく、ということは決定。

ランチタイム。

モモッチとなつ。

不安げななつに、自分の力を試すチャンスと思ってやりなよ、と背中をおすモモッチ。

「それで、坂場さんとはうまくいきそう?」

「なにを言いだすかわからないから怖いけど、でもあのひとがいれば、いい作品ができるって、妙に安心する。」

「それってもしかして、好きになった?」

「そんなわけないしょ」

「イッキュウさん(坂場)のお父さんって、大学教授らしいよ。結婚しても、肩凝りそう」

「ほんと、なんもないからね?」

「うふふふふ」

モモッチにはなにかが見えている。

仕事場の坂場。

原稿用紙になにやら書いてる。

その後、夜、赤い風車を訪れる坂場。

「こちらに、奥原なつさんはいますか?」

なっちゃーん!彼氏きてるよー!と呼ぶ、店の常連。

なつ、現れる。

「おでんやに下宿してるときいたので、お邪魔して差し支えないかと。」と言って、いま企画書を書いてるんです、とみせようとする

あ、ここじゃ、なんですから、

自分の部屋へ案内するなつ。

あわてて片付ける。

なつの部屋に入る坂場。

「すぐに絵が描ける場所のほうが話しやいですから! あ、お茶でも!」

とバタバタするなつ。

「すぐ、お暇しますから」

とりあえず、座る。

坂場、千遥の写真を見つける。

「これが、その妹さんですか。」

そして、千遥の描いた絵に目をやり、

「妹さんも、絵を描くんですね。」

「そうなんです、ヘンゼルとグレーテルにとってのパンが、わたしたちにとっての絵で…それで、相談したいことというのは?」

「あらすじです。兄のヘンゼルが魔女に食べられそうになっていて、魔女はヘンゼルを太らせようとします。それを、妹のグレーテルが手伝わされていて、最後に、魔女をかまどに突き落とします。….これで、いいんでしょうか?」

「そうなんです!実は、わたしもそこが引っかかってるんです。そんな残酷な結末はみせたくない」

「それなら、どうしますか?」

「魔女を殺さずに、逃げたらどうでしょうか」

「兄妹で逃げるわけですね。魔女が追ってきたらどうしますか?魔女は、社会の理不尽さものみたいなものの象徴です。それと、どう戦うか。」

なにか思いつき、メモする坂場。

社会の理不尽さと、戦う。

「いま、きみの話をきいて確信しました。これは、きみが作るべき作品です。そのために、ぼくが必ず、この企画を通します。」

その熱意に、思わず圧倒されるなつ。

失礼します、と帰る坂場。

◆ 第 87 話

これは、きみが作るべき作品です。そのために、ぼくが必ず、この企画を通します。

と熱意をもって語る坂場。

「そして、その企画は無事に通り、なつがはじめて原画を務める、短編映画の製作がはじまりました。」とウッチャンナレーション。

「これは短編なので、長編とは違うやり方でやりたい。脚本を最初につくるのではなく、脚本自体を作りながら進めたい」と坂場。

「それはどういうことですか? 」と率直にきく三村茜

「まずはキャラクターのイメージを膨らませ、アニメーターのアイデアによって、ストーリーや台詞も、生み出していくということです。アニメーターが作家にもなり、役者にもなり、そういうやり方が試されてもいいはずなんです。どれだけありえなくてと、本当のように見せる力は、アニメーターにしか発揮できないんです。」

すると、

おもしろい!

と、声をあげる、ひとりの男。

神地 航也。

演じるのは、染谷将太。

なかなかクセがありそうな人物。

なつと坂場、目と目で会話してる
距離縮めやがって!

そして流れる、優しいあの子!

「坂場くんの提案により、脚本を作る前に、キャラクターを描くことになりました。ヘンゼルとグレーテルをなつが、魔女をマコさんが担当しました」とウッチャンナレーション。

適切な分担だ。

昼休み

お茶している仲さんとマコ様。

「脚本がないことに対して、仲さんはどう思いますか!」とマコ様。きちんと脚本書いてもらわないと困ります、と。

「うむ。短編なら、そんなに珍しいやり方でも、ないかもね」と仲さん。

え、という顔になるマコ様。

「この会社も、最初の頃は、脚本家に頼らず、アニメーター主導で描いてた短編ばかりだからね。坂場くんは、その原点、をやろうとしてるんじゃないかな。」

「原点ですか…そうは感じませんけど」

「とにかく、短編に僕は口を挟まないから、マコちゃんとなっちゃんが中心となって、頑張ってよ」

「仲さんはどうして、わたしと奥原さんを原画にしようと思ったんですか?」

「不満?」

「不満はないです。彼女の能力は認めています」

「お互いに、いい刺激になると思うんだ。君となっちゃんは」

むーう、という顔のマコ様。

作画課。

なつ、坂場に、自分が描いた背景画をみせる。

「なつは、坂場くんと一緒に、キャラクターから物語のイメージを膨らませていきました。」とウッチャンナレーション。

なつと坂場の協働作業。

そして、なつが描いたイメージをもとに、ストーリーの検討会が開かれた。

親に捨てられて、

森の中で迷い、

お菓子の家を見つけて、

魔女に捉えられる、

というイメージ。ここまでは、原作通り。

ここからが、問題。

ヘンゼルとグレーテル、魔女を殺さずに、逃げ出す。魔女を倒さない、魔女よりももっと悪いやつがいる、という設定はどうか、となつが提案。

影の本丸が、いる。

魔女は、その本丸に仕えているだけ。

森の奥の高い塔に、本丸がいる。その塔には、闇の世界を支配する、悪魔がいる。

その悪魔の塔に、魔女は捕まえた子供たちを連れていかなければいけない。

その途中でヘンゼルとグレーテルが逃げる。

「どうやって逃げるんですか?」と堀内さん。

「鳥が助けるんです! 森を逃げる時に、ヘンゼルとグレーテルがパンをちぎって落としていくじゃないですか。そのパンを食べた鳥たちが、今度は恩返しをするんです!」となつ。

「話を作りすぎてないか?それではもう、グリム童話のヘンゼルとグレーテルではないだろう。」と、真面目なツッコミをいれる堀内さん。

おもしろい!!と声を出す、神地 航也。

「僕もやっとこの企画にノレるような気がしてきました。」

独特の雰囲気を醸し出す神地 航也。映画版バクマンでの染谷将太が演じた新妻エイジを彷彿とさせる天才肌か。

新人が生意気なこというなよ!と堀内さん。

「遠慮なく意見を言えといわれたので」と神地 航也。

「それで、どうなるんですか、鳥が助けて。」と畳み掛ける。

「はい、あの、ヘンゼルとグレーテルはそれで逃げるんですが、魔女が追ってきて、また捕まっちゃうんです。妹のグレーテルが、魔女に捕まって、兄のヘンゼルが、悪魔の塔に助けにいくんですよ」

と、なつが説明するも、

「おもしろくなーい 」と神地 航也。

「捕まるなら、兄のヘンゼルだと思います。それを、妹のグレーテルが助けにいくんです。ずっと魔女の手伝いをしながら、兄を助けようとしてきた。その思いを、作画にこめる! 一途に貫かせてやるべきです」

なつ、目を見開き、盛り上がり、なるほど!となり、

「どうやって塔の上まで登るの?」と神地に質問。

「壁をよじ登ればいいと思います。あの絵だと、蔦が絡まってるでしょ。その蔦をよじ登っていくんです、こうやって、」

と、即興で、絵を描く神地 航也。

すごい。

「悪魔の目的ってなんなの?」と素朴な疑問をはさむ三村茜。

そりゃ、食べるためだよね、となるが、

「それじゃおもしろくない! 狼はどうでしょう。悪魔は、狼を飼っていて、その狼の餌食にするために、魔女は子供を太らせて連れてくるようかな言われていた。闇の狼たちです。その前に差し出される、ヘンゼル、」

と、また、即興でそのイメージを描く神地 航也。

すごい。

これはまさに、バクマンの新妻エイジ的な天才キャラだ。

「危機一髪!そこへグレーテルが助けにきた!」となつ。

「さしずめ、狼たちは戦争兵器の象徴といったところか!」とメモをとる坂場。

「で、どうなるの?そこから2人はどうやって逃げるの?」と三村茜。

「魔女が裏切るんですよ。魔女が悪魔を裏切って、味方になるんです!」と神地 航也

すごい!

創作の熱いグルーヴが渦を巻く作画課。

「ちょっと、待ってよ、これは短編なのに、そんなに複雑にしてどうするのよ」とマコ様。

「え、でも、おもしろくないですか」と神地。

「わたしも、おもしろいと思いました」と三村茜

「おもしろいかおもしろくないかじゃなくて」とマコ様

「アクションの連続にすれば、時間は大丈夫ですよ」と神地 航也

「一本も作ったことがない人がなに言ってるの」とピシャリとマコ様。

「ま、そうですけどねー」

とにかく、このへんにしておこう、今日は、とまとめる下山さん。

会議の後、下山さん、マコ様、なつ、坂場でお茶している。

神地 航也のすごさについて話している。

大学を出たばかりの新人。

生意気な新人は珍しくないが、あそこまでいってるのはなかなかいない、と。

「そんなことより、これからどうするんですか。わたしも奥原さんも、はじめて原画をやるアニメーターなのよ、坂場さんだって演出するのははじめてで、きちんとした話がなくてどうやって..」とマコ様。

「いまさら脚本を?未経験の我々だから、新しいものを、生み出せる可能性があるんです。」と坂場。

「マコ様は、内容に不満なんですか?」

「わたしが不満なのは、なにを作ってるのかわからない、ってことよ。」と、ムスッとした顔になる。マコ様。ちょっと落ち込んでる感じが、すごくグッとくる。

「まぁ確かに、アニメーターはストーリーを前にして絵を描くわけだからね」と下山さん

「でも、怖いけど、その分、ワクワクもしてるんです。マコさんも、童話をそのままアニメにしてもおもしろく無いって」となつ。

「だから。話をつくる才能も必要だって言ってるのよ。」とマコさま。

そこへ、店の中に、神地 航也入ってくる。

さっき話し合ったところを、絵コンテにしてみたという。

ええ?!

よくできた、ストーリーボードがそこに。

え、これ、君が描いたの?と驚く下山さん。

この先は?魔女が裏切るところの続きはないの?

「そこはまだです。ぼくはその魔女のキャラクターが大好きなんです。怖いけど、どこか滑稽で愛嬌があって。だからつい味方にしたくなっちゃったんですよね、みてる子供たちも喜ぶんじゃないかと思って」と神地 航也

なんかすいません、失礼しやした!と店を出てく。

魔女は、マコ様の描いたキャラクターだ。

すごい、神地 航也。

「これからは、彼のような絵も描けてストーリーもできるアニメーターが現れても不思議じゃないよね」と唸る下山さん。

マコ様、なんだか神妙な顔になってる。弱さをみせるマコ様、グッとくる。

「そうですよ、これからの日本の漫画映画には、いつどんな才能が現れるかわからないです」と坂場。

「才能!なんだかワクワクしてきました!」となつ。

「なつよ。その心の高まりは、一体なんだ」とウッチャンナレーション。

◆ 第 88 話

神地 航也がすごい前回。

そして、赤い風車。

「なつが、短編づくりに夢中になっていた、ある晩のことでした。」とウッチャンナレーション。

なつが帰ると、店には雪次郎、土間レミコ、そして亀山蘭子が。茂木社長もいる。

なんの集まりか、と話をきくと、なんと、咲太郎が劇団をやめて会社を作ることにしたとか。

外国のテレビ映画、外画への、声だけの俳優 、声優を打ちだしていく会社だ。

「お前の漫画映画にも使えるぞ」と咲太郎。

そして流れる、優しいあの子!
重い扉を開けたら続いてる道も、めげずに歩けば、知らなかった世界。

「みんなで劇団やめるってこと?」となつ。

「やめるわけねぇべさ」と雪次郎。

「別に劇団は辞める必要はないんだよ。劇団の仕事をしながら、映画に出るのと同じだ。この会社は、声の仕事だけを扱うってことだ。赤い星座だけではなく、いろんなとこの役者も集めたい。俺は、日本の劇団と役者を救いたいんだ。声の仕事は、食えない自分の救いにもなる。劇団の芝居をしながら、映画に出る日本の劇団と役者を救いたいんだ」と咲太郎。

茂木社長、「さい坊、俺は、いいところに目をつけたな、と思ってる」と、咲太郎の目の付どころを賞賛。

これからは、テレビの時代になる。テレビが、一家に一台の時代になる、と茂木社長。

フジマサ親分にもほめられたんだ、と咲太郎。

そんな話をしてると、

タイミングよくフジマサ親分登場!

「お久しぶりです!」

「なつさんか、元気かい!」

そして、今日は客じゃないんだ。咲太郎に頼みがあってきた、と言い、外で待っていたと思わしき男2人を呼ぶ。

なんと、島貫さんと松井さんだ!
第5週「なつよ、お兄さんはどこに」の週ででてきた。

時計を質屋に持っていけ、と咲太郎をだましたやつらだ。

新しく立ち上げるプロダクションに、こいつらだしてやってくれないか、と頼み込むフジマサ親分。

さすがに、ちょっと待ってくださいよ親分!となる咲太郎。

「しかし、ムーランで苦楽を共にした仲間じゃないか、罪に関しては、こいつらは、自首して償ったんだ、許してやってくれ」とフジマサ親分。

「そのことは別にいいんですよ。でも、俺が作るのは、声優のプロダクションですよ!」

「なんだそりゃ」

「主に吹き替えの仕事です。ここにいるのが、その役者です。」

役者たちを一瞥し、なるほどね、顔で売れない役者がやることか、と松井。

なんてことを!

とにかく、こいつらの面倒みてやれ、な、さい坊。とフジマサ親分。

フジマサ親分に言われちゃう仕方ないな、という感じで、わかりました、と咲太郎。

「季節は、初夏を迎えました。なつたちは、ヘンゼルとグレーテルのストーリーが決まらず、産みの苦しみを味わっていました。」とウッチャンナレーション。

そろそろストーリーを決めて作画の作業に入らないと、いろいろ間に合わない。

焦ってるアニメーターたち。

もう限界よ、とマコ様。

「あと一歩のところまできてるんです。結末が見えてないだけで」となつ。

「ここまできて結末が見えてないのが限界だって言ってるの。私たちは、作家じゃないの、絵描きなのよ。」

「あの、作画しながら考えるっていうのはどうすか」と神地 航也。

「何言ってるの!これ短編なのよ、先が見えなくて長さ合わなくなったらどうするの」とマコ様。

あとで削ればいい、と神地 航也。

時間と労働の無駄、とマコ様。

そこで、森なんですよ、と呟く坂場。

森で、何が起きるか。

子どもたちが、森を信じられるか。それは、子どもたちが自分の生きる生活、世界を信じられるかどうかにつながる。

どんなに恐ろしい世界でも、そこに生きる者が自分の味方だと思えれば、信じることができる。

「なつは、その夜遅くまで、十勝を思い浮かべながら森のイメージを描いていました。」

夜通し絵を描いて、寝落ちするなつ。

雪山の中、遭難しかけて、阿川弥太郎に助けられた時のことを、夢にみる。

助けられたと思ったら、なんお、それが坂場!

という夢。

現実。坂場、なつを起こす。

うなされてたので、具合でも悪いのかと、となつを心配する坂場。

しかし、なつ、その夢を経て、何かがひらめいた。

魔法。魔女の魔法で、森にある一本の木を、怪物に変える。その怪物が、ヘンゼルとグレーテルに味方し、悪魔と狼たちをやっつける、というストーリー。

自分の魂を、木の中に込めるんだ。、という阿川弥一郎の言葉も思い出しているなつ。

なつの話を聞き、あなたを信じましょう、と坂場。

描いてみます。

アイデアを、作画で形にしていくなつ。

こういうのどうでしょう?となつが坂場にきき、密に近い距離でコミュニケーションとりながら進めるふたり。

こうして、なつはイメージを描き、坂場はストーリーを描き、ふたりの作業は、朝まで続きました。

ふたりで迎える朝。

出来上がった、ストーリーと作画。

そして、アニメーターたちに、説明するなつと坂場。

木の怪物が魔女を倒す。

鳥たちが、集まってきて、その枝にとまる。

動かなくなる木の怪物。

森に平和がやってきた

そこで、完!

面白い!、と神地 航也。

とにかくこれですすめてくれ!と下山さん。

マコ様、なんともいえない表情。

「とんでもない、ヘンゼルとグレーテルになりそうだ。グリムさんに。怒られないか。」とウッチャンナレーション。

◆ 第 89 話

ヘンゼルとグレーテルのアイデアを、絵コンテで説明するなつ。

おもしろい!と、神地 航也。

とにかくこれですすめてくれ!と下山さん。

そして流れる、優しいあの子!
めげずに歩いたその先に、知らなかった世界。

「なつたちの、ヘンゼルとグレーテルのストーリーが、出来上がりました」とウッチャンナレーション。

「それで、イッキュウさん(坂場のこと)、今後はどうやってすすめていくつもり?」と下山さん。

「僕がいままでの話を脚本に起こして、それを神地くんと一緒に絵コンテにします」

「え」と神地。

「手伝ってくれますか」

ニンマリし

「はい、よろこんで」

と神地。

「ちょっと待ってよ、新人に絵コンテやらせる気?」とマコ様。

「それに関しては、僕だって新人ですよ。時間がないんです。マコさんは奥原さんと一緒に、絵コンテができたところから原画を描いてください。」と坂場。

頭を抱えるマコ様。

「その頃、咲太郎の、声の会社、も動きだしていました。」

拳銃 渡世人 という西部劇の吹き替え。

セリフの録音は、間違えたら最初からやり直し、という高難易度。

セリフ録音には、劇団員たちに加え、山寺宏一演じる豊富 遊声も参加。

大御所感がある。

準備をすすめるスタッフたち。

効果音を作る人たちもいる。フォーリーアーティスト。

セリフだけではなく、効果音も、全て同時に一発録りなのだ。

ひとりが間違えると、多大な迷惑がかかる。

映像を見ながら、口の動きを合わせていく。

VAGABOND LEO とタイトルが出て、始まった。

まずは、豊富遊声と亀山蘭子のパート。安定感のあるセリフ録音だ。

そして、土間レミコもいい感じで入る。

いいぞいいぞ。

効果音を出す人が、馬の足音や鳴き声を作り出す。

そこから、島貫さん(岩谷 健司)が入るが、なんだか画面の俳優の間合いとあんまあってない。

そこから、雪次郎も声入れ。

しかし、ストップが入る。

ディレクターからダメ出し

まず、島貫さん、映像と合ってない

「芝居というのは間だよ!自分の間合いで芝居をしなければ、芝居の個性が死ぬんだ!」と反論。

「吹き替えってのはな、人の間を盗むんだよ!」と松井さん。

「そんな泥棒みたいな真似ができるか!お前じゃねえんだ」と島貫さん。

そして、雪次郎へのダメ出し。

訛ってるよ、と。

最初から、もう一回やり直し。

セリフを練習する雪次郎。 あんたは引っ込んでろよ、のところの、あんたは、のとこが、北海道訛りになってしまう。

再度、録音。

順調に進む。

しかし、雪次郎のセリフのところで、訛っていたため、ストップ。

いい加減にしろよこの野郎!と怒号が飛び交う。

すいません、もう一度お願いします、と頭をさげる咲太郎。

イライラした様子で、ほんとに頼むよ、と豊富遊声。

「結局これが、7回も繰り返されまして…」とウッチャン。

問題の雪次郎のセリフのところ、豊富遊声が雪次郎の口を塞ぎ、声色を変えて録音。

唖然とする咲太郎と雪次郎。

一方、喫茶店。

マコ様となつと三村茜がお茶してる。

「あなたのお兄さんは声の会社を始めたの。」とマコ様。

「そうなんです。兄は声優といいますけど、外国のテレビ映画の吹き替えが主な仕事です。」となつ。

「あ、私それよく見てるわよ。最初は違和感あったけど、慣れてくると自然に感じてくるののね。わたしのおばあちゃんなんて、この外人さん、日本語がうまいねぇ、って」と三村茜。

「茜さん、家にテレビがあるんですね!」

「うん、割にはやいときに買ったのよ。」

「その会社の俳優の子たちを、今度の短編映画に使うの?」とマコ様。

「いや、そうじゃないですけど、声を探したい、と思った時には、兄に相談することは、できます。」

わかった。と言い、帰ろうとするマコ様

ひきとめる2人。

「まだなにかあるの?」

「マコさんは、今度の短編映画、あんまり乗り気じゃないですか?」となつ。

「え」

「ヘンゼルとグレーテル、あまり面白くないと思ってますか?」

「面白くないと言ったら、どうするの?」

「やめます。わたしはマコさんが納得してないとやなんです。わたしはマコさんと一緒に作りたいんです。日本ではじめて原画になる女性は、マコさんしかいないと思ってますこの会社に入った時から、マコさんはわたしの目標なんです。だから、納得のいく漫画映画を作ってほしいんです。わたしも一緒に、作りたいんです。」

「あなたってずるいわ。」

「え」

「そうやってなんでも一途に自分の情熱だけを貫こうとするんだから。周りで悩んでるひとはなにも言えなくなるでしょ」

「それは、すこしわかる」と三村茜。

「でも、ものを作るには大事なことよ。それがないと、すぐ妥協する。だから、わたしのことなんて気にしなくていいの。あなたは、作品のことだけ考えてなさい」

「マコさん、わたしは…」

「それでいいって言ってるの!」

「そうね、なっちゃんにはそれしかできないかもね」と三村茜。

「そんな!それじゃわたしが、人のこと考えられないみたいじゃないですか!」

「考えなくていいのよ。それが若さってもんでしょ。わたしだって、そうありたいのよ。」

思わず黙ってしまうなつと三村茜。

マコさんだって、まだまだ若いですよ、と取り繕うように言う三村茜。

「若くないとは言ってない。とりあえず、やるしかないんだから、頑張りましょう。お互いに。」

わかりました!と言い、

アイスティーを飲み干すなつ。

その様子を見つめるマコ様。

◆ 第 90 話

「短編映画のストーリーが出来上がり、なつのキャラクター作りも、おおづめを迎えていました。」

むかしのノートを開き、阿川弥一郎を描いたものを取り出すなつ。

これだこれだ

そんな時、なにやら、赤い風車の店内が騒がしい。

行ってみると、雪次郎が酔いつぶれてる。

声の役を降ろされたのだ。

おれはもう北海道帰るよお 、とうなだれている。

すると、ひとりの女の子が赤い風車に入ってくる。

なんと、ゆみこ!

