1【butaji – トーチ】
折坂悠太との共作という事で2つのVerが存在し、
リリースのタイミングも同時ということで
彼らの間での特別の曲なのだろうかという思いが湧いてくる。
自分がこの曲に最も惹かれたのは歌詞に「お前」「私」がある事
何となく今まで聞いてきた歌詞はお前なら一人称は「俺」になってた気が
したからだ。「あなた、僕」「彼、彼女」人間を指しているが
butajiは何を「お前」と言い
何を「私」と捉えているのか
そんな事を考えてると曲は終盤唐突に16ビートに加速しカタルシスは最高潮に達する
2【LEX – MUSIC】
Mary Joy Recordingsから発表されたアルバム「LOGIC」のラストを飾る曲
まだ10代のラッパーであるLEXの魅力を特に感じたのは歌唱法と歌詞で、この2つの
最高点を叩き出してるのがこの曲だと思う(Soundcloudにアップされてる曲も必聴)
成功に向かってすでに走り出してる事に迷ってるかのような思いをストレートに歌い
独特の歌唱法で自分にスタイルを完全にものにしている
これからが楽しみなラッパーの一人だ
3【土岐麻子 – Rendez-vous in ’58 (sings with バカリズム)】
EPO作曲で「俺たちひょうきん族」のオマージュである本作は
土岐麻子とEPOの相性の良さ、そしてバカリズムというスパイスが
かなり良い味を出している
4【RUDEBWOY FACE – JAM DOWN】
長く進化していなかった日本のレゲエをネクストレベルに押し上げた記念碑的作品
ローファイなトラックにルーボイがJAMAICAで録ったコロナ禍の思いを
淡々と歌い上げている
アルバム制作は現地にいる日本人プロデューサーMEDZ MUSIC達と
「今までに無いものを」と決めて渡JAしたルーボイだったが、
ジャマイカのコロナ対策で一日遅れたら入国できなかったらしい
映像も同時に作る予定だったらしいが一日遅れた撮影クルーは入国できなかったため
より多くの時間を音楽に費やすことが出来るようになり今作が生まれたそうだ
5【Tohji, Loota & Brodinski – KUUGA】
初めてYodakaを聞いた時驚きを隠せずTwitterに殴り書きした、
見てみると同じような事をしてる人たちが何人もいた。
これは一体何だ?何がTohjiに起こってるんだ?
時間が経つと分かるが、これはLootaとBrodinskiとの共作であり
二人の影響がかなりあるのだろう、MVも正直常軌を逸している
宮沢賢治に準える人も多く、文学的とも捉えられる。
だが、何より凄いと思ったのはTohjiの発声法だ、
地獄の底から聞こえてくる助けの声にも思うし、
神の目線で疑問を投げかけてるようにも聞こえる何とも奇妙な快感がそこにはある
2021年の忘れ難い”体験”としか言いようがない
6【タケヤマカルメラ – ヘイ・ユウ・ブルース ~許せ、友よ~ (blackboard version)】
3.11の後にリリースされたShing02 & HUNGERの「革命はテレビには映らない」は
Gil Scott-HeronのRevolution Will Not Be Televisedのオマージュとしてアンセム化した
そして今回のコロナ禍では誰が?と期待していたらまさかのカンニング時代に発表した
左とん平の名曲のアップデートバージョン、
竹山自身の生活を赤裸々に歌詞に落とし込んでいる
言葉の弾丸という表現が似合うキレ芸の竹山のキャラにも合っている
この時代にしか生まれ得ない曲だと思うし、カバーセンスも見事だ
7【Otagiri – The Radiant】
ele-kingの記事で知ったOtagiri、初めて聞いた時イルリメを思い出した
だがこの人も歌唱法が独特でラップと言えるがポトリーディングとも言える
そして声質が良くリリックが耳にすごく入ってきやすい、それは中毒性の一種だ
8【桑田佳祐 – Soulコブラツイスト~魂の悶絶】
まずはメロディーが良くてかっこいい
「命懸けで今日も生きているんだよ」
桑田さんがそう言うだけで前向きに生きていける人たちがどれだけいるだろう
YouTubeのコメントを一つ、その通りだと思う
“どの年代の人が聞いても、胸に刺さる”
9【DE DE MOUSE & TANUKI & 一十三十一 – Neon Lightの夜】
10代からレゲエが好きな自分が音楽で思考が変わるほどの衝撃を受ける事は
しばらくなかったのが、2013年にSaint PepsiがリリースしたHit Vibes、
それ以前のVaporwaveにはかなり音楽感を一新された、
その後Future Funkへと流れができAmbient、New Age、現在のCity Popブームへと繋がる
そこでDE DE MOUSEが起こした行動が「現行のFuture Funkを作る」というもの
その気合いが音からかなり伝わる仕上がりになっていて、
良いものを廃れさせない音楽愛も感じられる素晴らしい楽曲である
10【FRISCO – Vocals】
これは1曲目のスピナビルとのSho’ Nuff に尽きる、スピナは去年フルアルバムを出し、
日本のレゲエバンドで最もライブをこなしているHOME GROWNに
やっと自分たちがやりたかった音楽と出会えたと言わしめた存在。
今回はタイトルが「VOCAL」であり歌に焦点を置いている。
レゲエの歌い方ではなくソウル寄りの歌唱法でCarlton & The Shoesの
Give Me Little Moreのリズムを下敷きにSly Slick & Wickedの曲をカバーしている。
改めてスピナの歌の上手さに気付かされる