「東京についたー!」

ええええ!驚くなつ、

雪次郎も、酔いが覚めたように起き上がる

そして流れる、優しいあの子!
めげずに歩いたその先に、知らなかった世界。

赤い風車のカウンター。咲太郎、土間レミコ、なつ、ゆみこ、そして雪次郎が座ってる。

雪次郎、たったひとつのセリフで、ダメだった、何回言わしてもらってもだめで、訛りがね、と。

雪次郎の、訛りがある、あんたは引っ込んでろよ、テイクが回想映像で流される。

プライドずたぼろの雪次郎。

「わはは!なによそれ」と笑うゆみこ

「おれはもうダメだぁ。蘭子さんにも言われてしまったんだ。」とうなだれる雪次郎。

「一度幕のあいたお芝居は、やり直しがきかないのよ。いまのあなたには、舞台に立つ資格はないわね」と亀山蘭子に言われたことを思い出してる雪次郎。

「別にダメじゃないって。ディレクターの藤井さんも、お前のやる気は買ってた。」とフォローする咲太郎。

「チクショー!」と叫ぶ雪次郎。

「だったら帰れ、北海道に、帰れ雪月に」とゆみこ。

「というか、なぜゆみこは東京に、いきなり来たらびっくりするしょ」となつ。

「それは…ごめん。」

「ねぇ、お一人で、いらっしゃった?」とあやみさん。

ひとりではないという。友達ときた、と。

「友達って….ドライブしてた人?!」となつ

「え、え、ゆみこちゃん、男の人いるのかい?」と雪次郎。

「あのね!いくつだと思ってるの。わたしがどこで誰といようが、それが男だろうが女だろうが、わたしの自由でしょ」とゆみこ。

「ねぇ、母さんは知ってるの、ここにいること。」となつ。

「もし母さんに言ったら、もうここに来ないから!」とゆみこ。

むむ、なんだか訳ありだ。

「誰にも邪魔されず東京にいたいだけよ」

「大学は?来年卒業でしょ」

「なつ、いまは個人の将来を考えてる時でないべさ。この国の将来を考えないでどうするの」

「学生運動か?劇団でも話題になってた」と咲太郎

「その運動のために、東京にきた?」とあやみさん。

「まぁ、わたしも、今やるべきことを、やろうと思ってます。だから、なつ、家にはしらせんで。過剰に心配するべ、ウチの人。私がときどき電話して、無事を伝えるから。もし、あんたがそのとき喋ってたら、もう二度とここにはこんからね!」

うーむ。

「それじゃ、お邪魔しました。」と帰ろうとするゆみこ。

「どこに行くの?!」

友達が、東京にいる先輩の家で飲んでる。とりあえず、その先輩の家に行く、と。

したらね!と出て行くゆみこ。

追いかけるなつ。

見失ってしまった。

またくる、みたいな感じではあったから、大丈夫よ、とあやみさん。

「ゆみこちゃんはね、僕のね、初恋の人なんです。ゆみこちゃんはね、男にね、恋に溺れるような人じゃないんですよ!」と雪次郎。

「それはあんただったからでしょ」と土間レミコ。

「雪次郎、お前は大丈夫なのか」と咲太郎。

「はい。目が覚めました。」

「いまは、ゆみこちゃんをここで待つしかありせんでした。そして、なつの仕事は、待ってはくれません。」とウッチャン。

翌朝、作画課。

手が止まり、考え込んでいるなつ。

「なにぼんやりしてるの、絵、描けたの?」とマコ様。

なつ、自分が描いた、ストーリーの最後に出てくる木の怪物の絵をみせる。

よくこんなもの思いついたわね、と感心するマコ様。

「わたしの知り合いの作ってる彫刻からイメージしました」となつ。

「あなたの周りにはいろんな人がいるのね」。

「はい、ほんとに色々います。」

「なんかあったの? これ、面白いじゃない」といい、イッキュウさんにみせるマコ様。

「いいと思います。とにかくこれで、絵コンテを最後まで作ります。」と坂場イッキュウ。

「そして、数日が経ち、短編映画の絵コンテが、やっと出来上がりました。」とウッチャン。

絵コンテをみて、

「面白いわよこれ、やっとやりたいことが見えてきた気がする!」と盛り上がるマコ様。

「よかった!」と喜ぶなつ。

「よし、やっとここまできたんだ、必ず成功させよう。人手が足りないかもしれないけど、マコちゃんとなっちゃんはどんどん原画を描いて、ラフでもいいから書き飛ばして!それで、茜ちゃんと堀内くんはそれをクリンナップして、どんどん動画を書き進めてね!」と士気を高め、指示を出す下山さん。

「あの、僕も原画を描いちゃいけないでしょうか?」と神地、

「絵コンテも描いてもらったし、わたしは構いません」と坂場。

「マコちゃんとなっちゃんは、どうかな?」と下山さん。

ニヤリと笑い「できるものなら、やってみれば?」とマコ様。

「わたしも、みんなが良ければ。」となつ。

よし、じゃあ、やってみる?となる。

「なつたちの足並みも、ようやく揃ったようです。」とウッチャン。

夜。赤い風車へくる、作画課のひとたち。

店内には、なんとゆみこがまた来てる。

一同、勢ぞろい。

今日は、決起集会。

「決起集会! 座れないけど、とりあえず、決起の乾杯ね!」とあやみさん。

作画課、会議室。
仲さん、井戸原さんに、絵コンテを見せている下山さん。

「はちゃめちゃだな! ヘンゼルとグレーテルじゃなくなってる」と井戸原さん。

「はちゃめちゃだけど、なにか、新しいものを感じますよ」と仲さん。

「もしかしてこれは、社会風刺じゃないか」と井戸原さん。

「いやー、そんなことはないと思うんですけど、坂場くんは、象徴とか、隠喩とか、そういうのが、すきな傾向はありますね」と下山さん。

「坂場くんだけ?」

「なっちゃんも、多少彼の影響を受けているような」

「なっちゃんが?」と仲さん。

一方、赤い風車。

みんなで乾杯してる。

カスミさん、なんか歌ってください!と、その場にいる煙カスミに頼み込むゆみこ。

決起を鼓舞するような、歌を。

よし、歌おう!と煙カスミ。

わーい!となる面々。

そして、外に出て、マイムマイムのメロディーにのせて、歌い踊る

“朝空の大地が
なつの日差しに潜る
ひまわりをゆらして
時を惜しんで歩く
恋しくて通う道
果てなき里道よ
2人の夢は純粋な歌に似て
どんと晴れやかに 咲いてはちりゆくとて
恋しくて通う道
果てなき里道よ”

と歌う、煙カスミ。

「ああ、なつよ、笑え、踊れ、狂おしいほど、青春を楽しめ。平和を楽しめよ。来週に続けよ。」

★感想

神出鬼没のゆみこ、そして、天才と思わしき新人アニメーターの神地、演出家としてますますその濃厚なキャラクターを発揮する坂場が、ドラマを盛り上げていく。どんどんドライブ感を増し、面白くなっていくぞ。雪次郎は北海道訛りで苦戦。がんばれ雪次郎。

次週、なつよ、恋の季節がきた!

なつぞらをみて、夏を盛り上げよう。

 

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第14週、「なつよ、十勝さ戻って来い」      

ついに、2019年の春、100作目を迎えたという、公共放送の朝ドラ。

その記念すべき作品は、なんと広瀬すずが主演で、加えて、北海道の十勝が舞台!

アニメーター、奥原なつの人生を描くという。

それは特別だ、という事で、2019年4月1日からはじまったこの、「なつぞら」

追いかけていきたい!

今週は、第14週、「なつよ、十勝さ戻ってこい!」第79話から84話までのまとめだ。

◆ 第 79 話

「昭和34年の5月です。入社から3年、なつは二本の漫画映画で動画を描き、その腕前をあげていました。」

「なっちゃん、大事な話があるんだ」と下山さんに呼び出されるなつ。

その頃、北海道で、おおきな出来事が近づいていました。

柴田牧場を訪れる、若い女の子の後ろ姿….

そして流れる、優しいあの子!

月曜は、

“口にするたびに泣けるほど
憧れて砕かれて
消えかけた火を胸に抱き
たどり着いたコタン”

という部分が長い。

今週の演出は、渡辺哲也

上層部に呼び出された、なつとマコ様。

若手の育成をかねて、20分程度の短編映画を作る。その原画を、マコ様に頼みたいというのだ。

「ぼくも白蛇姫のあと、短編映画で鍛えられたからね」と下山さん

「ぜひ、やらせてください」とマコ様。

「わたしはマコさんの下で、動画をやるんですね」となつ

しかし、

「いや、思い切って、なっちゃんにも原画を任せたいと思うんだ。」と下山さん。

まさかの大抜擢。

二人で、原画を描いてくれないか、ということのようだ。

「わたしに断る理由はありません、二人でやれと言うことなら、やります」とマコ様。

監修で、下山さんがつく。

題材は、決まってない。

演出部からもひとりつくとか。

そう、坂場だ。

部屋に入ってくる坂場。

「カチンコくん」とマコ様。

「マコちゃん、その呼び名はやめよう。彼は、イッキュウさんだ!」と下山さん。

坂場 一久、なので、かずひさを、イッキュウと読み。

「普通の呼び方だと、普通だからね!」と下山さん。

「じゃあ、下山さんは、ゲザンさん、ですね」となつ。

ゲザン!

とにかく、3人でチーム、短編映画の企画、演出、制作に取り組むことに。

中庭。

「原作があるものがいいと思います。いまのぼくたちに求められてるのは、話をつくる能力ではなく、話を広げる能力だと思うんです」と坂場。

そうですね、となる。

そうと決まれば、ここで話してても無駄なので、各自考えて、また集まることに、といい、

一足先に去る坂場。

あきれるマコ様。

「とにかく、考えましょ! がんばりましょ!」となつ。

一方、北海道。柴田牧場。

のどかな牧場風景。

牛舎に、女の子が、迷い込む。

物音がして、テルオが気づく。

「誰かいるのか?」

「あの、…すみません」

なんだなんだ、とみにくるサラさんと富士子。

「お姉ちゃん?」とその迷い込んだ少女。

「え、なんで?」とサラさん

富士子が、ハッと、なにかに思い当たる。

いや、道に迷っただけなんです、お邪魔しました、と去ろうとするが

「待って!あなた、もしかして、千遥ちゃん?」と富士子。

ふりかえる、その女の子

「あなた、なっちゃんの妹?」とサラさん。

「あたしらは、なつが北海道にきて、9つからの家族だけど、ここは今でも、奥原なつの家で、間違いないの。」と富士子。

「あなたを待ってたのよ。ほんとに、ほんとに、あなたが千遥ちゃん?」

黙って、頷く、千遥。

奥原千遥、演じるのは、清原果耶。
あさが来た、にもでていた、フレッシュ17歳。

じいちゃん!とテルオ、じいちゃんを呼びに行く。

なつがずっと探してた妹がきたぞ!

「なんだって!」とじいさん。

居間に上がり、牛乳を飲む千遥。

おいしい!

千遥に、なつはいま東京にいて、漫画映画を描いてる、と事情を話す富士子。

「千遥ちゃんはいまはどこに?」

「東京です」

「それじゃ、いまは二人とも東京だ」とサラさん。

東京のどこ?

そこで、じいさんもそこに合流。

ようきたな!!とニンマリ
「はよ、なつに、すぐ知らせてやれ」

「そだね、電話あるもんね」と富士子、電話をかけようとするが、しかし、

「いや、あの、知らせないでください。無事なら、それでいいんです。」

「え」

「姉には、会いたくないんです。すいません、許してください。」

「したけど、ここがわかったのはどうしてなの?なつは、ずっと心痛めていたんだわ。いつかあなたが会いに来てくれるかも、って待ってたのよ。」と富士子。

だまりこんでしまう千遥。

「しゃべりたくないこともある。来てくれただけでええ。ここは、なつの家だ。妹のあんたの家でもある。好きに過ごせ」と優しく言うじいさん。

東京。

短編映画のために、いろんな物語の本を読んでいるなつ。

そこへ、北海道から、富士子からの、電話だ。

「どしたの会社にまで。」

「なつ、落ち着いて聴いてね。いま、千遥ちゃんがうちにきてるんだわ。千遥ちゃんからここをさがして来てくれたみたい。」

「…ほんとに?」

「なつよ、千遥はいま、あの懐かしき人々に、囲まれているよ。」とウッチャンナレーション。

◆ 第 80 話

「もしもし、どしたの会社にまで。」となつ。

「なつ、落ち着いて聴いてね。いま、千遥ちゃんがうちにきてるんだわ。」と富士子。

「え!?」

そして流れる、優しいあの子!

「ほんとに、千遥がきてるの?」

「千遥ちゃんには内緒で電話してんだわ。なつには来たことを知らせないで、と言ってんだけど、そういうわけにはいかないしょ。」

「なんで? 千遥が私に会いたくないって言ってるの?」

「そんなわけは、ないと思うんだけど。だって、ここまできたんだから。とにかく、なんか事情があるんだわ」

「そっちに直ぐ行くから!」となつ。

「千遥のことは、できるだけひきとめておくね」と富士子。

「母さん、そんで、母さんからみて、千遥はいま、どんな風に見えてるの。」

「とてもステキな、いいお嬢さんにみえる」

「ほんと?ほんとに?」

「千遥ちゃんも東京にいたらしいの。本当のところはわからないけど、わたしには、とても幸せそうな、いいお嬢さんにみえた」

「ほんとかい」

「なつ、帰れるなら、急いで帰ってきな」

「うん、母さん、千遥をお願い」

電話を切り、

こんどはそのまま、赤い風車に電話をかけるなつ。

あやみさんが出る。

「あやみさん、千遥が、見つかった!」

そして、下山さんら、アニメーターのとこにいくなつ。

「すいません、おやすみをいただきたいんです。北海道に帰りたいんです」と切り出すなつ。

「なんか、あった?」と下山さん。

「妹が、きたんです」

「わかった、いいよ。妹さんが、きたんだろ、ほら、いつか話してくれた、良かったじゃないか、行ってあげなさい!」と興奮ぎみの下山さん

「よくわかんないけど、短編のことなら、どこにいたって考えられるでしょ」とマコ様。

はい、すいません!

急いで帰るなつ。

赤い風車。

咲太郎も急いで帰ってくる。

一方、北海道の柴田牧場。

サラさんが搾乳してるところを、泰樹じいさんとふたりでみている千遥。

「なつは、乳搾りが得意でな、千遥も、やってみるか?」とニコニコと話しかける泰樹じいさん。

なんともいえない反応の千遥

夕方。

そろそろ失礼します、と帰ろうとする千遥。

そこへ、剛男、帰宅。

よくきてくれたなぁ!と感動してる様子。

一方、赤い風車。

千遥が、会いたくないと言ってる、ということについて話してる。

どういうことなんだ、と。

それなら、電話してみる?となる。

「お兄ちゃん、わたしなんだか怖いわ」となつ

北海道。

「今日は、許してください、すいません、こちらからまた連絡しますから」と帰ろうとする千遥。

そこへ、電話がかかってくる。

じいさんが受話器とる

「なつか?」

「じいちゃん、千遥はいま、そこにいるの?」

「ああ、いま、変わる。」

千遥へ受話器を渡す。

千遥、受け取る。

おそるおそる、耳にあてる

「もしもし、千遥? 千遥なの?」

「お姉ちゃん…」

「千遥….千遥、ごめんね」

「心配をおかけして、すみませんでした。」

「何言ってんの、千遥」

咲太郎、受話器をとり、

「千遥、俺だ、兄ちゃんだぞ!」

「お兄ちゃん….」

「そうだ、咲太郎だ、お前の兄ちゃんだぞ!悪かった、お前をあの家に預けて、本当に悪かった、今からそっち行くから、すぐ行くからな!まっててくれ!」

しかし、受話器を置いて、電話を切ってしまう千遥。

「わたし、昔のことは、姉や兄と一緒にいたころは、あまりよく覚えてないんです。ところどころ、はっきりと覚えてるんですけど、それがいつの記憶で、どういう時の記憶なのか、思い出せないことが多くて」と動揺している胸中を語る千遥。

「無理もないよ」と富士子。

「忘れてしまいたいようなことも、多かったろうしな」と剛男。

「でもいま、電話で声をきいたら、わたしの姉だとわかりました。兄の声だと、わかりました。そのことに、なんだか驚いてしまって、なんていえばいいか、わからなくなって」

静かに涙をながす、千遥。

すいません、こちらから、もう一度電話をかけてもいいでしょうか、と・

電話をかける

赤い風車、受話器をとる

「もしもし、千遥?」

「先程…すいませんでした….お姉ちゃん」

「千遥….声が、すっかり大人になったね、それは、お互いか。千遥、お願いだから、そこでまってて。どうしても、千遥に会いたい、」

「わかりました…わたしも、会いたいです」

「なつよ、その瞬間にはっきりと、家族の時間が、繋がった。」とウッチャンナレーション。

◆ 第 81 話

「千遥、まってて、どうしても、千遥に会いたい。」となつ。

「なつは、13年ぶりに妹、千遥の声を聞きました。」

そして、なつと咲太郎、旅の支度を整え、出かける。

「なつと咲太郎は、その日の夜行で、北海道へと向かいました。」

そして流れる、優しいあの子!
めげずに歩いたその先に、知らなかった世界。

柴田家の晩御飯。

「千遥ちゃんの好きなものわからなくて、なつの好きなものばっか作ったわ 食べてみて! 」と富士子。

皆が見守る中、芋のようなものを食べ、「いただきます….おいしい。とても美味しいです! 」と千遥。

なんともいえず品がある!

「それで、いつ、なつはこっちに着くんじゃ」とじいさん。

「今夜出て、上野から青森までで半日以上かから、明日の午前中に青森に着くとして」とテルオ。

「それから青函連絡船に乗って5時間くらいかかるからね」とサラさん。

「函館から帯広までは半日以上かかるから、着くのは明後日の明け方になるな」と剛男。

「待たせちゃってごめんね、千遥ちゃん」と富士子。

「千遥が待つと言ってるんだから、心配することねぇべや、な?」とじいさん。

「お父さん、千遥と呼ぶのは、早すぎませんか! 随分馴れ馴れしく感じますけど!」と剛男。

「なつはなつ、千遥は千遥だべ。家の中でちゃんとかさんつけて呼べるか」とじいさん。

「わたしは半年間サラさんでした」とサラさん。

ありゃ!

「僕はいまだに剛男と呼ばれたことありませんよ!あれ、とか、おい、とか! 」と剛男

顔を綻ばせる千遥。なごやかな雰囲気。

「千遥ちゃん、こういうじいちゃんだから気にしないでね!偉そうにしてるからって、偉いと思わなくていいんだからね!」と富士子。

「いえ、すごいですね、姉は、こんなに恵まれて育ったんですね。 」と千遥。

自分の父や母のことは、顔も思い出せないくらい、だという。

「僕は君のお父さんと、戦地で一緒に戦って、どっちが亡くなっても、残された家族に手紙を届けようって約束したんだ。だから僕は復員してすぐ、咲太郎くんとなつを探して、会いに行った。残念ながら、その時千遥ちゃんは、いなかったけど」と剛男。

「はい。そのことは、兄が親戚の叔母に出した手紙に書いてありました。」

千遥、その後、家出をして、ある人に拾われて、東京の置屋に預けられた、という。

置屋!

置屋とは、芸者がいるところ。

そこで、よくしてもらって、何不自由なく、食べるものにも困らず、育ててもらったという。

「千遥ちゃんは、幸せに暮らしてたんかい。」と富士子。

「はい。とても幸せです。」と千遥。

思わず涙ぐむ剛男。

それを知ったら、なつや咲太郎だけでなく、亡くなられた奥原さんやお母さんも、どんなにホッとするか、と。

「ありがとう、柴田くん。でも、わたしと家内は、知っていました。ずっと、見守っていますから。」とウッチャンナレーション。

「でも、幸せではわたしは姉にかないそうにありません。」と千遥。

「よし、明日早起きして、一緒に働くべ」とじいさん。

「なにが、よし!、ですか!」と剛男。

「はい、わたしにも教えてください」と元気よく答える千遥。

え!

夜中。

アケミ、千遥になつの写真をみせる。

「これが、わたしのお姉ちゃん….あけみちゃんに、にてるね。人は一緒に暮らしてる人に、にてくるものだ、って」と千遥。

感慨深げに、写真をみつめる。

富士子と剛男の寝室。

「あの子はほんとに、きちんとしつけられてるわ。洋服も、姿勢も行儀もきれいだし、きっと、ちゃんとした置屋で、そんな悪いところじゃないでしょ」と富士子。

「もし、このままここにいたいと言ったら、どうする?」と剛男。

「なつがいないのに?」

「あの子は幸せだと言ったけど、辛いことがないはずないけどな。」

「….芸者のこと、よく知ってるの?」

「え?! いや、本物は、みたことない」

「嘘でしょ」

「ほんとだって!」

「嘘」

「ほんと!」

反対側を向く剛男。

「こっちみろ」と富士子。

女の勘は鋭い。

翌朝。

なつが着ていた、農作業の時のオーバーオールを着てる千遥。

なっちゃんが帰ってきたみたいだ!と喜ぶ戸村キクスケとユウキチ。

「千遥、搾乳をやってみるか。」とじいさん。

搾乳をしてみることになる千遥。

かつての、搾乳デビューのなつと重なる。

じいさんのアドバイスを受けながら、おそるおそる、搾乳する。

うまくできた!

清原果耶もまた、搾乳映えする、フレッシュスマイル。最高だ。眼福だ。

気づけば、そこにノブさんも。
帯広支局にいるからだ。

写真を撮る。

しかし、フラッシュに驚く、千遥

「ごめん、驚かせた?」

「ノブ、佐々岡信哉だ。なっちゃんと千遥ちゃんには、ノブさん、って呼ばれてた。」とノブさん。

「ノブ、さん。」

「そう、覚えてる?」

「すこしだけ、なんとなく、ですけど」

「よかった。なんとなくでも、覚えていてくれて嬉しいよ。」

「その写真は、どうするんですか?」と千遥。

「あ、これ?どうも、しないよ、ただ、なんとなく撮りたくなっただけで」

「誰にも、見せないでください。」

「どうして?」

「どうしても…写真が、嫌いなんです」

「わかった、ごめん、勝手に撮って。」

むむむ、これは、なにか訳がありそうだ。

その翌朝。

早朝、北海道につくなつと咲太郎。

あさいちで、雪月をたずねる。

「朝早くにすいません、いま着きました。」と、雪月ののれんをくぐる。

「なつよ、やっと来たか。」

◆ 第 82 話

早朝、雪月へついた咲太郎となつ。

「おじさんは、もう会った?」

「いや、先に会ったらなんか悪いしな。すぐいくか?ちょっと休むか?」と雪之助。

すぐ行きたい、となつ。

そして流れる、優しいあの子!

なつ、柴田家到着

「ただいまー!」と元気よくなつ。

「なつ、おかえり! いらっしゃい、咲太郎さん」と出迎える富士子。

「ごぶさたしてます」と咲太郎。

柴田家の面々、現れる。

咲太郎とじいさんは初対面。

よう来たな、と出迎えるじいさん。

「じいちゃん、千遥は?」ときくなつ。

しかし。

「おらん。おらんようになった。」とじいさん、衝撃の答え。

「え!? どういうこと?」

「いないんですかここに?」

驚きを隠せない様子のなつと咲太郎。

「急に居なくなってしまったの」と富士子。

「どうして?!」

「それが、わかんないのよ」

放牧された牛を見に行ってるもんだと思ったら、いつのまにかいなくなってしまっており、あたりを探したが、見つからなかったという。

「千遥は、みなさんに言わずに、帰ってしまったということですか?」と咲太郎。

「そうとしか、思えんのよ」

思わず、家を飛び出してしまうなつ。

咲太郎、追いかける。

泣き崩れてるしまうなつ。

茫漠とした広大な十勝、引きの絵。

そして、朝ごはん。

なんともいえない雰囲気。

「ほんとはもっと楽しい朝ごはんになってたはずなのに、ごめんね、なつ。」と富士子。

「母さん、千遥がここに来て、みんなに会って、嫌な思いをしたとは思ってないわ。やっぱり、千遥はわたしに会いたくなかったんだ、きっと」と意気消沈しているなつ。

「それを言うなら、俺だよ。電話も切られたし」と咲太郎。

「あれはね、千遥ちゃん、ふたりのことを忘れてたと思ってたらしいの。」と富士子。

そして、

“電話で声をきいたら、わたしの姉だとわかりました。兄の声だと、わかりました。そのことに、なんだか驚いてしまって、なんていえばいいか、わからなくなって”

と静かに涙流していた千遥の映像が差し込まれる。

そんなこと言っていたんだ、と驚くなつ。

「そっから明るくなって、少しずつ自分で話もしてくれるようになったんだわ」

「話って?」

「千遥ちゃん、置屋で育ったんだって」

「置屋?」

「芸者の、置屋ですか?!」と驚く咲太郎。

「でもね、そこの女将さんがとてもいい人で、周りの人からもすごく可愛がられた、って。自分は運が良かった、って言ってたわ」

「運が良かった…そう言ってたの、千遥が?」

「ずっと幸せだったって、言ってた。だけど、東京のとこにある置屋かは、聞かなかったの。なつや咲太郎さんに自分から話すのがいいと思って」と富士子。

そこへ

ごめんくださーい

ノブさん登場。

撮った、千遥の写真を咲太郎となつにみせるノブさん。

「ごめん、もしかしたら、この写真のせいかもしれないんだ。」

「どういうことだよ、ノブ」と咲太郎。

写真を撮られた時、誰にも見せないでください、と千遥が言った時の映像が差し込まれる。

何かに、怯えていた様子の千遥。

なにか後ろめたいことがあって、逃げたのかもしれない。

「ノブさんは、千遥と話した?」となつ。

「いや、あまり…なつや咲太郎がきたら、また話そうと思って」

「どうしてもっと話を聞いててくれなかったの!」と大きい声を出すなつ。

そのあとも、変わった様子はなかったという千遥。

いったいどこへ…

牛舎。

「この牛を、千遥が搾乳したんじゃ」となつに話すじいさん。

何度も搾乳にトライして、やっとできた時には、うれしそうな顔をしてた、と。

「昔のお前と同じじゃ。あの笑顔に、嘘はなかった。」

「じいちゃん…」

「だからなつも信じろ、心配するな。必ず、あの子のほうから連絡がくる。」

すこし、安堵の表情のなつ。

そして、なつの部屋。

「ここで、千遥ちゃんが寝たの、なつの服を着て。」と富士子。

そして、壁には千遥が着てきてたピンクのワンピースがかけられている

なつのオーバーオールを着たまま、いなくなってしまった千遥。

縁側。

咲太郎が寝転んでいると、そこへテルオとサラさんが。

「咲太郎兄さん。」とテルオ。

「あ、テルオ兄さん。」

「今日は、兄さん同士で寝てください。わたしは、なつの部屋で寝ますから。」とサラさん。

咲太郎、サラさんのお腹のふくらみに気づき、

「おめでとうございます。テルオ兄さん、良かったな。二人が幸せで良かった。」

「千遥ちゃんのこと、なんにも力になれなくて、すいませんでした。」と頭を下げるテルオ

「なに言ってんだ、すごく良くしてもらって、俺もなつも、感謝してるよ。」と咲太郎。

夜。

サラさんとなつ、川の字で寝てる。

「なっちゃん、起きてる?千遥ちゃん最初わたしをみて、お姉ちゃん?って言ったんだよ。それが最初にきいた声だった。会いたくない人なら、呼ばないしょ。どうしても会いたくて、ここまできたってことよ」とサラさんにそっと語りかけるサラさん。

「ありがとう、サラさん。」

「千遥ちゃんは、いつか、なっちゃんのそばに帰ってくると思う。あの、お姉ちゃん、って声は、それを望んでる声だったから」

翌朝。

バターチャーン登場。

「ふたりがきたら、作ろうと思ってたんじゃ。」とじいさん。

そこへ、アケミ、牛舎へ駆け込んでくる

千遥ちゃんから、手紙きてた!

なんと、なつと咲太郎に向けて、手紙が。

「なつよ、千遥のおもいは、そこにある。」とウッチャンナレーション。

◆ 第 83 話

千遥から手紙が来たのは、千遥が消えて、2日後のこと。

消印は、帯広になっている。

千遥の手書きの宛名を見つめるなつ。

そして流れる、優しいあの子!

手紙を開くなつ。

読み上げる。

「お姉ちゃん、お兄ちゃん、急に帰ってしまいごめんなさい。柴田牧場の人にも、大変失礼なことをしました。わたしは子供のころ、おばさんの家にいるのがつらくて、逃げ出しました。線路をみつけて、そこをたどっていけば、お姉ちゃんやお兄ちゃんのいる東京へいけると思ったのです。どこかの駅でひとりの復員兵の人に助けられました。いまでは、顔も思い出せないその人は、わたしをつれて、東京へ行ってくれました。そして、私を自分の娘だと言って、置屋に売ったのです。わたしは18歳になるまで、そこの女将さんをお母さんと言って、人並みに育つことができました。」

そして、回想映像で、千遥の養母、光山 なほ子登場。

稽古を受けている千遥。

「わたしはいま、奥原千遥ではありません。女将さんがわたしを戦争孤児として申請して、養女にしてくれたからです。いまでも独身の女将さんは、本当にわたしのお母さんなになってくれたのです。わたしは、置屋の娘になりました。そんなわたしに最近、結婚してほしいという人が現れました。とても立派な家柄の人で、わたしにはとても不釣り合いな人です。」

なんと、結婚するのか、千遥!

なつ、驚きで、一旦読むのがとまる。

そして、読み進める。

「その時、お母さんから兄からの手紙を見せられました。どこかでなくしたと思っていましたが、お母さんが、わたしの荷物からみつけて、預かってくれていたのです。」

回想映像。

「それは、お前の兄さんからの手紙だろ。」と、千遥に手紙を渡す、女将さん。

「はい。でもお母さん、わたしはこの手紙にどんなことが書いてあったのかあまり知らないんですよ、あのころは、字があまり読めなかったもので。」

「その手紙に、お前の姉さんが住んでいるっていう、北海道の住所が書いてあったんだよ。」

「え

「そこは、親戚でもなく、戦死したお父さんの、友人の家だそうだ。」

「わたしの姉がそこに

「で、その北海道に、お前のことを連絡しようか迷ったんだよ。でも、お前の姉さんがそこでどんな暮らしをしてるのか、どう思うのか、二人とも幸せになれるのかどうか、いくら考えても答えが出なくてね。そのうち、お前を手放すのが惜しくなってしまったのさ。千遥、すまなかった。その手紙を隠していて、申し訳なかった。」

頭をさげる、光山なほ子。

「お母さん、やめてください、お母さんがわたしに謝ることはひとつもないです」

「だけどね、千遥、もしあの方と結婚するなら、昔の家族とは、縁を切らなくてはいけないよ」

手紙に戻る。

「昔の家族とは、縁を切らなくてはいけないと言われました。相手は立派な家柄なので、わたしが浮浪児だということを、先方の親に知られたら破談になってしまうからです」

また回想映像。

「お母さん、わたしにはもう、兄や姉の記憶がないんです。あるのは、ここにきてからのことばかりで、幸せなことです。お母さんが望むなら、わたしは喜んで結婚します。」

「わたしの幸せは、お前が幸せになることだけだよ。」

「大丈夫、わたしは幸せです。お母さんの娘になれて、本当に幸せです。」

手紙の続き。

わたしの幸せを願うお母さんのためにも、わたしは結婚をすることにしました。それでも最後に、北海道に行くことを、お母さんに許してもらいました。もしお姉ちゃんが不幸でいたなら、わたしは今の幸せを投げ出してでも助けなければならないと、そう思いました。だけど、もし幸せでいてくれたら、わたしはお姉ちゃんとは永遠に、別れなくてはいけない、と、そう決意しました。」

なんという….

千遥が柴田家で過ごした様子がダイジェストで流れる。

「この家でお姉ちゃんがどんな風に暮らしていたか、それを知るのに、時間はかかりませんでした。それから、お姉ちゃんとお兄ちゃんと電話で話したとき、突然昔のことを思い出したのです。空襲のあと、おばあちゃんに芋をもらってお姉ちゃんと食べたこと。アメリカ軍人の靴磨きをしてチョコレートをもらったこと。お兄ちゃんが大勢の人を前にかっこよく踊っていたこと。ノブさんも一緒に、みんな家族のように、池のほとりでザリガニを釣り、焚き火をしたこと。石蹴りをして転んで泣きわめくわたしを、お姉ちゃんが力いっぱい抱きしめてくれたこと。わたしは柴田牧場でお姉ちゃんの服をきて働いたとき、なんだか、お姉ちゃんに抱きしめられてるような気がしました。ここで、わたしまで幸せを感じて、お兄ちゃん、お姉ちゃんに会ってしまったら別れられなくなると怖くなってしまい、逃げ出しました。一生、会うことはありません。お兄ちゃんも元気でいてくれて、本当に良かった。わたしは一生、自分の過去とは別れません。柴田牧場ですごした短い時間も忘れることはありません。みなさん、お世話になりました。…..さようなら。ごめんなさい。 千遥」

涙でぼろぼろになってるなつ、咲太郎、柴田家の面々。

「追伸、わたしの記憶の中にある、お兄ちゃんとお姉ちゃんを思い出して、絵を描きました。感謝をこめて。ありがとう。」

最後の一枚に、絵が描いてある。

笑ってる、なつと咲太郎の絵。

上手い絵だ。

上手だね、千遥、と言って、涙ぼろぼろのなつ。

なつの部屋に残された、千遥のワンピース。

なつ、それに、そっと抱きつく

「なつよ、千遥を、抱きしめてやれ」

◆ 第 84 話

「どうかみなさん、お元気で、さようなら」

手紙を読み、涙をながすなつ。

縁側、

ノブと咲太郎。

唯一残された、千遥の写真を見て、しんみりしている。

「ほんとに、いい写真を残してくれた。ありがとう、ノブ。」と咲太郎。

「千遥ちゃんの幸せを祈ることしかできないのかな」とノブ。

「いままでと同じだよ。でも、これからは確信を持って祈ることができる。それだけで十分だ」

「そうだな。」

一方、なつは、天陽くんに会いに。

天陽くんを見つけ、遠くから手を振るなつ。

しかし、天陽くんの側には、ある女性が…

そして流れる、優しいあの子!

なつに気づく天陽くん。

「なっちゃん! 帰ってきたんかい。」

「久しぶり!」

「ほんと久しぶりだな、何年ぶりかい」

「3年ぶり。」

「そうかぁ、もうそんなになるかい。」

「天陽くん、結婚おめでとう」

天陽くん、おい、やっちゃん、と、妻になる、靖枝、を呼ぶ。

東京で、漫画映画を作ってるなっちゃんだ、と紹介。

「はじめまして、靖枝です」

「はじめまして、天陽くんとは、幼馴染で」

「祝電をいただいて、ありがとうございました

「あ、仕事で式に行けなくて、すいませんでした」

ようちゃん、ウチに上がっていってもらったらいいべさ、とよっちゃん。

ようちゃん、よっちゃん、で呼び合う仲なのだ。

いや、でも、ちょっと寄っただけだから、と断ろうとするなつだが、流れで、ウチに上がることに。

天陽くん家族と久々の再会。

すっかり、靖枝が家族として溶け込んでいる様子に、ちょっと複雑な表情のなつ。

今回の里帰りは、妹に会いにきた、という事情を話すなつ。

しかし、妹は結婚するみたいで、別れを言いにきた、と。

「別れをいいにきたってどういうこと?」

千遥が、いい家のところの人と結婚するから、昔のことを知られたくないから、という事情があることを話すなつ。

「東京で、なっちゃんは結婚するの?」ときく天陽くんの母。

ん、という表情になる天陽くん。

「しないよ!まだ仕事が面白くて、そのことしか考えてないから」となつ。

「そんなに楽しいかい、漫画映画は」と天陽くん。

「うん、あ、今度、原画を任されることになって。短編だけど。すぐ、東京へ戻らないといけないのさ」

「また、しばらく会えなくなるのか」

「うん、でも、ほら、もう、さみしくないしょ」となつ

え、という表情になる天陽くん

「あ、ほら!牛も、二頭に増えたし!」とあわてるなつ。

和やかな空気に。

天陽くんのアトリエにいく天陽くんとなつ。

「これが入賞した馬の絵だね!とはしゃぐ」なつ。

私も、馬の絵描いたよ、と

「観たよ!一緒にディズニーの映画見た、帯広の映画館で、牛若丸」と天陽くん。

「ありがとう!

「まぁ、べつにみなくても、なっちゃんが楽しんで描いてるなら別にいいんだけどね、俺は」

「昔の友達はありがたいね、いつまでも応援してくれるから」

「あ、昔演劇で一緒だった、イムラ よしこ さんと、門倉くんがいるべ」

「ああ、ようちゃんと番長」

「あの二人が、青年団で演劇やってるんだわ。その舞台美術を頼まれて、俺が背景を描いた。」

「天陽くんもやってるの!」

「その舞台を、妻も手伝ってたんだわ。それで仲良くなって、気づいたら好きになってた」

うんうん、と頷きつつも、なんともいえない寂しさを顔に滲ませるなつ。

「いかったね!いい人が見つかって」

「まぁ結婚して喜んだのは俺より、父さんや母さんだったけどね。….俺もいかったと思ってる。開拓農家の娘だし、ここでの辛いことも、一緒に楽しめるから。」

「…..そっか。」

微笑んではいるが、目は遠くを見つめ、寂しさと切なさがすごい。

そこへ、コーヒー、入れましたよ、と靖枝登場。

なつ、コーヒー飲み、おいしい!と笑顔。しかし、笑顔にどこか、さみしさ。

自転車で、帰るなつ。

嗚呼。

帰宅して、牛舎へ。

「じいちゃん、ただいま。」

「おお。天陽に、おうてきたんか」

「うん。」

「そうか。」

「いいお嫁さんだった。千遥の結婚も、あんな風になるといいな。」

作業してるじいさんを手伝うなつ。

「じいちゃん、もし私がここに残って、酪農続けてたら、じいちゃんは嬉しかった?」

「そったらこと考えるな。そったらこと考えるなつにはなってほしくない」

「けど、じいちゃん。私だって。さみしいんだ。じいちゃん、さみしくて、さみしくてたまんないんだわ。じいちゃん」

「なつ、わしだってさみしい。お前がおらんようになってずっとさみしい。さみしくてたまらん。人間はひとりで生きようと思えば、さみしいのは当たり前じゃ。それでも、ひとりで生きなきゃならんときがくる。だれといても。家族といても。だから、支え合う。離れてたって、支え合う。わしとお前は支え合ってるべ。千遥に会えんでさみしいのは、わしも同じじゃ」

「ありがとう」

「天陽はどうだっていいな」

「そんなこと言わず、天陽くんもお願いします」

「そっか。フフ。」

やはり、じいさんの言葉はいつもなつの心にどっしり響く。

夜。

居間で、勢ぞろい。

「明日、東京に帰ります、なつも一緒に」と咲太郎。

「なつも帰っちゃうのかい! 残念だな、もっとゆっくりできるかと思ってたのに!と」剛男。

「仕事だから、しかたないっしょ」と富士子。

そこへ

「ただいまー」

ゆみこ登場!

「なにさこの家は。女は働いて飯をつくり、男は座って飯を待つ。相変わらず遅れてるわね」

と、パンチの効いたセリフをかます!さすが!

「去る者もいれば、来るものもいる、なつよ、寂しさを乗り越えて、来週へ続けよ!」とウッチャンナレーション!

★  感想

千遥が急遽現れ、しかし、なつと咲太郎が来る前にいなくなってしまい、千遥が残した手紙に皆が涙する第14週。 千遥を演じるフレッシュ17歳、清原果耶の品があってしっとりしていながらもはじけるイノセンスな佇まいが眼福。

千遥とも会えず、それに加えて、嫁がいる天陽くんと会い、すでに自分のいないところで出来上がった新しい人間関係の様子にふれ、寂しさを募らせるなつ。

さみしくてたまらん、と弱音を漏らすなつに対し、「人間はひとりで生きようと思えば、さみしいのは当たり前じゃ。それでも、ひとりで生きなきゃならんときがくる。だれといても。家族といても。だから、支え合う。離れてたって、支え合う。わしとお前は支え合ってるべ」と説くじいさんの言葉がずっしり響く。

次週、なつよ、ワクワクがとまらない。

文字で読む、なつぞら。

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録あらすじ —第1週 「なつよ、ここが十勝だ!」

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ セリフ書き起こし 第2週 「なつよ、夢の扉を開け!」

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ セリフ書き起こし第3週「なつよ、これが青春だ!

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第4週「なつよ、女優になれ!」

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第5週「なつよ、お兄ちゃんはどこに!」

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第6週「なつよ、雪原に愛を叫べ」

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第7週「なつよ、今が決断の時!」

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第8週「なつよ、東京に気をつけろ!」

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第9週「なつよ、夢をあきらめるな」

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第10週 「なつよ、絵に命を与えよ」

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第11週 「なつよ、アニメーターは君だ」

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第12週 「なつよ、千遥のためにつくれ!」

 

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第13週、「なつよ、「雪月」が大ピンチ!」      

ついに、2019年の春、100作目を迎えたという、公共放送の朝ドラ。

その記念すべき作品は、なんと広瀬すずが主演で、加えて、北海道の十勝が舞台!

アニメーター、奥原なつの人生を描くという。

それは特別だ、という事で、2019年4月1日からはじまったこの、「なつぞら」

追いかけていきたい!

今週は、第13週、「なつよ、「雪月」が大ピンチ!」第73話から78話までのまとめだ。

◆ 第 73 話

役者になるから、川村屋をやめると言い出している雪次郎。

雪次郎を応援する赤い風車の咲太郎ら。

しかし、雪次郎を役者にはできません!、となつ。

「雪次郎くんが川村屋やめたら、帯広の家族がどれだけ悲しむか。たったひとりの跡取りじゃないの!」

「そったらことわかってるから、決心したんじゃねぇか!」と雪次郎。

そして流れる、優しいあの子

月曜は、

“口にするたびに泣けるほど
憧れて砕かれて
消えかけた火を胸に抱き
たどり着いたコタン”

という部分が長い。

今週の演出は、二見 大輔。

「お兄ちゃんからも雪次郎くんとめて説得して!」となつ。

しかし、

「それはできない。いまの雪次郎の言葉を聞いて、どうしてとめられるんだ。雪次郎がどう生きていくかは、家族でもなく、雪次郎が決めることだろ。」と咲太郎。

「ようく、考えなさいよ。せっかくここまで修行してきたんだから、それを無駄にして、後悔しないように」とあやみさん。

「はい…なっちゃん、心配かけてごめん。」と雪次郎。

「でも、まだ劇団には受かったわけじゃないんでしょ?」と煙カスミ。

「受からなくても、川村屋にはもどらんつもりです」と雪次郎。

俺は、川村屋も裏切ってしまったんだ。俺の魂は、演劇の中に行ってしまったんだ! と叫ぶ。

「それなら、真っ先に帯広の家族に相談すべきでしょ!」となつ。

「それは、まだちょっと…」

「そこ、迷っちゃだめでしょや!」と怒るなつ。

翌朝。

川村屋へ出勤する雪次郎。

職長に、やめさせていただきたいのです。本当にお世話になっておりながら、申し訳ありません!と伝える雪次郎。

事情をきく職長の杉本さん。

役者になりたいというのをきき、半ば呆れて、「そんなに修行が辛かったか?」と職長。

「いえ、僕にとって、菓子職人になるのも夢でした。でも、他の夢に挑戦するのも、今しかないと思ったんです。」

「菓子職人ならいつでもなれると?」

「そんなこと思ってません!」

「だったら現実から逃げるなよ。そんなつまらないことで、人生棒に振ってどうするんだよ!とにかく俺は認めない。」

「だったら、認めてくれなくていいです」

「雪次郎、俺は、お前を、お前の親父さんから預かってんだよ!」と職長、杉本さん。

そう、結局はそこに行き着くのだ。

雪次郎の道を認めるには、北海道の親父さんを通さなければいけない。

「一方、なつは、わんぱく牛若丸の作画作業真っ只中にいる、はずでしたが…」

なにやら、考え込んでしまっているなつ。

「坂場さんのこと考えてるの?」と三村 茜。

「別のこと考えてました。ちょっと、困った友人がいるんです。」となつ。

そこで、下山さんから、原画を渡されるなつ。

この間、坂場が描き直してくれと言っていた、牛若丸と馬が坂道を下っていくところだ。

これを、坂場も、なつ自身も納得させるもので描かなければいけない。

「あの理屈ばかりのカチンコくんをぎゃふんといわしてやれ」と大沢マコ様。

「新人アニメーターのなつは、牛若丸と馬が駆ける、短いシーンに、チャレンジすることになりました。」

頑張って、動画を描くなつ。

「しかしそれは、そう簡単なことではありませんでたした。」

階段を自ら這い降りているなつ。

そこへ、坂場が通りかかる。

「なにか、落し物ですか?」

「いや、馬の気持ちと、体重移動の研究してたんです」となつ。

「ご苦労さんです」

「あ、あの、あのカットを描き直してるんです。牛若丸が馬で崖を駆け下りる、鵯越の逆落としを思わせるカットです。」

「そうですか。」

「それから、昨日はすみませんでした。」

「そのすみませんというのは、なにを指して言ってるのですか。」

「昨日、川村屋で途中で居なくなってしまったことです。」

「偶然会ったのだから、偶然いなくなるのも普通でしょう。」

「モモッチと一緒にバターカリー食べたんですか?」

「いえ、すぐに帰りました。それじゃ、」

立ち去ろうとする坂場を呼び止め。

「昨日の話の続き、聞かせてください」となつ。

「アニメーションにしかできない表現はなにか。坂場さんに聞こうとしていました。」

「それは、やはりあなたが自分で考えてください。そしていつか私に教えてください。それは、アニメーターの人への、敬意です」と坂場。

あなたが。本当のアニメーターなら。…と言い残して、去る坂場。

坂場の言い方に、プンスカプンと怒るなつ。

「結局その日は、満足な動画を描くことはできませんでした、」とウッチャンナレーション。

そして、川村屋。

まだ、川村屋で働いてはいる、雪次郎。生地をこねている。

親のゆるしがなければ、川村屋もやめることができない雪次郎。

赤い風車。

雪次郎のことに対し

「雪次郎は20歳超えた役者だぞ?」と半ば呆れ気味の咲太郎。

演劇で食えてなくても、不幸にはならないはずだ、それが好きなら。

「わたしは、雪次郎くんにも、雪次郎くんの家族にも幸せになってもらいたいから心配してんのよ」となつ。

「ひとの幸せなんて他人に決められるもんかよ!」と咲太郎。

「だったらお兄ちゃんにだって決められないでしょ」

「他人が、余計なことしないほうがいいってことかもね」とあやみさん。

「なつよ、お前だって、雪次郎くんが自由に自分を表現できること。それを願っているよな、誰よりも」とウッチャンナレーション。

◆ 第 74 話

「雪次郎くんが川村屋をやめて、役者になると言ってから数日、なつは、牛若丸と馬の動画に手こずっていました。その日、なつは、久々に徹夜をしました。」

朝、ベランダにでて、なつ、新鮮な空気を吸っていると、

なんと、外には、雪次郎の両親と、トヨばあさんが!

そして流れる、優しいあの子!
落ち着く、安らぐ。

なつ、雪月の人々と感動の再会。

雪次郎から手紙をもらって、飛んできたのだという。

しかし、川村屋へ行ったものの、雪次郎はおらず?

とりあえず、赤い風車の中にみんな入る。

雪月の人々を、あやみさんに紹介するなつ。

朝早くからすいません、と雪之助。

まもなくして、咲太郎が起きてくる。
寝起きで、髪がぼっさりしてる。

「いい男ね!」と妙子(雪次郎の母)。

「全然!見た目にだまされないで!」となつ。

「この子(妙子)は男見る目ないからね!」とトヨばあさん。

むむ、となる雪之助。

とりあえず、みな奥の部屋へ。

「とりあえず、川村屋が開くまで、ここにいさせてください」と雪之助。

すごく朝早くに来たのだ。

「なっちゃん、仕事は大丈夫なの?」と妙子

日曜日だから、となつ。

日曜日の朝っぱらから、来たわけだ。

「3人で来て大丈夫なの?雪月は」

「それどころじゃないからね」とトヨばあさん。

思い切って3人揃ってきたのだという。

「今後によると、永久に閉まることになるかもしれないからね」とトヨばあさん。

変な空気になり、

「お茶、出しますね!」とあやみさん。

いえいえおかまいなく、それより、これお土産です、と雪之助が渡したのは

十勝バター煎餅

赤い箱に入っている。

雪之助の、魂のお菓子。

お茶持ってきますね、とあやみさん奥へ。なつも、ついていく。

部屋には、咲太郎と、雪月の面々。

ジロリと、咲太郎に目を向ける雪月の面々。

雪次郎の今回の思い切った行動の、きっかけが咲太郎ではないのか、と。

「それで、雪次郎はあなたのいる劇団を受けたわけだね」と雪之助。

「はい」

「あなたが誘ったの?」

「違いますよ!…けど、そんなにいけないことですか? 雪次郎が夢を追っちゃ、そんなにいけないんですか?」と咲太郎。

ムーウ、と腕を組む雪之助。

「夢を追ってもいいけど、それがマボロシだったらどうするの」とトヨばあさん。

「マボロシでもいいじゃないですか。夢かマボロシか、追ってみなければわかりません」と咲太郎。

「へー、立派なこというね!」とトヨばあさん。

まぁ、それほどでも、と咲太郎反応するが、

「褒めてないけどね! あんたの言ってることは、誰でも雪山に登ってみなければ登れるか遭難するかわかんないってことだべさ」

「雪次郎には、菓子職人、っていう夢があったんだ」と雪之助。

「だから、それが本人にはマボロシだったってことでしょう。所詮親の決めた夢だって!」と咲太郎。

「言い過ぎだよ」となだめる、なつ。

「君はどうなんだ。夢だからマボロシだか知らんけど、借金作って、なっちゃんに迷惑かけてばっかだべ!」と激昂する雪之助。

あんた、言い過ぎよ、となだめる妙子。

「俺と雪次郎は違いますよ。親のくせにそんなこともわかんないんですか。雪次郎のこと、信じてやればいいじゃないですか!」と言い返す咲太郎。

ヌーーウ、となる雪之助。

「…信じてるから、こうやって飛んできたんだべ。 もうこれ以上、あいつの人生狂わさんでくれ。たのむ」

「おじさん、雪次郎くんは、全部ひとりで決めたんです。どこにいるか、お兄ちゃんも知りません」となつ。

それは知ってる、と咲太郎。

ええ?!

雪次郎に相談されて、とりあえず、川村屋を出てしまえ、と言ったのだとか。

いま親に会えば、確実に決意がゆらぐから。

「あいつは、やっぱりあきらめるしかない、っていうから。じゃあ、とりあえず川村屋を出てしまえ、って言ったんだよ」と咲太郎。

「部屋はどこだ!」と雪之助。

「実はあいつ、劇団の研究生に受かったんですよ。正々堂々と試験を受けて、10倍の倍率をくぐったんです。」と咲太郎。

「ほんとかい?!」と妙子

「喜んでる場合じゃねえべ!」と雪之助。

「どうか、祝ってやってください!」と頭をさげる咲太郎。

その前に、雪次郎の居場所を教えろ!と満場一致。

土間レミコと同じところだとか。

そこへ行く前に、まずは川村屋へあいさつだ、と。

川村屋へ向かうなつと雪月の面々。

マダムに対し、地面にめりこむほど深々と土下座をする雪之助。

ご迷惑おかけして、本当にすいません!