11【MISIA – HELLO LOVE】
2021年の年末にリリースされたフルアルバム、
先行シングルのHiger Loveは作詞作曲が藤井風
素晴らしい愛の讃歌であり、全ての人を幸せにする曲だと思う藤井風恐るべし。
だが個人的には1曲目のWelcome Oneを推したい。
ライナーノーツにもOPに相応しい曲とあり、明るくノリの良いダンサブルナンバーだ
MISIAに歌唱法など釈迦に説法なのだが、
とにかく恐ろしく表現力が高くて何度聞いても飽きない
メロディーも最高でサルソウルレーベルDouble ExposureのEverymanを彷彿させる
12【HIROSHI WATANABE – TAKACHIHO】
デジタルリリースは2020年だがフィジカル盤は今年だったので購入
「Kagura」にやられまくった、先ずは音の良さ、イントロの大太鼓、民謡のメロディー、
3分頃のブレイクから一気に音像が開けて
古いものと新しいものの融合の瞬間が心地良すぎた
こういう事はもしかしたらテクノの特質性なのかもしれない
13【Ryoji Ikeda – superposition】
2012年から世界各地で上演を続けている池田亮司のパフォーマンス作品が
今年まとめられリリースされた。
池田と言えばクリック音、現代美術、エレクトロニカに
無理に属する事もできるような音楽を作り続けていて世界の評価が高いイメージだ
今作で久々にフルを聞いたのだが自分には最近あまり出会えてない
素晴らしいDeep Houseのように聞こえて興奮した
特に「scene 3 | part 3–6」を聞いてみてほしい
14【Reggae Disco Rockers – The Whistle Song EP】
自分はダンスミュージックで最も好きな曲の1つが
フランキーナックルズのホイッスルソングだ
この曲は気分を上げたい時、リラックスしたい時、寂しい時、
いつも寄り添ってくれた大事な曲で彼の訃報を聞いた時はショックだった。
それが今年Reggae Disco Rockersがカバーすると聞いてすごく喜んだ、
聴く前から良いのが分かっているというのは気分が良くなる。
全年齢、全方位対応のレートは五つ星間違いなし
15【PSG & Original Love – I WISH / 愛してます】
オリジナルラブの楽曲カバー集より
元々2010年にPSGとしてアルバムをリリースし
そこでI Wishをサンプリングしてた曲があった
田島貴男の歌が入ってくるまではほぼ原曲通りの構成だが
そこからの展開に目を見開いた
PSGのアルバム「DAVID」はほぼPUNPEEのソロ作品で
この曲も彼のセンスによるところだが
とうとう想像上の絵が現実になった瞬間だったんじゃないかと思う
16【V.A. – HEISEI NO OTO】
一昨年のグラミー賞ノミネート作品「KANKYO ONGAKU: JAPANESE AMBIENT ENVIRONMENTAL & NEW AGE MUSIC 1980-90」がリリースされた時は驚いた
そして今回はNew Ageのコンピである、もうこの手のジャンルは日本のお家芸だ
自国の発掘音源のコンピが海外のディガーがコンパイルする事は今までにもあり
日本のNEW WAVEやアングラロック、フォークなど様々だ
でも何故外の人が先にやってしまうのか、
悔しくないのだろうか、
俺は辛酸を舐める思いだ
17【COLDFEET – (Just) Don’t Stop The Music feat. Mika Nakashima】
J-WAVE(ラジオ局)で毎日夜中3時から5時まで放送してる
TOKYO MAAD SPINという番組がある
そこの月曜ナビゲーターがCOLDFEETのWatusiとDJのNazで、
毎回音楽家だけではなく政治家や活動家などもゲストに呼んで
ちょうどコロナに突入する時期に番組が新しくなった
Watusiは自身のキャリアと幅広い知識で
日本のクラブミュージックに関係する人達とのコネクションがすごく広く
毎回多彩な顔ぶれの滅多に聞けない話が聞ける番組だ
他の曜日(特に火曜日の高木完)も加えて素晴らしいものになっている
この曲はコロナ禍に無料DLで提供された何とも贅沢なハウスミュージックだ
18【キリンジ – crepuscular】
これはアルバムを通して聞くべきだと思う、スルメ曲がたくさん詰まってる
正直キリンジをしっかりと聞いたことが無く何となくオシャレなポップスやってるのかな
と思っていた、大体はあってるが制作がコロナ禍という事もあり歌詞にも興味が出た
1曲目「ただの風邪」から「再開」「first call」の流れは10回連続でも聴ける
注目すべきはここ最近良く目にする角銅真実氏がマリンバで参加したインスト
「ブロッコロロマネスコ」とりあえず聞いてみてはいかがでしょうか。
個人的には全体的な匂いと音像が木下美紗都の「それからの子供」に似てるなと感じる
19【どんぐりず – 4EP1 & 2】
群馬から世界を狙う若いラッパーの勢いを感じるEP
Disclosureのベースラインの気持ちよさがありそこにラップが踊るように乗っかる
2020年の「マインド魂」で知ったがそこから後追いで聴ける音源は全部聞いた
最近YouTubeの番組「オタク in tha hood」で彼らのヤサを見ることが出来る
20【アイナ・ジ・エンド – 彼と私の本棚】
元BiSHのメンバーという情報のみで聞いてみたところ歌い方にかなりやられた
この人の歌唱法も独特で自分を全て曝け出すような歌い方、でもがなるとは違う
正直アルバムはあまりにも普通で完全に名前負けしてるのだがこの曲は良かった