「いいんですよ、うちは。それより、せっかく北海道からいらしたのに、会わせてもあげられないこちらが恥ずかしいです」とマダム。

とりあえず、座ってお話しをしましょう。

職長の杉本さんも交えて、話をすることに。

「雪次郎は、いたってまじめに修行していましたよ」と職長の杉本(陰山 泰)

だから、いなくなるのが残念で、すこしきつい言い方をしてしまった、と。

「あの子はまじめだから、まじめなまま、道を外れたんだねぇ」とトヨばあさん。

「私もてっきり、雪次郎くんはお菓子づくりが好きなんだと思ってました。さすがは、雪之助さんのご子息だと。」とマダム。

「それだけの修行を捨てる覚悟をしたのかい、あの子は、」とトヨばあさん。

「そんなもん覚悟じゃない、ただの甘えだ」と雪之助。

言い合いになる雪月の面々。

そこへ割って入って、

「雪次郎くんは、本気です。本気で演劇が好きなんです。だから雪次郎くんも、苦しいんです、それだけはわかります。」となつ。

一方、雪次郎の隠れ家。

咲太郎、もうじき親がくるから、覚悟しろよ、と。

そんなぁ!と雪次郎。

そんな雪次郎を見かねて、

「俺は、お前を隠したんじゃないぞ、お前の覚悟を後押ししただけだ」と咲太郎。

これは、逃げ道ないぞ、雪次郎。

雪之助、部屋に入ってくる。

しかし、雪次郎、押入れに隠れる。

押入れの引き戸、開けられる。

家族、ついに対面。

どうなる。

「ああ、雪次郎の運命や、いかに。」

◆ 第 75 話

雪次郎、押入れに隠れてる。

「雪次郎くん、それはないしょ」となつ。

そして流れる、優しいあの子!

押入れからでてくる雪次郎、

「すぐに行け」と雪之助。

「どこに?」

「川村屋に決まってるべ。このまま、あいさつもなしじゃいかんべ」

「それは、落ち着いたら必ず謝りに、、」

「すぐいくのが筋だ! 」とトヨばあさん。

つれていこうとする雪之助、しかし、

「父さん、おれ、東京で、自分のやりたいことに気づいた。自分の気持ちに正直になった。」と雪次郎。

「お前は道を踏み外しただけだ!戻るならまだ間に合う」と雪之助。

「ちょっと待って!」

「あんた、役者になって、食べていけると思うのかい」とトヨばあさん。

「ばあちゃん、俺は食べていきたいんじゃない、演劇がやりたいんだ。 食べていくことよりも、なにかをやりたいというのを我慢する方が、時として、苦しいんだ」と雪次郎。

しかし

「お前、我慢が足りないだけだ!!学生みたいな、考え違いしてるだけだべ!」

と雪之助。

「違う!家のことじゃなく、自分のことだけを考えようと思っただけだ!俺はうちの店が好きだ、川村屋も好きだ、だけど、他にもやりたいことがあった。あったんだ! 俺にも、たった一度だけチャンスがほしい、自分だけの夢を、追わせてほしい!たのむ!お願いします…」

頭を下げる雪次郎。

「よしわかった。…動かんなら、無理してでも連れてくべや」

雪之助、無理やりつれていこうと取っ組み合う。

落ち着き、とりあえず、川村屋へ行き、けじめはつけてこよう、となる。

川村屋。

雪次郎と雪之助。職長の杉本さんに、謝る。
日曜の忙しい時に、申し訳ありません、と。

いえ、そんな、と杉本さん。

それと、お願いがあるのですが、と切り出す雪之助。

「こいつ、性根を入れ替えるので、雪次郎をまた、この店においてください!」と頭を下げる

おい、父さん!となる雪次郎。

それは、かまいませんが

「わたしも、働きます。もちろん、無給で。こいつがここに落ち着くまで、何日でも働きます。マダム、どうか、許してください。」と頼み込む雪之助。

言葉を失う雪次郎。

職人服に着替え、仕事に取り掛かっている、雪次郎と、雪之助。

うーぬ。

川村屋で、咲太郎、なつトヨばあさんと妙子さんがデザートを食べていると、

「ほんとにいつも話をこじらせるわね」と咲太郎につっかかるマダム。

「うるさいな」

「うるさい?!どの口が言ってるのよ、反省しなさい」

「お母さん、これからどうしたらいいですかね」と妙子さん。

「そんな情けない声出すもんじゃない!」と、とりあえず、厨房の様子をみにいくトヨばあさんとなつ。

厨房では、雪之助と雪次郎が並んで作業してる。

雪次郎、泣いている。

それをみて、トヨばあさん、

「雪次郎、行きな! ….そのかわり、もう二度とここに戻ってくるんじゃないよ、自分で決めたんなら、その覚悟、貫け!」

と涙を浮かべながら優しく厳しい言葉をまっすぐに雪次郎の胸に突き刺すトヨばあさん。

「ばあちゃん、ごめん…!」

出ていこうとする雪次郎。

「だめだ!戻れ!雪次郎!」と叫ぶ雪之助。

トヨばあさん、それを止め、雪之助の頬を思い切りはたく

「自分の子供に、惨めな思いさせるんでないわ!!」

母ちゃん….

泣きながら走って、去っていく雪之助。

赤い風車に帰る、なつと咲太郎。

なつ、店の前の神社に手を合わせる。

そして、ずっと描けなかった動画がやっと描けた模様。

翌日。

「表情はいいんだけど、馬の動きがな、なにか足りない」と下山さん。

最後の一押しがないか、と。

「やっぱり、溜めがないのよ。だから勢いがないのよ。」とマコ様。

マコ様の厳しさ、グッとくる!

また試行錯誤、描き直すなつ。

階段に座り、馬のイメージに没頭する。

すると、そこへ坂場が通りかかる

「まだ、馬を描いてるんですか?」

「まだ、馬です。」

「もし、お役に立つなら、わたしが馬になって、ここを駆け下りましょうか?」と。

「だ、大丈夫です。それ見ちゃったら、しばらく笑って馬を描けそうにないので…」

と言いかけたところで、階段から足をふみはずし、落ちそうになるなつ。

それを、なつの手をとり、助ける坂場。

二人の距離が急接近。

こ、この流れは!? 天陽くんは、どうしてる!

◆ 第 76 話

階段を落ちそうになるなつ、
手を差し出す坂場。

「だ、大丈夫?」

「か、勘違いしないでください」

とドギマギ。

そこで、なつ、ハッと閃く

階段落ちそうになった時の手のバタバタの動きに、ウマの動きのヒントを得たのだ。

急いで描いて、

できた! となつ。

「なつよ、なにができた。早く見せろ」

そして流れる、優しいあの子!
氷を散らす風すら、味方にもできるのだ。

仕上げた動画を、下山さんとマコ様にみてもらうなつ。

下山さん、一瞬、む、となり、わはは! と笑い出す

「おもしろい!おもしろいよ」

マコ様もみる

マコ様も、思わずちょっとニンマリ

馬が走る時、前足を4本にして描いたなつ。

「ちょっとした弾みで思いついたんです。マコさん、どう思いますか」

「わたしは、おもしろいと思う。仕上げの色の付け方次第なところもあるね」とコメント。

ひとつ山を越えたぞ、なつ!

昼。喫茶 リボン でお茶してるなつとモモッチ。

パフェみたいなものを食べながら、雪次郎の話をしている。

そして、坂場の話に。

坂場と話してると、知らないうちに崖っぷちに落とされそうになっている、となつ。

「だけど、もしかして、その崖から落ちた時、恋に落ちてたりするかもよ?」とモモッチ。

「そんなことあるわけないしょ!」となつ。

作画課。

露木さんが、こんな動画誰が描いたんだ!と怒鳴り込んでくる。

どうして馬の前足が4本あるんだ、と。

「残像ですよ」と下山さん。

「残像は動画を見る人の目に残るものだろ、こんなの描いたら不自然って言われるんだよ」と露木さん。

それは、私が描きました、となつ。

「誰が描いたかは問題じゃない。問題は、誰が許したか、だ。」

「わたしが、許しました」と下山さん。

「わたしも、許しました」とマコ様。

「僕も、いいと思います。」と、仲さん。

「僕も、いいと思います」と井戸原さん。

勢ぞろいでなつを守るアニメーターたち。

「ほんとにこれでうまくいくのかね」と露木さん。

「とりあえずやってみましょうよ。東洋動画には、ディズニーのような時間も予算もありません。あるのは、若い情熱だけです。それを、我々がどう活かすかです。世界の壁を越えるなら、そこに賭けるしかないじゃないですか。」

と仲さん、熱く語る。

そこまで言うならいいだろう。今回は、これやってみるか、と露木。

仕事終わり、雪次郎の部屋をたずねるなつ。

部屋には、妙子さんと雪次郎。

部屋にはいるなつ。

本棚には、たくさんの演劇の本。

「雪次郎くん、もう許されたんですか?」

「それはまだだけど、とりあえず、ましな部屋にしなきゃね」と部屋の片付けなどしてる妙子さん。

「父さんと川村屋で働いてた時は、自分でなにしてんだろう、と思ったわ。自分が間違ってるって思った。たまんなかったな。」と雪之助。

「そんなら、役者の夢諦めんの?」

「諦めたくはねえけどな。やつぱり、やめるべきだ」

「そこ迷ったら、みんながますます心配するだけっしょ。」

「そうだよね、なっちゃんの言う通りだ」と妙子さん。

「俺だって、我慢して川村屋にいたわけじゃねえよ。父さんの夢は、俺の夢でもあるんだわ。ただ、他のことを後悔したくなかっただけだ。この身体が2つあればよかったな。」

「おじさんは?」

「川村屋にいるの。この子がいつでも戻れるように、自分が働いて居場所を作っておくから、って。」と妙子さん。

えええ!

川村屋。

閉店後、掃除している雪之助。

なつ、そこを訪ねる。

「雪之助さん、今日はもういいですから、なっちゃんとお話しでもしたらどうですか」とマダム。

テーブルで、コーヒー飲み、話すことに。

コーヒーを出してくれたノガミさん、

「こぼさないように気をつけて。覆水盆に返らず。」と言い放つ。

「さすがノガミさん。嫌味にも品があるや….なっちゃん、俺は嫌味でこんなことしてるわけじゃないんだ。雪次郎には雪次郎の夢があるのはわかる、でも、わたしにもわたしの夢、生き方がある。」と雪之助。

「はい。雪次郎くんもそれをよくわかってました。自分のために、おじさんにこんな思いをさせるのは、たまんない、って。」となつ。

「あの店は、雪月は、わたしだけで作ったんじゃないんだよ。強いて言えば、おふくろの生き方そのものなんだ。」

「トヨばあさんの?」

「おふくろが開拓した。俺はその生き方を、尊重してきた。雪月を、俺はなんとしても守らなくちゃならん、いずれ雪次郎に渡してやらないかん。そう思って、今は生きてるんだ。それで、間違ってるかい。俺は、雪次郎を苦しめてるだけかい。」

「それが、間違ってないから、雪次郎くんは、つらいんです。雪次郎くんは、ちゃんと家族を大事にして生きてると思います。」

正しいからこそ、つらいのだ。

◆ 第 77 話

「雪月を、俺はなんとしても守らなくちゃならん、いずれ雪次郎に渡してやらないかん。そう思って、今は生きてるんだ。それで、間違ってるかい。俺は、雪次郎を苦しめてるだけかい。 」

と雪之助。

「それが、間違ってないから、雪次郎くんは、つらいんです。雪次郎くんは、ちゃんと家族を大事にして生きてると思います。」

となつ。

そして流れる、優しいあの子!
暗い道が続いてて、めげずに歩いたその先に知らなかった世界。

「雪次郎が、家族を大事にかい」

「はい」

マダム、バターカリー持ってくる

「頼んでないですよ」

「わたしが、ごちそうします。雪之助さんが働いてくれた、せめてものお礼です」

「そんな…すいません、わたしまでご迷惑を。」

「おじさん、マダム、わたしがいま漫画映画に挑戦してるのは、北海道にいる家族をみてて、自分らしい生き方を学んだからなんです。」となつ。

回想。

「東京耕してこい、開拓してこい」となつに語りかける泰樹じいさん。

そして、

「それは、雪次郎くんも同じだと思います。雪次郎くんはどこでどんな生き方をしようと、おじさんのように生きると思います。トヨばあさんや、妙子さんのように生きると思います。大事なお店を継ぐことも、大事だけど、そうやって自分の夢を切り拓いていくことも、ちゃんと、家族を大事にして生きているからってことになりませんか。」

となつ。

家族の生き様、後ろ姿をみて、わかっているのだ。

雪之助、目に涙をにじませる。

「雪次郎くんは、おじさんを裏切るような生き方は絶対にしないと思います。」

「よくわかるわ。わたしがこの店を守っていくことも、そういうことだから。ただお店を継いだんじゃなくて。」とマダム。

雪之助、涙を拭き、

せっかくのカレーがさめちゃうべ、いただくべ、と。

カレーたべる。

涙の味だ。

雪次郎の部屋。

ここでもカレー食べてる。

雪次郎と妙子。

「父さんがいくら反対しても、あんたの味方だからね」

「え」

「あんたに役者になってもらいたいからじゃないからね。雪次郎が、やりたいことを応援したいだけだわ。わかったら、しっかり食べなさい。」

雪次郎も、涙と鼻水まみれで、カレーを食べる。

「うめぇ….やっぱり、母ちゃんのカレーが、世界で一番うめぇ」

涙はカレーの最高のスパイス。

赤い風車に戻る、なつと雪之助。

トヨばあさんと咲太郎が、酒飲んでいい感じで陽気に歌い踊ってる。

トヨばあさん、ベロベロだ。

雪之助とトヨばあさん、二人で夜道を帰る。

「そして、二日後の朝、雪次郎くんは赤い風車に呼び出されました。」

雪次郎、なかにはいると。そこには、みな勢ぞろい。

カウンターには、お菓子をつくる道具一式が。

「お前はこの東京でこの2年近く、時間を無駄にしたことになる。それが本当に無駄だったのかどうか。ずっと俺ら家族を騙してたのかどうか。それを確かめる。と雪之助。」

ここにある道具使って、バタークリームのケーキつくれ、と。

フランス菓子の基本だ、と。

みんなに振る舞い、みんなが満足したら合格だ。

でも、オーブンがなくてケーキが…

「それは聞くな!自分で考えれ!」

わかった。やるべ!

と、ケーキを作り始める雪次郎。

みな見つめる中、緊張感はりつめる。

ケーキが、どんどんできあがる。

そして、完成。

出来は、どうか。

フライパンでは膨らまないため、ロールケーキで仕上げた。

「食ってくれ、バタークリームのロールケーキです。」

みな、食べる。

おいしいわ!とみなコメント。

そして、雪之助、じっくり見つめた後、口に運ぶ。

噛みしめるように味わっている。

しばらくした後、

「雪次郎、なにをするにも、これくらいやれ。これぐらい、努力しろ。これぐらい、一生懸命、頑張れ。」

認められた。

空気が緩む

そして、

「これだけは言っとくぞ。お前がこれからやることは、いつでも諦めてもいいことだ。諦めたら、いつでも帯広戻ってこい。お前には、お前の生まれた場所があるんだ。なにがあっても、恥ずかしがらず、帰ってこい」

負けるのも、人生の味だ、とトヨばあちゃん

いつでも。待ってるからね、と妙子さん

泣き崩れる雪次郎。

「父ちゃん、ありがとう。」

なつぞら、何度目かの涙腺崩壊のシーン。

「これで、小畑家は、北海道に帰っていきました。ひとつの夢を残して。なつよ、お前も一生懸命、頑張れ。」

◆ 第 78 話

昭和33年の春、わんぱく牛若丸の製作も佳境の作画課。

「なつにとってはじめてのアニメーターの仕事がもうすぐ終わろうとしてます」

そして流れる、優しいあの子!

わんぱく牛若丸、作業終わり、打ち上げ。

原画の枚数は、15112枚、動画は、78089枚。

「皆さん、本当にお疲れ様でした!」と仲さん。

露木さんの音頭で、みなで乾杯。

チーム下山も、お疲れ様でした。

みんな、ビールを飲む。

「なっちゃん、どうだった?はじめての動画」と下山さん。

「必死に描いたとしか言えません。やっぱり、練習で描くのとは全然違いますね。たくさん描くのがいかに難しいか、大事かということがわかりました。」となつ。

食べ物を持ち寄っているスタイルのようで、

「この煮物はまこさんが作ったんですか? おいしいです! 」と三村茜。

意外にも、料理ができるマコ様。素晴らしいギャップだ。

料理もするし、結婚もすると。

「そういう相手いるんですか?」となつ。

「今はいないわよ。親は、たくさん見合い話持ってくるけどね。」

「へぇ。心配してるんですね」と三村茜

「私をなんだと思ってるの! 奥原さん、あなたはどうなの」

「え、私はそういうのはいないですよ! わたしも、いただきます! 」と食べ物に関心を移しごまかす。

「わたしの持ってきたおでんも食べてくださいね、とくに、じゃがいもがおすすめです!北海道の!」

おお!となる面々

「あんたが作ったの?」

「じゃがいもですか? 」

「おでんよ!」

「じゃがいもの作り方なら、わかるんですけど…」

そして、井戸原さん、

誰か歌えー! 指名するぞー!と、場を盛り上げる

露木さん、 この中で、前足4本の馬描いたやつ、でてこーい、と

なつ、指名を受ける。

「なっちゃん。なんでもいいんだ。歌ってよ!」と仲さん

「わかりました、よし、歌います。」

“実る稲穂に富士と鳩
愛と平和をあらわした
ただ緑の風になる
土に取り組む若人の
息と熱とが盛り上げた
FFJ FFJ我らの誇り
FFJ FFJ 我らの希望”

と、FFJの歌を歌いあげるなつ

稽古する雪次郎、雪月でケーキを作る雪之助の映像が挟まれる。

みな、おおー!と拍手。

「誰もしらない歌をよく歌い上げた!」とモモッチ。

次は、モモッチをセンターにして、お祭りマンボを歌い踊っている面々。モモッチ、さすがに踊りにキレがある。

「陽平さん、おつかれさまです!となつ。

陽平さんに、ビールを注ぐなつ。

「なっちゃん、天陽には手紙書いてる?」

「忙しくて。でも、やっと落ち着いたんで、また書きます!」

「あ、いや。そっか、聞いてないのか…」

「なにをですか?」

「こんな時にいうのはなんだけど、天陽は、今年の冬に結婚するんだ。」

なつの周囲の音が止まる。視界がぼやける。
天陽くんの笑顔、横顔が頭を埋め尽くす。

しかし、ハッと、して

「おめでとうございます! したら、天陽くんに、お祝いの手紙書きます!なんだ、そうならそうと、手紙で知らしてくれたらいいのに。水くさいわ、天陽くん と努めて明るくふるまうなつ。」

その明るさが、ああ、切ない。

赤い風車に帰宅。

ひとり、遠い目をして水を飲むなつ。

そこへ、ノブさんがやってくる。

ちょっと報告することがあって、来たと。

なんと、帯広支局へ、転勤になったという。

「へぇ、今度は、逆になるんだ、わたしとノブさんが」

「向こうに行ったら、2年か3年は戻ってこれないと思う」

「すごい偶然だね。」

「うん。すごい偶然だ。」

「そして迎えた。わんぱく牛若丸の公開初日。子供が楽しめる漫画映画として評判を呼び、大ヒットを記録しました。」とウッチャンナレーション。

劇場で、わんぱく牛若丸をみて、子どもたちの反応に、一安心するなつ。

そして、後日。

職場の階段。

坂場と鉢合わせるなつ。

「考えてましたか。アニメーションにしかできない表現は、みつかりましたか。」と坂場。

「そんな、そう簡単にはみつかりませんよ。」

「そうですか。あの馬の足は、偶然でしたか。」

「だったら、そっちから言ってくださいよ。前に言いかけてたじゃないですか。最後まで言ってください。」

「僕の考えでいいんですか」

「それが聞きたかったんですずっと」

「それは、ありえないことも、本当のように描くこと、です。違う言い方をするならば、ありえないことのように見せて、本当を描くこと、です。そう思います。」

「そうか…ありえないことを、本当のように描くこと。ありえないように見せて、本当を描くこと。大きな嘘から、真実をかき出す、それをできるのは、アニメーションしかない」

「腑に落ちましたか?」

「はい、落ちました。」

腑に落ちたついでに、恋にも落ちていないか心配だ!

「そして、それからまた一年、なつは、動画の仕事を続けました。だけどまだ、ポスターや映画になつの名前が出ることはなく、変わったことといえば、これでした」

電話が鳴る

受話器をとるなつ。

北海道 音問別 4141番からです。お待ちください。と電話口のアナウンス

電話によって、十勝と新宿が繋がったのです!

十勝の家族からの電話だ。

「今年はどうなの、なつ、帰ってこれるの?」

「そだねー、よし、今年は帰る!」

盛り上がる、柴田家! みんな盛り上がる中、ニヤッと喜んでるじいさんがいいね。

「なつよ、目まぐるしく変わる季節の中で、来週に、続けよ」

★感想

雪次郎が役者になると言い出して、北海道から雪月の面々がやってきて大騒ぎになった第13週のなつぞら。

やりたいことがあるが、それを貫き通せば家族を裏切ってしまうという雪次郎のジレンマ。家業を継ぐべきだ、と引き止める父、雪之助の言い分は正しく、正しいからこそ、雪之助は苦悩する。彼にとって、彼自身の幸せと同じくらい、家族の幸せは大切なことなのだ。

やりたいこと、やってほしいと期待されていることの間で苦しむのは、普遍的な悩みのテーマだ。そこに決着をつけた、トヨばあさんの涙のびんたがグッときた。 そして、菓子職人としてどれだけ腕を上げたのかを試すために、雪之助が課した試練、その菓子を味わった後の、「なにをやるにしても、これくらいやれ」という言葉のズシリとくる重さ。

そして、まさかの天陽くんの結婚の報せを受けるなつ。音が消える。視界が霞む。離れていても、繋がっている。キャンパスを通して。それが、無意識のうちに、なつの心を支えていたのだ。表向き、なんでもないように振る舞うなつが切ない。

次週、なつよ、十勝さ戻ってこい!
はたして、どんなドラマが待ち受けているのか!

なつぞらを追うのは、いまがグッドタイミング。

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録あらすじ —第1週 「なつよ、ここが十勝だ!」

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ セリフ書き起こし 第2週 「なつよ、夢の扉を開け!」

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ セリフ書き起こし第3週「なつよ、これが青春だ!

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第4週「なつよ、女優になれ!」

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第5週「なつよ、お兄ちゃんはどこに!」

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第6週「なつよ、雪原に愛を叫べ」

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第7週「なつよ、今が決断の時!」

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第8週「なつよ、東京に気をつけろ!」

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第9週「なつよ、夢をあきらめるな」

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第10週 「なつよ、絵に命を与えよ」

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第11週 「なつよ、アニメーターは君だ」

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第12週 「なつよ、千遥のためにつくれ!」

 

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第12週 「なつよ、千遥のためにつくれ!」

ついに、2019年の春、100作目を迎えたという、公共放送の朝ドラ。

その記念すべき作品は、なんと広瀬すずが主演で、加えて、北海道の十勝が舞台!

アニメーター、奥原なつの人生を描くという。

それは特別だ、という事で、2019年4月1日からはじまったこの、「なつぞら」

追いかけていきたい!

今週は、第12週、「なつよ、千遥のためにつくれ!」第67話から72話までのまとめだ。

◆ 第 67 話

先週からの続き。

1957年の8月15日、千葉の船橋のところへ、千遥を訪ねるなつと咲太郎。

千遥らしき女の人にこえをかけるが、

その人

「わたしは、違います。」と。

「わたしは、ということは、それじゃあ、千遥は? 」と咲太郎。

「あなた方は? 」と一緒にいた足の悪い中年男性。

「姉と兄です! 千遥の家族です! 千遥に会いに来たんです!」となつ。

そして流れる、優しいあの子!
重い扉を開いて、前に進む勇気をくれる曲!

月曜は、

“口にするたびに泣けるほど
憧れて砕かれて
消えかけた火を胸に抱き
たどり着いたコタン”

という部分が長い。

今週の演出は、田中 正。

家の中に入り、仏壇に手をあわせているなつと、咲太郎。

テーブルに麦茶が出され、四人で話す。

「トシおばさんは、いつ亡くなったんですか?」と咲太郎。

「2年前に、病気で。これは、下の娘のユキコです」と足の悪い中年男性。

「ユキちゃんか。ユキちゃんは確か、千遥の二つ上だったよね?」と咲太郎。

「いま、19です」とユキちゃん。

「千遥が大変お世話になって…それで千遥はいま、どこにいますか? 」と切り出すなつ。

足の悪い中年男性、頭を下げ、

「申し訳ない、千遥ちゃんは、いないんです。」

「いない、ってどういうことですか?」と狼狽えるなつ。

「いないんです、許してください」

「千遥は….死んだということですか?」と咲太郎。

「いえ、それが、家出をしたんです。」

え!

その男が復員してからの、昭和21年の夏だという。

そんなに前に!と驚きを隠せないなつと咲太郎。

「それなら、どうして教えてくれなかったんですか!」と咲太郎。

手紙もあったはずだ、と。
なつの北海道の住所も書かれていた。

「その手紙は、千遥ちゃんが持って、出て行ったようです」と、ユキちゃん。

いづれ、なつたちに出会うだろうと、一縷の望みを抱いていた。

「千遥は、わたしや兄に会いたくて、家を出たんですよね?」となつ。

「….うちの母から、逃げたんだと思います」と、言葉を絞り出すユキちゃん。

え!

「母が、千遥ちゃんに、きつく当たっていたからだと思います。千遥ちゃんにばかり、きつい仕事をいいつけて、食べ物も、わたしよりも、少なく与えて。それで、我慢しきれなくなって、逃げ出したんだと思います」

「おばさんが…!? おばさんはそんな人じゃなかった。俺は、よく覚えてます。母にとって、唯一の姉妹みたいな人で、俺たち家族全員で疎開しようとしてたくらいなんです」と動揺を隠せない咲太郎。

「あの頃の家内は、本当の家内ではなくなっていました。わたしがこんな身体になり復員して、ユキコの上にも三人の子供がいて。食べ物もなくて、働けてもいなくて…」と足の悪い中年男性。

「だから、千遥をいじめたんですか? 」と悲しみと怒りで涙をためて声を出す咲太郎。

「千遥は、ずっと苦しんでたんですか?」となつ。

「千遥ちゃんはずっと、笑っていました。だから私も、平気なんだと思って。作り笑い浮かべて。それで母は、余計にイライラして。バカにしてるのか、って怒鳴って。….ごめんなさい。私たちのせいなんです!」

ユキちゃんとその父、頭を下げる。

部屋を出て行くなつ。

外。

蝉が鳴いている。

たまらず、こらえきれず、涙を流すなつ。

咲太郎、そっと横に座る。

「なんて辛い日だ。私はもう、そちらへは帰れない。千遥がどうしてるのか、なにも話してやれない。この日は、なつたち兄弟にとっても、特別な日だったのです。」とウッチャンナレーション。

赤い風車に帰ってくるなつと咲太郎。

あやみさんとノブさんが明るく出迎え。

しかし、なつと咲太郎、肩を落としている、暗いムード。

どう、だった?

「千遥は子供の頃に、家出をしたらしい。」

「子供の頃に?!」と驚くノブさん。

「大丈夫だよ、なつ、警察には届けているし、千遥の身になにかあったら、そういう知らせが届いてるはずだよ」と咲太郎、前向きに考えようと努める。

「道で暮らす子も、亡くなる子も、町にたくさんいたころだよ」と遠い目をしてつぶやくなつ。

「どこかで元気にやってるはずだ!」と咲太郎。

「そんな奇跡、信じろっていうの?お兄ちゃんの手紙だって、持ってってるんでしょ。それなのに、どうして連絡ないの。千遥は、6歳だったんだよ。どうやってひとりで生きてくというのさ」

「ひとりじゃなかったかもしれないだろ!俺やお前も、ひとりじゃなかった!俺たちが、生きられたのだって、奇跡だろ」

「私は、なんも知らないまま、いままで生きてた。千遥の悲しみや、絶望を知らないまま。幸せに。千遥を見捨てたのに」となつ

「そんな風に考えちゃだめ!」とあやみさん。

しかし、なつ、

「お兄ちゃん、奇跡なんて、ないんだわ。」

と言い放ち、部屋へ行ってしまうなつ。

重く苦い余韻。

机の上には、北海道から届きました、と手紙が置いてあった。

北海道の母、富士子からだ。

“なつ、20歳の誕生日、おめでとう。
東京へ行って、一年半だね。
仕事へは少し、慣れたかい。
なつのことだから、きっと頑張ってるね
二十歳の記念に、万年筆を送ります。
父さんと選びました。
たまには手紙書いてね。
みんな、喜びます”

と、松嶋菜々子ボイスで読み上げられる。

このタイミングで、この手紙は、心に響いて大変だ。

千遥、ごめんね….

「なつ、20歳の誕生日、おめでとう。どうか、その夢が、その道が、いつまでも続きますように」とウッチャンナレーション。

◆ 第 68 話

奇跡なんてないんだわ、となつ。

夜通し絵を描いて、寝落ち。

小さい頃、千遥と過ごした日々を夢の中で見ている、なつ。

そして流れる、優しいあの子!

夜。

考え込んでる、咲太郎。
顔は険しい。

なつの部屋をそっと見に行くあやみさん。

「なっちゃん。ちゃんと寝ないと、明日から、仕事でしょ。」と声をかける。

「はい」

「明日、きてく服、みてみようか?」

「大丈夫です。….なんのために、私は生きてるんだろ。自分だけ好きな夢を追って。それでいいんでしょうか。」

「生きてるんだから。しょうがない。生きてる理由なんて、どこにもないんじゃないの。自分で、作るしかないのよ、きっと。」とあやみさん。

咲太郎、部屋に入る。

かわりに、あやみさん、部屋を出る。

「なつ、俺が悪かった。俺が千遥を、あんな目にあわせてしまったんだ。けど、俺は千遥がどこかで生きてると信じてる。」

「お兄さん、だったら、いますぐ千遥を探さないと、私は絵なんて描けないよ。」

「どうして。千遥のために描くんだよ。お前言ったよな。漫画映画は、子供の夢なんだって。だったら、その夢を、千遥に見せてやれよ。」

「千遥に?」

「ああ。」

そう言って、なつがずっと大事にしていた、父が描いた家族の絵をみせる咲太郎。

「お前、これをずっと動かしてたんだろ。子供のころ、この絵を生かそうとして。それで、漫画映画を作ろうとしたんだよな。」

なつの、表現を志した、その原点。

「みんな、生きてたんだろ。そんないい夢、千遥にみせてやらないでどうするんだよ。これからも、千遥に見て欲しいものをつくれ。千遥のために、つくれ。絵を描け、なつ。お前は、絵を描け。」

咲太郎の切実な言葉、なつに響いたか。

「兄ちゃん。これ描かないと、明日会社に行けないから…」

「うん。わかった。」

咲太郎、部屋をでてく。

咲太郎の言葉に、家族の絵に、自分が最初に抱いた表現衝動に、千遥のために、絵を描くなつ。

一方、北海道。夜。

真夜中、目を覚ます富士子。

「夢見たわ。子供の頃のなつが、一人で泣いてた。誕生日だから、そんな夢みたんかね。大丈夫かね。」

「大丈夫だよ。なつは、もう子供じゃないんだから。」と剛男。

「そだね。」

じいさんも、寝室で、目を覚ましている。

なにかを、感じているのだ。

涙を拭き、ペンをとり、絵を描くなつ。

翌朝。

そのまま寝落ちしていたなつ。

今日から仕事なのに!

速攻で着替え、出かける準備。

寝落ちした後、速攻で着替えたわりに、パーフェクトにきまってるなつ! 眼福。

下に降りると、

ハッピーバースデーなつ!

咲太郎とあやみさんが、ケーキ用意してる。

願い事して、

手を合わせ、ジッと祈るなつ。

ろうそくかき消す。

一口だけ食べ、時間ないから、いってきます。

なつ、いってらっしゃい。と咲太郎

笑顔で、いってきます、となつ。

なつがでかけた後、なにか張り詰めたものが切れたかのように肩の力を抜く咲太郎。

「あんたも、ゆうべは寝てないんでしょ。偉かったね、咲太郎。」とあやみさん。

「なつだけでも、守らないとな…千遥には、ほんとに可愛そうなことをした 」と、涙を流す咲太郎。

遅刻してるから、急いで出社するなつ。

牛若丸のキャラ会議の最中に、入るなつ。

「遅れてすいません!」

「なつよ、千遥のために、夢を捨てるな」

◆ 第 69 話

おはようございます。

遅れて、キャラクター検討会に参加するなつ。

牛若丸は、もう、ナカちゃんの絵で決まったぞ、と井戸原さん

「君は出さないのか?」

「え、いいんですか?」

「そのために、遅刻してきたんだろ? 」と、ニンマリして井戸原さん。

フッフッフ、と笑う仲さん、マコ様。

これです、と描いてきた絵をみせるなつ。

常盤御前だ。

それぞれ描いてきた常盤御前を張り出す。

「なつは、千遥への不安を抱えながら、アニメーターとしての第一歩を踏み出しました。」とウッチャンナレーション。

そして流れる、優しいあの子!
重い扉を開いて、暗い道を進むような日々に、切実に響く曲。

「やっぱり、みんな美人を描こうとしてるなぁ。牛若丸の母親という点では、僕はこの絵に一番母性を感じるけどな。」

と、仲さん、なつの描いてきた常盤御前をチョイス。

「それはまた、仲さんのなっちゃんびいきではないのかい? 」と井戸原さん。

「ひいきで作品はきめないよ。ただの意見。」仲さん。

しかし、常盤御前がただの母親でいいのでしょうか。 と切り出す、堀内くん。

「常盤御前は、再会した牛若丸を冷たく突き放しますよね。それで絶望する牛若丸が前半の山場になる。最初からいい母親みたいな顔してたら、牛若丸が絶望しても、観客は感動しないんじゃないですか」と意見。

「うーん、それはあるな、最初は常盤御前を悪者のように描いたほうが、見る人に衝撃を与えることになる。その点では、僕は、この表情に惹かれるんだけどね」と井戸原さんがチョイスした、なんだか悪女感のある常盤御前。大沢マコ様の描いたものだ。

「やっぱり絵には、描く人の人柄がでますね」と下山さん。

「どういう意味?」と鋭くマコ様。

「いや、女性の内面は女性がよくとらえるものだな、と」とタジタジの下山。

これで、流れとしては、なつとマコ様の対決。

「マコちゃんはどうしてこうしようと思ったの?」

「常盤ははじめ、その美貌と知性で1000人の女の人から選ばれ、侍女のような身分で召し抱えられたに過ぎませんでした。そこから、源義朝の側室に上り詰めたんです。常盤御前は、したたかで強い女性なんです。」とマコ様。

「なっちゃんは、どう思う?」

「私は….そんな怖い顔の母親を、子どもに見せたくありません」となつ。

マコ様の顔がひきつる。

は?

「子どもだっていろいろ考えてみると思うんです。ただ怖いだけの母親を見せられてあとで優しくなっても、納得できないんじゃないですか」

「顔が怖いからって、根っから優しくない人だとは思わないわよ、子どもだって。」

「そうでしょうか。子どもには、どんなに怒られた時でも、子どもの愛情は伝わると思うんです。」

「なんの話をしてるのあなた」

「漫画映画は、子どもが見るものです。子どもが、夢を見るように見るものだと思うんです。」

ふーむ、と考え込む皆々。

「確かに、両方の見た目の常盤御前、それぞれ内面には優しさとこわさの両方を併せ持ってるはずだね」と仲さん。

「そ、結局、ふたりとも中途半端ってことだな。一面的で、人物の奥行きが感じられないってことだろう。」と井戸原さん。

なつとマコ様、ふたりとも、はい、と認める。

会議、一旦終わり、休み時間。

毎日、なつの着ている服をスケッチで記録している下山さん、この日のなつの服装が、何日か前のものと同じであることに気づく。

いままで、同じコーディネートだったことはないのに!

ムムム、となる下山さん。

中庭で、なつ、座ってなにやら考えてる。

下山さん、近くに行き、

なんかあった? と声かける。

「別に、なんも」

「別に、なんも、ね。明らかになんかあった。明らかに、様子がいつもと違う。」

「そんなに明らかですか?」

「明らかだよ。だって、その服装、前にも見たことあるもん!とうとう前と同じ格好で来ちゃったよ! 証拠見せようか? 」と描いた絵を見せようとする下山さん

「いいです! いいです。 毎日変えるのは無理ですよ。夏はそんな重ね着しないし。」

「それは、いいけど。なんかあったなら、話してみなよ。 」と言い、敬礼のポーズとり、

本官に話して、ラクになれ! と下山さん。

「警察…あの、私の住んでるおでん屋によく来るお客さんの話なんですけど。親戚の家から幼い妹が一人で家出をしたんです。その家では、警察に届けたって言うんですけど、もしその子どもになにかあったら、そういう知らせが届くものですか? 路上で暮らす子どもも、亡くなる子どももまだたくさんいた、戦後まもないころです」と、元警官の下山さんに聞くなつ。

「うーん、あの頃は、警察も混乱していたかもしれないけど、そこにいるのは、人間だからね。僕がまだ、新米で派出所に勤務していたころ、近くの飲食店から逃げ込んだ娘さんがいたんだ。生活に困って娘を売るって記事が新聞に載ってたころだから、その子は、その店が怖くなって、逃げたんだ。店との間には、斡旋業者が入っていて、まだその時点では違法とは言えない、って、警察の上司が判断した。でも、そこにいた、僕の先輩は、諦めなかった。法律を勉強して、日本国憲法の中に、何人もいかなる奴隷的拘束を受け入れない、という条文があるのを発見して、それを根拠に、その子を自由にしたんだ。上司も、飲食店の店主も、怒ってね。先輩は、辞職も、覚悟してた。いまその子は、先輩の知り合いの旅館で、元気に働いてるよ。」

と言い、そして

「奇跡みたいなもんは案外、人間が当たり前にする勇気みたいなものだよ。その勇気を持ってる人間は、どこにでもいるよ。」

と、グッとくることを言う。

「….その、先輩、は、下山さんじゃないんですか? だから警官を辞めたんですか?」なにかを見抜くなつ。

「….僕? 僕なんて、勤務日誌に似顔絵ばっか描いて、怒られてた人間だよ! だからやめたんだ!」とおどける下山さん。

きっと、そのお子さんも、誰かに助けられてるんじゃないかな。

ゆっくりね、と肩を叩き、去る下山さん。

なつ、お昼ご飯をアムる。目には涙にじませている。

午後、なつとマコ様を呼ぶ仲さん。

それぞれが描いた常盤御前を合わせて、ひとつの常盤御前を描いてみたという。

すごい! 二つの特徴を、絶妙にブレンドしてる。

なつ、マコ様、驚きを隠せない。

「なっちゃんは、誰かを思い浮かべて、常盤御前を描いた?」

「はい。北海道の母を。」

「やっぱりね。お母さんを描くのは悪くないんだけど、自分の母親には、優しさばかりを、求めてしまいがちだからね。お母さんは、子どもが見たくないものだって、いっぱい持ってるはずだよ」と仲さん。

「はい、私は子どもの気持ちばかり考えて、常盤御前のこと考えてなかったかもしれません」となつ。

「私は、生い立ちだとか、理屈ばかり考えてました」とマコ様。

「どれも、大事なことだよ」と仲さん。

「それと、なっちゃんの悩みは大切だと思うよ。子どもがみて、本当だと思ってくれる絵を、僕らは探し続けて行かなきゃいけないんだから。子どもの力を侮ったら、それで終わりだ。ね、マコちゃん。」

「もちろんです。」

「あの、マコさん、さっきはすいませんでした。」

「だから、謝らなくていいのよ。口に出したことは、仕事で返すしかないんだから。」とマコ様。

じゃないと、本当に認めるなんてできないでしょ

「仕事でみとめ会うしかないのが、アニメーターのつらいところだ。なっちゃんはもう、アニメーターなんだから。」と仲さん。

アニメーターは、実力の世界。

「なつよ、いまは、がんばるしかないぞ」

◆ 第 70 話

赤い風車の前で、ノブさんと会うなつ。

店の中に入る。

店は繁盛してる様子。

リリーフランキー演じる、角筈屋の社長の茂木もいる。

「お久しぶりです、茂木さん」なつ、話しかける。

「川村屋のマダムにきいたよ。やっとアニメーターになれたんだってね。おめでとう。」

「まだまだ見習いみたいなものですけど。ありがとうございます。」

お祝いだ、とある冊子を渡す茂木。漫画映画の教科書だ、と。なにやら洋書。ディズニーのアニメーターが描いた本だという。

全部英語で書かれてる。

そこで、もう一つのプレゼント、英語の辞書。

「自分で訳すんだよ。もっともっと勉強しなさい。」と茂木。

「ありがとうございます、茂木社長。一生、大事にします」と感激しているなつ。

「いやはや、古くなったらさ、買い換えていいんだよ、うちの商売もあるからさ」と照れ隠しの茂木社長。

そして流れる、優しいあの子!
重い扉を開けたら、暗い道が続く。
でもめげずに歩けば、知らなかった世界があるのだ。世界は、広がるのだ。

ノブさんと、なつの部屋へと行くなつ。

込み入った話か。

「なっちゃん、僕にできることがあれば、なんでも言ってくれ。無駄かもしれないけど、もっと、千遥ちゃんの力になれることがいいんだけどね」とノブさん。

「ノブさん、千遥のことは誰にも言わないで。心配させちゃうから。北海道には、手紙を書いて知らせておく。千遥が、いまからでも手紙を読んで、頼って行かないとも限らないし。 」

「なっちゃん…」と優しい笑みのノブさん。

暑いね、と窓を開けるなつ。

「ねぇ、ノブさん、六歳の女の子が、いくら辛いからといって、読めもしない手紙を持って、大人のいる家から逃げ出すなんてこと。そんな勇気、よく持てたよね。お兄ちゃんも、私も、そういう千遥を信じてる。私は、千遥の生きる力を信じてるから。」

「うん、そうだね。、」と噛みしめるように、優しい微笑みのノブさん。

客が出払った後、赤い風車のカウンターに、なつとノブさん、残ったおでんを食べようと集まる。そして、咲太郎も帰宅。

「お、みんな揃って。なつ、お前のところ、新しい作品やるんだってな。うちの亀山蘭子が、また役の声やることになった。」と咲太郎。

白蛇姫の評判が良かったそうだ。

そして、白蛇姫のポスターを眺めながら、なつが、ハッ!と気づく。

クレジットのところ、そこに奥原なつ、って名前が乗れば、どこかで千遥が目にすることがあるのでは?!と。

それはいい考えだ!となる。

「だったら、もっともっと頑張らないとね!私も、ムーランルージュの看板に名前乗るまで頑張ったなぁ」とあやみさん。

「あやみさん、私がんばる。絶対がんばる。」となつ。

夜、部屋。

茂木さんからもらった、ディズニーのアニメーターが描いた本を読むなつ。

STRETCH AND SQUASH ON HEADS

と書いてある。

ストレッチ あんど….?

辞書を引くなつ。

顔の伸び縮み、とようやく訳す。

「なつは、また、一心に夢を追い始めました。その、いつか、を信じて。」とウッチャンナレーション。

「お母さん、千遥のことは、兄と相談して、あらためて警察にまた届けることにしました。千遥は、必ずどこかで、元気にしてます。母さん、心配しないで。私は、千遥のためにも、一生懸命生きます。千遥にも、私のお母さんみたいな人がいることを、心から祈ります。信じています。母さんも、一緒に信じてください」

と、北海道の富士子へ手紙を送るなつ。

噛みしめるように読んで、涙ぐむ富士子。

「そして、秋になり、わんぱく牛若丸の製作がはじまりました。」

なつは、チーム下山。下山さん、三村 茜、堀内さん、大沢まこ様、そしてなつ、の布陣。

「うちにきたカットは、責任持って、僕たちで、いいものにしよう!」と下山さん!

頑張りましょう!となつ。

「一番下っ端のあなたが鼓舞してどうするのよ。なんかこのチーム、わたしには嫌味に感じるんですけど」と大沢マコ様。ゾクゾクする冷たい流し目!

どういう意味?!と、なつと堀内さん。

相性が悪いって意味よ! とマコ様。

「仲良くやろうよ!あ、今日のランチ、僕が奢っちゃおう!」と下山さんが言うと、

全員揃って、お願いします!

そこは全員気があった!

昼飯食う場面。

カレーライス食べてる。

「それにしても、堀内くんが辞めなくて良かったよ。芸大出の人で、アニメーターの仕事に失望してやめちゃう人も多いからね」と下山さん。

「どうして、失望するんですか」と堀内さん

「漫画映画あまり好きじゃなかったでしょ?」とマコ様。

「好きで入ったわけじゃないけど、今辞めたら、僕が使えなかったことになるじゃないか、」と堀内さん。

マコ様は、漫画映画が好きでこの世界に入ったとか。

「意外です」と三村 茜。

「失礼ね。わたしにはディズニーの世界は似合わないっていの。白雪姫に感動しちゃ悪いの。」

「白雪姫なんですか、きっかけは」

「そうよ」

「それなのに、あんな怖い常盤御前を…」と三村 茜。

睨みつけるマコ様。

「やっぱり、描く人に似ちゃうんだよね、絵は」と下山さん

「茜さんはどうしてこの世界に?」

「わたしは…なんとなく。短大の頃は、いろんなところを放浪しながら、好きに絵を描くのが好きだったのよ」と三村 茜。

山下清だ!と堀内さん。

「下山さんは、拳銃を撃ちたくて、警察官になったんですよね。」とマコ様。

バン!と手で銃をうつ仕草をする下山さん。

「それで、アクションばかりかかされるんだけどね!…あ。僕のとこだと、あんまり常盤御前のシーンは回ってこないと思うよ」

「描いてみたいです。亀山蘭子さんが、声やるんですよねぇ」となつ。

「奥原さんは、聞くまでもなく、好きの塊だね。」と三村 茜。

「はい。今の私にできるのはこれしかありませんから」

「できる?」とマコ様

「あ、いや、できるようにがんばるのは、これしかありませんから!」と言いなおす。

よろしい、と厳しい愛あるマコ様指導。

「あ、常盤御前のライブアクションには参加できるんですか?」と三村 茜

もちろんだよ!

ライブアクションの撮影スタジオ。

「ライブアクションとは、俳優が実際に演じたものを撮影し、それを、アニメーションの資料にすることです。ディズニー映画でも行われていて、東洋動画でも、この作品で本格的に取り入れようとしていました。」とウッチャンが説明。

牛若丸を演じるこどもが走ったりしてるところ、アニメーターたちが、イラストに描いている。

そして、スタジオに、亀山蘭子登場。

心を鬼にして、牛若丸を突っぱねるシーン。

よし、撮影だ、となるが、撮影の合図のカチンコ、を鳴らす青年が、ちゃんと鳴らせない。

カメラマンが怒り、おいテメェ、ちゃんとカチンコくらい鳴らせよ!カチンコの音で芝居が決まるんだからよ!と、その青年に怒鳴る。

「なつよ、この不器用な青年はいったい何者だろう。なぜか、わたしも気になります。」とウッチャンナレーション。

◆ 第 71 話

青年、カチンコを無事にカチーーン!

ライブアクションの撮影。

「なつは、ライブアクションに参加しました。ライブアクションとは、俳優が実際に演じたものを撮影し、それを、アニメーションの資料にすることです。ディズニー映画でも行われていて、東洋動画でも、この作品で本格的に取り入れようとしていました。」

亀山蘭子演じる常盤御前が、牛若丸を突き放す場面だ。

ひとつのシーンがおわり、次のシーンへ行く時、またカチンコで、青年が失敗してしまう。

演出助手の、坂場 一久。演じるのは、中川 大志。

ぶきっちょだな!と笑われている。

なつ、ニンマリしながら、その様子を、スケッチ。

「この不器用な青年が、アニメーターとしてのなつに、その後影響を与えていくことに、なるかもしれません。霊感です。」とウッチャンナレーション

そして流れる、優しいあの子!
心が暗く淀んで自信も失い気味な時でも、グッと響く切実な曲。

「東洋動画、総天然色長編漫画映画、第2弾。わんぱく牛若丸の作画作業が始まりました。この作品から、3つ穴のタップというものが、動画用紙を固定するために使われるようになりました。重ねた紙がずれる心配がなくなり、これが日本のアニメーションにとって、大きな技術革新になりました。」

そして、鏡をみて、表情をつくりながら、絵を描いてるなつ。

「アニメーターの机には、鏡があります。こうして、表情を確認しながら、キャラクターを描いていくのです。馬にだってなんだって、ならなければなりません。」とウッチャンナレーション。

そして、作画作業が佳境に入ったある日。

演出助手の、坂場くんが作画課に入ってきて、下山さんに話しかける。

「この動画はこれでいいんですか。この動画の動きは、おかしくないですか。」と坂場。

おかしい?

チェックしてみる下山さん。別に、おかしいところはない様子。

なつが描いた部分だ。

「なにかおかしいですか?」となつ。

「おかしくないですか、と僕が聞いているんです」と坂場。

むむむ!

これは、馬が崖を下っていくシーンで、牛若丸も馬も、怖がりながら下っていってて、と説明するなつ。

しかし、

「怖がってるなら、なんで身体が前につんのめってるのですか。怖がっているなら、後ろに仰け反りませんか?」

「それだと、速く走ってるようにみえないじゃないですか」となつ。

「速く走っているから、怖がるんですよね?」

「そうです、だからそれを、表情で表すんです。」

「表情で説明していれば、それで済むんですか?」

「え….」

言い返してやれよ、という視線を投げかける大沢まこ様。

「表情は説明なんかじゃありませんよ!アニメにとってキャラクターの表情は、大事な表現なんです。みてください、馬が崖を下っていく動きに合わせて、牛若丸や馬の顔が伸びたり縮んだりしてますよね、これが….」

「STRETCH AND SQUASHですか? ディズニーの原書ですよね。そういう表現は、動きにリアリティがなければ、ただの説明になりませんか?」

坂場に押され気味のなつ。

「それは、わかってます」

「だったら、どうしてこういう動きになるんですか」

「それは….牛若丸の、性格です!」

「性格?」

「この牛若丸はわんぱくなんです!だから怖くても後ろに引かないんです!」

あちゃー、という顔の面々。

「なるほど、危ないからやめろと言われても、見ていろと言わんばかりに崖を下ってく。それがのちに、鵯越の逆落とし坂落としにつながる、ということを想像させる場面ですからね。牛若丸が前のめりになるのは、わかるとしましょう。では、馬はどうでしょう。」

ウグヌヌヌ、となるなつ。

「わかった!君の言いたいことはわかった。それは、演出の露木さんの意見なのか?それとも、君の意見?」と割って入る下山さん。

「露木さんも、同じことを疑問に思ってました。けど、僕が最初にそう思ったので、聞きに来たんです」と坂場。

「そうか….うん、直すよ。直すって、露木さんに伝えといてくれない」と下山さん。

それじゃ、よろしくおねがいします、と去ろうとする坂場を呼び止め、

「リアリティってなんですか?」となつ。

アニメーションのリアリティは、人間や動物の動きをそっくり同じに描くことなのか、と。

「それで子供は楽しいんでしょうか? アニメーションにしかできない動きをするから楽しいのでは?」となつ。

それを聞いて、なんとも食えない反応の坂場、

「アニメーションにしかできない表現ですか…子供がみるから、リアリティは無視していいということですか?」

「そんなことは言ってません!」

いちいち腹立つ言い方するやつだ!

「僕には実際、まだわかってないんです。みなさんのやろうとしてることが。現実的な世界のリアリティを追求しようとしているのか、それとも、アニメーションにしかできない表現を追求しているのか。どこに向かっているのか。わかってないんです。すいません新人なもので。これからも、教えてください。」

そして、出て行く坂場。

「カチンコも叩けなかったくせに」とまこ様。

「東洋動画の問題点をズバリ指摘しやがった」と堀内くん。

「問題点?」と若者たち。

「この会社の方向性だよ!どこに行きたいのか。今やってるのだって、日本の時代劇に、ディズニーの要素を適当にいれてるだけじゃないか」と堀内くん。

「適当なんですか?! 私は、仲さんや下山さんの動画は、その2つを結び付けていてすごいなと思います!」となつ。

「あの新人のいうことも、堀内くんのいうことも、正しいんだよ。アニメーションの作り方に、まだ明確な答えはないわけだから。」と仲さん。

「ディズニーの原作だって、もう古いのかもしれないしな」と井戸原さん。

「我々は、我々ができる新しい表現を、見つけていかなければいけないんだ。」と下山さん。

フーム

「ところで奥原さん、鵯越の逆落とし、がなんなのか、知らないわけじゃないわよね?」とまこ様。

え?と周り見渡し、知ってますよ、それくらい!となつ。

さては、知らないな!

昼休み。中庭。

モモッチとばったり。久しぶりに一緒にランチ。

「今日はなんとなく、もやもやしてて。…演出助手の坂場って人知ってる?」

「知ってるよ、東大出身の。哲学を専攻してた。そういう情報は仕上げ課にへんなこといっちゃった。」

「そんな人に、生意気なこと言っちゃった。でも、すごく変な人だった。」

事情を聞くモモッチ。

「ふーん。アニメーションにしかできない表現か。逆にいえばなんでもできるからね。」

「そう。なんでもできるから、やりたいことがわかってないとダメなのかな。」

「やりたいことってなに?」

「それが自分でもなんかのか、わかってないんだわ。どこに向かって絵を描いてんのか、そんなことも考えなくなってたんだ私は」

「アニメーターになったばかりで、そんなこと考えなくてもいいんじゃない」

「だけど、向こうだって新人だよ。こっちよりも!」

パンをアムるなつ。

「なつよ、早速あの青年が、君に影響を与えたようだな。」

◆ 第 72 話

なつが鵯越の逆落としの意味やなんやらで悩んでた一方、新劇の入団試験を受けている雪次郎。

21番、オバタ 雪次郎です!

ピアノの音を聴いて、イメージしたことを、自由に身体を使って表現してください、と咲太郎が出題。

「ここにも、どこに向かってるかわからないやつが、ひとりいました。」

そして流れる、優しいあの子!
重い扉を開いてめげずに歩けば知らなかった世界があるのか

熱意を持って演じる雪次郎。
その様子をみて、感心した様子の咲太郎、

「雪次郎の乱が、ひそかに始まっていました。」

なつ、モモッチと一緒に川村屋へ。

なんと、そこには演出助手の坂場が客としていた!

ひたすら本を読んでいる。

モモッチが乗り気で、坂場さんのテーブルに同席することになったなつとモモヨ。

本をよみ続けている坂場。

バターカリーを2つ注文する二人。

「どうして、ここに居るんですか」と坂場にきくなつ。

新宿で本を買って、すぐ読みたくて川村屋に来たという。

「ここ、前にわたしが働いてた店なんです」となつ。

「僕がここにいることと、あなたがこの店で働いてたことは、単なる偶然ですよね」と坂場。

「偶然だとおもいます」

「だったら、どうしてここにいるのかと驚くようなことでもない。それだけのことです。」と言い放ち、熱心に本を読む坂場。

「それだけのことですね。もういいです。」となつ。

カリーパンを食べてる坂場に対し、

「バターカリーは食べないんですか?」とモモッチ。

「なぜ?ここの名物ですが、しかし、値段が高すぎる。カリーパンでも贅沢です。あなたたちのバターカリーを、見学させてください。」

「わたしの半分食べてください!」とモモッチ

しかし

「けっこうです、パンで十分です」と坂場。

すると、カリーパンのカリーの部分が読んでいた本にポトリ!

あわててふきとる。

「ほんとにぶきっちょなんですね」となつ。

「はい…不器用がいいと思ったことはありません。だから、私はあなた方のような絵を描けません。絵を描けるということは、ほんとに素晴らしいことだとおもいます。」と坂場。

「あの、どうしてアニメーションを選んだんですか。映画が好きなら普通の映画だってあるし、絵を描かないなら、どうして漫画映画を作ろうと思ったんですか。」となつ。

「思ったんです。アニメーションは、子供に夢を与えるだけのものではなく、大人にも夢を与えるものだと思ったんです。フランスのアニメーションで、アンデルセンの動画を原作にして、戦争を描いたものがありました。ナチスドイツを思わせる独裁的な力から、人々が解放されて自由になる話を、子供が見ても、ワクワクドキドキするような、アニメーションの語り口を見たんです。そんな表現方法は、ほかにないと思いました。しかし残念ながら、そういう可能性がアニメーションにあるとは、まだ思われていないようです。」と坂場。

「それじゃ、アニメーションにしかできない表現ってなんですか?なんだと思いますか?」

「そうですね、自分の考えしか言えませんが、それは….」

言いかけたところで、

川村屋のマダムに声をかけられ、奥に呼ばれるなつ。

ちょっと話があると。

モモッチと坂場さんが二人に。ニンマリするモモッチ。

奥の部屋。

なんと、雪次郎が川村屋をやめると言い出したそうだ。芝居をしたいから、と。

驚くなつ。

「止められそうにないのよ、わたしでは」とマダム。

急いで雪次郎の部屋へいくなつ。

ドアをノック!

雪次郎くん!

「なっちゃんどしたの」

「どしたのじゃないしょ!いま話きいたわ!」

「咲太郎さんからか…」

「え?」

とにかく、部屋にあがるなつ。

「お兄さんのせいなの?」

「違う。咲太郎さんに言われたわけではねぇ。」

「ほんとに劇団に入って、役者になんの?!」

「劇団に受かれば、ね」

「え?まだ受かってないの」

「今日受けたから。結果はまだ出てねえ」

「受かってもないのに、なんで川村屋やめると!」

「なっちゃんだって、同じだべ。受かる前に、酪農やめたんだべか。決心するって、そういうことだ。」

「帯広のおじさん、おばさん、トヨばあちゃんにはなんて言ったの?」

「それはまだこれからだ」

「なして!そこが一番大事だべさ!ここやめる前に言うべきでしょうが!」

「そこは、なっちゃんとは違うんだよ!」

「何が違うの?!」

「なっちゃんには、兄弟がいたべさ。俺の場合は、ほんとに裏切ることになってしまうんだ。したけど、親の期待を裏切っても、俺は…」

「だめ、それは絶対だめ。」

無理やり、雪次郎を赤い風車に連れていくなつ。

そこには、咲太郎、煙カスミ、土間さん。

「お兄ちゃん、ちょっと話があんだわ。」

雪次郎、店の中に入る

「雪次郎くん!思い切ったことしたね」とあやみさん。

「よく決心した!」と煙カスミ。

「あんたには負けないからね」と土間さん。

そんなムードに対し、

ちょっとまって!となつ。

「雪次郎くんを、役者にはできません!」

「どうして?」と咲太郎。

どうしても。

「ああ、なつよ。いまのわたしに言えることは、来週に続けよ」とウッチャンナレーション

次週、なつよ「雪月」が大ピンチ!

★感想

千遥の真相が明らかになるところは衝撃的であった。そして、わんぱく牛若丸の制作がはじまり、あらわれた新キャラ、坂場 一久、がからんでくる。演じるのは、中川 大志。なつに影響を与えていくということだが、このナイーブなぶきっちょインテリ青年は、まさかなつと男女の関係になったりはしないだろうなと一抹の不安もよぎる。天陽くんはどうするのだ! 切ないぞ! そして、役者の夢を諦めきれず、川村屋をやめると言い出している雪次郎。ドラマは尽きない。なつぞらは続く。

わんぱく牛若丸の行方を見守るべく、今からでも遅くない、なつぞらをみよう。

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録あらすじ —第1週 「なつよ、ここが十勝だ!」

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ セリフ書き起こし 第2週 「なつよ、夢の扉を開け!」

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ セリフ書き起こし第3週「なつよ、これが青春だ!

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第4週「なつよ、女優になれ!」

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第5週「なつよ、お兄ちゃんはどこに!」

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第6週「なつよ、雪原に愛を叫べ」

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第7週「なつよ、今が決断の時!」

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第8週「なつよ、東京に気をつけろ!」

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第9週「なつよ、夢をあきらめるな」

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第10週 「なつよ、絵に命を与えよ」

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第11週 「なつよ、アニメーターは君だ」

 

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第11週 「なつよ、アニメーターは君だ」

ついに、2019年の春、100作目を迎えたという、公共放送の朝ドラ。

その記念すべき作品は、なんと広瀬すずが主演で、加えて、北海道の十勝が舞台!

アニメーター、奥原なつの人生を描くという。

それは特別だ、という事で、2019年4月1日からはじまったこの、「なつぞら」

追いかけていきたい!

今週は、第11週、「なつよ、アニメーターは君だ」第61話から66話までのまとめだ。

◆第 61 話

「昭和32年の春になりました。白蛇姫の仕上作業は、追い込みに入っています。」とウッチャンナレーション。

忙しそうな仕上課。

「なつが、仕上課に入って五ヶ月。はじめて関わったこの作品は、遅れに遅れた作画の作業がやっと全部終わり、あとは、仕上げを間に合わせるのみ。なつたちは、残業の日々が続きました。」

あくびをしてるなつ、仕事が遅いからあくびがでるのよ!と叱咤される。

モモヨにタメ口になっているなつ。
モモヨも、服装をなつに近づけている。
この五ヶ月で、仲良くなったのだ。

仕上課に、作画課のアニメーターのひとたちが雪崩れ込んでくる。

仕上を終わらせる助っ人としてやってきたのだ。

黄色い声援!

ガールフレンド探しの説もあり。

仲さんも、女の子に囲まれている。

しかし、アニメーターのひとたち、なつとモモヨのところにはこない。

「変わってる、って思われてるからじゃないの?」とモモヨ。

なつは黄色、モモヨは赤。

色彩あざやかなファッション。

「なつの道はまだまだこれから、始まったばかりです」

そして流れる、優しいあの子!
梅雨の雨の日に泌みる。

月曜は、

“口にするたびに泣けるほど
憧れて砕かれて
消えかけた火を胸に抱き
たどり着いたコタン”

という部分が長い。

今週の演出は、木村隆文。

「そして、どんな仕事にも終わりはやってきます。」

動画総数、65298枚。
すべての彩色、トレースが終了。

「このあとは、セル画と背景を合わせて撮影し、編集され、セリフの声や音楽と重ねられ、ようやく、漫画映画は完成するのです。」

赤い風車に帰ると、テルオとサラさんが!

結婚おめでとう!

畑仕事が忙しくなる前に、スピード婚を決め込んだテルオ。

東京に来る前、北海道では、テルオとサラの結婚の祝いが行われていた。

テーブルの上の祝いの鯛。

サラさん、嫁入り。

「これで柴田牧場も安泰だ」と悠吉さん。

「弥一郎さんとの仕事は大丈夫かい?」と剛男。

「私が勝手に彫刻を手伝ってたらだけですから。父は私に好きなように生きろと言っていました。彫刻は続けたいんですが…時々、父を手伝いに行ってもいいですか」とサラさん。

「それはもちろん! 」と富士子。

「うちに来ても、好きに生きてもらっていい。テルオを選んでくれたことが、なにより嬉しいのだから。」と剛男。

牛舎。バターチャーンを回している泰樹じいさん。

「サラさん、なつに会ったら、サラさんと3人で作ったものだって言って、渡してくれないかい。なつの夢を、サラさんが受け継いでくれたら、なによりあいつがホッとするべ。」と、サラさんにバターを手渡す。

東京、赤い風車。

テルオとサラとじいさんで作った3人で作ったバターの箱を開けるなつ。

ああ、懐かしい匂い!と感動しているなつ。

天陽くんからも、じゃがいもが。
なつの兄貴にも食べて欲しい、と。

「天陽くん、って? 」とあやみさん。

「なつの恋人です! 」とサラさん。

「そんなんじゃないですよ!」とあわてふためくなつ。

「天陽くんは、あの、目標とするひとです!」

「目標が結婚かい!」と盛り上がるあやみさん。

そして、弥一郎さんから、木彫りのクマも。

そこで、咲太郎登場。

北海道と東京の兄貴たち、初対面。

テルオです、なつがお世話になってます。
咲太郎です、なつがお世話になってます。

いいあいさつだ!

天陽くんの持ってきたじゃがいもをじゃがバターにして食べてる。

おいしそうだ!

お兄さん同士、酒を飲み交わしている。

なつの住み込み部屋を見に行くテルオとサラさん。

「すごい洋服!」と驚くふたり。

これ全部あやみさんの。

床には、作画の練習したものがびっしり。

「頑張ってるな」とテルオ。

「でも、まだ全然だめ」となつ。

「お母さんには、なんて言う?」

「お母さんには、大丈夫だと伝えて。必ず夢を、叶えてみせる」って。

「わかった。あやみさんともうまくいってるみたいだしな。」

「人に助けられてばっかりだはわたしは。」となつ。

「家族が増えていくみたいで、いいじゃない。」とサラさん。

「でも。大事な家族にまだ一人会えてないんだわ」となつ。

千遥のことだ。

昔のこと忘れて幸せに暮らしてるだろうから、邪魔しないどけ、と咲太郎は言っているが。

皿洗いする、咲太郎。

「お邪魔しました。これからもなつを、よろしくお願いします。」と、テルオ。

「大丈夫!こっちの兄さんもついてるから!」とあやみさん。

「お兄さん、お兄さんもどうか、北海道に来てください。」と咲太郎へ言うテルオ。

「ありがとう。幸せにな。」と咲太郎。

そして、これ、荷物になるけど、みんなへ、と新宿のデパートで買った手袋をテルオとサラさんにわたすなつ。

みなの似顔絵を包装紙にはりつけている。

「サラさん、幸せになってね!」となつ。

「心配すんな、おれがついてんだ」とテルオ。

「これからはわたしも待ってるね、なっちゃん、家族と一緒に。」とサラさん。

見上げれば、空には月。

北海道のじいさんも、同じ月を見てる。

月を見上げるという行為の詩情。

「なつは、久しぶりに北海道の風を吸い込んだ気がしました。その夜も、なつは遅くまで、アニメーターになる練習をしました。なつよ、みんな、家族の幸せを祈っているぞ。」とウッチャンナレーション。

◆ 第 62 話

白蛇姫の仕上が終わった日、北海道からテルオとサラが新婚旅行でやってきた。

そして、咲太郎の新劇の劇団の公演を観に行くなつと雪次郎。

「なつは東京で、はじめて本物の舞台を観たのです。」

亀山蘭子が舞台で熱演している。

演じるのは、 鈴木杏樹。

そして流れる、優しいあの子!
重い扉を開いて、歩いていきたい。

舞台をみてる、なつと雪次郎。

亀山蘭子の熱演。

舞台がおわり、咲太郎にあいさつするなつと雪次郎。

「観ている間、ずっと体が熱かったです」と雪次郎。

「いかった!亀山蘭子がすごかった!」と熱く感想を語るなつ。

「じゃあ、会わせてやる」と咲太郎。

大女優っぷりがすごい亀山蘭子が、なつと雪次郎の前に登場。

俺の妹です、となつを紹介する咲太郎。

「9年ぶりに再会して、いま一緒に暮らしてます。」

「どうでしたか、舞台は」と感想をきく亀山蘭子。

「いかったです!すごかったです!あ、絵に描きたいと思いました。いや、でも、絵には描けないな、この感動は、」となつ。

「なんだかこんがらがった感想ね!」

「それからこいつは、なつの友達。北海道で演劇やってたやつなんです」と雪次郎を紹介。

「どうでしたか」と亀山蘭子

「普通なんだと思いました、と雪次郎。

む、お前なに言ってるんだ!と咲太郎。

「普通、というのは、普通のひとがまるでそこにいるみたいというか、そういう、アマチュア精神を感じるというか」

失礼だろ!と咲太郎。

「普通の人が言いたいことをつたえる力があることが、スターなんだと思ったんです。なまらすんげえ、俳優なんだと、それが新劇なんだと思いました。」と雪次郎。

こいつの感想もこんがらがっててすいません!

「あなたはいまなにをやってるの?」と亀山蘭子。

「新宿の川村屋でお菓子作りの修行をしています!」

「雪次郎くんの家はは、帯広のお菓子屋なんです。お菓子と同じくらい、雪次郎くんは演劇が好きなんです」となつ。

「そう、それでよく、芝居をやめられたわね」と亀山蘭子。

ハッとする雪次郎。

茫然としている。

「なつたちにとって、この出会いもまた一つの運命かもしれません。」

場面は、赤い風車。

「びっくりしました!人形が出てこないんです。人形が奥さんなんです。子どものころ父親に人形のように可愛がられてて、大人になってから、旦那さんに人形のように可愛がられてた奥さんが、最後に目が覚めた、と言って家を出て行ってしまうんです!」と熱く感想を語るなつ。

「長い間、女は家の中に、閉じ込められてきた。それを解き放とうという運動なんだよ、この芝居は。」と咲太郎

すると

「運動なんかじゃないです。」と雪次郎。

「芝居は運動なんかじゃないです。演劇や文学の目的は、問題の解決にあるんじゃない、とイプセンも言っています。その目的は、人間の描写です。人間を描き出すことです。詩人や哲学者としてそれを描いたんです。それを観た観客も、詩的な、哲学的な人間になるんですよね。」

すっかり感化されてしまっている雪次郎。
素晴らしい舞台や作品をみたあとは、こんな感じになる。

よく勉強してるな!と咲太郎。

「いやぁ、いくら本を読んでもわからなかったことが、あの人の演技をみて、よくわかったんですよね。実感できたんです。」と雪次郎。

「人間の描写か。あんな芝居も、絵にかけたらすごいなぁ」となつ。

夜。

「なつは、蘭子さんの芝居を思い浮かべて、白蛇姫のワンシーンを描きたくなりました。」

夜な夜な、絵の練習をするなつ。

「それからもなつは、動画の線を綺麗に書く、クリンナップの練習を、続けていました。それができなければ、どんなに気持ちを込めても、使い物になりません。」

そして、翌日。東洋動画の仕上課のオフィス。

「白蛇姫の、作画から仕上までおわると、なつたちは嘘のように暇になりました。」

「時間があるいまの時期に、トレースの練習します! トレースは、動画の線を崩さず写し取ることです、と説明する」石山富子チーフ。

自信ある人はいますか?挑戦したい人はいませんか?と呼びかけると、

なつ、手をあげる。

奥原さん、やってごらんなさい。
墨をすって、そのペンで描いて。

墨をするなつ。

魚の絵をトレース。

なかなかうまい、と褒められる。

しかし、もう一度同じものを描くように要求する石山富子。

さらに、もう一度。

さらにさらにもう一度。何度も同じ魚の絵をかくはめに!

「なつは、同じ絵を10枚もかかされました」

それじゃあ、トレースしたセルを重ねてみなさい、と石山富子チーフ。

トレースしたものを重ねる。

すると、ありゃあ、線がずれてる!

「なつよ、線がずれまくってるぞ。まだまだってことだな。」

◆ 第 63 話

「トレースは、動画の線を崩さず写し取ることです、と説明する」石井富子チーフ。

トレースの練習をするなつ。

何枚も同じ絵を描いて、重ねてみると、ずれてる!

そして流れる、優しいあの子!
氷を散らす風すら 味方にもできる

ずれてるなつのトレース。

トレースをやってる西田さんが同じ絵を描いて重ねたものを見せてもらう。

全然ずれてない!

「映画のフイルムは1秒間に24コマです。私たちが描いているアニメーションは、たいていはセル画一枚を2コマずつ使って、12コマでできています。その1秒間に、動いていない部分がこれだけ動けば、どうなりますか。」

と、いかにトレースでぴったりさせることが重要か説く石井富子先輩。

しかも、ぴったんこに見える西田さんのトレースも、実はほんのわずかにずれているとか。

しかし、その微かなずれが、アニメーションに命を与える。

静止画でも、微かな動き。絵が生きているように見える。

トレース、奥深い!

昼休み 中庭

なつとモモッチで飯食っている。

「なっちゃん、見事に生贄にされちゃったね、トミさんに。」

「トミさん?」

会社では、石井富子先輩は、影でトミさん、と呼ばれている。

モモッチは腹が立った時は、トミ公、と呼ぶとか。

トレースの奥深さを噛みしめるなつ。

なつの服を羨ましがるモモッチ。

服の話などしていると、よこからヌルッと、下山さんが顔を出してきた。

「二人とも、よく頑張ってるよ」

「下山さん!」と驚く二人。

「いまのところ、同じ服装をみたことない。同じ服は着てても、組み合わせは必ず変えてる。感心するよ!イッヒッヒ。」と下山さん。

「どうしてそんなことわかるんですか?」

「証拠なら、ここにあります!」

抱えていたスケッチブックをみせる下山さん。

なんと、なつとモモッチの職場での様子がスケッチされていた!

同じ服装が出たらやめようと思って描いていたら、ずっと描きつづけることになってしまったという。

「同じ服装で来たら、逮捕するからネ!」と言い放つ下山さん。

「よし、逃げ切ってやるわ!」とモモッチ。

夕方。仕事を終え、川村屋に行くなつ。

「お久しぶりです!」とノガミさんに声をかけるなつ

「見るたびにあなた、安っぽい芸術家のような格好になっていきますね 」とノガミさん得意のイヤミな発言!

サチコさんも登場。

喜ぶふたり。

なつが座る席を探すも、満席の様子。

「川村屋には去年の暮れからテレビが置かれて、商売繁盛しておりました」

マダム登場。

「元気そうね!」

「東京の兄も元気です」

「きいてないわよそこは!」

「マダムは人形の家みてくれました?」

「忙しくてね」

となつとマダムのやりとり。

「チケットは買ったみたいですよ、10枚も」とノガミさん。

「新劇好きな友達にあげるためよ!」と苦しい言い訳のマダム。

そこへノブさん登場。

なんと、ちょうどテレビで、ノブさんが取材したニュースが流れるという。

目を輝かせるなつ。

“都会の迷子たち

日夜増幅し続ける東京

そんな中、取り残されるのが、こどもたちの存在です。

東京の玄関口、上野では、毎月30人の迷い子が保護されます。

一日、3回駅を巡回しているのは、上野署の警察官たち。

この日も、駅で泣きべそをかいていた、マツカワ カツミ ちゃん7歳に 声をかけました。

どうやら、離れてくらす父親に会おうと駅まで来たものの、途方にくれていた様子。

母親が迎えにきた瞬間、大粒の涙をながす、カツミちゃん….”

テレビをみながら、戦後まもなくの自身の幼少期を思い出しているなつ。

「ねえ、ノブさん、お願いがあるんだけど」

「なに?」

「ちはるを、みつけたい」

ついに、ちはるが…!

「なつの知りたいニュースは、それだよな。」とウッチャンナレーション。

「それは、僕もずっと気にはなっているけど、咲太郎は探しても仕様がないというし。」とノブさん。

「居場所がわかったって、ちはるの幸せを邪魔するようなことは絶対にしないよ」となつ。

「咲ちゃんはちがうんじゃないのかな。もし会ったら、自分がどうなるかわからなくて、苦しんでるんじゃないかしら」とマダム。

ちはるに、いまの自分がなにをしてやれるのか、そう考え乱れるのが怖いのでは、と。

「お兄ちゃんには、私が話す。ノブさん、探してくれる?」

「必ず探すよ。」とノブさん。

夜中。

こどものころのちはるを思い出しながら絵を描くなつ。

そして、咲太郎帰宅。

「頑張ってるな。こっちは明日が千秋楽だ。雪次郎が、あれから毎日見にきてるぞ。仕事終わってから、第三幕だけ。」となつへ報告。

雪次郎、ハマってるな。

「あのさ、お兄ちゃん、話があるんだけど。」と切り出すなつ。

「ちはるのこと。いまどこにいるか知りたい。ちはるが、わたしらのこと忘れててもいい。いることを確認するだけ、遠くからみるだけでもいい。」

「だけど、どうやって探すんだ」

「ノブさんが探してくれる」

「ノブが」

「お願い。おばさんが引っ越す前の住所、教えて。」

黙って、部屋をでて、手紙を持って戻ってくる咲太郎。

「これがおばさんから孤児院にきた最後の手紙だ。そこに、ちはるは幸せに暮らしていると書いてある。」

「孤児院に、引っ越し先を知らせる手紙が来てるかもしれないね」

「来てないよ。それからは一通もきてないそうだ。引っ越す前の家にも言ったんだ。近所の人に聞いても、どこに行ったかわからなくて」

「お兄ちゃんもやっぱり、会いたかったんだよね」

「….当たり前だろ。ノブによろしくたのむと言ってくれ。」

「ありがとう、にいちゃん。」

「無理するなよ。」

と、なつと咲太郎のやりとり。

出て行くなつ。

「カワタニ トシ は、なつの母親のいとこです。なつよ、どうしても、知りたいか。知りたいよな。」とウッチャンナレーション。

◆ 第64話

「公開が間近に控えた白蛇姫は、俳優が声を吹き込むアフレコ作業を残すのみとなりました。その間もなつは、セル画に線をうつしとり、トレースの練習に励んでいました。」とウッチャンナレーション。

魚の絵のトレースの練習を続けるなつ。

そして流れる、優しいあの子!

場面は、作画課。

「ひとつの作品が終わると、アニメーターたちにもしばらくのんびりした時間が訪れるようで、それぞれが、自分の勉強などをして、過ごしていました。」

貫地谷しほり演じる大沢まこ様にふろしきいっぱいの、大量に書かれた動画をみせる、井浦新演じる仲さん。

なつが、練習でとにかく書きまくったものだ。

これ、君がみてくれないか。とお願いする仲さん。

「なんで私が」

「奥原なつの才能に一番最初に気づいたのは君だからね。」

「あれは、才能なんでしょうか」

「正直言って、僕にもわからないよ。君の意見、きかせてほしい。たのんだよ。」

なつの描いた動画をパラパラとみる大沢まこ様。

なにやら考え込む。

昼休み。中庭。

ひとり、パンを食べながら絵を描いてるなつ。

仲さんが通りかかる。

声をかけるなつ。

「動画、みてもらえましたか。」

「うん、あれは、違う人にみてもらっているよ。」

「え」

「それより、君のお兄さん、まだあの劇団にいるのかい?」

「赤い星座ですか?はい。いますけど、それがなにか?」

「うん。アニメーションは、プレスコと言って、最初に音楽や声を録音してから、あとで、それにあわせて我々が絵を描いたわけだけど、描いてるうちにかなり変更されて、撮り直すことになったんだ。でも、そのセリフを吹き込んだ映画スターが二人とも、声だけの出演は嫌だと言って、降りてしまったんだよ。」

「ふたり?」

「ふたりのスターが、全部の声をやってたんだ。会社は、話題になると思ってね。演出の露木さんと、うまくいってなかったようだから、それが原因だと思うけど。露木さんも、全部違う声め撮り直すといって、新たに役者をふたり立てたんだ。で、そのひとりが、赤い星座の亀山蘭子になったんだよ」

なんと! 前回でてきた鈴木杏樹演じる亀山蘭子が、ここで繋がってくるとは!

そして、アフレコの録音スタジオ。

亀山蘭子に説明をする、演出の露木さん。

この役、亀山さんにしかできないと思ってましたんですよ、と亀山さんをおだてあげる露木。

白蛇の声に加えて、シャオチンの声も全部亀山さんがやることに。

「適当に声色変えればいいですから」と露木。

そして、もう一人の声をやる、豊富 遊声がやってくる。

演じるのは山寺宏一。

「私は、活動弁士をやってたんだ、まかせなさい!」と自信たっぷり。

そして、アフレコがはじまる。

亀山蘭子がシャオチンの声を当てていると、演出の露木が録音を中断、

「あのね、シャオチンはそんなやり手ババアみたいな声じゃないんですよ。まだ少女なんです。少女でありながら、色気があってそれでいて茶目っ気もあるんですよ 」とダメ出し

適当に声色変えればいいって言ってたじゃねぇかよ!

演出の指導で何回か手直し、またアフレコ再開。

シャオチンの声とパイニャンの声をひとり二役で頑張る亀山蘭子。

山寺宏一演じる豊富 遊声のアフレコは、さすがのクオリティ!

休憩時間、水を飲む亀山蘭子。

「これも劇団のため、活動資金を稼ぐためよね」とぼやく亀山蘭子。

豊富さんは、さすが活動弁士だけあってうまいわね、と

「うまいですが、森繁久彌のほうがもっとうまい気がしますよ。」と咲太郎。

ウフフ、と亀山蘭子。

そこへ、なつと仲さんがスタジオ入ってくる。

なつ、見学に来た。

なつと亀山蘭子さん、舞台の後の時以来の再開。

「あなたが描いてる絵ってこれだったの!」と亀山蘭子。

「はい、まだ色を塗ってるだけですけど」となつ。

そして、場面は夕暮れ時の仕上課。

トミさん(石井富子)のところへいき、話しかける大沢まこ様。

「ちょっと聞きたいんですけど、奥原なつって優秀ですか」

「優秀、とはいえないわね。入って一年も経ってないし、彩色の仕事は丁寧なんだけど、とにかくおそいのよ。」

「おそい…動画だと、とにかく速い、って話だったけど。あの子、ただの素人なのか、それとも天才なのか」

「なんかあるの?」

「どっちだと思います?」

と、マコ様とトミ公のやりとり。

場面はアフレコスタジオ。

引き続きアフレコ。

山寺宏一と鈴木杏樹で、迫力のアフレコを繰り広げている。

実際の白蛇伝のアニメが流されている。

観ながら、目に涙をためているなつ。

パイニャンが泣くシーン。

泣く直前に、一瞬なにかをひらめいて、表情変えるところ。なつの動画のアイデアが採用された箇所がクローズアップされる。

アフレコ終わり。

「どう、映画をつくる面白さ、感じられた?」と仲さん。

「はい。まるで、夢を現実にみてるみたいでした。」となつ。

それを聞いて、よし、言おう、といった勢いで、

「なっちゃん、次の作品が決まったよ…そこで、また動画のテスト受けてみないか?」

となつの肩をつかみ、伝える仲さん。

「なつよ、その夢の続きを、みられるか。」

◆ 第65話

なっちゃん、次の作品が決まったよ…そこで、また動画のテスト受けてみないか?

と、仲さんに言われるなつ。

そして流れる、優しいあの子!
ルルルルル

場面は赤い風車。

カウンターに、咲太郎、なつ、雪次郎が座ってる。

また試験を受けられることになった話をしているなつ。

「それは、期待してもらっているということだねぇ」とあやみさん。

「しかし、漫画映画もいいもんだよな、役者には、ああいう可能性だってあるだよなぁ」としみじみ、咲太郎。

亀山蘭子が声を吹き込み、白蛇姫が泣くシーンで、いい芝居だ、と、思ったという。

煙カスミと土間さんも店に入ってくる。

なにやら、土間レミコから咲太郎に頼みがあるようだ。

実は、土間レミコ、新劇やりたい。
咲太郎と同じ劇団に入りたい、と。

人形の家をみて、感銘を受けたという。

「レミコでも、漫画映画なら絶世の美女になれるんだよ!…いや、パンダかもしれない」

とおどける咲太郎。

「なつは、それからも必死に、きれいな線で動画を描く練習を続けました。」

夜な夜な、うさぎの動画を描くなつ。

「そしてふたたび、試験に挑みました。」

試験当日。

試験室にはいると、仲さんと井戸原さん。

5枚以上の動画を完成させよ。
8時間が制限時間。

じいさんからもらった懐中時計を時折みながら、試験に取り組むなつ。

「じいちゃんは鍬を片手に、なにもない大地を耕しました。」

“漫画か映画か知らんが、東京を耕してこい。開拓してこい。” と、言ってなつを送り出した、じいさんの言葉を思い浮かべてるなつ。

「私は鉛筆を手に、まだなんもない世界を耕しています。じいさんの世界は遠いけど、いつかそこにたどり着けるように。」と心の中で独りごちりながら、試験にいどむなつ。

試験終了。

なんと、なつは50枚もの動画を描いた。

「動画で肝心なのは、線のきれいさ、正確さだが、短いあいだに、よくここまで上達したね。君に、アニメーターとしての可能性があることだけは、誰もが認めざるを得ない。」

と井戸原さん

「合格だ!」と仲さん。

大沢まこ様も、なつを推していたとか。

よかった、なつ!

思わず、呆然としているなつ。

大沢まこ様のデスクへ行き、頭をさげる。

「ありがとうございました。奥原なつです。これからこちらで、お世話になります。どうか、よろしくお願いします! 」

「よかったわね。じゃあがんばんなさいよ」と優しい言葉をかけるまこ様。

「おめでとうなっちゃん。ようこそ、動画の世界へ! 」と下山さん。

仕上課の、石井富子さんへもあいさつに行くなつ。

「しっかりおやりなさい。あなたがいい動画を描いたら、こっちでしっかり仕上げるからね。その時はあなたを、なっちゃんと呼ばせてね。」とトミさん。

「はい!私も石井さんを、トミ公さんと呼ばせてください!」

「トミ公?!」

「あ!」

「トミ公….!?」

じいさんへ手紙を書くなつ。

「じいちゃんに次会う時は、この道をしっかり歩ける人になっていたいです。それが、どんなに小さな道でも、自分の大切な道を誇れるように、じいちゃんに示したいです。どうか、そのことを、じいちゃんから父さんや母さんに伝えてください。そっちに帰れなくても、大好きなじいちゃん、じいちゃんは、いつでも私の、一番の誇りです。」

ジーンとくる。

一方、なつの部屋。

鏡の前で、ダンスを舞うあやみさん。

川村屋へ向かう、咲太郎となつ。

マダムに、お金を渡す咲太郎。

「これで、全額!お納めください!」

咲太郎、これでマダムに借りなし。

そして、

「マダム、わたしアニメーターになったんです!」となつ。

「あら! 」と我が事のように喜ぶマダム。

川村屋のテレビでは、なにやら犬が写ってる。

名犬 チンチンリー 。

「名犬チンチンリー、アメリカの映画よ」とマダム。

「でも、日本語が聞こえますけど?」

「声を入れてるのよ。子供が楽しんでみるものだから、字幕よりもみやすいのよ。」

「へぇ…なるほど、日本の役者が喋ってるのか。面白いな。」となにやら思いついた様子の咲太郎。

「なつよ、咲太郎よ、新しい道を、どんどん切り拓け。」

◆ 第 66 話

奥原なつ、の掛札が作画課にかけられる

机に案内されるなつ。

隣の席は、渡辺麻友演じる、三村 茜。

ついに、夢に見たアニメーター!

「なつは、晴れてアニメーターになりました」

そして流れる優しいあの子!
晴れ晴れとした気持ちを盛り立てる。

「昭和32年の、夏を迎えました。」

アニメーター会議で、次回作を発表する、井戸原さん。

「わんぱく牛若丸」

今回は、みんなからキャラクターを募集したい、と仲さん。

例として、仲さんの書いた牛若丸をみせる。

原画、動画、関係なく、キャラクターを募集。

脚本がアニメーターたちに渡される。

期限は、お盆休み明けまで。

これは、クリエイティブが試されるチャンス。

大沢マコ様に話しかけるなつ。

「マコさんも、キャラクター応募しますよね」

「するわよ」

「じゃあ誰にも相談できないですね、、」

「あなた、期待されてると思ってるの?」

「え、思ってません」

「なら、楽でいいじゃない」

ぬ!

三村 茜、なつに話しかける。

「なっちゃんも、参加するよね? じゃあ、誰にも相談できないね、、」

「期待されてないし、ラクに行きましょ、ラクに! 」と開き直るなつ。

「あ、いまのは自分に言ったんです!」

「なっちゃん、すごい、肝が座ってるね」と三村茜。

ほどなくして、スピーカーから社歌のようなものが流れる。

東洋動画社長の大杉が、側近連れて現れる。

「日本ではじめて挑んだ長編映画、白蛇姫が、この7月に公開され、大ヒットを記録してます! 株主に首をきられずにすみます!」と喜びながら話す大杉。

「ここは、若い女の子もたくさんいていいね!お母さんになったら、漫画映画やってたと話ができますね! 」と、ふと目をやると、なつと目が合う大杉。

なんだこいつは、という顔で大杉をみるなつ。

中庭。

大杉の発言に対して憤るなつ。

女は結婚してやめる前提で話しやがって!と。

夜。

「なつは、いま、幸せでした。仕事に悩めば悩むほど、それを実感してるようでした。」

キャラクターを考えてるなつ。

「なつの鉛筆はいま、何を書いても、なつの夢を表現するような、そんなときでした」

いい感じだ、 なつ!

すると、赤い風車に、ノブさん。

ちはるの住所が、検討ついた、と。

千葉の、船橋にいた、と。

ちはるを引き取った川谷トシと結婚した川谷コウイチのゆくえを追い、見つかった。

「それらしき女の子はいたが、遠くからみて、ちはるかどうかは、わからなかった。5歳の時以来だし」とノブさん。

「みにいこう、お兄ちゃん」となつ。

「よし、すぐいこう」と咲太郎。

船橋の住所を渡すノブさん。

「お盆、お盆にしよう。」となつ。

8/15に、会いにいこう。

終戦記念日だ。

「ちはる、覚えてるかな」となつ。

「覚えてるよ、あんなに辛い日々だった」咲太郎。

「でも、辛いことばかりじゃなくて、楽しいことも、あったよな」とノブさん。

あの日々が思い出される。

「よし、8/15、会いにいこう」と咲太郎。

「8/15、今年もその日はやってきました。」

朝、服をあやみさんに選んでもらうなつ

「どれを着てけばいいか! 派手過ぎてもちはるに警戒される」と、バカっぽく見えないか!気にするなつ。

「バカっぽく。これ、全部私の服だけど!」とあやみさん

「あ、あくまで妹の視点から!」

そして、ついに船橋まで会いに行くなつと咲太郎。

足の悪い男の人、おそらく川谷コウイチと一緒に、それらしき女の人が現れる。

「ちはる?」

と声をかけるなつ。

時間がとまる。

「ああ、なつよ。あわてず。気を落ち着けて、来週に続けよ。」

★ 感想

アニメーターへの再試験を受け、晴れてアニメーターの部署に入ることができたなつ! 新しい長編映画、わんぱく牛若丸、も決まり、仕事は忙しいながらもやりがいを増し増し。

一方で、妹のちはるの居所の手がかりがノブさんから伝えられる。なんだか、不穏な余韻を残す、今週の最後のシーンが気になるところだ。

亀山蘭子と山寺宏一がやったアフレコにシーン、川村屋での名犬チンチンリー、新劇の芝居をみて、すっかり感化されて舞台論をまくしたてる雪次郎。今週も見所満載であった。

渡辺麻友演じる三村 茜の今後のなつとの絡みにも期待。

次週、「なつよ、千遥のためにつくれ!」

なつぞら、いまからでも遅くない。観よう。

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録あらすじ —第1週 「なつよ、ここが十勝だ!」

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ セリフ書き起こし 第2週 「なつよ、夢の扉を開け!」

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ セリフ書き起こし第3週「なつよ、これが青春だ!

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第4週「なつよ、女優になれ!」

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第5週「なつよ、お兄ちゃんはどこに!」

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第6週「なつよ、雪原に愛を叫べ」

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第7週「なつよ、今が決断の時!」

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第8週「なつよ、東京に気をつけろ!」

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第9週「なつよ、夢をあきらめるな」

 

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第10週 「なつよ、絵に命を与えよ」

ついに、2019年の春、100作目を迎えたという、公共放送の朝ドラ。

その記念すべき作品は、なんと広瀬すずが主演で、加えて、北海道の十勝が舞台!

アニメーター、奥原なつの人生を描くという。

それは特別だ、という事で、2019年4月1日からはじまったこの、「なつぞら」

追いかけていきたい!

今週は、第10週 「なつよ、絵に命を与えよ」第55話から60話までのまとめだ!

●第10週 「なつよ、絵に命を与えよ」

◆第55話

「昭和31年(1956年)、10月。上京して、半年あまり。なつは、念願の東洋動画に就職しました。多少の不安はありましたが、それよりもなによりも今、夢に見た世界が広がっていたのです」とウッチャンナレーション。

そさて流れる、優しいあの子!
異国の地でも安らぐ音楽。
暗い道を歩いたその先に、知らなかった世界があるのだ。

月曜は、

“口にするたびに泣けるほど
憧れて砕かれて
消えかけた火を胸に抱き
たどり着いたコタン”

という部分が長い。

今週の演出は、渡辺 哲也

他の新入社員と一緒に、仕上課の職場案内を受けているなつ。

黄色と赤の服装がグッド。

「仕上げというのは、作画のひとが描いた絵を透明なセルロイドに書き写し、色を塗って、セル画というものに仕上げることで」、と汗かきの男に説明受ける新入社員たち。

書き写すことは、トレース。
色を塗ることは、彩色。

この二つが仕上げの仕事。

これからますます、猫の手も借りたくなるほど忙しくなるという仕上げ。

そして、仕上課の先輩女性社員、石井富子。
演じるのは、梅舟惟永(うめふね ありえい)。

「大先輩といっても、私はまだ30歳です。ここで働く人たちはみんな若いです。本格的に、総天然色の映画を作るのは、日本でここがはじめてなんです。ちなみに世界では、漫画映画を、アニメーション、と呼んでいます。アニメーションに欠かせないのは、セル画です。映画館で観客が見るのは、このセル画の絵なのですから。みなさんはこれをつくる仕事をするのです、いいですね!」

と仕事の説明をかます富子先輩。

まずは、彩色をやってもらいます、と、いま制作している映画、白蛇姫のセル画を見せられる。

ひとつの映画に、数万枚のセル画を書かなければならない。漫画映画は、気の遠くなるような作業だという。

そして、同じ課の先輩たちにあいさつ回りをするなつ。

となりの席は、モリタ モモヨ。

まずはこのカットをお願いします、と仕事が与えられるなつ。

素手で作画をとり出そうとするなつに対し、

「ダメよ、手袋をして、指紋がついちゃうから」と指摘するモリタ モモヨ。演じるのは、伊原六花。

作画には、二足歩行のパンダかクマのようなキャラクターが。

作画をパラパラとして、

「なまらかわいい」とつぶやくなつ。

「なまら?!なにしてるの? 」といぶかしがるモリタ モモヨ

「すごいです。こんな絵、わたしにはかけません」と興奮した様子のなつ。

その作画担当者、確認してみると、仲さん。
仲さんの描いた作画だった。

そして、作画に色をつけようとするなつだが、

これが映画館に写されるのかと思うと、緊張して色がなかなか塗れない。

「はみ出しても消せるから大丈夫よ」とモリタ モモヨ。

「いかった。失敗しても大丈夫なんですね。」

「大丈夫じゃないけど。すぐになれるわよ。」

「先輩は、もう何年もやってるんですか?」

「半年。今年の四月から。わたし、19歳よ。」

なんと。なつと同い年だった!

「慣れたら、モモッチ、って呼んで」とモリタモモヨ。

モモッチ先輩。

「あなたは?」

「なっちゃん、と呼ばれることが多いですね」

「あのねなっちゃん、慣れてきたら、なるべく手を動かしながらやりましょう」

そこへ、富子先輩見に来る

「なかなかいい感じだけど、遅い!」と一喝!

パンダに色を塗りながら、

「この動物、なんなんですかね」となつ。
パンダというものは、まだ日本で認知されてなかった時代だ。

昼休みの合図。

なつは1枚。
モモッチ先輩は10枚も仕上げた。

「なつはお昼休みに、食事をとるのも忘れて、絵コンテを見ていました。絵コンテとは、映像の構図や、カメラの動きなどが書き込まれたものなのです。」ウッチャンナレーション。

絵コンテをまじまじとみていると、仲さんと陽平さんが登場。

「ようこそ、アニメーションの世界に。」と仲さん。

絵コンテを夢中でみていたなつに対し、

「作品のこと知りたければ、こっちも見に来なよ」と仲さん。

「なつは、自分の仕事が終わると、すぐに仲さんたちの部屋へ向かいました。そこは、作画課と呼ばれる、アニメーターたちの仕事場でした。」とウッチャンナレーション。

目を輝かせながら作画課を眺めるなつ。

あれ、君! となつに声をかけるのは、下山さん。元警察官の下山さん。

6週目に初登場していた下山さん。

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第6週「なつよ、雪原に愛を叫べ」

なつが浮かれていると、作画課の女の人にぶつかる。

「なつよ、まぁ、あまり浮かれずに、頑張りなさい。」

◆第 56 話

「やっぱりすごいです、こんな絵、こんな動き、わたしにはかけません」といいながら二足歩行のパンダに色を塗るなつ。

「ようこそ、アニメーションの世界へ。こっちの職場もみにおいでよ」と仲さん。

彩色の仕事に慣れたなつは、仕事終わりに、アニメーターの職場を訪問。

「パンダ、って動物、なまらかわいいです」となつ。

本物は見たことないが、絵がかわいい、と。

「描いてみなよ」と仲さん。

書き損じの紙をもらうなつ。

これで練習だ!

そしてかまされる、優しいあの子!

下山さんが描いている絵をみつめているなつ。

「これは動画ですか?」

「これは、原画に近いものだね。ラフな原画をできるだけきれいなものにしてから、動画を描く人に渡すんだ」と下山さん。

動画を実際に描いてる、アニメーターは、仲さん、井戸原さんの二人だけ。

「アニメーションというのは、まず、二枚以上の原画が描かれ、その原画と原画の動きをつなぐ動画が、何枚か書かれて、ひとつのカットになります。1万枚以上にもなる原画を、たった二人で描くというのは、大変なことであります。」とウッチャンが説明。

ということで、下山さんをはじめとし、原画セカンド、という、原画描きのサポートをする要員がいるわけだ。

下山さんとなつが話してると、オフィスの隅で、なにやら口論してるのが聞こえる。

怒っているのは、下山さんと同じ原画セカンドの、大沢 麻子。演じるのは、貫地谷しほり。

「これじゃなんにも伝わってこないんです!」と大沢麻子。

「それは、原画の問題なんじゃないの?! 原画をこっちで直しちゃいけないのに、文句言われても、納得いかないよ!」と、いい詰められている男。

「その原画のキャラクターを捉えきれてないような気がするんです。わかんない? とにかくもう一度考えてみて。お願いします。」と言い放ち、立ち去る、大沢まこ。

目を皿のようにしてそのやりとりの様子を眺めているなつ。

そして、場面は赤い風車。

初出勤日を終えたなつが帰宅。

客として来てる、なにやら噺家のような男。

なつ、奥の部屋に入り、用意されていた夕飯をむしゃる。

そして風呂にはいり寝巻きに着替えた後、昼間手に入れた、書き損じの原画を取り出す。

「なつは早速、作画課で拾った絵を書き写し、その技術を学ぼうとしました。」とウッチャンナレーション。

夜も更け、赤い風車も店を閉める。

なつは、作画の書き写しをしている最中に寝てしまっていた。

ノートには、大量の二足歩行のパンダの絵が。

翌朝。

なつは、また、あやみさんに黄色のナイスなカラーの服を着させられている。

広瀬すずとブライトなカラーの服装がグッドコンビネーション!

出勤し、もくもくと仕上げに取り組むなつ。

隣の席のモモッチが、新宿に住んでるの?!と驚く

「はい、居候ですけど」となつ。

「それじゃ、毎日遊びに帰ってるようなものじゃない」

「遊んでませんよ」

「そんなおしゃれして?」

「これは、たまたま、おさがりなんです!」

「生まれたのも新宿?」

「生まれたのは日本橋のほうです。それから、北海道で育ちました。」

「北海道?」

「戦争で、両親を亡くしたんです。それで、北海道の知り合いの家に引き取られたんです。」

「苦労したんだ。」

「それが、全然、苦労はしてなくて。北海道が快適すぎました」

「ここではたくましいほうよ、きっと。ここは割と、お嬢さんが揃ってるからね。まるで会社が、いい花嫁になりそうな人を選んで集めてるみたい。」

「どうしてですか?」

「そのほうが面倒ないでしょ。いくら給金が安くても、お金に困らない花嫁修行中のお嬢さんなら、文句言われないでしょ。」

「モモッチさんもですか?」

「わたしは違うわよ。お金には困ってるもん。でも実際、みんな遊びに来てるようなとこはあるかもね、」

と、なつとモモッチでやり取り。

奥の方で、談笑している男女が見える。

「なつは、時間さえあれば、絵コンテを見返して、白蛇姫の世界を想像しました。 」とウッチャンナレーション。

派手な服装だが、結婚相手探しで浮かれてる輩とは違い、ひたむきに努力を重ねるなつ。

「白蛇姫は、中国の古いお話。許仙という若者は、古琴を弾きながら、子分のパンダと楽しく暮らしていた。ある日、許仙は市場で見世物にされていた蛇をかわいそうに思い、それを買って、逃がしてやる。その時、許仙に恋をした白蛇は、嵐の夜に、美しい人間の娘、パイニャン(白娘)に変身する。そして二人は、深く恋に落ちる。ところが、パイニャンが化け物とした法海という偉い人がいて、兵隊をふたりにさし向ける。許仙だけが捕らえられてしまい、パイニャンは嘆き悲しみ、許仙に会いたい一心で、追っていこうとする。パイニャンの恋は、報われない悲劇なのか。」

と、シナリオを読み、ひとりごちるなつ。

「原画を描いてる下山さんのところに行き、パイニャンの恋って報われないんですよね」とコメント。

「よく勉強してるね」と下山さん。

なつの着ている服装の派手さが、より一層拍車がかかっていて眼福。

「わたしも描いてみたいな」となつがつぶやくと

「ゴミ箱から拾って、先輩の絵を模写して、自分なりに描いてみるといいよ」とアドバイス。

なつがゴミ箱を漁っていると、じっと睨みつける視線が。

大沢 麻子さんだ。

なつを睨みつけた後、スタスタ歩くと、大沢麻子さん、仲間の原画セカンドの人に、また書き直しを要求。

なにがダメなんだ、原画と同じように描いてるつもりだ、と反論する相手に対して

「だからダメなんじゃないですか。表情変えずに泣き崩れたってなにも伝わってこないんです。動画はただのつなぎじゃないでしょ。やってて面白いの? もういい、ここは私がやる」と、散々責めて、自分でやる、と去っていってしまう。

アサルト型アニメーター、大沢マコ様。

その原画は、ゴミ箱へ。

それを拾うなつ。

中庭に行き、それをじっくり見ようとすると、草葉の陰から大沢さんあらわれ、

「なんなのあなた? ここになにしにきてるの? 結婚相手でも探しにきてるの?」と詰め寄る

え?、とびっくりするなつ。

「そんなおしゃればっかり気に使って」

「あ、これは」

「それしか考えてないんでしょ。会社の男はみんな自分のものみたいな顔しちゃって。将来の旦那に出会いたいって気持ちがにじみ出てるのよその顔から 」と大沢さん。

「はぁ?」

「男探しにきてるなら、目障りだから、私の前うろちょろしないでちょうだい」

あまりのことに、言葉がでないなつ。

「なつよ、それは初めて味わう、なんというか会社の、人間関係?」とウッチャンナレーション。

◆ 第57話

「なんなのあなた、男探しに来てるなら、目障りだから、私の前うろちょろしないでちょうだい」と大沢さんに言われるなつ。

そしてかまされる、優しいあの子!
前向きな気持ちになれる名曲だ。

仕事おわり、プンプン怒りながら、赤い風車に帰ってくるなつ。

プンプン怒っていると、トイレからリリーフランキー演じる茂木が登場。

色気にまつわる悩みの相談なら、リリーフランキーで間違いない。

「男が美人に接するときに冷たくかんじるのは、自分がどう思われているのかって気にし過ぎてるからなんだ」と茂木。

「私の相手は男でないし、私は美人でもありません」となつ

美人ではない、は無理があるぞ!

「相手は女か。自分が男からどう思われてるか、君を通して、気になっている。つまり、自分が誤解されてやいないか怯えてるんだな。それと、君が美人じゃないなんて、それこそが誤解だよ!」と茂木。

よくぞ言ってくれた!

「あの子くどいたら、この店出入り禁止!」とあやみさん。

自分の部屋に戻るなつ。

ゴミ箱から拾い上げた、大沢さんがボツにした原画をペラペラめくって眺める。

この絵にはなにが足りないのだろう、と考え込む。

「許仙を追って、やってきたパイニャンは塔に隠れ、許仙を呼び寄せる。そして許仙は、塔に向かう。しかし、またしても法海が立ちはだかる。パイニャンと法海は魔術を駆使して激しく戦う。その果てに、パイニャンは負けてしまう。力尽きたパイニャンは、自分の身体が半分、蛇に戻りかけていることを知る。」

と、ストーリーを心の中で読み上げるなつ。

それを踏まえ、パイニャンの泣く顔を描いていくなつ。

人は、どうして泣くのだろう。

そんな根源的なことに思いを馳せるなつ。

なにかを失って、悲しいから。
なにかを守ろうと、必死になるから。
誰かを大事に思って、胸が張り裂けそうになるから。

どんどん描いていくなつ。

ご飯を食べる時間も忘れて、深夜まで描き続ける。

咲太郎、おにぎりとおでんを持ってやってくる。

おにぎりをむしゃるなつ。

「ほどほどにして、早く寝ろよ」と咲太郎。

咲太郎出て行った後も、おにぎりをむしゃりながら絵を描くなつ。

翌朝。

「派手な服、おしゃれな服は、誤解されるから着ない」となつ。

男の目を気にしてる、と言われると。

「それを認めんの? 」とあやみさん。

そう言われると、認めたくないなつ。

結局、派手なおしゃれな服を着ていくことに。

派手でおしゃれな服を着ることで、着続けることで、闘う。

いいね!!

出勤し、昼休みもご飯を食べず、作画描く練習したり、絵コンテをみて過ごすなつ。

そんな様子を見かねて、石井富子が、ちゃんと食べなければダメよ、と注意。

へい、パン買ってきます、とへこへこ買いに行くなつ。

「服に気を使う時間はあるのに」と石井富子がボソッというと、なつ、振り返り、

「あの、石井さん。私の服装ってダメですか?」

「え? いいんじゃない、そういう変わった子がいても」

「え!? か、か、変わってるんですかこれ!?」

ビビッドな反応がナイス!

「自分は変わってって主張してるんじゃないの、それ?いいのよ。絵を描く人間なんてそういうのいっぱいいるんだから。」

とやりとり。

中庭。

パンを買ってきたなつ、下山さんをみつけて声をかける。

ひたすら、楽しそうに、近くにいる人をデッサンしている下山さん。

「あの、下山さんにとって、大沢さんってこわいですか?」

「大沢って、…あぁ、うちのマコちゃん。怖くないよ、ちっとも。熱心なだけで。彼女はとにかく優秀だからね。美大を出て、うちに入社して、すぐ仲さんと井戸さんに認められて、セカンドに抜擢されたんだ。その能力を知らない人からしたら、怖く見えるのかもしれないけどね。例えば、大沢さんにいつも怒られている、堀内くん。堀内くんは芸大で油絵を描いていた秀才だが、いまいち大沢さんの言っていることがわからない。まこちゃんは、アニメーションにとって大切なものを、感覚としてわかっているんだ。」

「なんですか?」

「それは、命を吹き込むことだよアニメーションは、ラテン語で魂を意味する、アニマ、という言葉から来てるんだ。動かないものに魂をいれて動かす、つまり、命を、与えるってことなんだ。 」

本気で命をふきこもうとすれば、悩まないアニメーターなどいない。

一方、なつの机の上においてあったパイニャンの泣くところの動画を、大沢さんが見つける。 何の気なしにパラパラしてみてみると、大沢さんの顔色が変わる。む!これは!

「なつよ、なんか、みられてるぞ。そんな美味しそうにパンを食べてていいのか、なつ。」とウッチャンナレーション。

◆第58話

昼休み、なつが机に置いておいたパイニャンの泣く動画をパラパラめくって眺め、顔色が変わる、貫地谷しほり演じる大沢まこ様。

中庭からオフィスにもどるなつ。

机にあった動画がなくなってる。

大沢まこ様がもっていった模様。

モモッチ曰く大事なラフだ、と言って持って行ったとか。

そして流れる、優しいあの子!
いい曲です。

パイニャンの泣く動画を、アニメーターの井戸原さんに見せている大沢まこ様。

なつがゴミ箱から拾って、模写したものを、堀内くんが描いたものと勘違いしている様子。

「なぜか仕上の子が拾ってたけど、堀内くん、これいいと思う」と大沢まこ様。

そんな中、なつが作画のオフィスへ入ってくる。

引き続き、本当はなつが描いたのだが、堀内くんが描いたものと思い込み、パイニャンの泣く動画を絶賛する大沢まこ様。

中割りの絵の、感情表現が素晴らしい、と。

ただのきれいな中割りではなく、感情表現をいれなければいけない。わかってる、さすが、堀内くん!と絶賛を続けるも、

「これは僕が描いたものではないです」と堀内くん。

「僕は、ラフ画でもこんな稚拙な絵は描かないよ! こんな絵を描いたと思われたら、心外だよ!」と堀内くん。

「じゃあ、誰が描いたの?」

そこで、やっとなつが声を発する。

「あの、すいません、それは私が描きました。」

目を皿のように見開き驚く大沢まこ様。

仲さんと下山くん、嬉しそうにその動画をチェックする。

「井戸原さん、彼女はいま仕上げにいるけど、本当はアニメーター志望なんですよ」と伝える仲さん。

「いや、原画を描いた僕にもなかった発想がある」と絶賛する井戸原さん。

「どうして描いたの?」と大沢まこ様。

「すいません、人にみせるつもりで描いたんじゃないんです。勉強のために、勝手に拾って描きました。絵を見てるうちに、そうしてみたくなったんです。」

「だから、どうしてそうしてみたくなったの?」

「どうして…パイニャンの気持ちになっているうちに、そうなったんです。私高校の演劇部で偶然、白蛇の化身を演じたことがあるんです。その時に、自分の経験から想像して、自分の魂を動かして演じなければいけない、と、先生から教わったんです。だから、その顔は…自分はただ、許仙が好きなだけなのに、それを周りからどうして悪く思われなきゃいけないのか、そういう、怒りが自然と湧いてきたんです。パイニャンは、許仙が好きなだけですよね? ほんとは誰も傷つけたくはないし….」

「もうわかったわよ!勝手に勉強してたってことでしょ…」となつの言葉を遮るように言い放つ大沢まこ様。

そこで、

「ガハハハ! 堀内くん。君も正直でよろしい。君の絵も、純粋な絵だと僕は思ってるんだよ。発想の仕方ひとつで、いくらでも変わる。技術はあるんだから。この絵は、いまの君とは正反対だ。これを、君のきれいな線でクリンナップさせてくれないか。動画として、完成させてほしい。」

と、井戸原さん。

いいよね?となつにニンマリする井戸原さん。

うまくまとめたぞ、井戸原さん!

おさまったところで、「なっちゃん。いまは、仕上に戻りなさい。いまは仕上が、君の大事な仕事だからね」と仲さん。

なんとも言えない表情の大沢まこ様。

仕上課にもどるなつ。

石井富子先輩に喝を入れられる。

彩色に集中しなさい!と。

デスクに戻るなつ。

「ただの塗り絵かと思ってたけど、そうじゃないのよね、それも」と隣のモモッチがぼそり。

なつをみて、ちゃんと漫画映画を学びたくなってきた、とモモッチ。

なにせ、なつが楽しそうだから。

子どもの頃から、絵をみるのも描くのも好きだったというモモッチ。

楽しさに限りはない、どんなことでも、ただ、それを自分が求めるかどうかの違いで。

一方、第一製作課長/演出家の、露木 重彦にパイニャンの泣く動画をみせている仲さんと井戸原さん。

演出家、原画の描いてないものを、動画で勝手に付け足すのは、どうなんだろうね、とあまりいい反応ではない露木。嫌な感じの野郎だ。

「しかし、原画が二人の体制のなかでは、動画の人のアイディアも助かる」と仲さん。

「しかし、仕上げに入った子をこうすぐに作画に移すのは、ね」と渋る、東洋動画スタジオ所長の山川周三郎。

「もともと彼女は、アニメーターの試験で受かるはずだったんですよ」と仲さん。

なつのラフ画の下手さを指摘する露木。

「しかし、絵の上手い下手なんてすぐにどうにかなる、それよりもセンスだ」仲さん。

「仲さんがそこまで言うなら、もう一回試験を受けさせてみようか」と露木

そして、その昼。

仲さん、なつをランチに呼び、「社内での試験でもし君がそれに受かったら、アニメーターにする。どうする、」と持ちかける。

やります! と、食べていたオムライスのケチャップが口についているのも拭かずに答えるなつ。

「なつよ、まずは口をふけ」

◆ 第59話

口にケチャップをつけたまま、もう一回アニメーターの試験を受けることについての説明を聞くなつ。試験はひと月後だ。

ずっとケチャップふかない!

「よかったな、なつ。まずは口をふけ。」とウッチャンナレーション。

そして流れる、優しいあの子!
じめっとした6月にも響くいい曲。

赤い風車になつが帰ると、そこには雪次郎が。

試験をもう一回受けることができるチャンスを得た話をする。

「チャンスか。なっちゃんが羨ましい。俺は一人息子だ。跡取りだべ。いつか帰るしかないもんね」

と雪次郎。

そして、咲太郎帰ってくる。

「雪次郎、いいところに来た。来年の春公演のポスターができたんだ」

人形の家のポスターが映る。

「人形の家!イプセンの名作ですよね!初演が明治なんですよね!」と興奮する雪次郎。

「人形の家って、小さい家?」となつ

「そういう意味じゃないよ!芝居の大きなテーマなんだ!」と雪次郎

俺、絶対みにいきます!と大興奮。

「チケットはまかせろ!30枚は売らせてやる!」

「え!」

とやりとり。

「それから、なつは試験に向けて、寝る間を惜しんで勉強しました。」

気合いの入った威嚇的な顔で絵を描きまくるなつ。

気合いの余波か、彩色の仕事も上達。

試験の教材集めにも余念なし。ゴミ箱から書き損じの原画を拾いまくる。

そんな熱心なつを遠目でみる、大沢まこ様。

昼休み。中庭。

なつのところへ来る大沢まこ様。

「アニメーターになりたかったのね。早く言ってよ、恥かいたじゃない。」

「え」

「あなたに、恥ずかしいこといったでしょ、男の人に会いたい気持ちがにじみ出てるとか」

「けど、私のパイニャンにも、同じこと言ってくれました。にじみ出てるって。嬉しかったです。」

「…そんなお洒落な格好してるからいけないのよ」

「マコさんだってお洒落ですよ!」

「あなたのお洒落と一緒にしないで」

「美大出てるんですもんね。十勝農業高校とは違いますよね」

思わず笑い出すまこ様。

「ふふ、自慢してるみたい。あなた、自分が田舎者だってことに自信持ってるでしょ」

「どんな自信ですかそれ!」

「うちの試験受けるんだって?」

「まこさんのおかげです」

「あの絵で。あなたには無理よ。」

歩み寄ってきたと思ったら、突き放す!

侮れない、大沢まこ様。

そこへ、陽平さんが。
なんと、天陽くんが絵で賞をもらったとか!

場面は北海道。

久々の登場、天陽くん。第29回十勝美術展でスピーチしている。

「山田天陽です。ぼくは絵を描きながら畑を耕し、じゃがいもを作ったり蕎麦を作ったりしています。牛飼いもして、牛乳を売っています。今日も、早く帰って搾乳をしなくちゃいけません。(会場に笑い) えー、生きるために、必要なことをやっています。絵を描くことと同じです。畑でつくる作物や牛乳は、その時々で値段が違います。それを受け入れなくちゃいけません。でも、ぼくの絵だけは、なんも変わらないつもりです。これからも、社会の価値観とは全く関係ない、ただの絵を、描いていきたいと思っています。本日はありがとうございました。」

会場にあたたかい拍手。

そして、天陽くんへの手紙をしたためるなつ。

「天陽くん、おめでとう。私もとてもうれしいです。やっぱり受賞したのは馬の絵だと聞きました。天陽くんがベニヤに描いた馬の絵、それはいまでも、私にとっての大きな憧れ、大きな目標になっています。」

北海道。
山田家の食卓。

天陽くん、なつからの手紙を渡されるも、後から読む、と床に置く。

なつのことは待たずに、結婚相手を見つけろ、というような話をされる。家族をつくれ、と。

複雑な表情になる天陽くん。

部屋にはまだ、なつの姿をデッサンしたものが飾ってある。

手紙を読み、返事を書く天陽くん。

「なっちゃん、ありがとう。こっちではもう初雪が降って、畑が真っ白になり、絵を描く時間もふえました。人に認めてもらうために描いてるわけではないけれど、人から認められることは、やっぱり大きな喜びですね。」

それに対してなつの返事。

「私の描く絵は、人から認めてもらわなければなんの価値もありません。だけどそれは、おいしい牛乳を飲んでもらいたいという気持ちと少しも変わらない気がします。単純すぎるのかな。」

それに対して、天陽くんの返事。

「俺も単純に、好きな絵を描きたいと思ってるだけだよ。なっちゃん、だけど、それは世の中で一番難しいことかもしれない。泰樹さんのように、ただ荒地を切り開くために、俺はベニヤに向かいたいと思っている。なっちゃんも、試験頑張って。」

そして、アニメーターの部署にいくための試験の日を迎える。

アニメーター能力審査試験
9:00-17:00
石運びの原画の続き 15枚以上

という内容。

試験受ける人の中で、なつだけ明らかに派手。

北海道で絵を描く天陽くんと、試験を受けるなつが、交互に映し出される。

もくもくと描き続けるなつ。

「なつよ、頑張れ、だけど、丁寧にな。」と応援ウッチャンナレーション。

◆第 60 話

「昭和31年の暮れ。仕上げ課にいるなつは、特別に、アニメーターになるための試験を受けさせてもらえることになりました。」とウッチャンナレーション。

もくもくと、絵を描いているなつ。

そして流れる、優しいあの子!
三村 茜、渡辺麻友とクレジット。

試験終了。

退室して行くみなみな。

しかし、ひとり残って、なつに話しかける三村 茜。 あなた、すごいのね、よくこんなに書けたわ、と。演じるのは渡辺麻友。

試験後。東洋動画スタジオ、所長室。

仲さん、なつを推す。

描いた枚数はダントツの一番のなつ。15枚でいいところを、30枚も描いている。

しかし、ラフの状態のものがほとんど。クリンナップしたものに関しては、13枚。

「この歪んだ線を、クリンナップと呼べるのかな」と露木さん。

「そういう基礎を、彼女は学んでないんですよ。全て、独学なんです。」と仲さん。

「それじゃ勘じゃないかよ」と露木さん。

「そこなんです!その、勘、が、彼女には備わってるんです!」と仲さん。

夜、なつの部屋。

「なつはその晩、悔しそうに、絵の清書を練習していました。」

翌日。

「結論から言うと、不合格」と仲さんがなつに伝える。

それを聞いて、どこか、納得した様子もあるなつ。

悔しいが、実力。

「どうして、動画をこんなにたくさん描いたんだい」と井戸原さん。

「みたらイメージがわいてきて、どうしても描きたくなったんです。でもだめです。自分の描きたいものに自分の手がついていかないんです。それがもどかしくて。自分が下手なんだ、ってよくわかりました。それが悔しくて。今の自分はまだ、おいしい牛乳は絞れないんだってよくわかりました。」となつ。

え、なぜ牛乳?となる仲さんと井戸原さん

たとえがいまいち伝わらなかった。

とりあえず、動画の勉強は続ける、というなつ。

表現を志すものがぶち当たる壁。
描きたいのに、嗚呼、力が足りない。

退室し、オフィスに目をやると、三村茜が大沢まこ様の指導を受けている。

受かっていたんだ、三村は。

ああ、悔しさ! なつ、頑張れ!

一方、北海道。

阿川弥一郎の木彫り熊の小屋を訪れる天陽くん。牛乳持ってきている。

そこへ、戸村キクスケも現れる。

バター届けに来たんだ、と。テルオが作ったバターだ、と。

そして、わざとらしく、あれ!てんようくん!なんでここに?!まさか、サラさんが好きなんでねぇの? と畳み掛ける。

まさかの、北乃きい演じるサラさんをめぐり、天陽くんとテルオの対決か?!

なんとも言えず猿芝居のようなものが繰り広げられる。

「テルオの気持ちはわかってるよな、さっちゃん」とキクスケ。

そこで、扉をドンドンとノックする音。

熊だ!!

いや、テルオだった!

満を持して、テルオ登場。

そして

「サラさん、好きです、結婚してください。お願いします!」

まさかの!プロポーズ!

「牛飼いの家に、来てください。食べることだけは一生困らせない。おいしい人生を約束します。俺と一緒に生きてください。」

「どうする、撃つか」と銃を構える阿川弥一郎。

「撃たなくていい。撃つ時は自分で撃つから。」とサラさん。

固唾を飲んでその次の言葉を待つテルオ。

「….嫁入り道具にもそれ頂戴。」と父の弥一郎に、銃を嫁入り道具にくれと言い。

そして、ニンマリし

「ほんとに、ここまで馬鹿だとは思わんかったわ」と嬉しそうに言うサラさん。

「サラさんは、馬鹿な芝居に付き合ってくれたのかな。テルオさんの思いを、しっかり受け取ってくれました。」となつへの手紙に書く天陽くん。

それに対して、なつの返事。

「天陽くん、元気ですか。テルオにいちゃんとサラさんのこと、心から嬉しいです。馬鹿なことを考えたキクスケさんと天陽くんにも心から、ありがとうと言いたいです。お正月は、新宿の花園神社に初詣をしました。天陽くんのことも、祈っておきました。」

気づけば、年明けたのか!

「いまは毎日、仕上の仕事、彩色に打ち込んでいます。それも、まだまだ未熟です。」

オフィスで、これ、色パカがあった、と指摘されているなつ。

「とうぶん、北海道には帰れません。帰りません。じいちゃんや、天陽くんや、私を応援して、見送りしてくれたみんなに、送り出してよかったと胸を張って、いまの自分を感じてもらうまでは。わたしはここで、おいしい牛乳を搾れるように、自分を育てていきたいと思います。十勝に帰りたい。みんなに会いたい。だけど、いまは、振り返りません。私はここで、生きていきます。」

天陽くん、なつの手紙を読み終える。

そして、だまって絵を描く。

赤いペンキで、なつを描いたものと思われるその絵の顔の部分消し、全体消していく。

天陽くんの割り切れない気持ち。その切なさ。

涙を堪えきれず流す天陽くん。

うぉおお

「なつよ、力をつけよ。来週に、続けよ。」

次週、なつよ、アニメーターは君だ!!!

★感想

貫地谷しほり演じる大沢まこ様の厳しい言葉を受けながらも、ひたむきに頑張り続けるなつ。その地道さ、アニメへの熱い気持ちにグッとくる。一方で、北海道の天陽くんの、遠い東京のなつを思いながら制作に励む切なさに胸がしめつけられた今週。テルオのサラさんへのプロポーズのくだりも見どころだ!

なつぞら、いまからでも追いつけるぞ。

観よう。

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録あらすじ —第1週 「なつよ、ここが十勝だ!」

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ セリフ書き起こし 第2週 「なつよ、夢の扉を開け!」

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ セリフ書き起こし第3週「なつよ、これが青春だ!

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第4週「なつよ、女優になれ!」

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第5週「なつよ、お兄ちゃんはどこに!」

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第6週「なつよ、雪原に愛を叫べ」

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第7週「なつよ、今が決断の時!」

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第8週「なつよ、東京に気をつけろ!」

広瀬すずが主演で十勝がフィーチャーされた新時代の朝ドラ「なつぞら」視聴の記録 あらすじ第9週「なつよ、夢をあきらめるな」